密猟 5


「やっ・・・痛い!サーベルト兄さん、やめて!」
私は切れ切れに叫んだ。
それでもサーベルト兄さんは穏やかに言う。
「ゼシカ、痛いのは最初だけだよ。すぐによくなる。」

イヤ!お父様やめて!

自分の、少しだけ幼い声が自分の脳裏によみがえる。
余りのことにがちがちに縮こまった私のそこを、サーベルト兄さんは指でやさしく弄ぶ。
乾いていているから、快感などあるはずもなく(もっとも私が、そこを指で触られることが快感に成りうる事など知らなかったせいもあるだろうけれど)私はぼろぼろと涙を流した。

「まだあいつとはやってないんだね?」
なぜかサーベルト兄さんは安心したように言って、そして次に嬉しそうに笑った。
「こういうことは兄さん以外の男とはやっては駄目だよ?」
そういって、サーベルト兄さんは用意してきたらしい潤滑油を私に塗りたくると、入ってきた。

けれども現実は残酷で。
すぐにサーベルト兄さんは、私がとうに処女ではないことを見破った。

「・・・ゼシカ、一体誰とこういう事をしたんだ?」

私は答えることが出来なかった。
サーベルト兄さんにこんなことをされているのがショックだったのもあるけれど、私を傷つけたのがお父様だなんて、口が裂けても言えない。

黙っている私に、サーベルト兄さんは言う。

「ゼシカ、兄さんにもいえないことなのかい?
この世で一番大好きだと、何回も言っていたこの兄さんにも言えない事なのか?」



サーベルト兄さん、大好き。
大きくなったらゼシカと結婚してね。
他の女の子と結婚したら嫌よ。


それは誰にでもある、小さいころの戯言。
私はその言葉を何回も兄さんに言ったことを覚えているし、そのころは本気だった。
けれども15歳にもなった今、そんなことはただの戯言だということをもちろん私は理解している。
兄さんも理解しているはずだったのに・・・

「やぁ・・・・・・っ!動かないで!やだ!やっ!」
何も答えることが出来ない私にいらだつようにサーベルト兄さんが動く。
必死に止めてと懇願しても、兄さんは答えてくれない。

「ゼシカ、おまえはなんて悪い子なんだろう。」
そう言われても、私には何も弁解は出来なかった。
激しく突き上げられて、私は声を詰まらせる。

「ゼシカ、もう兄さん以外の男と、こういうことをしてはいけないよ?」
すべてを終えて、そういう兄さんの顔は、今はとても満足気で。


その日から、私の胸は大きく膨らんだ。
まるで、言いたいことを飲み込めば飲み込むほど、その思いが滓のように胸に溜まるように。

何回も、兄さんが都会の学校を主席で卒業してリーザス村に帰って来てから、毎晩のように私は兄さんに犯された。

我慢すれば我慢するほど
私の胸は膨らんでいった。

あんなにうらやましく思った、大きな胸。
私はそれを手に入れたのに、とても疎ましかった。

「母さんに言ったら、ゼシカ、おまえを殺してしまうよ?」
耐え切れなくなってすべてをお母様に告白しようとしたその矢先に、兄さんは先手を打つように言う。

そこから私の胸は平均以上まで膨らんだ。

みんなが私の胸を見る。
その居心地の悪い視線に、私は恥ずかしくなって、胸を押さえ込むような、胸元の隠れるきつい服をいつも着ていた。

そういう服を着ることに、兄さんは満足げだったから、だから私はいつもブラウスを着るときでも必ず一番上のボタンまで留めるようにしていた。

あの日まで、私はずっと、言えないことを胸に溜めながら生きていた・・・





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