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-side 志穂 - ~ 一章 第一話 ~



 隣人。ご近所。幼馴染。
 果たしてどんな言葉が私達に一番ぴったり似合うのだろう。

 私、仲川志穂と悠真の関係はそれこそ物心ついた時から。
 本当の家族じゃないかと思うことすら時々あったほどに両家は親しい。
 それだけに縮められない距離がある、と最近では感じている。

(もう少しだけ寝かしてあげてもいいかな……)

 時計の針と彼の顔を見比べながら私は悩む。
 今朝もすでに何度かタイミングを見計らっているけど彼を起こせずにいた。

 実はこの寝顔が好き。
 彼の母親に挨拶をしてから堂々と寝込みを襲うのが好き。
 登校前だからさすがに襲わないけど。

「んぅ、もう少しだけ夢を見させてくれ……」
「駄目よ、悠真。起きなさい」
「……ハッ!?」

 さすがにもうタイムリミットだ。しぶしぶ声をかけた。
 冷たい声で。険しい表情で。
 それが私にとって唯一の隠れ蓑。

「……喋らなければ」
「?」

 ブツブツ言ってる彼を見ながら私は表情を変えずに僅かに首を傾けた。
 考え事をしていたせいで最後の言葉以外を聞き漏らしてしまった。不覚。
 次は聞き漏らさない。

 するとまた彼が独り言。今度ははっきりと捉えた。

「黒髪に近い茶色い髪も綺麗だし、髪型も好きだ。
 いつも身なりは整ってるし、少し冷たい印象はするけど
 しっかりしているところも助かってる。喋らなければ、なお良い……」

 褒められた。嬉しい。
 でも余計な言葉のほうが気になる。結果的に悔しい。
 突然語りだした彼の言葉がまだ続いている。

「胸のサイズは多少改善を要するところだが、
 触ったことはないが柔らかそうでいい。
 一緒にプールに行ったときは、平静を装うのに苦労した記憶がある。
 全体のバランスを考えれば文句のつけようがないと言えるだろう。
 お前本当はいい女じゃないのか? 喋らなければ」

 もしかして彼って無意識に心の中にあるべきことを口にしてしまっているのかしら。
 聞き捨てならない単語がいくつか混じってきたので私の表情が険しくなる。
 それに気づいたのか彼は言葉を切った。

「……思っていることは口に出さないほうが良いわね」
「あ、はい」

 やっぱり予想通りだった。私は呆れ顔になって続ける。

「さっさと起きなさい。遅刻は許されないわ」
「し、志穂ぉ……お、おま、何故ここに……」

 今さら何を言い出すのやら。寝顔だってバッチリ見ていたわよ。

「忘れてるのかも知れないけど、ここは俺の部屋」
「だから何?」
「……」

 平然と言い返す。彼は絶句した。
 自分の部屋に当たり前のようにいる私のことが許せないのかな。
 彼がどう思っていても関係ないので冷ややかな視線を送る。
 早く起きなさいよ。

「ですから、ここは俺の――、」
「おばさんから入室許可はもらっています。
 むしろアンタのこと、好きにしていいって」

 悠真の顔色が明らかに変った。

「好きにしていいって……
 いやいや、ちょっと待とうよ。明らかに越権行為だろ!?」
「んー、そうかしら?」
「そうに決まってんだろ。
 例えば俺が明日の朝、お前の部屋に居たらどうすんだよ!!」

 そう言われてみるとそれは困るかも。
 見られたくないものだって多少はあるわね。

「悠真が私の部屋に……? それは許されないわね」
「だろ! だよな!?
 だったらお前のするべきことは一つだ。
 今すぐ回れ右をして俺の部屋から……あ、あれ? 何をなさるので」

 なにかいい始めたけど、それとこれとは別問題。
 私は彼に覆いかぶさるようにして、両手を肩に置く。もちろん体重をかけて。

「でもまあ、その時はこうするでしょうね」
「え、あの、動けないんですけど」

 まあそうでしょうね。
 さらに彼のお腹の上に座り込む。
 上から見下ろすのはいい気分。

「あ、あの……!?」
「不法侵入と寝坊、どっちが重い罪かしら」
「比べられないと思うけど……」
「じゃあ私の勝ちね。優しく起こしてあげる」

 そっと後ろ手で自分のお尻の辺りを探る。
 なにこれ大きくなってる。

「あら」
「ま、待って……見るな! 見ないでえええええぇぇぇ!!」
「何をいまさら」

 指先がしっかりと彼自身を捉えた。
 朝立ちってやつね。
 私はちょっと意地悪な目になって、彼の目を見ながらゆっくりと手を動かしてみた。

「はぅぅ!!」
「相変わらず敏感ね。
 朝は特にそうなっちゃうのかな?」

 手のひらをゆっくりと上下に滑らせるたび、彼が小さく喘ぐ。

(可愛いのね、悠真……)

 思わず目を細めてしまう。
 うっとりした様子で彼が私を見あげているから。

 それから私は指先を曲げて、彼の先端を擦るように撫でてみた。
 すると甘い吐息が彼の口から漏れ始めた。

「悠真、気持ちいいんだ」
「は、ひゃい……!」
「ほら、もう従順になったみたいよ」

 悠真は何も言い返さない。
 完全に私が主導権を握っている状況。
 正直、かなり興奮する。

「くぅ、く、そぉ……朝からなんで、こんな辱めを!」
「ふん、気持ちいいくせに」

クニュウウウッ!!

「う、うますぎる……あああぁぁぁ!!」
「その声、好きよ」

 思わず本音を出してしまったけど構わない。
 手を動かす度に彼の体が跳ね上がろうとするのを抑え込むのが楽しい。
 なんかクチュクチュ言い始めてる。

「う、あっ、あああ~~~~それええええええええええええ!!」

 軽く首を傾げながら、人差し指と中指で彼自身をくすぐり続けた。
 この刺激が好きみたいね。

「恥ずかしい声。もっと聞いていたいけど……」

 そこで私は体を前傾させ、空いている手のひらで彼の横顔を撫でた。

「ふぐうううぅぅ!?」
「こういうふうにされるの好きだもんね? 悠真」

 口元を手のひらで覆われると彼はさらに喜んでくれた。
 うっとりした視線に熱っぽいものが加わり、とても嬉しそう。

「ほら、興奮してる……ドキドキドキドキ♪」

 フルフルと首を横に振る悠真。

「ふふふ、なぁに?」

 弱々しく悶える彼の表情が好き。
 気持ちよすぎてだらしなく快感に溺れる彼が可愛くて好き。

 表情は変えずとも私は興奮しまくっていた。
 無意識にからのシャツの下に手を差し込んでしまう。
 指先がコリッとしたものに触れた。

「幼馴染として、寝坊したらどうなるかをキミの体に刻み込んであげないとね」
「ま、まって……しほぉ、気持ちよすぎて、腰が……」
「へぇ、それは大変ね」

 かまわず指先をくねくねと動かしてみる。
 両手で彼のペニスと乳首を優しく愛撫する。

 淫らな水音が響く。

「あ、あっ、ああああ!」

 喘ぎまくる彼の声を聞きながら、さらに指先を激しくする。

「いぎひいいいいいいいいいい!!」

 よほど刺激的だったのか、彼の腰が跳ね上がり、口からは涎と喘ぎ声が溢れていた。
 足の先までピンと張り詰めて、恥ずかしい顔で私を見つめている。

「見ないで、志穂っ! はずかしい、はずかしいからあああ!」
「だから何? もっと恥ずかしくなって見せて」

 今度は肉棒を激しく前後に揺さぶってみる。

「ひゃうっ、それっ、それだめえええええええ!!」
「ほらほら、もう後がないわよ」

 サディスティックな感情に身を任せて私は彼を責め続ける。
 そして彼は私を満足させるのに十分な可愛らしさを見せてくれる。

 そろそろトドメをさしてあげないとね……

「ほら、こっちを見て? 悠真……」
「えっ」

 いったん手を止めて優しく声をかけると、彼は戸惑ったような顔をしてみせた。
 私は彼と視線が交差した瞬間をねらって、再び愛撫を再開する。

「あ、ああっ、ああああ、これええ、イク、イっちまうううう!」
「イきなさい♪」

 乳首をカリカリと刺激しながらペニスの先端を優しく揉み込む。
 その合間に指先で軽く亀頭を弾くと彼は甘い声を出す。

 何度かピシッと指先が彼の敏感な場所をえぐった時だった。

ビクビクビクッ!

(もしかしてイったの? 今日も早いわね、悠真)

 明らかに力の入り方が違う。
 何度か腰を跳ね上げたのに、彼の甘い喘ぎが止まらない。

 構わずゆっくりとペニスをなぞる。
 輪郭をなぞるように優しく、爪の先で弄ぶ。

「か、はああぁぁ!」

 ああ、もう駄目、止められない。
 責めるのを止めるタイミングが全然わからない。
 だってその顔が好きでたまらないんだもの。

しこ、しこしこしここ……♪

 指先を揃えて彼が喜びそうなことをしてあげた。

「いいっ、それいいよおおぉぉ!」

 悶える彼を両手で押さえつけながら愛撫を繰り返す。
 声に出さないだけで私だってものすごく興奮してる。
 幸いなことに悠真は自分の身に襲いかかる快感に抗えずに悶え続けてる。
 もう少し悶えさせちゃおうっと。

 それからしばらく私は彼を弄んだ。
 ちょっとやりすぎたので反省……

「はい、終了」
「あ、ああぁぁ……」
「早く顔洗ってきなさい。
 週の始めから遅刻とか私が許さないから」

 興奮している自分に気づかれたくなくて私は自分から彼に背を向けた。
 いつもと同じように冷たくあしらってしまう自分が嫌い。
 本当にこんな幼馴染でごめんね悠真。

 数分後、何事もなかったかのように、私は彼と一緒に登校するのだった。



-side 志穂 - ~ 一章 第一話 ~ (2020.09.24)



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