第二話 ツキアカリの中に

2.1:火事


☆Other Side☆

とある一室

携帯電話の通話が聞こえてくる

・・・レイン。例の件漏れてるわよ。

・・・それにしては、ライナ。貴女が漏らしてるように見えるが

・・・勘がいいのね。
少しくらい逃亡者も刺激があったほうが楽しいとおもって
それに、接点を持たせてあげないと。
処分するならまとめてのほうが楽でしょ

・・・一般人を巻き込むのか?

・・・前の歴史ではもう、マリオネットに殺されて命は無いんだから
生きてるほうが反してるでしょ

・・・ライナ、相変わらず非道だな

・・・レヴィーナや私を生み出したのは博士。貴方でしょ

・・・ああ、その事実は否定しない。ただ、せめて前の歴史の鬼幣とちがい静雫は

・・・ええ、少しは骨があるみたいねぇ。すべて奪ってやるときの顔がまた格別だわ

・・・相変わらず貴女は悪趣味だ、ところでネズミに聴かれてるようだが

・・・ええ、処分するわ。
本来の世界ではここの主だったから少しくらいはとおもったけど
この会話はきかれると不味いわね

カタリ。

ドアの向こうの気配が動いた

携帯電話を持つ女性は
ドアに近づきドアの隙間から針を投げつけた

ぐわっ

っと男の悲鳴が聞こえると赤い血が部屋にも侵入してきた。

ここはもう使えないわね・・・

そう言い窓を開け身を乗り出すと
部屋の中にライターを投げ、そして窓から配水管を使い部屋を脱出した

☆Sizuru Side☆

そして少しの時差をおいて
榊原邸に電話が鳴り響く

「はい、海じ・・、いえ榊原探偵事務所です」

「はるかちゃんね、しー君はいる?」

電話の主は事務所の主である私を呼んだ

(・・・ん?)

私は海路君に起こされて目が覚めた

「鈴 花那オーナーからお電話ですよ」

「わかったすぐ出る!」

「何してるのしー君、火事よ!助けて!」

私が変わる前に電話から叫び声が聞こえた

私はその声に飛び起き、鈴オーナーの待つネットカフェへ
急いで向かうのだった

私がたどり着いたころには
元ネットカフェの建物は燃えていた。

(もしかしたら事件を追ったから?)

そう片隅におもいつつ
鈴オーナーに話を聞くと
不振な人物が数人いたとのことだった

「はるかちゃん、しー君。気をつけてね
これネットカフェの鍵。
焼けてない部屋とかもし手がかりあればとおもって
警察の人には内緒ね」

そして鈴オーナーは私に鍵を渡すと病院へ運ばれていった

私は鈴オーナーののせた救急車が消えると時計を見た
ここで時間を見ると朝8時。

鈴オーナーにメールを見せてもらった時間が朝3時
それから5時間。
もしかしたらこの事件に巻き込まれてるのかもしれない
そうおもうと、海路君がここについてきてなければ
もしかしたら危なかったのかもしれない

それを決定つけるように事務所のほうで交通事故が起きていたとの連絡があった

(戻れないのかもな・・・)

私はつぶやくと疲れがたまってその場で崩れ落ちたのだった

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