オフで発表した「めぐりあうせかい」の番外編です。 エド×アル(途中リバ的表現有り)で拘束、排泄シーン有りなので、そういった表現が苦手な方は御遠慮下さい。

(…兄さん…?)
狂乱の交わりの後、意識を失うかのように眠りについたアルフォンスは、次に目を覚ました時に自分の傍らに兄が居ない事に気がついた。
手首を縛めていた革と鎖の拘束はなくなり、その痕はうっすらと赤く残るに止まっている。
兄の姿を探そうとしてベッドから身を起こしたが、体中がくがくと力が入らない上にあちこちが痛んで立ち上がる事もままならない。
特に腰などは鈍い痛みが腰全体を包むように起こっていて、それを堪えるのも一苦労だった。
だが、なんとか床に立ち、裸のまま部屋を出て兄の姿を探す。するとバスルームからシャワーを使う音が聞こえて兄の居場所が知れたので、安堵して今度は階下へと向かったのだった。

1階へ続く階段横には、その家の裏庭を臨むことが出来る小窓が取り付けられていた。
ほのかに明るい外の光景と、幽かに聞こえる小鳥の鳴き声が、時が夜を超えて朝を迎えようとしている事をアルフォンスへと知らせていた。
アルフォンスは居間に放り置かれた自分の着ていたシャツを羽織り、それからキッチンへと向かった。
ダイニングの奥にあるキッチンの調理台の上にはエドワードが買い込んだと見られる食料が紙袋に大量に入れられて置かれており、それを見て兄は一体自分と何日間をここで過ごそうというのだろうとため息をついたのだった。
とりあえずアルフォンスはからからに乾いた喉を潤す為に水を飲み、それから再び2階のバスルームを目指した。
昨日、浣腸と排泄の様子を見られた場所に行く事は多少気恥ずかしかったが、自分も兄のようにとりあえず身体を清めてしまいたかった。
バスルームの扉を軽くノックして中に入ると、エドワードはガラスの仕切りに囲まれたシャワーブースで髪を洗っていた。
アルフォンスは何事もなかったかのようにバスタブの方を使おうとするが、バスタブの蛇口を捻ろうとした所でエドワードにそれを遮られてしまった。
「待てよ。一緒に使うとお湯が足りなくなるんだ。あと1分だけ待て。すぐ出るから」
エドワードはシャワーブースの扉をほんの少しだけ開けてそう言うと、忙しく手を動かして髪に残っていた泡をあらか流してシャワーの湯を止めた。
「いいよ、ちゃんと綺麗に洗ってよ。その位の時間は待てるから」
アルフォンスは兄の仕草に困ったように答えたが、一方でエドワードは弟のその言葉もまるで無視して髪に残る水気を搾るとシャワーブースから飛び出してしまったのだった。
「お待たせ!タオルくれ、タオル!」
そう言い、子供のように素っ裸のまま手足をバタバタさせるその姿にアルフォンスは呆れながらもひどく愛おしく思えて苦笑しながらタオルを投げ、そしてバスタブに湯を張り始めた。
「なあ、腹減ったろ?これからメシの支度するからな。ベッドで喰うか?」
矢継ぎ早にそう尋ねる兄はもうすっかり身体を拭き終えてタオルを腰に巻き始めている。
生まれついてのせっかちとはきっと兄の事を言うのだと、アルフォンスはどうにも可笑しくてくすくすと笑いながらそれに答えた。
「すこしお湯に浸かっていたいから、準備するならゆっくりにして。うん、ベッドがいいな。椅子に座るのは今はちょっと辛いから」
アルフォンスの返事を聞いて、エドワードは手を上げて合図するとバスルームを出て行った。
後に残されたアルフォンスはようやくバスタブに溜まり始めた湯の中に腰を下ろすと、その中で身じろぎもせずに痛む腰を暖めながら、昨晩の狂乱を思い返していた。
(昨日は浣腸なんてされちゃうし…どんなにがっついてても、あんな風にひどくされる事なんて、なかったのにな…兄さんが何を考えているのか、分からなくなりそうだ…)
アルフォンスの、エドワードへの思慕の果てに身も心も結ばれた2人だが、兄のエドワードはいかなる時でも体調が万全とは言えないアルフォンスを気遣い、優しさを忘れる事はなかった。少なくとも、アルフォンスが口も聞けなくなる程、吐き出すものすらなくなる程まで責めるような事はした事がなかったので、アルフォンスは兄の豹変ぶりに少なからず不安を抱いたのだ。
(でも…ボクが決めた事だ。兄さんを好きだという事、兄さんに抱かれるという事、兄さんとこの国を出るという事…ボクは兄さんを信じなきゃいけないんだ…)
だが、互いに生まれ変わった先ですら、愛したいと巡り会った程なのだ。多少痛めつけられた所で兄を想う気持ちは変わらないと、アルフォンスは自らを包み込む湯の中で細い手足を抱きしめながらそう確信したのだった。

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「ほら、お兄様特製のチーズサンドだ。ありがたく喰えよ」
「…食事の支度してくれるって言うから、ちょっとは楽しみにしてたんだけど…これは果たして料理なのかな?」
アルフォンスが入浴を終えてベッドルームへと戻ってみると、既にエドワードはサイドテーブルに食事を用意して得意げな表情でベッドの中に潜り込み、上体を起こした姿勢でそこにいた。
アルフォンスもエドワードの隣に潜り込み同じような姿勢を取る。するとエドワードは料理の乗った皿を彼の目の前に差し出したのだが、当のアルフォンスは目の前に差し出されたうすっぺらなホットサンドを見詰めてため息まじりにそう言ったのだった。
「あのな…嫌なら喰うな。俺が全部喰うから」
「嫌とは言ってないでしょ。でもあんまり食欲も湧かないから、これ一切れで止めておくよ」
兄の不機嫌そうな表情をちらりと横目で流して見て、アルフォンスは皿からきつね色に焼けたホットサンドを一つ摘まみ上げると口にした。
口調こそきついエドワードだが、アルフォンスにはそれが兄が本当に怒っているのではない事を知っている。
兄は言わなくてはならない事は言いたい性質なのだ。それが兄の長所でもあり、短所でもある。
「夕べの…きつかったのか?」
「まあね…腰はガクガク、胃はむかつくし…あんなに責められたのは初めてだったもの…また別の場所の扉を叩く羽目になるかと思ったよ」
もそもそと口の中に残るパンの感触に顔をしかめながらアルフォンスはそう言うと、兄が手にしていたミネラルウォーターの瓶をひったくってのどを潤した。
そう言いながら、アルフォンスは兄の様子を伺っていたのだが、当のエドワードはただ無表情でホットサンドを食み、それからこう呟くように言ったのだった。
「…じゃあ、俺の事も、嫌になったか?」
その言葉にアルフォンスは彼らしからぬ驚いた表情で兄を見た。
「なんで、そう思うのさ?」
エドワードは残りのホットサンドを口の中に押し込むと、先ほどひったくられたミネラルウォーターを更にひったくり返し、言う。
「別に理由はないさ。ただ、そう思ったから聞いたまでだ。だから、お前も思った通りに答えろよ」
「それは…」
兄からの問いに、アルフォンスはほんの僅かの時間口ごもり、だが、次には鮮やかに答えを出していた。
「それっぽっちで兄さんを見限る程、ボクは弱くもないつもりだよ?それとも、兄さんの中では、ボクはその程度の薄情な人間なのかな?」
アルフォンスの瞳はエドワードのそれと寸分違わぬ輝きを称えて、愛する人を見詰めていた。
アルフォンスはその柔らかな顔立ちや物言いから穏やかな性格だと周囲からは認められている。
それは確かに彼の一面ではあったが、それと共に我の強いと言われていた兄に引けを取らない程の芯の強さも持ち合わせていたのだった。
「悪ぃ…そう言わないでくれ。お前の事をそんな風に思った事なんて、これっぽっちもないさ…けど、これから先の、俺達が進もうとしている道は、俺達がしてきた旅なんかよりも、もっと辛辣で頼るものもなくなるだろう。ロックベルの家でメシが喰えねえ、母さんの墓参りができねえ、なんてもんじゃなくて…シンでは後ろ盾になる奴らがいつ、俺達を裏切らないとも限らない…そうなったら、俺はお前を、お前は俺だけしか信用出来なくなるんだ」
アルフォンスの強い視線にエドワードは珍しく詫びるような、気弱な言い様で答えた。
おそらくは、兄も不安だったのだとアルフォンスは理解した。
鬼畜のような行為を強要されても兄を愛する事を曲げずに信じたい自分と同じように、汚物を垂れ流しながらも快楽を貪る自分を躊躇う事なく愛せる兄自身を確信したかったのだ。
「ボクは兄さんだけを信じるよ…ボクをあんな風にしてもいいのはあなただけだ。もし…ボクらが生き延びる為に必要ならば、ボクはどんな辱めにも甘んじる…兄さん、あなたがそうしろって言うなら…」
アルフォンスは兄への宣誓を口にしながら、その身には昨晩の狂乱の記憶が蘇っていた。
不意に熱くじんわりとわき起こる後口の愉悦と、固さを取り戻した欲望が自らの腹を打つ。
(欲しい、欲しい…この人のペニスが欲しい、ペニスで思い切り突かれたい、
お尻の穴を責められて死んでしまいそうになるまでイキたい、ああ…ひどい事をされてイキたい!)
「あ…」
じわじわとわき起こる淫らな感覚に、アルフォンスは自分の顔に熱が籠っている事に気がつく。
それを兄に悟られまいとしてなにげない振りをして視線を下に向けてみるが、そうしたところでエドワードはアルフォンスの変化を素早く感じ取っていて、アルフォンスの胸元に引きつけた顎を右手で掬い、顔を表向かせたのだった。
「…俺が求めたら、拒むな。俺だけを見ていろ…そうするなら、俺はお前を裏切らない。いいな?」
「うん…誓うよ…だから…」
ボクの中をぐちゃぐちゃにかき混ぜてと、口をついて飛び出しそうな言葉を必死に飲み込み、アルフォンスはエドワードの胸元に縋り付いた。
エドワードはとっくにそんな事は承知の上で、ベッドカバーの下で、カバーと同じくらい赤く燃え盛るアルフォンスの欲望を握りしめた。
「ひっ!」
「俺の見えない所で何を考えてた?浣腸されながらチン●弄られる事か?それとも、ケツの穴をぐちゃぐちゃになるまでかき回されてイク所か?」
「あっ…あっ…」
「…それとも両方か?」
「ひあああ!」
エドワードは卑猥な言葉を吐きながら、ベッドカバーの下でアルフォンスの欲望を嬲り続けていたl
包皮を思い切り引き下げると露出した先端を親指でぐりぐりと責め上げる。
そうする内に鈴口の辺りを念入りに愛撫するようになり、その刺すような激しい刺激にアルフォンスがとうとう音を上げ始めたのだった。
「あひ…で、る…兄さん、出る、出ちゃう…精液、でちゃうう…!」
「出せよ?イキたいんだろ?」
「ヤダ…カバー…よご、れちゃう…ここじゃ…ダ、メ…」
「こんな時までそんな心配かよ、几帳面なアルフォンスくん?じゃあ…そうだな、バスルームに行くか?あそこなら、どんなに羽目を外しても構いやしねえからな。どうする?」
ぐりぐりと激しく執拗な責めに、アルフォンスはただ兄の意見に同意するしかなかった。痛みとないまぜになった快感を紙一重で押さえ込みながらようやく返事をすると、兄はぴたりとその指の動きを止めて薄く笑いながら言った。
「決まりだな。…ちょっと、やってみたい事もある。さあ、立つんだ、アル」
エドワードに抱えられるようにして向かったバスルームで、アルフォンスは昨晩までバスルームになかったものが取り付けられている事に気がついた。
「…まさか…」
「おう。お前が寝ている間にちょっと錬成しておいたんだ。これで色々と楽しめるぞ」
バスルームの天井からは、天井に取り付けられたフックから、かなりの太さの鎖が4本、たらされていた。
また、床にも留め具がいくつか錬成されていて、兄が最初からこの浴室で淫猥なプレイを楽しもうとしていた事をアルフォンスは悟った。
「ま、待ってよ…あんまり痛いのは…」
いくら兄に対して愛情を抱いていると言っても、身体を必要以上に痛めつけられる事をアルフォンスは望んではいない。
おそらくは自分を拘束する為のものと理解して顔色を変えたアルフォンスに、エドワードは笑いながら、それを否定した。
「大丈夫だよ。ちょっと身動きが取れないようにするだけだ…俺のな」
「よかっ…ええ!なんだって!」

      


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