『チョコレートキラーボイス-1-』
どんな味?なんて聞いたのがそもそもいけなかったんだと思う。
僕の茶色いミルクチョコよりも、明らかに黒っぽいかけらを口に放りこんだスタンが、
ふとこちらを見。
にたりと意地悪に笑ったから、反射的に逃げようとしたけれど。遅かった。
「…っ、う!」
腕をつかまれ引き寄せられて、一瞬抵抗したけどそれも背中に回った手に押さえ込まれ。
荒くふさがれた口のなかにとろりと流れこむ、ビターチョコレートの深い香りと苦み。
(うわ、強…)
びりりと鋭く感じられる程、素材そのものの味が強いこれを、
「甘過ぎなくて丁度いい」と食べられるスタンはやっぱり大人だと思う、思うけど、でも。
「ん、んんっん、んんっんんん!」
分かったから離してほしい、と、厚い胸板をどんどん叩いても知らんぷり、
こういうところはホントに大人気ない人だ。
そして、それどころか。
「ふ、…っ」
口の中を柔らかいものでくるりとかき回されたから、僕はびくりと震え、思わずスタンにしがみつく。
そして、どうもそれでよけい調子に乗らせてしまったらしく。
しばらくぴちゃぴちゃと触れあう音だけが響き。
「ん、っぷ、はあっ!はあ、はあ…っ」
息苦しくなってようやく解放してもらえた時には、チョコレートの味なんかとっくに消えていた。
「…旨かったか?」
肩で息をしながら、真っ赤になってうつむく僕の耳もとに、苦笑まじりの低い声がそんなことを囁く。
その響きは、心の深い所までびりびりと揺さぶってくるもので。
僕はどうしようもなくなって目をつぶった。
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遅ればせながらバレンタインものだったりしますよ。
チョコ食べてて妙な雰囲気になっただけですが☆
…というか裏用のえろいのを書いてたら前段階が派生しちゃった話なんですが;
ということで続きは、裏にありますvvv
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