争奪戦、という(まぁあまり興味はないのだけど)そんな戦いの最中。

本当に気まぐれに、なにも思わず、何とはなしに争奪戦についてもう少し
詳しく聞いてみようかと思った僕は、ディーノの滞在する場所へ向かった。

不幸にもそこには黒いスーツを着た下っ端の部下しかいないくて、
僕は手間をかけさせるなんて。と咬み殺したく思いながら、聞き出した病院へと向かった。
なんで病院なんかにいるのか検討もつかないが、
まぁきっとマフィア仲間が怪我でもしたのだろう…とそんなことしか考えていなかった。


「ここ、だね…もう嫌になる。会ったら咬み殺さなきゃ。」
病室の個室の前。独り言を呟きながら僕は扉を開ける。
そこには欝陶しいほどの眩しい金色は見当たらない。
ただベッドには…見覚えのある銀色。


「だ、れだぁ…?」
寝ていて今起きたのか、今寝ようとしていたところなのかは
定かではないが、目を開きながら呟く長髪。
見るからに重傷の姿はなんとも見苦しい…が、
いつもなら嫌悪感を感じる僕が、その時は不思議と殺したい衝動にかられなかった。


「ヒバリ…?だったかぁ?」
あぁそういえば。コイツはこの間山本と対戦していた人物だ。
そして少しだけ面識があったなと思い、それで名前を覚えていたのか、と納得する。

「貴方、誰だっけ。というよりも、敵じゃなかったの?」

なんとも態度が違い過ぎる。
あまり覚えていないけれど、もっと挑戦的、好戦的で人を挑発するような物言いの、
イライラする人物だった気がするのだけれど。
そこはやはり怪我をしているからなのか、
はたまた実はこちら側の人物だったとか…
まぁどちらでも構わない。どちらにしろ僕には関係ない。


「…俺はスクアーロだぁ。刀小僧とやってたのみてただろぉ?」
「そう。うん覚えてるよ。貴方死んだんじゃなかったの。」
「それは…」

僕の問いに、意地で答えてるらしい相手は(痛そうにしながら起き上がって話している)
僕の問いに答えようとしたけれど、それはバンッという扉の開く音で遮られた。








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