第1話 2つの意志

1-2:Sino1

1.AD2XXX年7.01/2 深夜・港川家

夢・・・
しばらく夢なんて見なかったのに
その日は久しぶりに夢を見た

誰?
その夢の中には私と小さいころの”ワタシ”がいた
そのワタシは黒いマントを羽織り、花畑の真中に座っていた

大きな私の目の前にいて、私に2つの花束を渡す。

私はついありがとうといって片方の花に手を触れる

赤い花と青い花

どちらかはわからないけど
ただそれを受け取った。

目覚めた後、幻術となりその夢が私を襲った

それから毎日2つの花が夢の中に出現する

トキガイヤシテクレル

そうココロに念じながら
1週間が経過したときであった

私はまた夢を見る・・・

また花畑?
そういえば、ワタシの名前を聞いていなかったので
ワタシが私であるかどうか尋ねてみた

あなたの名前は?

私はシノ。
ミナヅキシノ。
貴女の分身・・・。

よくはわからなかったのですが
夢と思って納得することにしました

そして先日の花のお礼に
今度はワタシがお礼をしてくれるみたいでした

お姉ちゃん、こっちへきてね。
そう、誘われるように
私はワタシについていく・・・

私は川辺の駅にいた。

ここからはお姉ちゃんが運転手だよ。

そういうとワタシは私を運転席に導いたあと
客席へと入っていった。

運転席。
そこには地球儀が置いてあった
かなり上手く作ってあり、
私は思わず内地の富士山あたりに手を触れてみた。
それからしばらくして
そこから見える景色の中で赤く染まるスクリーン
が見えた。

何の映像なのかはわからないけど
人が逃げているような感じでした
そういえば、運転席きたけど動かしていいのかな?
そう思った刹那
頭の中にワタシの声がした

まずは、最初のお仕事ね。
まずは動かしてね。

そういわれ、私はレバーを動かした

ガタリッっとすこしゆれたおとがすると
そばにあった地球儀が落ちてしまった。
落ちると同時に私の中で
落としてはいけないという感覚が湧き出てきて
壊れないうちに急いで私は地球儀を戻した。

と同時に私の手の中には
地球儀のかけらが
残っていた

そして線路に入り安定してきたとこで
またワタシの声

そこの列で並んでる
貴女のお兄ちゃんと
そのもう一人の沙加太さんでしたね。
その2人を乗せてくださいね。

そういわれ、私は
無意識のうちに汽車を動かし
2人の上空に汽車を止めた

おぃ〜
沙加太。
道レヴォってこんなに並ぶのかよ〜

港川!
何をいっておるのにゃ
これは聖戦だぞ!
ここで並ばないと限定本が買えなくなってしまうではないか!!

はぁ〜
馬鹿2人。
それにしても意気込んで並んでるのに
乗せちゃっていいのかな・・・

そう私が軽く呟くと
ワタシからの声が、また聞こえてきた気がした

アオは消すのみです

最初何気なくボーっとしていたのですが
消すって言葉につい反応してしまう私。

消すってどういうこと、そういえばこの汽車
かってに乗っちゃったけど電車賃は大丈夫?
線路ない空飛んでるけどちょっと!ねぇ!

私は急に眠気が覚め
ワタシに向かって語尾を荒げた。

そうですか、消すのは嫌ですか・・・

どうやらワタシは納得してくれたようだ

では、貴女はワタシに・・・
そういってワタシの影は私の中に重なっていった
そこでその日の夢は途切れた。

起きた後時計を見るとまだ4:30であった
私はいつものとおり5:00にHTVにチャンネルをあわせ
早朝テレビショッピングを流し始めました
半分あくびをしながらふとTVを見ると臨時ニュースだった
そして携帯チェックすると

-------------------------------------
生徒各位 緊急連絡
本州各地での地震により
わが学園のネットワーク環境が壊滅
それにより復興まで七瀬学園系列では
休校といたします

生徒・及び教職員には大変ご迷惑をおかけしますが
復興を今しばらくお待ちください
-------------------------------------

このようなお休みのメールが入っていた
まさか・・・ね。

私は不意に手の中を覗いてみた

!!

夢であった地球儀の欠片が
私の手の中にまだ残っていた。

2. AD2XXX・7・15 朝・港川家

私はまたいつものように起きてしまった

ねぼけまなこのなか
義務を果たさないとというおもいで
兄を起こしに階段を登る・・・
悪夢を見ているようだったが
私にはそれが不快に思えた。
とはいえ、あまり心配させたくないので
思いっきりおこしてみることにしました
私はハリセンをもちおもいきってそこで寝ているおこしてみた

「はぁはぁうるさいぞ〜!こっの馬鹿兄〜」

強く叩きすぎたわけではないケド
ゆっくりと倒れようとしていた
それが寝息によるものとわかると

「眠りにつくな〜!」

私はもう一発お見舞いしてあげた
バシッ!!

「なにしやがる。まったくこの鬼は。」

「誰がオニですって〜(怒)」

この馬鹿兄は全て口に出すらしくすべて私に筒抜けでした

「で、紫乃。いきなりはいってきてはりせんはないだろ・・・」

「だっておきないんですもの」

何気ない日常の会話。
そう、これが普通なのだ

いくら世間が大変でも
この日常を大切にしていたかった

「ぉい。。。 兄〜、 いきてるか〜」

私はボーっとしてる兄を今度はそっと起こした

「あ、あぁ・・・」

「まったく、昨日の地震のニュースで起こされてねむねむなのはわかりますが
このしのたんの声で起きないのは犯罪ですよ〜」

「地震?そんなゆれてたべか?」

「なーにボケてるの、朝早くに道南の方で震度6+、ここ新永山でも震度3
札幌なんかが大変になってたってHNTのニュースでやってたでしょ
首都圏の地下鉄なんてタイヤ外れて朝から動かないとか
まぁ震度3の地震だし兄ぃならねてられるかもね
それじゃ、私は学校あるから。
とっととおきて兄ぃもいってきぃ。」

私がそう伝えると
地震でもあったのかな?
と首を傾げつつ
兄ぃは外へでていった

そういったあと学校からまたメール
今日は休み。
はぁ

早く学校行きたいな〜
私は
部屋のカーテンを開けながらそう呟いた。
授業は嫌いだけど
のーんびりと友達と話したりするのができないとなると
やっぱりつまらない

ピィンポォーン

馬鹿兄が学校へと出かけ
お部屋の片付けをしているときに
部屋のインターホンがなった

「あ、はーい
どなた様ですか?」

・・・

しばらくたっても物音がしないので 私はドアから外を覗いてみた

誰も、いないのかな・・・

私は悪戯か何かだとおもって
再び部屋の掃除をはじめた。

掃除機をかけていると
私のエプロンが誰かに引っ張られてるように感じられた
それについ、視線を向けると
ちっさ????/????

「おねぇちゃん。
おなか減った・・・」

突然知らない子が入ってきて
そんなことを言ってきたので私は焦った。

(この場面にどうかえせと・・・)

とりあえず私は簡単なものをこしらえ
その子に食べさせてあげた

「ごちそうさま〜
そうそう水無月様からの伝言です
来週この場所においでって
おなかぺっこぺこだったから
助かりました
もし水無月様にあったら
2NDがよろしくとお伝えください」

私はいきなり水無月様といわれてもぴんとこなかった。

その様子に2NDさんは
水無月様とは貴女の夢の少女のことですよと
説明してくれたのでした

私はただそれに首を傾げ
わかったようなわからないような感じで
2NDさんを玄関まで送ってった。

3. AD2XXX・7・22 朝・港川家

そしてそのおかしな出来事から1週間。
ニュースに流れていたのは
南北に分かれてしまっていた日本の知らせ
しかもそんなときなのに
津軽海峡を越えてまで
南部の国に行こうとしている
アフォどもがたくさんいることに
私は頭を悩ませた。

コミコミチケット完売

こういうことには疎い私でも
新聞の1面にこうでかでかと書かれてれば
読まざるを得ない
確か兄ぃの友人の沙加太さんがこういうの好きだったけど
まさかね・・・
今度は巻き込まないでほしい・・・

それよりワタシのことを心配した方がいいのかな
もう長くないみたい・・・

なんか最近記憶がおかしいのです
突然夢の中に沈んでいたり
そとを歩いていたり・・・

私が変わっちゃっても兄ぃは。。。
ちょっと鬱気分な感じのときにまたあの声が
私の中に響く

2NDがよろしくとお伝えください

(2NDさんかぁ
そういえばきてないなぁ・・・)

ぴんぽーん。

「あ、はーい。」

「えっと、2NDさんですね。
今日も水無月さんはきてないですよ」

そういうと2NDさんは
微笑み続けた

「でもね。わたし気づいちゃったの」

わたしの目の前にいるおねぇちゃんが水無月様だって。

「えっ?」

わたしが驚くと2NDちゃんは
わたしに微笑みかけた

「待っていたぞ、2ND」

(えっ!)

わたしの中のワタシがそう声を出したときから
わたしはもう意識がどこかへいってしまっていた

(兄ぃ助けて。)

わたしは残った意識を振り絞ってそう唱えていた。




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