俺の名は佐助。今日まで与えられた任務を順調にこなしてきた。
しかし今回だけは失敗だ。
もともとこの任務は中忍上位者向けの内容だった。
しかし今までの俺の経験と勘があれば任務は達成できると思っていた。
実際に現場に赴いてみて多少の困難はあったが、それも想定内のことだった。
問題の機密文書を手にしたところまでは良かったが、俺はひとつ大きな過ちを犯した。
機密文書を見張っていた他国の忍びの存在を気付くことができなかったのだ。
その小さな隙を敵は見逃さなかった。
おれが標的の情報を掴んだ途端、他国の忍はおれの存在を国中にばらしたのだ。
あっという間に忍びである俺の情報が現地で広まっていく。
相手に自分の存在が知れてからというもの俺はひたすら逃げた。
事前に逃走経路はしっかりと把握していた。
幾重にも張り巡らせた罠や幻術などを駆使して、ほとんどの追っ手は退けたはずだ。
しかしまだ追ってくるやつがいる……ただ一人だけ振り払えない奴がいる!
もはや任務に失敗した俺が出来ることは、生きて里に情報を持ち帰ることだけなのだ。
こいつが果たしてうまく逃がしてくれるかどうか……
「ふふっ、もうおしまい?」
背後から涼しげな女の声がする。
そう、こいつが追っ手……くノ一「沙織」だ。
俺は全力で逃げているのだが、沙織は走る俺の背中を指先ですぅーっとなぞり……また距離を置いた。
「くそっ! ふざけやがって!!」
俺は横目で沙織の声がするほうを見る。
左斜め後ろに手裏剣を素早く投げつける。
「きゃっ」
俺を追いかける沙織の体を手裏剣が突き抜けた。
今度は俺の右側のほうから沙織の声が!
「ふふっ、甘い甘い……隙だらけだよ。えいっ」
こいつには完全に移動速度で負けている。
「っ!!……うがっ!!!」
次の瞬間、俺の左足に鋭い痛みが走った。
逃走する俺の動きが激痛とともに鈍る。
「忍法・影縛り。もう逃げられないよ?」
痛みを堪えて俺は自分の左足を見る。
そこには沙織の細い影が俺の片足に絡み付いていた。
見る間に沙織の影は俺の足から腰まで絡めとり、広がっていく。
俊敏を誇る俺の体から自由が奪われていく。
「はなせっ! このっ!!」
おれは必死でもがいた。
しかしどうにもならない。
「さぁて、どうしようかなぁ? ふふっ」
沙織は自分の影を巧みに操り、俺の四肢に絡みつかせる。
そして俺の動きが完全に止まったことを確認すると、彼女は影を木の枝に固定した。
まるで蜘蛛の巣にとらわれた獲物のように俺は空中で大の字にさせられた。この上ない屈辱。
「俺をどうするつもりだ! 早く殺せ!!」
おれは沙織に向かって吠えた。
余裕の表情をしている美しいくノ一が気に入らなかったんだ。
「ふふっ……」
沙織は自分の頭部を覆っていた忍服の一部を脱いだ。
美しい黒髪が宙に舞い、甘い香りがあたりに漂う。
肩より少し長い黒髪を指に巻きつけながら沙織は楽しそうに俺を眺めた。
短めの装束から露出する細くしなやかな脚、忍服の上からでもその形を主張する胸のふくらみ。
少しだけ露出している鍛えられた腹筋……
しかし、やつらは男をたぶらかすためだけの存在。
そんなくノ一に、このおれが忍術や体術で遅れをとるわけにはいかない!
「どこで捕まえようか迷っちゃった。体術では完全に私に負けちゃったね?」
不敵な笑みをたたえ、逃走に失敗した獲物を見下す沙織。
「貴様……っ!」
自分の情けなさを隠すかのように露骨に感情を出してしまう俺。
両手に力を入れようとしても……なぜか脱力してしまう。
この影縛りのせいだろうか。
「そんなに怖い顔しないでよ。ちゃんと奪ったものを返してくれたら解放してあげるんだから」
沙織から意外な発言。
拘束された忍など、自害するか拷問されるかしかない。
場合によっては自害すら不可能だ。
解放などという選択肢自体がありえないのだ。
「なんだと……」
俺の奪ったものはあくまでもただの情報だ。
一応書状の形はしているが……忍である俺が内容を忘れるわけが無い。
ここは素直に返して許しを乞う振りをするか。
しかしそんな俺の甘い考えを見抜いてくる沙織。
「もちろん機密文書は返してもらうわ」
言い終わると沙織は服を着たまま俺に近づき、おもむろに接吻をしてきた!
奴の舌先の感触が柔らかく俺の口の中に広がる。
「私の事しか考えられないくらい犯してあげる。そのあと、自由にしてあげるわ……ふふっ」
俺の頭を抱きしめながら耳元で沙織がささやく。
突然の熱い唇に、俺は動揺した。
しかしこれは好都合だ。
全てを忘れた振りをすれば沙織は俺を解放するだろう。
それに俺の奥歯には女にしか効かない強烈な催淫毒が仕込まれている。
頃合を見てそれを沙織に飲ませれば、こいつは俺の言いなりになるはずだ。
俺は沙織の接吻を受けつつ反撃の機会を待つことにした。
………………
…………
……
しばらくの時間が過ぎた。
俺の唇は沙織に奪われたままだ……意識が朦朧としてきた。
かなりの時間、沙織の接吻は続いた。
ここまで口の中を舐めまわされて来ると呼吸や意識が乱れてくる。
正直、舌先の感覚が無くなってきた……しかしここで甘美な誘惑に負けるわけには行かない。
性技といえども、くノ一に屈することは男の忍としてはあってはならないと俺は思っている。
「そろそろいいかな……ふふっ」
「?」
沙織はゆっくりと唇を解放すると、その小さな口元を手の平で抑えた。
ぽとりッ……なにかが沙織の手の中に落ちた。
「あ〜、やっぱりこの薬もってたのね」
にっこりと微笑む沙織。
その手の平には、俺の奥歯に隠してあるはずの秘薬があった!
「あなたのお口の中をたっぷり犯してあげたら自然と出てきちゃったわよ?」
「あっ……あうっ……あああ!」
あまりの驚きと同時に疲労感に襲われてうまくしゃべれない俺。
「ふふっ、どうやって取り出したか不思議でしょう? これがくノ一の力よ……」
沙織は取り出した媚薬を唾液で溶かして、自らの唇に薄くのばした。
唇が薄い紫に染まる……
「もうひとつ言っておくけど、私にはどんな薬も効かないわ」
沙織は自分の腰の辺りから丸薬を取り出た。
そして先ほどと同じように唾液で溶かしながら口紅のように薄くのばした。
「あなたが持っていたこの薬と、私の持っている男性用の媚薬と混ぜると……すごいわよ」
今度は沙織の小さな唇が魅惑的な桃色に染まる……そして俺のほうに近づいてくる。
■
「さあ、ここからが本番よ」
沙織の白く細い指が俺の頬をふわりと挟み込む。
同時に俺の鼓動が高鳴る。
「くノ一の本気を思い知らせてあげる」
俺の視線は薄い桃色に染まった沙織の唇に釘付けだ。
さっきから何やら甘く怪しい香りがするのだ……
「この唇が……欲しいの?」
俺を見つめる沙織が、少し微笑んでから一気に唇を重ねてきた。
自然に自分の舌を差し出してしまう俺。
「くすっ、何も言わなくてもわかるわ」
それに応える沙織。
くっ……だめだ、逆らえない!!
「ま、まて! うあっ、あぁ……あっ……」
いとも簡単に喘がされてしまう。
彼女の唇、舌先、軽く触れ合う歯の感触までもが俺を魅了する。
「快感に逆らう訓練なんてしたことないでしょう?」
無意識のうちに俺は沙織に抵抗する気力を徐々に削ぎ落とされていた。
沙織が唇を重ねるたびに、媚薬混じりの唾液を飲まされてしまう。
「媚薬入りのくちびるの味はいかが?」
沙織は俺から一歩下がると、複雑な印を結び始めた。
「もっともっと良くしてあげる……私の淫術でね」
それを見つめるおれの周りの景色がわずかに変化する。
「あなたを縛っている影を少し変化させてあげる」
沙織は印を結び終わると、俺に近づいて拘束している影に手を振りかざした。
「影は私のかわいい下僕なの。右京!左京!!」
すると右手と右足を縛っていた影が、赤い忍服を着たくノ一に変化した!
沙織と違って全身をぴっちりと覆う赤い忍服。
鎖帷子からはみ出しそうなほどの巨乳と、愛くるしい顔立ち。
「沙織さま、右京をお呼びですか?」
自らを右京と名乗るくノ一は柔らかい体を俺に押し付けたまま、沙織にあいさつをした。
沙織は俺を拘束している右京の顔を軽く撫でると、今度は反対側の影に向かって手を伸ばした。
「やめろっ……」
沙織の淫術を見て、俺の不安感は高まる一方だ。
「うふ、じっとしていてください……」
ぎゅうっと締まる右京の体。
彼女の年齢は沙織よりも若干年下なのだろう。
しかしふんわりとした体つきと、大きくて柔らかい胸が俺の体を心地よく締め付けている。
一瞬の隙をついて逃げ出そうとしたが、どうやら無理なようだ。
おれが右京に抑えつけられている間にも、影の変化は続いていた。
今度は左半身を覆う影が、濃い緑の忍服を着たくノ一に変化した。
髪は少し短く、形の整った耳が見えた。
忍服から覗くほっそりとした脚が、俺の左足に絡みついて拘束し続ける。
「私が左京だよ。はじめまして」
左京と名乗る影は俺のほうを向いて涼しげに微笑んだ。
「ここからは私の影でたっぷり犯してあげる」
沙織がそういうと、左京と右京は俺から少しはなれた。
しかし俺の手足は少しも動かせない。
実際は縄か鎖で縛られたままだ。
「幻術で溺れさせてあげるわ」
「ぐっ……」
じたばたともがく俺を柔らかく拘束する二人の影。
しかしこの二人の影は幻術などではなく確かに存在しているように見える。
右京が上目遣いで可愛く俺に囁く。
「あなたの抵抗する気力を完全に打ち消してあげます」
そして両方の手の平で俺の背中と胸板を撫で回す。
何気ない愛撫だが拘束された俺の体には一気に染み渡る。
「ふふっ、もう準備はいいみたいだね。私たちが身も心も脱力させてやるよ!」
ちゅううう……
左京はおれの乳首を軽く吸い付きながらかじった。
「っ!!」
その刺激におれの背中が敏感に反応する。
「逃がしませんよ……」
その動きを追うかのように右京がおれの二の腕を舐め上げる!
「うああっ!!」
右京の柔らかくも的確な性感攻撃に思わず俺の声が上がる。
今度は乳首を責めていた左京が、素早く脇の下をあやしく舐めてきた。
「ふふっ、まだ我慢できるよね?」
左京のくすぐりに、声を殺しながらも体を捻って耐える俺。
その俺の背筋を、右京の舌先が蛇のように這い回る。
「あなたの筋肉全部……私が柔らかくほぐしてあげます」
その言葉どおり、彼女の舌先はおれの背筋を一つ一つ細切れにしていくかのようだった。
どんどん力が入らなくなってくる……
そうして気を抜いていると、左京の引き締まった太ももがおなかの辺りを撫で上げてくる。
「はぁっ!!!」
たまに亀頭に触れ合う太ももの感触に気が狂いそうになる。
「くすくすっ、何をされても感じるだろう?」
「くううっ!! お、おのれ……」
俺の体は二人の影が紡ぐ快感で染められつつあった。
二人の影は息を合わせて俺にさらなる快感を植えつけてくる!
「ねえ、右京。そろそろ一度イかせちゃおうか。こいつ」
左京がおれの玉袋を軽く持ち上げる。
そして太ももを滑り込ませて、やわやわと弄びながら右京に尋ねる。
「そうですわね……では」
右京の人差し指がおれの亀頭の先端をいつくしむように優しく撫でる。
たったそれだけの行為に、思わず腹筋に力が入る。
右京はその反応を見て、おれの感度がかなり高まっていることを確認した。
「あらあら、そんなに気持ちいいのですか?」
「あっ、あっ……」
二度、三度と亀頭に我慢汁を塗り広げる右京の指技。
ふたりは快感に踊らされている俺の体を一度押さえつけると、呼吸を合わせて左右の乳首を口に含んだ!
ちゅぶっ、ちゅる〜〜〜
ちゅちゅ
れろ……
「あっ! うわあああああぁぁ!!!」
俺の体に、彼女たちの口から直接快感を流されたように、体中を妖しい刺激が駆け抜ける。
そして乳首から注がれた快感が、一気に股間に襲い掛かる!
(やばいっ、出るううぅうぅぅッ!)
ぷしゅ!!
ぴゅっ……とろり……
■
間一髪のところで、俺は射精をとどまった。
しかし口元からはだらしなく涎がこぼれ、手足は断続的に緊張と弛緩を繰り返している。
ここで射精したら止まらなくなる……止められなくなる……
おれの本能が危険信号を発したのだ。
理性を失ったら最後、あとはいいように弄ばれるだけ。
「あらっ……ものすごい精神力ですね」
ちょっと感心したような表情の右京。
「本当だ! 出さないで留めてるよ!! どれくらい力が入ってるのか玉袋を揉んで見てやろうっと」
左京は必死で耐えている俺の顔を見ながら、静かに太ももでおれの股間を持ち上げた。
す〜りす〜り……
そして破裂しそうな俺の袋を指先で優しくさすり始めた。
「はあああぁっ!! くそっ、やめろ……!!!」
影二人が与える優しい快感に、おれの耐久力はどんどん削られていった。
「その二人はね、脱力技の達人なのよ。二人の責めに半刻と耐えられた男はいないわ」
俺が影たちに痛めつけられている様を、余裕の表情で見守る沙織。
「さて……右京、左京! いつものようにその子を骨抜きにしてあげて。
きょうは、私がじきじきに食べてあげることにしてるの」
その言葉に一瞬顔を見合わせる影たち。
「うらやましいなぁ、お前。沙織様にしてもらえるなんて!」
「本当ですわ。私たち下忍と違って、あの方は里の中でも主席の実力者。
早く観念してしまわれたほうがよろしいんじゃなくて?」
二人は俺への責め手を緩めずに話しかけてくる。
(沙織に食べられるって……どういうことなんだろう……)
おれは生唾を飲み込んだ。
まだまだ彼女たちは実力を全て出していないのだ。
「今おまえ……沙織様に見とれていただろ?」
おれの横顔を覗き込んでいた左京が、ぼそりと耳元で囁いてくる。
その言葉に、おれは戸惑いを隠せなかった。
確かに俺の視線は沙織の胸元を見つめていたのだ。
「な、なにをいってる!!……くそっ、おまえら離せッ!」
俺は両の手足に力を込めようとするが、先ほどの乳首責めの余韻のせいで指先すらうまく動かせない。
「ははッ、だいぶ快感が体に染み込んでいるみたいだな……
沙織様の手を煩わせるまでも無く、お前はあたし達にぼろくずにされちまうんだよ!」
左京はすばやく俺の背後に回り、両脇の下から手を伸ばして胸板を撫で回し始めた。
「ぐあああぁっ!! お、おのれ……嬲る気か!!」
「そんなことありませんわ。うふふっ」
逆に右京がおれの正面に回りこんで、俺の肩に手を当てて接吻をしてきた!
右京の髪の甘い香りが俺を包み込む……
「むぅっ、んん〜〜〜っ!!」
右京は俺の唇を奪い、少し背伸びをするような姿勢で俺の口内を荒らしまわる。
おれは彼女たちに呼吸の流れを乱され、軽い混乱状態に陥る。
その間にも背後にいる左京は、おれの背中に胸をぐいぐいと押し当てながら上半身を柔らかくくすぐり続けている……
先ほどまでの過激な責めから一転して、じれったくなるような甘い快感がおれの背筋を走る。
「前後の責めはあなたの体の自由を完全に奪います。
それと同時に思考を鈍らせる働きがあるのです……ほらぁ、もう一度 んんん〜〜〜っ」
右京はとても楽しそうに俺に接吻をねだってくる。
普段ならこの程度の色仕掛けなど精神力で跳ね返せるのだが……
背後にいる左京にはさまれ、快感を逃がすことが出来ないのだ。
「へへっ、どうかな……あたしと右京の連携技は? まだまだ耐えられそうか??」
「ぐっ……」
間断なく与えられる甘美な刺激を、おれは歯を食いしばって耐えるしかなかった。
「またさっきのやつ……やってやろうか?」
左京の言葉に、無意識に身構えてしまうおれ。
体中の力が入らない状態で、あの乳首責めに耐えることは体力の消耗が激しすぎる。
今度は漏らさず耐え切れるかどうか俺にも不安だ。
「安心しなよ、今度は無理に耐えさせないから……・な?」
おれが左京の言葉を理解する前に、右京が俺の体を正面からきつく抱きしめてきた。
「沙織様より先に私たち二人がとろけさせてあげますわ」
そして再び熱い唇……今度は俺の首の後ろに右京の左手が回され、しっかりと固定された。
「もうこれで右京から逃げられないぜ。そろそろ仕上げてやるよ。 ほらっ」
左京の指先が知らないうちに粘液まみれになっている!
妖しげ感触が俺の胸を犯してくる。
「はああぁぁっ〜〜〜!!」
そして指でくりくりと乳首を弄びつつ、左京は引き締まった太ももで背後から俺の玉袋を軽く持ち上げた。
「また乳首をしゃぶってもらえると思ってただろ?
すでに快感にまみれたお前の乳首を感じさせるのは、この両手だけで充分さ……」
左京はそういいながら、左手を俺の股間へと忍ばせた。
「うううっ!!!」
ひんやりとした左京の手のひらが、おれの肉棒を優しくしごく。
しかしそれはおれを射精するための動きではなく、硬さを確かめつつ根元を垂直に固定するだけのものだった。
「ふふふっ、これで決まりだな……右京やっちゃいな」
おれの肉棒の向きを横目で見た右京は、ゆっくりとじらすように亀頭を太ももで挟み込んだ!
「秘技……羽衣締め、ですわ」
右京の真っ白な太もものやわらかな感触……
決しておれに痛みを感じさせることも無く、隙間も全く無い。
柔らかい羽衣で締め付けられているかのような錯覚に陥る……
「うあああっ!!!……んんんっ! ん〜〜!!!……」
あまりの快感に、おれは全身を震わせて抵抗した!!
次の瞬間、わめき散らす俺の唇を右京がふさぎこんだ。
俺がおとなしくなったところでいったん口を解放する。
完全に手玉に取られている……
肩で息をしているおれを、優しく見下す右京の視線……
くそっ、恥ずかしくてまともに視線を合わせられない!!
俺の様子を見ながら満足そうな右京が、おれに静かに囁きかけてくる。
■
「秘技……羽衣締め、ですわ」
(ああぁ……くそ、睨み返せ!!俺!!……)
右京の潤んだ瞳に魅入られたおれはますます性感を高められていた。
「私の太ももの間で震えてるこの子…… 」
右京は人差し指と中指を口元に運び、透明な唾液をとろりと絡ませた。
そしてそのまま手を後ろに……回した。
「もっと感じさせてあげてもよろしいでしょうか?」
右京は自分の桃尻から少しだけはみ出した俺の亀頭の先端を、細い指先で弄び始めた!!
「では……参ります……」
そっと触れる指先が亀頭に触れると、ゆるゆると甘い蜜を塗り広げはじめた。
あくまでも俺を快感から逃がさない右京の指技。
「初めは優しくとろけるように……」
極上の太ももの感触にくわえて、ぬるぬるの指先による巧みな愛撫……
おれはくノ一の性技の前に理性が吹き飛びそうだった。
「あぁっ!! そ、そんな……くぅ、うわああああ!!!!」
まるで右京に全身を包みこまれえいるかのように、俺は身動きが取れなくなってきていた。
そんな俺をみながら、右京は容赦なく……くにくにと鈴口を撫で始めた。
「ここが感じるのですよね?……」
歯を食いしばっていても手足の先がしびれてくる……
そんな俺の様子に満足そうに微笑む右京。
右京の指先は的確に俺の弱点を責め立てている……
その強烈な刺激に俺の全身が警鐘を鳴らす!
「うああああああっ、はなせぇ!!! あっ、あっ……ぐう!!!」
おれは気が狂いそうな快感を振り払うために、恥も外聞も無くわめき散らした。
そうでもしなければ脳内が一瞬で桃色に染まってしまう。
「では、もっと右京を感じてください」
そんな俺に対しても、右京の優しい責め手が緩むことはなかった。
影たちにいいように弄ばれ、もはやおれの体力は無に等しかった。
「そろそろ私たちの本気を見せてあげますね……」
すると今まで俺の頭部を固定していた右京の左手が頭から離れた。
そして、そのままおれの乳首を責め始め……
左京の左手と、右京の左手が絶妙の連携技でおれの乳首を弄ぶ!
「ふふっ、もう漏らしちゃってもいいんだよ?」
左京が俺の耳元で甘くささやく……
「ふたりで擦りつけて脱力させてあげますわ。最高に感じる角度で……」
おれの乳首を左手でやわやわと弄びながら、右京は右手の指先に力を入れて俺の裏筋部分を高速で擦り始めた!
「ああああああッ!!!!だめ、出るっ……・出ちゃう!!!!!」
泣き喚きそうな俺を見て、左京が鈴のように笑い出す。
「ふふっ、天国だな……
右京の脚に挟まれて、膣に入れられるまでも無くお前は絞り取られちまうのさ……」
文字通り、俺の我慢は限界にまで達していた。
「もうイってしまわれますか? 」
早く楽になりたい……右京の指先と太ももに射精したい……
そんな感情だけが俺の脳内を駆け巡っていた!!
「……でも駄目ですわ」
息を合わせたように右京と左京の責めが止まる。
「イきたいですか? そんなにイきたいのなら、ご自分で腰をお振りになってください……うふふっ」
限界のところで寸止めされ、俺は思わず右京を見つめてしまう。
「な……そんなこと……!」
自分から腰を振るなんて、すでに負けを認めてしまうようなも……
「できませんか? ですがもう耐えられないのでしょう?」
熱くなった俺自身をほっそりとした指先が這い回る。
右京が僅かに腰を揺らして、太ももで俺の肉棒を扱いてくる。
「うあああ……く、くぅ……ああああ!!!」
極上の太ももに擦られ、また俺はイきそうになる。
だがまたしても寸前で右京は腰を止め、俺に射精することを許さない!
「ほらっ、もう限界なんだろ? 我慢しないで、右京の脚に吐き出しちゃいなよ」
左手で巧みに乳首を弄びながら、左京が俺の耳を舐めてくる。
「く……ぅ……・・」
俺は影たちの誘惑を必死に振り払おうとする。
俺は忍……くのいちなんかに屈するわけには……
……すぅっ……
「そんな顔しても駄目ですわ」
再び右京に裏筋を指先で撫でられ、俺は悲鳴を上げる。
「あああああっ! だめっ! そこはぁ!!!」
どんなに強がっても影たちに触れられれば俺は気持ちよくさせられてしまう。
俺の忍としての矜持は、寸止めを繰り返されるうちにどんどん失われていった。
「ふふっ、いい表情になったね。すっかり右京の脚責めに骨抜きになったって顔だよ」
おれを押さえ込んでいる左京は楽しそうだ。
「どうですか? 私の脚でイきたいですか?」
じっと見つめる右京の瞳……こいつの持っている独特の雰囲気は男を自然に狂わせる。
おれは……
選択肢
1.右京にこのままイかされたい
2.ふいに左京のことが気になった
3.お前らなんかに屈しないぞ!
選択肢1
「どうですか? 私の脚でイきたいですか?」
じっと見つめる右京の瞳……こいつの持っている独特の雰囲気は男を自然に狂わせる。
俺の口元はまるで赤子が母親に乳をねだるかのように震えていた。
(イかせてほしい……)
俺がこくりと頷くと、右京は満足気に笑った。
「嬉しいですわ。でもあなたの最初は沙織様のものですから」
右京はそう言って沙織を見た。
沙織は右京に向かってやさしく微笑んでいる。
「一度ぐらいだったら彼から抜き取ってあげてもいいわよ」
右京に対する沙織からの許可……
俺を羽衣締めで絶頂させてもいいということか。
主人に対して軽く頭を下げる右京。
「沙織様からお許しをいただいたので、あなたの初めては右京が導いて差し上げますわ」
右京は満面の笑みとともに性技を再開する。
先程までは生殺しを前提でふわふわと蠢いていた右京の指先が、明確に俺をイかせる動きに変化している。
しかし太ももに挟まれた肉棒は絶妙な圧力で弄ばれ、いまだに射精を許されない。
彼女の桃尻から露出させられている亀頭は二本の指で挟まれ、円を描きながら捻られてゆく。
俺の肉棒も再び歓喜の涙を流し始めた。
(う、右京っ……右京!)
俺の顔色を窺いながら柔らかい笑みを浮かべる右京は、今の俺には天女に見えた。
この美しい天女になら、自ら精を捧げたいと思わせるほど魅力的だった。しかし……
「もうすぐ出てしまいそうですね。では……」
ぴたりと止まる指先。
中断される快楽の旋律。
満ちてきた潮が突然引いていくような空しさ。
「あああっ……」
「まだまだ射精するには早すぎますわ」
俺は女神にすがるような目で右京を見ていたに違いない。
「もう少し頑張れますでしょう?」
優しい顔をした悪魔、とでも表現すればいいのか。
丁寧な物腰なのに、右京の男への責めは非道だ。
今度は指先を使わずに太ももの締め付けだけを何度も繰り返してくる。
このままでは発射できない……そう感じた俺は自分から腰を動かし始めた。
「あら、おねだりですか? ふふふ……」
俺の動きを感じた右京は、両手で俺の腰をつかむ。
そして、俺の腰の動きに合わせて自分も同じように腰を振る。
(ああぁ、動くな! くそっ……)
押せば引き、引けば押してくるその動きに、再び射精への快感が遠のいていく……
俺の様子を見て右京は小さく笑い出す。
「自分から到達しようなんて許しませんわ」
右京は太ももの圧力を緩め、代わりに指先や手のひらで俺の体をさすり始めた。
むず痒い感覚に蝕まれてくる。
(もっともっと焦らして、恥ずかしい声でイかせてあげますわ)
………………
…………
……
「では、とどめですわ」
ようやくこの苦痛から解放されるのか…………頭の中に安堵がよぎる。
しかしここで再び彼女の気が変わってしまうかもしれない。
俺は恐れた。右京は気分屋なのだ。
しかしそんな心配をよそに、右京の性技は最終段階に到達していた。
太ももの圧力は緩み、肉棒には小刻みな振動が加えられている。
また、亀頭に添えられた指が裏筋の一点を刺激し始めた。射精感が玉袋の底からわきあがってくる!
「もはや挿入するまでもないです。このまま果ててください」
右京の柔らかくも冷酷な笑みを見た俺は…………
「はぁぁああああ! だ、だめぇええ!! で、出るぅ! 出ちゃううぅぅぅ!!」
どぴゅっ、どぴゅぴゅぴゅぴゅ〜〜〜〜〜!!!!
激しい射精と情けない声を同時に吹き上げさせられた俺は、一気に脱力してしまった。
そんな様子を無視して、まだ固さを保つ俺の肉棒をつかむ右京。
「…………もうひと絞りですわ」
そう言うや否や、右京は精液まみれの肉棒を自分の胸に押し当てる!
忍服からあふれる谷間に飲み込まれた俺自身は、先程以上にそそり立たされた。
そして右京の胸の中を何度か泳いだだけで……泳がされただけで……
「ああああっ…… はぁっ!!」
ぴゅううぅ……
力なく俺の亀頭から絞られる精。それらは全て右京の体にしみこんでゆく。
体力の回復も許されないまま、右京に二度も導かれてしまった。
「ふふっ、右京ったら……やっぱり一度くらいじゃ済ませられなかったみたいね」
右京に抱きしめられながら脱力する俺を見て、沙織は小さくつぶやいた。
「さらにもう一度搾ってあげたら? あなたもまだ物足りないのでしょう、右京」
「ではお言葉に甘えて……彼を三連射させて見せますわ」
右京は悠然と俺にまたがって唇を重ねてきた。
忍服を脱いで開放された豊かな胸が俺の胸板で形を変える。
偶然だろうが、右京の乳首が俺の乳首をくりくりと弄んだ。
甘い痺れとともに頭がぼんやりしてくる。
(なんでこんなに……右京に引き込まれるんだろう…………)
ちゅっ、ちゅと音を立てながら何度も繰り返されるそれは、奪われる口付けというよりも相手に捧げる口付けだった。
右京の小さな唇が俺の口元を緩め、舌先をずるりと自分の口内に吸い寄せながら愛撫してくる。
俺の思考力を奪うためにあえて優しい口付けを重ねる右京の技は精妙を極めていた。
「……さっきよりも感じてくださいね」
天女のような微笑を浮かべながら、右京の指先が復活した俺の肉棒を捉えた!
にゅく、くにゅくにゅっ……
くっちゅ、くっちゅくっちゅ……しこしこしこしこ♪
「ひゃっ、あっ、あっ、ああっ……!!!」
悶える俺の体を背後からがっちりと固定する左京。
く、くそっ……手足がまったく動かせない!!
ほほを赤く染める右京から目をそらすこともできず、些細な抵抗すら許されない。
右京は俺を見つめながら指先だけで巧みに亀頭を弄ぶ。
とんでもない快感とともになぜか羞恥心が湧き上がってくるのに気づいた。
(そ、そうか……きっとそうだ! う、右京は……ああっ、いい!)
俺の頭の中に生まれた疑念。
それは右京は処女……生娘なのではないかということだ。
彼女に見つめられるとなぜか恥ずかしくなる。
くノ一らしく性技にも長けているのだが……どこか初々しい。
それが男の本能をくすぐり、性感を高めさせてしまうのではないだろうか。
よ、よし……それならば…………
俺は少し考えをまとめてから右京の瞳をじっと見つめた。
程なくして右京も俺の視線を感じ取る。
「あら、おねだりですか? うふふっ」
「な、中に……右京の中に挿入してほしい……」
俺は甘えるような声で右京にささやいた。
このまま嬲りものにされるくらいならせめて一矢報いたい。
挿入してしまえば生娘相手なら負けることはないだろう、
そして、予想が正しければ右京はこの提案を拒むはずだ。
そのときは罵声を浴びせてやろう……と考えていたのだが
「いいですよ」
予想外に右京は俺の申し出を受け入れた。
「ん……はぁっ」
すでに十分に硬くなった俺自身を優しく掴み、亀頭と膣口をすり合わせてくる。
闇夜に響く淫らな音色……ぷっくりと膨らんだ右京の淫核から粘っこい液体が流れ出して肉棒を包み込む。
(あうぁ! お、俺のほうが感じ始めてきた……)
腰をひくひくさせながらその刺激に耐える。
……本当にこのまま挿入させていいのか?
先ほど閃いた「右京処女説」について自信が揺らいできた。
彼女の動きには何のためらいもない。
このまま俺を秘所へと迎え入れるつもりだ。
「もうこんなに濡れちゃいましたね……」
軽く息を弾ませているような口調。
右京はひときわ優しく微笑んだ。
間違いなく彼女の頬は紅潮しており快感の色が見える。
このまま挿入すれば俺も感じてしまうだろうが
右京にも打撃を与えることができる……
「でもまだ駄目。ここからは私の胸で……」
透明な糸を引きながら、すぅっと離れる右京の膣口。
やはりそのまま挿入してはこなかった!
ふにゅううぅうぅぅぅ……
「あっ、ああああああああああぁぁぁぁ!!」
肉棒が柔らかな乳房に挟み込まれる。
まるで湯の中に放り込まれた海老のように激しく腰を跳ね上げる俺。
「ほらほら、じっとしてなよ」
しかしその動きは左京によって封じ込まれている……
右京は胸の谷間からはみ出した俺の亀頭をツツーっと爪の先で軽くひっかいた!
「があぁっ!」
待ち望んでいた強めの刺激に、不覚にも我慢汁がほとばしってしまう。
すぐにでもイきたい……でもこれだけではイけない…………
「ふっ……」
先ほどまでじわじわと指先で弄ばれていた特の数倍の快感。
既に互いの愛液で滑りが良くなっている上に、軽く汗ばんだ右京の胸の谷間は殺人的な快楽を俺に流し込んでくる。
俺を生殺し状態にする絶妙な刺激を、右京は自らの胸の谷間で作り出していた。
れろ……
ゆらゆらと舌先を伸ばし、今度は爪の先ではなく舌先で亀頭を愛撫してくる。
ちゅぷちゅぷと小さな音が耳に響いてくると、柔らかく甘い刺激が俺を悶えさせる。
「私は殿方が喜ぶ姿を見るのが大好きなんですの」
しっかりと俺の腰に手を回し、自分が動きやすいように位置取りをする右京。
余計な刺激を与えないように規則正しく俺の肉棒は彼女の谷間を往復する。
弛緩と硬直を繰り返す俺を見ながら右京は楽しそうにささやく。
「ですから、射精する直前まで焦らして焦らして……高まったところで」
柔らかな乳房で肉棒を包み、時折唾液を亀頭にたらしながらしごきあげる。
たったそれだけのことなのに……俺の下半身は右京に逆らえない。
「まだ大丈夫ですよね?」
つんつんと指先で軽く亀頭を弾いてくる。
「んあぁっ!」
情けないことに俺はその都度反応してしまう。
右京にしてみればもちろんその刺激では射精できないことは計算済みなのだろう。
「…………ふふっ」
しばらく俺自身を胸で弄んだ右京が不意に立ち上がった。
再び俺にまたがり、俺の両膝に手をつくような格好になる。
「そろそろ頂きますね」
右京は器用に腰の位置を合わせてきた!
彼女の膣も十分に潤っている。
今度は躊躇なく一気に腰を沈めてきた!!
「ここで……このように挿入すると…………」
ジュブププゥゥゥゥ……
「えっ……ちょ、ちょっとま……」
ほとんど抵抗もなく迎え入れられる俺。
亀頭が飲み込まれ、硬直した肉棒の半分が膣内に没するまでには勝敗は決していた。
「その表情、最高です。ふふふっ」
きゅきゅぅぅ……♪
右京は特に腰を動かす風でもなく、膣に収まった肉棒を軽く締め付けた。
言葉を出すより早く俺は射精してしまった。
「あっ……はぁっ……」
もはや我慢することができなかった。
焦らされて敏感になっていたところへ待ち焦がれていた快感がやってきたのだ。
防戦一方だった俺の下半身に止めを刺したのは右京の不意打ちだった。
膣に入れられた瞬間に爆発させられてしまった……
この上ない屈辱を感じながら、俺は自分の見通しの甘さを呪った。
右京が生娘だなんてありえなかったのだ!
「くすくすっ…………本当は胸で果てたかったのでしょう?」
俺の顔を覗き込む右京は上機嫌だった。
だんだん目の前が暗くなってゆく。
度重なる強制的な射精のせいで頭が痛い。
あまりの疲労感に指先すら動かせない。
「このままもう一度硬くしてくださいな」
ずりずりとすり潰すような腰の動き。
さすがに果てたばかりの俺にはなんとも感じない…はずなのに!
「うっ、あああぁ、馬鹿な…」
「ふふっ…」
俺の体は確実に右京に対して反応を返していた。
先ほど右京の膣に入れられた瞬間に射精させられてしまったというのに、再び硬さを取り戻していく。
しかもさっきよりも回復が早い!?
「淫法・筒戻しですわ」
「な…んだと?」
右京は言った。
一度射精した男性に対して、くのいちは膣内の精液を男性に戻すことができる、と。
つまり一度吐き出したものを強制的に戻された男は…
「何度でも何度でも殿方を拷問できるということですわ」
右京の言葉を聞いているうちに、膣に閉じ込められた俺自身がさっきと同じくらいの状態に戻った。
いや、戻された。
「さて、と…今度はあなたの望みをかなえてあげますわ」
俺の体から降りる右京。
相変わらず俺は身動きができない。
彼女は大きく開いた俺の足の間に入り込むと、俺の尻の下に両足を差し込んだ。
ぐいっと腰が持ち上げられる。
今まで以上に無防備な体勢に俺は歯を食いしばった。
「そんなに怖い顔をなさらないで」
あくまでも優しい右京の声。
しかし聞く耳なんて持たない。どうせ俺を嬲るつもりなのだから…
その時、股間でいきり立つ俺自身が柔らかいものに包み込まれた!
「んくうぅ!?な、なにを…あっ」
体液でヌルヌルとしていた俺の急所を優しく包み込み、かつ柔らかく愛撫してくる。
これはまさか…
「お待たせしました」
むにゅっ、ぐにぐにぐにいぃ〜〜
「おおぉぉ、はうっ!ああああああ!!!」
股間を中心に暴力的な快感が刻まれる。
とうとう俺は右京の胸につかまってしまった。
しかも最高に硬く、敏感な状態で。
「私の胸にあなたの大事な部分をを招待させて頂きましたわ」
上目遣いの右京と一瞬目が合った。
「くっ…!」
俺はすぐ視線をはずした。
相変わらず俺を引き込む右京の目を見ていると、あっさり白旗を揚げてしまいそうだった。
れろんっ
「ひいいぃっ」
亀頭の先端に訪れた甘い痺れ。
「ふふっ、もう一度行きますよ」
れろれろれろっ
「がああぁぁっ!んんっ、くそっ…」
さらに激しく、右京の柔らかい舌先が俺を虜にする。
その間にも彼女の胸の中で棹や玉袋は丹念に快感の波に揺られている。
大きくて柔らかな双丘と、絶妙な舌使いが再び俺を絶頂させようとしている。
「かわいいですわ、この子…もう吸い取って欲しいと震えてます」
甘い愛撫がやんで、右京が何か話した。
思わず視線を彼女のほうに送ると、うっとりとした目で亀頭をまじまじと見つめていた。
(ちい…くそっ、は…恥ずかしい!!)
俺は羞恥心を抑えるので精一杯だった。
しかしお構いなしに右京は亀頭の先端に優しく接吻をしてきた。
じゅわ…
その様子を見ているだけで、俺自身から何かが滲んだ…
ぴちゃっ、という音を立てて焦らすようにゆっくりと唇の先端が敏感な部分をなぞってくる。
そして今度は小さな舌が少しだけ見えた。
(あああぁぁ…)
俺は無意識に渇望していた。
あの真っ赤な舌先が俺自身を舐める瞬間の快感を…
そして舐められた瞬間にやってくる鋭い快感を…
右京は俺の視線に気づいたのか、こちらを一瞥した。
今度は目が離せなかった。
右京がなんとなく薄く微笑んだ気がした。
「ふふふっ……」
少しだけ開いた右京の口からとろりと唾液が垂らされた。
粘り気のある透明なしずくが俺の股間をゆっくりと包み込む。
ほんのりと暖かい右京の唾液は、既に与えられた快感で震えている俺自身を優しく溶かしていく。
「もっと唾液付けにしてから吸い取ってあげますね」
ピチャリ…また一滴、亀頭部分にしずくが垂らされる。
その直後、右京の真っ赤な舌先が唾液を薄く延ばすようにうごめく。
くちゅ…れろぉ〜〜〜〜〜
「あ、ああああぁぁ…」
「そんなに気に入ってもらえて光栄です」
右京の柔らかい双丘に囚われたイチモツはまるで俺自身のようだ。
身動き一つできない状態で亀頭を舐め上げられる様子は、沙織と左京、右京に絡めとられた俺の姿。
絶望的な状態でありながら、くノ一たちが間断なく与えてくる刺激。
俺の心が折れたとき、きっとすべては終わってしまうのだろう。
「私の胸から飛び出したあなたの分身…」
このまま快感におぼれてしまいたい…何度も繰り返される葛藤。
右京の声を聞いて我に返る。
舌の動きを一時中断して、右京は上目遣いで俺を見た。
「こんなに震えて可愛そうですわ」
「はっ…ぐぅ…」
さらに肉棒を挟んでいる豊かな胸をむにゅむにゅと動かし始めた!
さざなみのような小さな動きがどんどん大きく変わっていく。
「柔らかいでしょう?もう逃げたくなくなるほどに…」
「ひっ…や、やめっ…んああ、やめろおお!!」
右京が作り出す快感。それはまるでおだやかな海のようだ。
荒れ狂う海なら警戒することもできよう。
だが右京の作り出す雰囲気は抵抗できない…する気力が起きないのだ。
その波打ち際で、俺は優しく弄ばれる。
じわじわと積み重ねられる快感は、知らないうちに俺を限界点まで連れて行く。
「やめ…」
「このまま続けたらどうなりますか?」
右京の問いかけに答えられない俺。
穏やかな動きでありながら確実に俺を追い詰める右京の胸。
このまま射精してしまったら、きっとさっきよりも強い疲労感に襲われる。
彼女の胸にぶちまけてしまったら最後、そのまま心を絡めとられてしまう。
(気持ちいいのに…なんでこんなに危険な香りがするんだ…!?)
だが与えられる刺激はもはや度を過ぎた快感。
先ほどの淫術・筒戻しのせいで快感に対する抵抗力が大きく削がれているのだ。
「この胸で果てたい、と言っていただけますか?」
右京は両手で胸を持ち上げながら俺を誘惑してくる。
遠くでその様子を見ていた沙織がくすっと笑った。
「そんなこと…」
「まだ言えませんか…では…」
ぽとり…
「うあっ」
ふいにペニスに落とされる右京の唾液。
そして再開される生殺しの舌使い。
「舐めるのと締めるのを交互に繰り返してあげますね」
数回やさしく俺を舐め上げてから、右京は胸の谷間に押し込んだ俺自身を強く揉み始めた!
待ち望んでいたはずの光景は文句なしに俺を興奮させる。
でも何かおかしい…これならまだ耐え切れる。こいつの胸の威力はこんなものか?
彼女の柔らかい乳房を通じての刺激であり、ほんの少し…あと少しだけ足りないのだ。
「も、もっと…」
俺は思わず口走ってしまった。
「はい?…何かおっしゃいましたか?」
「あ、いや……」
ちゅううぅぅうぅぅぅ〜〜〜
目をそらした瞬間、右京が亀頭の先端に強く吸い付いた!
まるで身体のそこから精液を引きずり出すように!!
「ひあああああぁぁ!!!」
「ふふっ、下のお口はもうこんなにヒクヒクして素直になっているというのに」
震える亀頭にそっと指先を這わせる右京。
今までは天を仰ぐ俺自身を胸で包むようにしていたが、今度は角度を変えてきた。
「その強がりごと私の胸の中で粉々にしてあげますわ」
「なっ…!ああああああ!!!!!!!」
ずにゅ…ずにゅっ!
反り返った肉棒を自分の胸に垂直に突き刺すように往復させてきた。
こ、これじゃあまるで…
「まるで挿入しているようですわね?ふふっ」
「あ、あ、ああああ!!」
思い出すのは右京の膣の中の動き…
圧倒的な刺激で瞬殺され、吐き出した精液を逆流させられた快感が蘇る。
(鎮まれ…だめだ、こんなのおおおお!!)
頭ではわかっているが身体が右京に逆らえない。
右京は俺の様子を窺いながら与える快感を調節していた。
「さっきもこうやって」
むにゅむにゅむにゅ……
「ふあっ、うぅっ!?」
ま、またこの手つき……!
亀頭部分だけを乳房に包んで行われる魅惑の回転運動。
この動きをされると自然に俺の腰が跳ね上がり、自分から快感を求めて彼女を突き上げようとしてしまうのだ……
「……だめです」
だが意地悪なことに右京は快感が絶頂に達する数歩手前で必ず動きを止めてしまう。
俺の腰の動きに連動して、回転運動が徐々に遠のいていく!
無情にも快感の漣(さざなみ)が、すうぅぅっと引いていく。
「素直に言えるまではお預けです。でも、お預けといっても……」
寸止めされる間も柔らかい肉が俺の肉棒に吸い付いて離れない!
待ち望んでいた右京の胸の刺激は残酷なまでに俺を高め続けた。
「ちくしょ……ぐあああぁぁ!?!?」
とろとろで透明な粘液が右京の口元から亀頭に垂らされる。
すでに泡立つほどに右京の胸の中でもみくちゃにされ、右京の胸と一体化しているような俺の股間。
もはや腰の感覚は消えかけている。
「気持ちよくして差し上げますけどね」
くちゃっ、くちゃっ、くちゃ……
こうやって何度も何度も俺を高めては少し休み、また責めを繰り返す右京。
左京と違って彼女は決して俺を落ち着かせない。
見た目はこんなの穏やかなのに拷問という観点で言えば左京よりも沙織よりも無慈悲だ。
もう大丈夫だと思ったころに始まる快感責めは、徹底的に俺の体力と精神力を削り取っていく。
ぎゅううぅうぅ……
「ああっ、あっ!!!」
「こうやって挟み込んでから……脇を締めると」
ぷぴゅっ……思わず白いのが混じった我慢汁が搾り出されてしまった!
まっすぐに俺を飲み込んだまま、形を変える右京の乳房。
今までの緩慢な刺激とは違う強めの刺激に一瞬で俺の股間が悲鳴を上げた!
「まるで右京に挿入しているような気になりませんか?」
こ、これは……挿入よりも数段気持ちいい!?
まるで膣の奥に押し込まれた後に先端を揉まれながら棹をしごかれているような感覚。
数回の射精を経て体力が消耗している俺でさえ逃れられない快楽の大波!
「挿入したからには気持ちよく発射したいのでは?」
くすっと笑いかける右京。
右京の柔らかな胸はまるで俺を捕らえる牢獄だった。
そしてその牢獄の番人は決して俺が果てるのを許さない。
「かっ、あぁ……」
「素直に言ってくだされば望みは叶うというのに……」
俺は金魚のように口元を震わせるだけで何も言うことができない!!
急にやってきた大きすぎる快感は男から言葉さえ奪う。
そのことを充分わかっているくせに、右京は問いかけているのだ。
「殿方というのは大変ですね?」
「イ……き……い」
頭の中で何度も弾ける快感の火花。
いっそこのまま狂ってしまうことができたら……とおもう。
だが右京はそれすら許さない。獲物を狂わせる一歩手前で必ず手加減してくる!
もはや彼女たちは俺を捕らえることではなく、徹底的に弄ぶことに重点を置いている。
「イか……せ……う」
今の一撃で俺の心は折れた。
いや、これもまた生存するための選択だ。
ここで一度出さなければ、このまま壊されてしまう……
「よく聞こえませんでしたわ?」
「右京の……胸でイきたいいいいいいいい!!!」
どんなに心が快楽に染まっても、たとえ生き残るための手段だとしても、敵に対して慈悲を請う己の言葉は消えない。
この上ない屈辱として俺の心に残るだろう。
それでも俺はとにかく出したかった。
右京のせいでどろどろに渦巻いている自分の中の欲望を吐き出したかった。
「ふふっ、よく言えました。では……」
右京は飛び切り嬉しそうな表情を俺に向けると、その豊かな乳房を支えていた手をすっと離した!
(えっ……)
また寸止めされるのか―――
軽い絶望感が俺を襲ったが、そうではなかった。
右京は小刻みに自らの胸を左右に揺さぶり始めたのだ。
「あ……」
ふるふるとした豊乳のゆらめき。
最初は小さな揺れに過ぎない動きだったが、すぐに大きな快感をつれてきた!
「ああっ……!!」
「このまま手を使わずにあなたを絶頂させて見せますわ?」
彼女は自分の手を背中で組むようにしている。
本当に乳房の動きだけでここまで俺に快感を与えているのだ。
「お、くおおぉぉ……」
くちゃくちゃとした水音と共に、垂らされた唾液がねっとりとした糸を引く。
右京の胸に囚われたまま規則正しく左右にしごかれる肉棒。
「こ、こんな……ああ、触られてないのにー!!」
「ふふっ、気持ちいいでしょう?」
言われるまでも無く気持ちいい!!
この刺激のせいで俺は既につま先立ちになるほど強張っているのだ。
イく直前の刺激がすごくゆっくりと駆け上がってくる感じ、とでも言えばいいのだろうか。
すごく優しい刺激なのだがじわじわと追い詰められる快感。
指先で巧みにしごかれるわけでも、膣の中できゅうきゅうに締め付けられているわけでもないのに……
「淫法『胸手玉』のお味はいかがですか?」
「ふあああぁぁ!!!」
問いかけてくる右京の顔を見る余裕も無く、俺は腰を必死で振ろうとしていた。
心なしか背後にいる左京の拘束が緩くなった気がしたが、ここから逃げ出すことよりも右京を求めることで頭の中が染まっている。
(右京、右京……早くイかせてくれ……!!!)
その思いが通じたのか、右京は穏やかな笑みを俺に向けた。そして……
「ではそろそろ出しましょう?」
ちゅくっ……しゅ、しゅしゅしゅっ!!
今まで左右の動きだった胸の揺れを、右京は上下の動きに切り替えた。
射精するために足りなかった刺激が今までの快感に上乗せされる。
「ああああああああぁぁぁ!!」
「ほら、もうイくしかありませんわよ?」
相変わらず右京は後ろに手を組んだままだ。
乳房だけで肉棒を刺激しているというのに、まるで見えない手が俺をしごいているようだった。
だめだ……で、出る……もう我慢できない!!
「これだけ焦らしてあげたのですから、それはもう大変な……」
右京が言い終える前に俺はとうとう彼女の軍門に下ってしまった。
「うあああああああああああぁぁぁ!!!!!」
どっぴゅうううううううううう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ぷぴゅ、ぴゅ……ぴゅううう……
「ふふっ、とうとうイっちゃいましたね」
真っ白に飛び散る精は右京の決め細やかな肌を盛大に汚した。
いや、俺のほうが無理やり搾り取られたのだ。
汚されたのは俺のほうだった……!
放出の直後にやってきたとてつもない疲労感と屈辱感。
俺ががっくりとうなだれるのを見た右京は淫らな笑みを浮かべてから沙織のほうを見た。
「やりすぎよ、右京」
とがめるような口調ではなかった。
自分の影が俺を犯す姿を見ていた沙織は充分満足そうだった。
次のお話へ
目次へ
選択肢2
「どうですか? 私の脚でイきたいですか?」
俺をじっと見つめる右京の大きな瞳。
こいつの持っている甘い雰囲気は男を自然に狂わせる。
俺の口元は赤子が母親に乳をねだるかのように震えていた。
しかし……
(右京にイかせてほしい……けど……)
俺は右京から視線をそらすと、俺を拘束している左京のほうを見た。
「ん?……なんだ、私のほうを見て」
視線に気付いた左京が言った。
「もしかして私にイかせて欲しいのかい?」
俺は頷く代わりに左京から視線をそらした。
今まで目の前の右京にばかり気を取られていたが、左京も独特の雰囲気がある。
「まあ……残念ですわ。左京に気を取られてしまうなんて」
ちょっと拗ねたような素振りを見せる右京。
太ももの拘束が緩み、羽衣絞めが解除される。
じわりと股間に広がる安堵……無様にイかされずに済んだようだ。
逆に左京は俺の顔を覗き込んで軽く唇を合わせてきた。
軽く舌先で俺の口内を荒らしまわった後、左京は沙織のほうをちらりと振り向いた。
まるで「イかせてもいいわよ」とでも言わんばかりに、沙織は無言で左京に頷いた。
「私を選んでくれたお礼をたっぷりしてあげないとな……」
今まで押さえ込まれているだけで、まともに左京の顔を見ていなかったが
沙織や右京に勝るとも劣らずの美形だった。
右京ほど胸は大きくないが、全体的に流れるような体型というか……
沙織と同じようにすらりとした体つきだった。
そしてこの顔つきは……まぎれもなく左京は男殺しの色香を身にまとっていた。
「手加減できないかもしれないけど許しておくれよ。気持ち良過ぎる時は遠慮なく喚いてくれ」
不敵な笑みを浮かべながら、左京は俺の股間を撫で回す。
その言葉と手つきに思わず股間が反応してしまう。
「私は沙織様や右京みたいにたくさん技を持っているわけじゃないけど……」
左京は正面に回ると、俺にひざまづくような格好になった。
代わりに右京が俺の背後に回って、しっかりと俺を拘束する。
「……お前を何十回もイかせてやるよ」
俺に向かって片目を瞑って誘惑してくる。
左京の指先がさわさわと俺の肉棒を這い回る……
細くて長い指先が妖しく蠢き、絡みつく様子を見ているだけで感じてしまいそうだった。
(そんなに何十回も……イくわけないだろっ!!!)
おれは目を固く閉ざして左京の言葉に反抗した。
あくまでも優しくうごめく左京の指先。
「もう我慢したって無駄だよ。右京にここまで高められてれば簡単さ」
ぎゅううっ!
(ぐっ……)
鋭い痛みが一瞬だけ股間に走り、俺は目を見開いてしまう。
左京の左手は俺自身の根元を絞り上げ射精を許さない。
右手は亀頭と棹の境界線を爪の表面で刺激してくる!
すぐに痛みは和らぎ、あとには快感だけが残された……
俺が漏らした先走りを指に絡めると、本格的にしごきだした。
くにゅっ、くにくにっ
根元を押さえたまま右手の三本指で亀頭を捻る左京の性技。
じわ……少しだけ精がにじみ出てしまう。
(あっ……ううぅっ……)
先走りではない乳白色の液体が、鈴口の先端に姿を現す。
無理やり根本を締め付けられているのに漏らしてしまう……
「少しでたけどこれだと弱いか?……じゃあ、ほらっ」
きゅきゅきゅうっ!!
じゅわっ……!
(で、出るっ!……ぁぁっ)
さっきよりも少しだけ多くにじませてしまう。
量にしてみるとほんの数滴だけ搾り出される俺の精……
しかし、もどかしさよりも快感が上回っている!!
むずむずと体の奥から疼きが広がり、
「あっ、ああっ、出……ああああっ!!!」
次の瞬間、俺は射精してしまった!
体を激しく震わせて快感に抗う。
しかしいつものように大量に発射できない。
「どうやらこれがいいみたいだな……くくっ」
俺の様子を見て、左京が妖しく笑う。
そして先程と同じように少しだけ搾り出す手つきを……うあああっっ!!
きゅきゅううう!!
「そらっ、もう一度イっちゃいな!!」
またもや、じゅわっ……と股間に快感が広がり、ゆっくりとしみこんでいく。
さっきと同じように俺の体が震える。ああっ、抑えがきかない!!
先端にじんわりと滲み出た精を、ぴちゃぴちゃと音を立てて舐めとる舌先……
「ひあああっ」
連続射精……しかし根本をしっかりと抑えられているので少量だけの放出。
さらに射精直後の舌先の愛撫。
「ほら、また出てきたぜ」
ぴちゃり……左京の舌先が亀頭の先端だけを這い回る。
「ちょ……まって……ああっ!!」
ほんの少しずつ搾り出されることがこんなに気持ちいいなんて!!
股間に流れるもどかしい快感の波は、左京が意図的に作り出しているものだ。
左京は一度に大量の精を吐き出させるのではなく、細切れにして断続的に少量ずつ射精させる技で俺を翻弄する。
残酷な寸止めよりも、肉体的にも精神的にも俺を確実に追い込んでくる。
じゅわっ……
「またイったな。舐めとってやるよ」
左京の小さい舌先が亀頭の先端を拭き取るように舐める。
「ああああっ……はぁっ!!!!」
ぴゅううぅ……
何度も何度も力なく俺の亀頭からじわじわと絞られる精。
それらは全て左京の唇に吸い込まれてゆく。
体力の回復も許されないまま、何度も何度も絶頂に導かれてしまった……
「左京ったらやっぱり一度くらいじゃ済ませられなかったみたいね」
遠くで沙織の声が聞こえる。
気がつくと俺はうつろな瞳で左京を見つめていた。
そして左京が上目遣いで俺を見上げるたびに……
「あがああぁぁっ!!」
じゅわ……ほんの少しだけの射精。
しかし確実に俺はイかされているのだ。
亀頭が今までになく敏感にされ、幾度も射精させられたせいでくノ一の性技に対する抵抗力は皆無に等しくなっていた。
左京の射精管理に翻弄され、抱きしめられながら脱力する俺を見て沙織は小さくつぶやいた。
「左京、その辺で勘弁してあげたら?」
右京の魅力的な上目遣いを振り切って、俺は最大限の強がりを口にした。
実際のところは影二人の淫らな技に溺れてしまいそうだったが、男として……忍びとしてこんなところでは負けられない!
「驚きました……まだそんな言葉が出てくるなんて……」
右京は俺から視線をそらすと、左京に一瞬だけ目配せをした。
俺を羽交い絞めにしていた左京が力を緩めて、するりと俺の真横に寄り添ってきた。
「うれしいよ……私たちはなかなか屈服しない男を最後にねじふせるのが快感なのさ!」
さらに反対側には右京が寄り添い、おれは再び左右から挟みこまれてしまった。
しかし先程までとは違って拘束はゆるかった。
「その言葉……私たちへの挑戦状だと受け取らせていただきます」
右京の声が真横から聞こえる。
耳元に吐息がかかるほどの距離で囁かれるだけで、俺の股間が反応してしまう。
「今から右京との連携技を見せてやるよ……」
左京はそっと俺の乳首に指先を置く。
(んっ……!!)
絶妙な指先の動き……そして爪の先で円を描くように弄びながら、上半身を蹂躙する!
二人の柔らかい手のひらが無造作の俺の体を這い回る。
直接触れられていない俺の下半身にじわじわと震えが広がって……うああぁぁっ!!
「さっきまでの右京の愛撫で、お前の体は敏感にされちまってるのさ……」
左京は俺を言葉で責めながらも、ゆるゆると優しく体をさすってくる。
言葉と裏腹にその表情や手つきは優しいのだ……
「あのまま心まで屈してくださるかと思いましたけど……さすがですわ」
逆に右京は優しい口調でありながら、激しく俺の体を責め嬲る。
今も俺の背中に軽く爪を立てたり、時折乳首を噛んできたりする。
しかしあくまでも可愛らしい表情のまま……どうしても右京の潤んだ瞳には逆らえない。
この二人の連携は俺の快感に対する耐性をじわじわと削ぎ落としてくる。
「こんなに強い相手なら、沙織様が直々にお相手してくださる前にちゃんと毒抜きしておかないとな……」
俺のへその辺りをさすっていた左京の手が太ももの内側に添えられて……
「ここがいいのか?」
小指でちょんちょんと俺の玉袋を刺激しながら、腰から尻にかけて撫で回してくる。
何気ない愛撫なのだが、目を見つめられたままだと余計に感じてしまう。
「いいえ、左京……ここの筋のところなんかがきっと……」
右京の人差し指が亀頭と棹の境目をじりじりと弄ぶ。
俺の亀頭から溢れる透明な粘液を指にまぶして、淫らな音を立ててくる。
「はああぁぁっ!!」
「ふふっ、ほら……ね?」
思わず上がる俺の嬌声に右京は得意そうな顔をする。
俺の心の中で何かが変化していた。
左右には美しいくノ一が二人いる……
そして彼女たちに見つめられながら抵抗も出来ずに愛撫され続ける……
その屈辱的な情景が、快感を増幅させているのかもしれない。
「お前の表情……いいよ、本当に体がうずいてくる!」
左京の唇が俺の耳を軽く噛む。
さらに舌先が俺の耳穴に……あああぁぁっ!!
「何一つ見逃しませんわ……もっと感じてくださいな」
粘液まみれのまま、右京の指先がさらに激しく動き出す。
俺はもはや下半身の動きを制御できないでいた。
右京の手につられて、操られるように跳ね上がる俺の体……
「そろそろ限界なのではなくって?」
右京は手のひらで筒を作って、俺自身を包み込んでいた。
「今度こそ吐き出させてやるよ……お前の屈服の証を!」
左京は少し頬を赤く染めて、俺の唇を何回も奪って……いた。
右京のときもそうだったがこいつらに何度も唇を重ねられると、おかしな気分になってくる。
呼吸が整わず、息がどんどん荒くなってしまうのだ……
「あっ、あっ、ああぁぁ……・!!! ふぐぅっ!!」
下半身は右京の指先に操られ、上半身は左京の唇に囚われていた。
頭の中に白く霞がかかってうまく思考がまとまらない。
そこにさらに右京が……
「ぴちゅ……その吐息まで……絡め取ってあげますわ……」
左京と交代するかのように、今度は右京の甘い口付け。
俺のあごに手を添えて、くいっと自分のほうに顔を向けさせる。
「ほらっ、もうすぐ出るぜ……ふふふっ」
左京は指先をそっと鈴口にそえて、微妙に振動させてきた。
右京の手のひらの動きに、さらに複雑な振動が加わったことで一気に射精しそうになってしまう!
「んんー!!んっ……ん……」
唇を奪われたままの愛撫のせいで俺の頭の中は混乱したままだ。
左京の指先がすばやく円を描く。
そこはちょうど触って欲しかった部分。
俺は今まで以上に腰を突き上げ、そして……
(ああああああああああああああぁぁぁぁっ!!!)
右京の舌先で口の中を荒らされていた俺は、ぎゅううっと目をつぶる。
その様子は右京にも伝わった。
「ふふふっ……」
左京の指先に力がこもる。
きゅうううっ……!!
「うわああああっ!!!!」
こ、腰が溶ける!……とろける!!!!!
俺はもはや観念した。
二人にここまで高められてしまうなんて……こんなの我慢できない……
しかし待ち焦がれている射精は来なかった。
「お前、やっぱり我慢強いんだなぁ……さすがだよ。くっくっく……」
左京の指先の軌跡を追うように激しく射精するはずだったのに……
肉棒の根元は左京によってしっかりと締め上げられていた。
俺の意思を無視して何回も腰を突き上げる動作をしてしまう。
しかし射精はせき止められている!! 快感が逆流して……
「うあああぁっ、ぐうううぅぅ……気が狂い……そうだ……」
影二人の壮絶な寸止めのせいで、俺は壊されてしまいそうだった。
(上のお口からもしっかりと聞こえましたよ……あなたの敗北の叫びが)
右京は脱力する俺の体を支えつつも、唇を奪い続ける。
俺の肉棒からたっぷりと精を搾り出す直前で寸止めし、心まで追い詰めてさらに追い討ちをかける。
右京は俺の心を、左京は俺の体を……容赦なく快感で切り刻む。
結果的には俺は射精しないで済んだ。
しかし……羽衣締めでイかされていたほうが楽だったのか、と感じるほど俺の心身は疲弊していた。
がっくりと何かを抜き取られた気分だ……
「あらあら……あの二人を怒らせるといつもこうなっちゃうのよね……」
その様子を見ていた沙織が遠くで呟いた。