生年月日:
1962年5月19日
出身地:
バーント・オーク
ロンドン UK
担当:
作曲 プロデュース ギター
バンジョー  バッキング・ヴォーカル
クラリネット サキソホーン、他

在籍時期
1991 Kill Uncle tour
1992 Your Arsenal tour
1995 Boxers (In Person) & Southpaw Grammer tours
1997 Maladjusted tour
1999-2000 Oye Esteban tour
2002 Gong Show tour
2004 You Are The Quarry Tour
2006-7 Tour Of The Tormentors MMVI
2007-8 Greatest Hits Tour
2009 Tour of Refusal

参加アルバム
Your Arsenal (92)
Vauxhall & I (94)
Southpaw Grammer (95)
Maladjusted (96)
You Are The Quarry (04)
Ringleader of the Tormentors (06)
Years Of Refusal (09)

モリシー関係以外の活動
(順不同)
・Polecats (現在も在籍)

・The Rugcutters
(後のリン・ブーラー夫人、当時14歳だったアラン・ホワイト、アランの兄とのバンド)

・The Shillelagh Sisters 
(84年まで在籍・ボズの奥さんのバンド)
・Chrysalis Music studio 
(91年にLadsに加わるまでエンジニアをしていた)
・Edwyn Collins
・Adam Ant 
(アントが強制入院措置を受ける以前)
・Kirsty MacColl
・Sonny George
・Ronnie Dawson
・Jhon's Chirdren
(再結成時のサポート・メンバーにベーシストとして参加)。
・CONNY, DIBBS, BOZ & FRIENDS + THE ROCKATS
(アルバム「X'mas Rockin' Party」のプロデュース)
・James Hunter
(アルバム「Kick It Around」のプロデュース)
・Boz & Bozmen (ソロ)
・Boz & Friends (ソロ)

ソロ・アルバム
My Wild Life」「Between The Polecats」「Cattin In Kilkenny」「Miss Pearl


 80年代初めにネオロカビリー・バンドとして人気を博したPolecatsのメンバーでもあるボズ・ブーラーは、マッドネスのメンバーChas Smashを介してモリシーと知り合った。ボズの名前が最初にクレジットされたモリシー作品はシングル「Sing Your Life」で、担当はセカンド・ギタリストだった。続いて次のシングル「Pregnant For the Last Time」にもアランとともに参加している。このセッションは上手く行かなかったとアランは回想しているが、ボズの公式サイトのDisco欄に同シングルの記載があることから、彼らの参加テイクが使われてはいるようだ。

 その後、ボズはThe Ladsの初代メンバーの一人として91年Kill Uncleツアーに参加し、現在まで全てのステージに立っている。いわばLadsのベテランであり、年長の彼はリーダー役である。舞台上でモリシーが演奏の合図を出す際には、ボズの名が呼ばれる。恰幅良い姿にバンドの支柱としての安心感を覚える。

 遡ってKill Uncleツアーのダラス公演を収録したDVD「Live in Dallas」では、ステージ狭しとスウィングしまくる若きボズの姿を確認できる―ボズがあまりに動き回るので、思わず笑みを浮かべたアランが首を軽く振るといった非常に微笑ましい様子も収められている。ちなみに初代メンバー(ボズ、アラン、ギャズ、スペンサー)の中では、ボズだけ別バンドの出身に見えるが、実は彼がPolecatsの次に結成したバンドで当時14歳のアランがドラムを叩いていたことがある仲だ。

 ボズが作曲者として最初にクレジットされたのはシングル「Certain People I Know」のB面曲「Jack The Ripper」である。ボズの曲は初期の頃から、ちょっと不思議な質感を持っているものが多かった。その為、一聴しただけでは耳に馴染みの悪いと感じることさえあるかもしれない。しかし彼の曲とモリシーのエモーショナルとがぴったり合ったとき、奥行きのある感動的な作品となる。
 ボズが作曲提供者として主要な役割を担っているアルバム「Vauxhall & I」が何度も聴き返していくうちに、どんどん沁み入るような心地良さを感じさせるのは、モリシーの詞やヴォーカルもさることながら、彼の楽曲の功績が大きいと思う(「Vauxhall & I」に収められている佳曲は殆どボズの作品である)。「耳に馴染みの悪い感」と書いたが、実際には聴きこんでいくうちに、メロディそのものの美しさに改めて気付く曲が多い。あえてモリシーのヴォーカル・ラインを無視して聴いてみるのも楽しい。

 初期の代表曲としては「Jack The Ripper」が秀逸。また、前述したVauxhall & I」から目立って素晴らしいのは「The More You Ignore Me, The Closer I Get」。「Now My Heart Is Full」「Speedway」。特に「Now My Heart Is Full」は、ライブ音源を聴いても観客の反応、合唱の大きさが違う。サッと空気が変わるのを感じる。また、「The More You Ignore Me〜」では、印象的なイントロのリフが曲のイメージを強く際立たせている。

 さらに、これは絶対に(アランではなく)ボズの曲だ!とすぐに分かるものといえば、独特の浮遊感を漂わせる「The Teachers Are Afraid Of The Pupils」「I'm Not Sorry」。ノリの良い佳作に「Reader Meet Author」「Satan Rejected My Soul」「I Like You」がある。

 アラン・ホワイトの欄で、アランのバック・ヴォーカルについて触れたが、ライブでは曲によってボズもバック・ヴォーカルを担当している。特に「Jack The Ripper」はボズのバック・ヴォーカルがお約束で、これは91年のライブから08年のライブまで変わっていない。