オフで発表した「めぐりあうせかい」の番外編です。 エド×アル(途中リバ的表現有り)で拘束、排泄シーン有りなので、そういった表現が苦手な方は御遠慮下さい。

何も見えない空間の中、アルフォンスの意識は時折現れる極彩色の火花に翻弄され続けていた。
(あっ、気持ちいい!お尻がぁ!お尻がぁ…ボク、イキッ放しだよう…!)
アルフォンスは自らの後口に突き刺さる張り形に意識を集中させている。
張り型が不規則な、大きな振動をアルフォンスに与える度、彼は前立腺から生み出される絶頂感に酔いしれる。
ぱあっと目の前で広がり、すうっと引いていく激しい色彩の火花だったが、それはまたすぐアルフォンスの目の前に現れて、嵐のように彼の思考をもみくちゃにしていったのだった。
「ひぃっっ!ひ…!」
「ほら、どうされるのがいいのか、言ってみろ!どうされたいんだよ、アル?」
「おっ……おしりぃ……おしりのなかぉ……いっぱい…こすっ…擦ってぇ!」
依然としてアルの後口にすっぽりと収まり、激しいモーター音を上げている張り形を円形に回転させるように動かしながら問うエドワードに、アルフォンスはモーターの振動と、張り形の凹凸が前立腺を刺激する度に身体を戦慄かせて叫び声を上げるが、エドワードが最後の一撃とばかりにごりごりと前立腺を擦り上げた途端、ぎゃっ、と短く叫んだかと思うと、白目を剥きながら失神してしまったのだった。
意識を失い、力の抜けたアルフォンスの痩せた身体は、天井から吊るされた鎖にのみによってその姿勢を保っていた。
頭はがくりと垂れ下がり、腕は天井からの鎖に吊るされて、その形は操り人形のように見える。
実際、今のアルフォンスはエドワードによって彼の欲望を満たす為に踊らされる人形でしかなかった。
そして、自らの思い通りに快楽の踊りを踊る最愛の恋人に、エドワードはその身体から淫具を抜き去ると、静かに囁いた。
「アル、お前はこれから俺だけにいやらしい姿を見せるんだ……その代わり、俺も、お前の事しか考えねえ…お前のそのいやらしい穴だけにしか、おれ自身を喰わせねえよ…なあ、アル…愛してるよ……」
エドワードはアルフォンスの右太腿をむんずと掴むと、そのまま股間を開くように持ち上げ、アルフォンスの後口を曝け出す。先ほどまで淫具によって十分に拡張されていたその部分は未だぽっかりと口を開け、その周囲を腸液に濡らしていた。
曝け出された後口に、エドワードの欲望の先端が押し付けられた。ぽかりと空いたその周辺をなぞるように欲望の先端を動かすと、その動きが刺激になったのか、アルフォンスの身体がぶるりと震えひくついた。
「入れるぞ……」
ぬぷ、と吸い付くような音を発しながら、エドワードの欲望はアルフォンスの後口に飲み込まれて行く。小さく前後の抽送を繰り返しながら奥に進み、欲望が根元まですっかりアルフォンスの体内に収まると、その充足感にアルフォンスの意識が呼び戻された。
「あ……な……」
「アル……鏡を見てみろよ……ほら、お前のいやらしいケツの穴がおれのチン●を喰ってるみたいだ……」
エドワードはそう言いながら、腰を僅かに引き、アルフォンスの体内から出て来た自身の欲望をアルフォンスへ見せた。バスルームのあちこちに置かれている鏡には、あらゆる角度でエドワードとアルフォンスの結合が映し出されおり、その様子を見せられたアルフォンスは羞恥に身体を震わせる。
「いやぁ……はひ…っひいっ……」
そして、再びエドワードがぐい、と腰を押し進めた時、アルフォンスに淫楽の濁流に飲み込まれる結果となったのだった。
「イヤッ!イクぅ……ィくィくううううう!」
「ああああ!アルっ!締まるっ!お前のケツ、すげえ締まってるーっ!」
訪れた絶頂に収縮を繰り返すアルフォンスの後口は、エドワードの欲望から精を搾り取るかのごとくうごめいている。
通常、男のオーガズムは射精を果たすことによって終焉を向かえ、それを連続させることは困難だ。
だが、前立腺への強力な刺激はアルフォンスの快楽中枢を根本から変えてしまっていた。
彼が得る触覚はそのすべてが快楽へと直結し、ほんの僅かな刺激でもアルフォンスを連続した絶頂感へと誘って行く。
それは、エドワードの執拗なまでの前立腺への責めから生まれた類稀なるものだった。
「あっ!あっ!イク!またイクーっ!」
「アルッ!もっとイケよ!ほら!ほら!くああっ!」
肉欲の虜となった兄弟を最早遮る物はもう存在しない。
連続して訪れる絶頂にアルフォンスは自らの足で身体を支える事が出来なくなり、天井から吊るされた鎖と、エドワードが支え持つ足、そして欲望をくわえ込んだ後口で揺れる身体を細かく痙攣させ、エドワードの欲望から精液を搾り取っていった。
「にいひゃっ…イク!イク!」
「うああああ!アルん中に出るーっ!」
激しく射精しながらもエドワードは抽送を止めようとしない。やがて、アルフォンスの後口からごぽごぽと泡立った精液が逆流するに至っても、肉壁の収縮によって再び勃起し、新たなる射精感に陶酔していた。
「アル……すげえよ…お前、イキっぱなしじゃねえか……あー、お前のケツの穴締まるぅ……お前、最高だ……」
腸液と精液にまみれたアルフォンスの後口を繰り返し突き上げながら、エドワードは快楽に酔いしれてそう言い、両手でアルフォンスの小さな赤い胸のつぼみをつまむ。
「ひゃーっ!ヤダっ!かんっ……感じるぅ!もっとぉ!兄さんもっとしてえ!」
とたんに激しく感じてアルフォンスは絶頂し、後口に差し込まれたエドワードの欲望を締め上げた。
「乳首でもイケるのかよ?こうされるのが好きなのかよ!ほら、言え!」
ぎゅうう、と、小さなつぼみがちぎれそうな程にエドワードの指先がアルフォンスのそれを捻り上げた。
「あーっ!き、気持ちイイっ!乳首ぃ、気持ちイイーっ!もっといじめて!ぎゅうって……あ、あっっはぁぁぁ!好きぃ!苛められるの、好きぃぃ!あひ、あ、イ、イイ!またイク!お尻でいっぱいイッちゃう!兄さんのお●ンチンでもっと苛めてー!お尻も苛めてぇー!ひ、ひ、い、イク!ボク、イッちゃううーっ!」
そして、とうとうアルフォンスは意識を手放した。
「お……おお、おおおお!」
制御する意識が失われた事で、最後の暴走を始めた肉体は大きく数度の痙攣を起こし、獣のような咆哮を上げた。エドワードの欲望は肉壁にその全てを飲み込まれ、吸い尽くされる。
「俺もイク!アルーッ!好きだよーっ!あああーっ!」
ぐぷうう!
最後の一撃をアルフォンスの後口に見舞わせて、エドワードは天井から支えられている弟の身体に背後からしがみついていた。
いつまでも収縮を続けるアルフォンスの後口に欲望を埋めたまま、エドワードは酩酊しているかのようにうつろな表情でその身体を撫でさすり続けている。
「ああ、アル……もっと、もっと俺を……貪り喰ってくれ……お前のそのいやらしいケツで…俺を喰い尽くしてくれ…!好きだよぉ……アル、お前だけが好きなんだ………」
鶏姦に溺れる自分と弟はもうどうあがいても元の道には戻れないと、エドワードはぼんやりと思う。
ならば、どこまでもこの愛おしい、淫らな存在にこの身を捧げようと笑った。
喰え、喰ってくれ。俺のペニスをその淫乱な穴で。
やがて萎え始めたエドワードの欲望がアルフォンスの後口から押し出された。
しかし、いまだ快楽の濁流に飲み込まれたままのアルフォンスは細かな痙攣に身体を震わせ、ぽっかりと空いた後口は獲物を咀嚼する生き物のように蠢きながら、ぶぶっ、ぶぶっ、とエドワードの精液を吹き出していた。

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「ねえ……ねえってば」
すっかり明るくなった窓から降り注ぐ光をまぶしげに見ながら、アルフォンスは兄を呼ぶ。
兄のエドワードはアルフォンスのいるリビングの隣のキッチンで食事を用意しているはずだった。
「あー?呼んだか?」
アルフォンスの呼び声に兄が顔も見せずにそう返事をしたので、アルフォンスは不満げにそれを口にした。
「どこにいるの?ちゃんとこっちに来てよ!」
「あー、はいはいっと……なんでしょうかね、アルフォンス様?」
「……シャワーを浴びたい」
リビングに置いてあるソファーの上に身体を横たえられたアルフォンスは、昨晩も兄に後口を弄ばれ、さんざん泣かされたあげく、そのまま意識を失っていた。
そうして過ごすのも、もう4日目だ。
アルフォンスが初日に目にしたおびただしい量の食料もそろそろ尽きる頃で、事実、兄のエドワードはその残り物でなんとか育ち盛りの二人の胃袋を満たす物を作ろうと躍起になっているようだった。
「わかったよ。俺のかわいいアルフォンス……ほら、掴まれ」
ようやくキッチンから姿を現したエドワードはニヤニヤと笑いながらアルフォンスの前でうやうやしく膝を折ると、アルフォンスの細い腕を自分の首に巻き付けるようにする。だがそれだけではアルフォンスの脱力した腕でエドワードに縋るのは無理があったので、エドワードはまるで怪物から助け出した王女を抱きかかえるかのように、横抱きにしたのだった。
僅かに抵抗を試みるアルフォンスには目もくれず、エドワードはバスルームの扉を開くと、アルフォンスをバスタブの縁に腰掛けさせる。そして蛇口を捻りたっぷりとした暖かな湯を迸らせると、またアルフォンスを抱えて、そしてゆっくり湯の中へと身体を沈めた。
「ありがと……」
感謝の礼を述べて、アルフォンスは暖かな湯にうっとりとした表情で浸かっていたのだが、すぐにその平穏は破られてしまう。
「まっ……だ、ダメ……もう」
エドワードの指がアルフォンスの身体の線をなぞり始めたのだ。色を含んだその動きはあっと言う間にアルフォンスの思考を奪い取り、弱いながらも明確な快感は彼の細い身体を痙攣させたのだった。
「あっ、ああっ……」
エドワードの指先がアルフォンスの後口に触れた途端、アルフォンスは細い悲鳴を上げて達した。
この行為にエドワードと共に浸り始めてから何度目の絶頂なのか、もうどちらも気にする事を止めてしまっていた。
何故なら、身体のありとあらゆる部分を責められ続けた結果、アルフォンスはほんの僅かな刺激にも反応して達するようになってしまったからだった。
「へへ、人間兵器ならぬ、人間性器ってところかね?」
「……人を変態みたいに言わないで……」
「変態だろ?俺も、お前もさ?」
エドワードはいつも通りの歯に衣を着せぬ物言いで、アルフォンスはその言葉に抗議じみた返事をしはするが、あからさまな抵抗は見せる事はない。
やがて湯に暖められ、清められたアルフォンスの身体は、タオルにくるまれ、バスルームに来た時と同じようにエドワードに抱きかかえられた。
「さて、もう帰るか。喰う物もこれで最後だしな」
ベッドルームに行き、アルフォンスをベッドに寝かせたエドワードはキッチンから先刻こさえた食料を更に盛って戻ると、ベッドに腰を下ろし皿をアルフォンスの目の前に突き出して言った。
「自分で喰えるか?それとも口移しで喰わせてやろうか?」
「自分で食べられるってば!」
アルフォンスは兄がにやけながら差し出した皿を受け取り、その上に盛られたパスタに手を付ける。
少々伸び気味のそれは味もお世辞にも美味しいと言える物ではなかったが、こうして兄と向き合って食事を取るなどと言う事すら、数年前の自分たちには想像も出来ない事だったので、アルフォンスは今のこの状況を素直に感慨深く受け取っていた。
「伸びてておいしくないけど…」
「あのなあ…人がせっかく作った物にケチつけるなよ。まったく、食う事にはうるさくなっちまったよな、お前って」
「でも、うれしい」
エドワードは口では文句を言いながらも、どこか嬉しそうな表情を覗かせてアルフォンスの顔を覗き込んでいたのだが、突然、静かに弟が口にした言葉に驚いてはたと固まってしまう。
そんな凍り付いたようなエドワードとは対照的に、アルフォンスは柔らかく笑って言ったのだった。
「ボクはうれしいよ……ボクはこの世界からずっと遠い場所でもう一人の兄さんと一緒に生活していた……もう、それがどんな感じだったかも遠くなってしまって思い出せない……でも、兄さんに抱かれている間、これまでは……あの人の事を思い出す事が出来てたんだ」
複雑に絡まり合うパスタをフォークで纏めながらそうアルフォンスは言った。
アルフォンスは彼の脳細胞に記録されたその記憶を呼び出す術をもう持たない。現世界に戻って兄との結びつきを強めた現在、発露した記憶も更に薄れ、湖の上に立ちこめる霧を通して見つめる向こう岸の光景のようにおぼろげだ。
これまでの兄との交わりの中で、兄の触れる自らの肌や、唇や密やかな襞がその瞬間だけ、アルフォンスの感覚の中にかの人を鮮やかに思い出させていた。
アルフォンスがエドワードに抱かれて得る快感は全てあの世界での甘やかな思い出に直結していたのだ。
しかし、この数日間の間にそれはすっかりと忘れ去られてしまった。
乱暴で淫猥で、これまでの交歓とは全く違った兄の愛情の一面にアルフォンスは畏れ、だがその激しさを焦がれるようにと自らの肉体と精神を変貌させていった。
アルフォンスは最早、エドワードの荒れた指先に、かの世界の愛しい人を覚える事はなかったのだ。
「でも、ここで兄さんにひどくされてさ……思い出す暇もなかったよ。なんて言うか……あの人が出来なかった事を、兄さんに代わりにしてもらってるって感じだったのが、そうじゃなくて、夢中でいやらしい世界に溺れる事が出来たって感じかな……」
照れつつ、アルフォンスはそう言いながら兄を見る。すると、兄はどこか遠慮したようにある事を尋ねて来たのだった。
「なあ……聞いて……いいか?アル、今の俺と、その……あっちの俺と、どっちが好きなんだ?」
どこか赤い顔をしてそう聞く兄に、アルフォンスは大きな目を丸くしてきょとんとした表情で兄のその顔を見返すが、やがてくすくすと笑い出すと、エドワードの望むような答えを彼に告げたのだった。
「あの世界ではあのひとだったかも知れないけれど、今、兄さんが見てるボクは、ボクの見ている兄さんが一番好きだよ……」
そう告げるアルフォンスに、エドワードは安堵したように髪をかきむしりながら苦笑した。
「はは……そっか……」
「兄さんてば、もしかして……」
「ん……なんかさ、安心した。実を言うと、お前があっちの世界で俺の生まれ変わりとヤッてたって聞いてから、まだ、そいつの方が好きだったらどうしようって……悶々としちまってた。だから、こうして動けなくなるまで俺の事をお前の身体に憶え込ませたかった……」
「それって、自分で自分に嫉妬してるって事じゃないの?もう……」
更に顔を赤くしながら告白する兄を呆れたように、だが愛おしげにアルフォンスは見つめると、兄の俯き加減な頭に手を伸ばし、まっすぐに輝く金髪を撫で、そしてその手を頬まで滑らせたのだった。
「あ、アル……」
「もう、ボクが見ているのも、ボクが感じるのも、兄さんだけだよ……」
アルフォンスは静かにそう言い、微笑む唇をエドワードのそれに重ねた。
口内に残るパスタの塩味が、どこか体液を連想させて苦笑する。
「ねえ、無事向こうに着いたら、何をしたい?」
「決まってるだろ、お前を俺のでぐちゃぐちゃにしてやるんだ……」
「うれしい……」
「……早くイカせてって泣いて頼むくらい焦らして、それからメチャメチャにしてやるから……」
「うん……お願い……」
何度も繰り返す口づけの間に、そう囁きながら言葉を交わす。
まさに精も根も尽き果てたと思える今だと言うのに、アルフォンスはまた自身の内に欲望の発端を感じて目を潤ませた。
「ん?……もう、今日はしてやらねえよ。本当にお前の身体を壊す訳にはいかねえからな……さあ、食ったら休もう。目が覚めたら……ここを出るからな」
この先、弟を満足させる為に身を削る事になりそうだと、エドワードは内心苦笑した。 (おわり)

      


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