今日も今日とて、海上レストランはどたどたと騒々しい。
外を見れば、太陽は既にランチの客が入り始めるところにあった。
「おいボケナス共、ちっとは静かに」
「オーナーゼフ!!」
「じ、事件です」
海賊相手にも怖気づくことのないふてぶてしい海のコック達が、潮風に少しよれた便箋を握り締めて
ぶるぶると震えている。
何を大げさな、と
差し出されたそれに、よさ毛をふるり揺らしてゼフは目をやった。
"オーナーゼフのクソジジイへ"
"元気でやってるか おれたちは今グランドラインの真っ只中だ"
"色々あるけど取り敢えず元気にやっている"
成程、ゼフ宛ではあるが差出人があのクソチビナスでは、見たいと思うヤロウ共がいるのも道理だろう。
同じ厨房で戦い料理していた仲間でもあり、煙たがりつつ見守っていたクソガキでもあり。
"ところでいいたいことがある"
…あのやんちゃぶりに中てられて面倒な関係になっちまったやつにとっちゃ、まあ、アレなヤツでもあり。
"セフレが0になった。褒めろ。"
"ツガイになれる男と恋をしている"
ゴーンとどこかで鐘の鳴る音がした。
目の前で蒼白になって転がる男たちを、複雑な思いでゼフは見ていた。
話は、グランドラインの入口手前、ココヤシ村での大宴会にまでさかのぼる。