「あっ……おにいちゃん、小春のこと見てる……」





 うむ……たしかに俺は小春を見ている。

 でもそれは決して小春が好みだとか、そういった意味ではなく……


「沙雪ちゃんよりも小春のほうがいいの? ふふっ」

 その一言に、むっとした沙雪が身を乗り出してきた。



「ちょっとちょっと! おにいさん、沙雪の魅力は無視ですかぁ?」


 不満そうに口を尖らせて、沙雪が俺をにらみつける。

 くノ一というのは案外嫉妬深い生き物なのかもしれない。

 一方で小春は顔を赤くしたまま目を細めている。


「うれしいなぁ……」

「小春も私の話を聴けぇ~~~!!」


 甲高い声で抗議する沙雪の声も、嬉しさいっぱいの小春の耳には届かない。



「えへっ♪」



 俺に向かって可愛くお辞儀をする小春。

(参ったな…………)

 あらためて丁寧に頼まれると、どうにも扱いにくい。



「じゃあ……おにいちゃん、小春の特訓に付き合ってください」

「もういいよ……ふんっ!」

ドタタタタタタタタッ

 沙雪はすっかり拗ねてしまい、どこかへ走り去っていった。




「……」

 感情の起伏が激しい娘だ。





 そんなわけで、目の前には小春がいる。

選択肢


1・小春の可愛らしい唇を見つめた

2・小春の膨らみかけた胸を見つめた

3・小春の細い脚を見つめた