嘘 4
「け、いーっ」 ベッドにうつ伏せにされて、右手を右足首に、左手を左手首にくくりつけられて尻を高くした姿勢のまま、ナツが濡れた甘い声を上げている。 ヒクヒクしたソコにはこないだ買ったばかりの半透明のバイブが埋められて、微妙にハズした場所を責めていた。 「反省した?」 「シタァー・・・っ」 舌足らずな甘えた声の軽い反省。ま、もちろんナツの言ってる事は正しくて、何も知らいで出かけたのだろうことは、容易に知れる。 だって、最初から知ってたらあんな風にあっけらかんと、出て行けない。すぐに顔に出るんだから。 「本当に?」 それはわかってるのになぜか少し、凶悪的な気持ちが抑えられなくて。埋められたバイブをグチュグチュと動かした。 「ああっ!!!」 ビクっと腰が揺れて、縛ったままのナツのはダラダラと涎をたらしてシーツにシミを作っていく。 あーあ、後でシーツ変えて、明日も洗濯しなきゃいけないな。 「ナツ・・・」 「・・・っな、にぃー?」 思わず読んでしまった声に、ナツは塗れて潤んだ瞳をこっちに精一杯向けた。その、ひた向きさが俺を捕らえて離さないって事をわかってるんだろうか? 真っ直ぐな瞳。その瞳に答えられれるほど、俺はきっと綺麗じゃないのに。 もっと黒い気持ちで染まってるのに。ナツだけが、気づいてないんだ。 「んー気持ち良さそうだね?」 「やーっ、こんなんいややっ・・・て」 「そう?」 これから大人になって、もっともっと広い世界を知るナツが、いつか俺の手の中から去っていってしまいそうで、恐くて。 「けい・・・っ」 そう出来ない身体になればいいと、思ってるのに。 心が離れても、身体が離れられなくなればいい。快感に溺れて、俺でしかイケない身体になってしまえばいいのに。 「なぁーって」 「なに?」 だから直ぐにはあげない。もっと、泣いて懇願させたい。 もっともっと、俺を求めて欲しい。 望んで欲しい。 「・・・っ、ああっ!!」 俺はナツが何が欲しいのかなんか、嫌ってほどわかっていながら突き刺したバイブを掴んでグチュグチュと上下に動かした。 「や・・・っ、けい・・・あああっ」 「やってわりには良さそうですよ?」 俺の言葉にゆるゆるを首を横に振るナツはかわいくて、俺はそのまま指を胸に伸ばして硬く尖った胸を摘んだ。 「ひぃ・・・っ、あんっ――――はぁぁぁ」 ビクっと震える身体。 ドコをどうすればナツがイイかなんて、全部知ってる。 「ケイ・・・あああっ、・・・ヤダ――――って、んん」 「――――?」 どうした? 「怒らんといてや?」 ああ。 思わずクスって笑ってしまった。まだ、怒ってると思ってるんだ? 「そうですねぇー・・・」 あ、泣きそう? バカだなぁ。 「じゃあナツ、口でしてください。上手に出来たら許します」 「・・・・・・」 「――――」 瞳をパチクリさせたナツが俺を無言で見上げてくる。どうしたんだろう?フェラなんて初めてじゃないはずなのに。 もしかして、・・・・・・嫌なのか? 「・・・手、解いてや」 ああ。 「ダメです」 「そんなんっ、出来へんしっ・・・っ」 「口があるでしょ?」 あ、真っ赤になった。かわいい。 これでお尻も赤くなったら本当に小猿でもっと可愛いだろうなぁ。 そうしたら檻に入れて、ずっとずっと傍にいれるのに。 「ぢゃあ・・・、こっち来て」 「はいはい」 動けないナツの要望をきいて、俺はナツの頭の方に移動した。けれど、ベッドサイドに立ったまま。これじゃあ、出来ないよね? 「〜〜〜、座って」 ほんとにかわいいなぁ。 「どこに?」 「う――――っ・・・、ここに。・・・スルからっ」 俺はクスクス笑って、ここって目線で示されたナツのちょうど目の前に座ってやった。本当はもうちょっと焦らしてみたかったけど、ちょっとこっちも限界きそうで、ソコをナツに押し付けるみたいにしてやった。 すると、さらにナツの顔が朱に染まってしまう。 「ナツ?」 催促の声に、ナツは意を決したように口を近づけてきた。 鼻先が、当たる。 髪の間に指を差し入れて、髪を掻き揚げると、ナツが必死で口を開けてボタンを外す様が見えた。 必死な様子が、子犬の様にかわいくて。俺はボタンを外すそれだけ、手を貸してやった。 「―――っ」 「早く」 俺の手助けに、どうやら許されるかも?と思ったらしい上目遣いのナツに、そうじゃないよと教えてやって先を促した。 途端にナツの眉尻が情けなく下がる。 それだけで、支配してるような甘く切ない愉悦。 俺は促すようにナツの頭を導いて、ナツは再び口を開いてファスナーを噛んだ。一緒に下着も引っ張られて、自分でも自覚のあった熱いソレが窮屈な状態から開放された。 「・・・っ」 ナツの息遣いを感じて、さらに舌の感触。その視覚の刺激だけで、ちょっとイキそうな自分を押し留める努力をする。 口に含まれて、生暖かい感触と、拙い舌使いが堪らない。小さな子供が、口いっぱい必死でキャンディをしゃぶっている様で。 「――――ふっ」 口から思わず、声が洩れて。ナツがちょっと嬉しそうに見上げてきた。 ドクって自分でもデカくなるのがわかる。だって、俺のを咥えたままの上目遣いは、反則だろう? 「・・・ナツ・・・」 気を良くしたナツが、舌で幹を舐めて先端をチュって吸ってくる。 バカ、そんなにしたらマジでイク―――――――――って。 ああ、はむはむするんじゃない。 「・・・っ、―――――ナツ・・・っ!」 出る、そう思って、慌ててナツの頭を引き離そうとしたのに、ナツに逆らわれて。 「ダメ、だ――――出るっ・・・・っ」 引き離せなくて、あろう事かナツの口の中に出してしまった。そこまでするつもりじゃなかったのに。 慌ててナツの顔を覗き込むと、コクって喉が鳴って飲んじゃって。ちょっとマズそうに顔を顰めた。 「なんで離さないんですか」 思わず呆れたような声になって、そのまま涎やらなにやらで濡れた口の周りに舌を這わした。 「だって」 「だって?」 口の端に、チュっとキスをする。 「圭も飲むし。だから、俺も」 「・・・・・・」 ちょっと、今のは―――――――― 「な、なぁ?それより、さぁ?」 「?」 ああ。そうか。 ナツのお尻が物欲しそうにゆらゆら揺れてる。根元をイかない様に縛られて、パンパンで苦しそうだし。 「もう、女の子とデュエットなんかしちゃだめですよ?」 そう言いながら痕になっちゃ大変と縛っていた両足両手首を解くと、ナツがコクコクと、必死で首を縦に振ってる。 「タイプの子でも、ですよ?」 ああ、大丈夫。ちょっと赤くなっちゃったけど。 「タイプ、なんか・・・っ」 「え?」 ついでに、堰き止めていたものも取り除いてやる。 「俺の好きなん、圭だけやん・・・っ」 ―――――だから・・・・・・・・・っ!!! 俺はバイブをちょっと乱暴に抜いて、イったばかりのくせに既に硬くなり始めた自身を埋め込んだ。 「ああああっ!!!」 「あ、イっちゃった?」 「・・・だってっ」 真っ赤になってビクビク背中を揺らしながら、ちょっと恥ずかしいのかいい訳を口にしようとするナツに、俺はもう嬉しくなって楽しくなって。 「ああ・・・っ、ちょっ、待って・・・・・・・・・っ」 「ダメ」 イったばかりで敏感になり過ぎてる身体を持て余してるのは知ってて、俺はナツを責め立てた。 だって、我慢出来ない。 煽ったのは、ナツだ。 顔と、声と、態度と、言葉で。 火をつけたのは、ナツ。 それに。 今は春休み。 手加減の必要なんかないよね? |