「すくらっちびるど」


作 しゅわるべ様


大人数が入る競技場

そこにはボクシングのリングのような物が設置されている
そこでは二足歩行式のロボット同士による
格闘技の会場であった

ロボットは「ヒト」と同じくらいの身長があれば特に制限はないが
内臓及び携帯兵器は禁止
某ロボットアニメみたいに腕が飛ぶのも禁止

操作は有線式・無線式及び自立式になっており
それぞれカテゴリーに別れている

その会場の一角でK(仮名)が頭を抱えていた

理由は自立式のカテゴリーに出場したものの
1ラウンド持たずに愛機が文字通りに
破壊された

多額の資金を投入したものの
あっけなく負けたので頭を抱えているわけである

「AIが上手く作れないのが問題なんだよなぁ」

敗因を自己分析する

「俺みたいなプライベーターでは無理かな・・・」

呟きながら
破壊された頭部をケースに仕舞いながら思う

そこに一人のスーツを着た女性が近寄ってきて
名刺を手渡しながら

「私は貴方のロボット製作技術のすばらしさに、声を掛けさせてらいました」

名刺には聞いたことがないロボット開発会社の名前が印刷されて
この女性は開発主任と肩書きが書いてあった

K(仮名)は胡乱な目で名刺を見ながら

「俺みたいなプライベーターにどんな興味があるんですかねぇ」

「そうね・・・ロボットを市販品で組んでいくのでなく
一から部品を設計製造の腕を見込んだのよ
それに・・・自立式が気に入ったから」

この時代は自立式ロボットでの参加はメーカーしか参加してない
そんな状態だった

豊富な資金を投入して参加してくるので
K(仮名)のようなプライベーターでは
一勝するのも難しい

「どうかな・・・K(仮名)さん、貴方のスポンサーに成りたいといったらどうします?」

K(仮名)は目を剥いた

なんせ実績がほとんどないのに
スポンサーになってくれるのだと・・・・
その申し出の裏事情など考えるまでもなく
その場で契約する

契約内容はK(仮名)の申し出た内容が全て通った

資金・開発時間はどれだけ掛かっても文句は言わないと
相手の要求はAI搭載PCは相手が開発する
その一点だったが何もおかしくはない

Kは豊富な資金で
今まで作れなかった機体を製作し始める




それは完全二足歩行式の機体

バランサーなどの高価な部品が今まで使えなかったからである

外見は15歳に見える感じにする

髪は放熱と頭部保護を兼ねているので
見た目は悪いが冷却液のタンクを四つ連結する

身長は145センチ
それと15歳に設定し
カンフー服の外部装甲を作る

顔はいわゆる「不気味な谷」を解消したいので
悩んでいるところに
主任が

「この写真の顔にして」

と持ってきた写真でつくる

外見製作は等身大フィギアを作っているような感じで進めた

ただおかしいと思うのは
AI用PCが入る大きさであまりにも大きい

メンテナンス用ハッチも脳部に集中していたが

「新しいPCの運用テストも兼ねている」

そう説明された

数ヵ月後の納入した機体がテストをするとのこと
Kはとにかく一目見たかったので
勇んでテスト室に入る

全てを知ってしまった

K(仮名)はロボットの機体を製作したのではなく

サイボーグ用の機体を作らされたことなどを


当然ながら「非合法」




これが「Kさいくる研究室」を設立する出来事である



おわり