ハリハリノ 玻璃の器の裏方話・平安時代にまつわることなど
 

25 本編最終回のあとがきに代えて

一年以上に渡って更新を続けてきた『玻璃の器』も、とうとう最終回を迎えてしまいました。
平安は日本史の中でも昔から一番好きな時代だったんですが、何となくうろ覚えでしか知識もなく、こうして小説にすることも全く考えたことがありませんでした。でも、ちょうどオフでやりたいことが一段落して次に何をしようと考えた時に、ふっと昔からの疑問を思い出したんですよね。
平安時代の服飾で、『かさね』 ってありますよね。
国語便覧などに載っている、表が何色、裏が何色というヤツです。
私はあれは十二単のような袿の色の合わせ方だと思い込んでいたんですが、でも袿のかさねの色合いは、それはそれで別にあるんですよね。
何でだろう、と思って、ちょうどやることもないし調べてみようかと思って図書館通いを始めたのが、大人になって平安時代に再び触れたきっかけなのでした。

で、東市と西市まで調べた頃、これだけ分かればひょっとして一本書けるんじゃないの?と思いました。その頃には、平安文化をまとめたルーズリーフが40枚ぐらいになっておりました(笑)
それから主人公は誰だ、相手は誰だ、登場人物は誰だ…と少しずつ考えて、大まかなプロットを立てて小説を書き始め、書き始めたらまた分からないことだらけで調べては書き直し、書いたからには上げようとページを作って…プロットに添って半分ぐらいまで書き進めた頃、サイトの『玻璃の器』はスタートしました。
プロットを立て始めた頃から決まっていたのは、主人公は馨君という左大臣家の若君であること、相手は本来東宮になるはずだった血筋のいい宮さまで、今の東宮と三角関係になること、そして、身分と社会的地位を考えて、最終的に二人は駆け落ち同然で姿を消してしまい、都には主人公の代わりに左大臣家を支える弟(冬の君)が残る、ということだけでした。
そこから魅力的な姫さまが書きたいなと思って芳姫を、そして彼女を東宮の元に嫁がせて、いなくなった馨君の代わりにそっくりな子供を生むことにして…と、色々考えながら構成を作ったのですが、実は書きながら考えたこともいっぱいあります(笑) 柾目を操っているのは白梅院だったということも、書き始めた時はそこまでしか考えてなかったんですが、それだけじゃ面白くないな〜と話を練り直したり。だから、水良が宇治で元服した所を書いた時は、会恵が水良の父親だということはもう決めてたけど、その惚れたはれたで前主上が水良を次の春宮にしようと考えていた所まではまだ思いついてませんでした。ギリギリですよ、もう(笑)

そんな風に書き始めた話ですが、最終回まで読んでいただくことができて本当によかったと思っています。長いわイチャイチャは少ないわ、後半はずっと思っていた以上に苦しい展開が続くわで、いつ怒られるかとハラハラしていたのですが、そういうコメントをいただいたことも一度もなく、それどころか励ましのコメントなどいただいて喜びに浸りつつ、無事に最後まで続けてアップすることができて感無量です。
最終回まで読んで下さったみなさま、自分の中で作り出した大切な物語を分かち合える人たちがいるということは、本当に幸せなことだと思います。
熱い感謝を込めて。
本当にありがとうございました!

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