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六月博多座大歌舞伎

2023年6月3日(土)~2023年6月19日(月)
【休演】12日(月)

配役

昼の部(11:00開演)

一、廓三番叟(くるわさんばそう)

傾城千歳太夫:五代目 中村雀右衛門
新造松ヶ枝:四代目 中村梅枝
太鼓持藤中:九代目 坂東彦三郎

二、人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)

左官長兵衛:五代目 尾上菊之助
和泉屋清兵衛:九代目 坂東彦三郎
和泉屋手代文七:初代 中村萬太郎
家主甚八:初代 市村橘太郎
長兵衛娘お久:初代 上村吉太朗
角海老手代藤助:四代目 片岡亀蔵
角海老女房お駒:二代目 市村萬次郎
鳶頭伊兵衛:六代目 片岡愛之助
女房お兼:五代目 中村雀右衛門

三、太刀盗人(たちぬすびと)

すっぱの九郎兵衛:四代目 中村鴈治郎
目代丁字左衛門:二代目 中村亀鶴
従者藤内:初代 中村寿治郎
田舎者万兵衛:六代目 片岡愛之助


夜の部(15:30開演)

一、夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)

団七九郎兵衛:六代目 片岡愛之助
一寸徳兵衛:五代目 尾上菊之助
段七女房お梶:四代目 中村梅枝
玉島磯之丞:初代 中村萬太郎
傾城琴浦:初代 上村吉太朗
三婦女房おつぎ:三代目 中村歌女之丞
三河屋義平次:六代目 嵐橘三郎
釣船三婦:四代目 中村鴈治郎
徳兵衛女房お辰:五代目 中村雀右衛門

二、羽根の禿(はねのかむろ)/うかれ坊主(うかれぼうず)

禿/願人坊主:五代目 尾上菊之助

三、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)大川端庚申塚の場

お嬢吉三:四代目 中村梅枝
お坊吉三:初代 中村萬太郎
夜鷹おとせ:初代 上村吉太朗
和尚吉三:九代目 坂東彦三郎


データ

料金

A席:16,000円
特B席:12,000円
B席:9,000円
C席:5,500円

感想

昼の部


19日に前方花道寄りで観劇。
なんとこの日は千穐楽。博多座の千穐楽って早いんだな。

廓三番叟

傾城(雀右衛門丈)と新造(梅枝丈)が華やかに踊るところに太鼓持(彦三郎丈)がやってくる。
やはり踊りはわからないので、「きれいだなー」と思って見てただけ。

人情噺文七元結

題名はよく聞くのだが、初めて見る演目。
真っ暗の中、長兵衛(菊之助丈)が家に帰ってきて「早く灯りをつけろ!」と怒鳴る。
お兼(雀右衛門丈)が灯りをつけると、そこは貧乏長屋。
長兵衛ははっぴを着ているだけで太ももまで丸出し。(今回、太もも露出する演目が多くない? 暑いから?)
菊之助丈は汚い恰好をしていてもどこか上品に見える。
一人娘のお久(吉太朗丈)がいなくなってしまったようで、お兼は「あんたが酒とバクチ三昧だから、嫌気がさして出て行ったに違いない」と長兵衛を責める。こんな夫婦いるわーという感じ。

そこへ廓から手代藤助(片岡亀蔵丈)がやってきて、「娘さんがお店に来ている」告げる。
すってんてんの長兵衛はお兼の着物と藤助の羽織を借りて廓へ向かう。
お久はいかにも田舎娘という風貌で、廓に似合わない。
お久が長兵衛に「私を売った身代で借金を返して、おっかさんと仲良くしておくれ」と切々と訴える姿に泣いてしまった。
廓の女主人・お駒(萬次郎丈)に、来年の3月までお久を店に出すのは待ってあげるから、真面目に働いてお金を返しなさい」と言われ、長兵衛は50両を持って家に帰る。

その途中、お店のお金をなくして川に身投げしようとしていた文七(萬太郎丈)に出会い、長兵衛は「うちの娘は泥水をすすっても死にやしない。死んじゃあいけねぇよ!」と金を渡してしまう。
いかにも江戸っ子気質と言う感じでカッコいいのだが、家に帰ったらお兼と大喧嘩になる。(当たり前)
家主(橘太郎丈)を巻き込んでケンカしているところに、和泉屋清兵衛(彦三郎丈)が文七と一緒にやってくる。清兵衛はすっきりしていてかっこいい。
さらに、鳶頭(愛之助丈)がたった一晩できれいに垢ぬけたお久を駕籠に乗せて連れてくる。
清兵衛は50両を長兵衛に返し、文七に暖簾分けをするからお久をお嫁にもらいたいという。

悪人はおらず、誰も不幸にならず、めでたしめでたしで幕。

太刀盗人

花道から田舎者万兵衛(愛之助丈)が登場。
観光地でうきうきとお土産を選んでいる様子が微笑ましい。
そこへすっぱの九郎兵衛(鴈治郎丈)がやってくる。
花道を歩いてくるだけでも面白くて、客席から笑いが漏れる。
九郎兵衛が万兵衛の刀を盗もうとして取り合いになっているところに、目代丁字左衛門(亀鶴丈)と従者藤内(寿治郎丈)が現れる。
寿治郎丈がお元気で何より。亀鶴丈がこれだけしか出演していないのは勿体ないと思う。

万兵衛が軽やかに舞い、九郎兵衛がドタバタと踊る。
わざと下手に踊るの難しいと思うのだが、鴈治郎丈はすごく上手。
九郎兵衛が「博多座千穐楽、もっといたいぞー!」みたいなことを言ったら、目代が「また来ればよいではないか!」と言っていた。
最後、笑って劇場を後にした。面白かった。

夜の部


18日に前方花道寄りで観劇。

夏祭浪花鑑

これを見るために博多まで遠征したと言っても過言ではない。
上方と江戸で半々の座組だったが、上方のこってりした団七九郎兵衛(愛之助丈)に、お江戸のすっきりした一寸徳兵衛(菊之助丈)が意外と合っていた。
立札を手にしての立ち回りや、お揃いの浴衣で釣船三婦(鴈治郎丈)を連れて帰ってくるところのバランスもよかったと思う。舞台写真を売ってほしかったなぁ。
磯之丞(萬太郎丈)と琴浦(吉太朗丈)のじゃらじゃら加減も良かったし、三婦は流石の安心感。

義平次(橘三郎丈)はいやらしくて憎たらしいのだが、お金がもらえると思ってニコニコしているところなんかは憎み切れない感じもする。
団七が額を割られてブチ切れるところ、うっかり義平次を斬ってしまって覚悟を決めるところ、泥まみれになってとどめを刺そうとする殺し場はやはりすごかった。
そして、毎度毎度お囃子が聞こえてくるとドキドキする。
遠征した甲斐は十分あった。

羽根の禿

吉原の見世先で禿(菊之助丈)が羽根つきをしたりして可愛らしく踊る。
踊りはさっぱりわからないので、「綺麗だなぁ」と思ってみてるだけ。

うかれ坊主

先ほどの禿とは打って変わって、あやしげな坊主(菊之助丈)が現れる。
きれいな菊之助丈しか見たことがなかったので、胡散臭い坊主姿が新鮮。
坊主といってもお坊さんではなく、「願人坊主」と呼ばれる大道芸人のことらしい。
途中、「待ってました!」という大向こうがかかったのだが、不勉強故何が待たれていたのかよくわからなかった。

三人吉三巴白浪

梅枝丈のお嬢吉三、萬太郎丈のお坊吉三、彦三郎の和尚吉三という配役。
梅枝丈のお嬢は前にも見たけど、うまいなーと思う。おとせ(吉太朗丈)とのバランスもいい感じ。
萬太郎丈は若いというか幼い感じなので、お坊よりも十三郎の方が似合うと思った。
和尚吉三は声が良くて、スマートなのに声量がすごい。
いかにも歌舞伎な有名な場面で、夜の部は幕。

おまけ


↑↑夜の部終演後、アクロスにある「mk RESTAUEANTS」で夕食。
博多座周辺はお店が閉まるのが早くて、たまたま開いていたお店に入ったのだが、美味しかった。


↑ホテルの朝食ビュッフェ。

昼の部終演後、福岡空港内にあるラーメン屋さんでとんこつラーメンを食べたのだが、急いでいたので写真を撮り忘れた。


↑博多座の売店で買ったお土産。
海老せんべいとツナに明太子が入った缶詰。


↑商店街を歩いている時に見つけた「千鳥屋」で買ったお土産。
チロリアンと玉の泉。