「暑い夏とクールな彼女」
作 えりゅ様
「うぉぉーーーー! こんなクソ暑い日にグランドで練習とは、殺す気かよ!」
練習が終わり休憩時間に入るや、俺は木陰に駆け込み、横になった。
「暑いのか? K」
寝ている俺に頭上より声がする。幼馴染の彼女の声だ。
「あったり前だろっ!」
薄目を開けて、俺を見下ろす彼女を睨み返してやる。
彼女も俺と同じに体操着−シャツにブルマ姿だ。
「ふむ、38℃か・・・この気温ならたしかに暑いな」
彼女は冷静に分析する。
「お前は良いよな。生身100%の俺は暑くてたまら・・・いや、すまん・・・」
おっと、彼女にそれは禁句だった。俺は侘びた。
「別に構わん。私がこの身体なのは事実だからな。気にする事は無い」
怒るでもなく、クールに答える彼女の顔には汗一つ浮かんでいない。
俺が汗にまみれてグシャグシャなのに。
「しかしK、お前の言う事には二つの間違いがある。一つは私でも暑いという事。
そしてもう一つは、私の場合、暑くてたまらんのではなく、暑くてたまるから問題なのだ」
そう言って彼女は、シャツの裾をたくしあげる。
大きく形の良い胸が寝ている俺の位置から見え隠れする。ブラは着けてなかった。
これはやはり眼福と言うべきなのだろうか?
そして一緒に、皺ではない規則正しい筋が、顔と同様に汗一つかいてない皮膚のあちこちに
浮かんでいるのが見て取れる。
「お前、ブラしてないのかよ?」
「必要ないからな。形が崩れる訳では無く、今日の様な暑い日には却って熱が篭って邪魔なくらいだ」
そして次に彼女は、ブルマの縁に手を掛けると、一気に下ろした。
こちらもブルマの下に下着は履いておらず、アンダーヘアーも生えていない、
まだ幼さを残した彼女の性器が、この位置からではモロ見えだ。
「お、お前、何をするんだ!」
さすがの俺も焦って叫ぶ。しかし彼女はここでも冷静で、恥ずかしがる事も無く、平然と答える。
「冷却に決まっているだろう。
脚部モーターとバッテリーの余熱で、股間は熱がたまりやすいからな。
本当なら素っ裸になりたいくらいだ」
これで解っただろう。彼女の身体は機械で出来ている。
ただし、ロボット・アンドロイドの類では無い。
サイボーグだ。
義体技師をしている彼女の親父が、病弱な彼女を思い悩んだ挙句に改造したのだ。
改造は徹底して行われ、今の彼女に生身の部分は脳みそしか残ってない。
実の娘にそこまでする必要は無いと思うが、多分に義体技師のプライドがそうさせるらしい。
これによって彼女は豹変した。
病弱だった事もあり、いつも俺の後に隠れる様な気弱なおどおどした性格が一変し、
クールで大胆な性格に変貌したのだ。
クールなのは感情制御を行っている為もあるが、それだけではないだろう。
外観もそれに合わせ、今までだらだらと長かった髪をばっさりとショートにし、胸も随分大きくなった。
こうして内も外も変わってしまった彼女だが、その自分に悲観する訳では無く、
むしろ自信を持って行動している今の彼女を見るのは俺も嬉しい。
幼馴染として。彼氏として。
自信がありすぎて俺が尻に敷かれるのが玉に傷だが、ま、結果オーライといったところだ。
俺がそんな事をぼんやりと考えていると、今まで俺を見下ろしていた彼女は、いきなり馬乗りになり、
俺の短パンに手を掛けるや、下のトランクスごと下ろした。
「お、おいっ! 何をするんだよっ!」
「K、気持ち良い事をしよう」
そう言って露わになった俺の下半身からイチモツを握ると、自分の性器に当てがい、
一気に自分の中に突き立てる。そして俺の上で上下運動を始める。
「や、止めろ!」
「Kは嫌いなのか? いつも私と喜んでいるではないか」
「いくら普段がそうだからって、時と場所をわきまえろっ!」
俺が叫んでも彼女は止めない。むしろ上下運動は更に激しくなる。
外気の熱、彼女の人工の膣内に溜まった熱、そして彼女の愛情による熱、
それらの熱が一気に俺に向かって押し寄せる。
俺はその熱により干乾び、ミイラになるのではないか?
本気に考えた夏の暑い日だった。
おわり