曇り空なのか、開けた目にふわり舞い込むその世界は、やけに白かった。
隣には、赤い痕の残るウソップの肩。
「ゾロ、寒い・・・」
「ん。」
ぎゅっと互いに身を寄せて、白い世界の中をおれたちはまどろんだ。
「あー着いた着いた・・・と、あれ?まだ玄関閉まってるぞ。」
「まだ誰も起きてねぇんだろ。裏回ろうぜ。・・・ほら、寝んなチョッパー。」
「うー・・・ん・・・徹夜・・・ネムイ・・・」
どしどしどし。
ゆったり互いの肌に浸りあっていた。
白い朝。
「ゾロ!」「ウソップー!」
「「「メリークリスマァー」」」
「「うっ」」
「「「・・・あ?」」」
25日、聖なる午後。
膝笑いっぱなしのウソップと、やたら腰のダルイおれは、ワイセツブツ陳列罪とやらで雪の残るグラウンド20週させられた。
今は目下、いい感じのホテルを練り歩く日々だ。
「なあ、こないだ出来てた"MOON RIVER"、どうだった?」
「やめとけ、無駄に高いぞ。」
「おお、まだ"サファイヤブルー"のほうがいいよな。」
「ああ。」
「へー、その程度か」
「つうか、"夢みるぞうさん"行けよ!マジいいって。」
「おお、穴場だ穴場。」
「・・・。」
すっかりホテル通となったお蔭で、おれたちは、何とか寮内で生き続けている。
さても青春は、アホらしく、うつくしい。
3. | 徒花 |