第零話 逃亡

0.3: 食事


ボクは門が開いてるので
そこから家に侵入した
鍵はかかっておらず
普通に入り込めた
初日は誰もいなかったが
翌日夕方にになると誰か戻ってきたらしく
家の主と思われる男の人の声が聞こえてきた

「あー、久々の我が家はおちつくなぁ
事務所は榊原が飯作ってくれっからいいが
たまにはコンビニ飯とビールで一息つくのもいいな」

ふと男は振り向く
「何か物音聞こえたが・・・、俺が仕事しすぎて疲れてるだけか・・・。」

勘が鋭いのだか鈍いのだかわからないまま別の部屋へと男は消えていった

「何かあればイイナ」

ボクはまず冷蔵庫を探す
研究所の食べ物も冷蔵庫にあったので
同じようにあるだろうと

冷蔵庫から色々取り出し
てきとうに見繕う

料理は初ではないので
普通にこなす

出来上がって食べおわり
食器を片付け
家を出ようとした時だった

「そこで何をしている!」

とパンツ一丁の男が頭をバスタオルで拭きながら現れた

「ご飯いただきましたわ」

ボクは普通に返した

「どこから入った!」

「玄関から」

「警察に突き出すぞ!」

「それってなに?美味しいの?」

「・・・」

ボクの前の男は運が悪かった、あきらめようとした顔で部屋を出た
そしてすぐに部屋の外から話し声が聞こえる

(なぁ・・・、榊原。変なのがいるんだが)

(田村のことだどうせ、くだらない物だろ)

(変な女の子が勝手に家の中に入ってきてご飯食べて・・・)

(女の子って、奥様に逃げられて幻覚見てるんじゃ?)

(そうか、幻覚か・・・。ありがとな榊原。)

その途中まで聴くと

"ごはんありがと"
そうひらがなでメモがきをのこし
ボクは外へ出た

(大事な書類に落書きが〜)

と叫び声が聞こえた気がしたが
ボクは気にしないことにした

まずは北かな・・・
ボクは逃げ出したもう一人の仲間を探すために北へむかうことにした



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