『碧い時間』
ピチャ、チュプッ……
少女の唇は甘く、キスという名の愛撫はひどく丁寧で、こちらの意思を瞬時に混濁させるほどだった。
「フフッ♪」
柔らかく私の唇を弄びながらローラの手がふわりと顔を包んできた。
小さくてすべすべした手のひらを感じながらうっとりと視線を泳がせていると、彼女の左手がするりと滑り落ちて乳首周辺に添えられた。
(うっ……!)
僅かにうめいた次の瞬間、妖精の指がクリクリと乳首をいじりだす。
ピリっと痺れるような感覚に身を捩らせると、少女の右腕がさらに私の首に巻き付いて顔を引き寄せてきた。
そして今度はディープキス。
(こ、こんな可愛らしい顔をしてるのに……なんて積極的なんだろう)
雑誌に出てきそうなモデルのような顔立ちの少女に唇を貪られ、乳首の性感を開発される。
まだ数分しか経っていないというのに股間ははちきれんばかり盛り上がってしまった。
その隆起を確かめるようにローラの太ももがペニスを上から下へと撫で回してきた。
カリ首の位置を重点的に圧迫されると思わず情けない声を上げてしまいそうになる。
チュピッ♪
「ふあぁ……」
さらに十秒程度キスを続けてから、ようやく解放された。
(だめだ、もう手足に力が入らないや……)
荒く息を弾ませ、彼女の顔を見ると少しだけ口元が笑っているようにも見える。
すっかり骨抜きにされてしまった私の目を見つめる少女。
まるで瞳で犯されているような錯覚に陥る。
大きくて碧い瞳に映しだされる自分の姿が、彼女に囚われた男にしか見えない……
ローラは優しく見つめたまま両手の指を絡ませてきた。
キュッと手のひらを握られただけでドキドキしてしまう。
「ああぁぁ、もっと……頼むよ」
自然に唇からこぼれた願いに応えるように、彼女のほっそりした太ももがペニスを左右から挟みこんできた。
白いレースのスカートから伸びる芸術的な脚線美がヌルついた肉棒を捕獲した。
クチュッ、クチュッ、チュ、チュ、ジュルッ……
「んあああああああっ!!」
両手を封じられたままジタバタと彼女の下でもがこうとしても無駄だった。
上半身を私に預けたまま、腰から下をクネリクネリと動かされるだけで抵抗力が奪われてしまうのだ。
快感に目をつぶろうとするとキスをされ、目を開ければ飛び切りの笑顔が目の前にある。
自分では気づけなかったことだが、ショーツを脱ぐまでもなく、着衣姿の年下の美少女に翻弄されてしまう自分が少し恥ずかしくもあり、またそれが快感の源でもあった。
「も、もう……」
イく、イってしまう、と口に出そうとした途端……魅惑の愛撫がピタリと止んだ。
この上なく残酷な寸止めに悶えていると、ベッドから降りたローラがサイドテーブルから何かの瓶を取り出してきた。
そして瓶の中に入っていたローション状の液体を手のひらにとって、魅せつけるように手の中で練り始めたのだ……
(あ、あれで、あの手でしごかれたら!)
おそらく一分とは我慢できまい。
この快楽責めの仕上げにローラが何を企んでいるのか、妄想するだけで射精してしまいそうだった。
既にキスや乳首責め、太ももによる圧迫などによって期待させられていた私の体は彼女に対して抵抗を放棄していた。
時間にすれば三十秒程度のことだろう。私の興奮は最高潮に達していたのだ。
ヌリュッ……チュプッ……
「はうんっ!」
ローションまみれで泡立った彼女の指先が乳首に触れた途端、私はビクンと体を跳ね上げてしまった。
その様子を見て満足気に微笑む少女の顔がとんでもなく妖艶で、先走りを吐き出してしまう。
「は、はやくっ! 早くしてええええ!」
慌てることなく手のひら全体を胸板にはわせ、肩や腕、脇腹へと滑る美少女の全身愛撫。
ペニスは間断なく痺れて切なくわなないている。それなのに指先はそこだけを避けて他の場所を這いまわる!
(一瞬でいい、強く! 思い切りしごいてくれええええ!!)
だがその願いは叶えられず、相変わらず柔らかな笑みを浮かべたまま少女は残酷に職務をまっとうする。
焦らすように指先で私の体中を犯しながら何度も何度もこちらの様子を確認してくる。
触れられた場所が徐々に性感帯にされてゆく感覚に身悶えしてみても、お構い無しで繰り返されるローションエステは拷問でしかなかった。
「うあっ、ああああぁぁ~~~!!」
甘く痺れるような感覚の中、体中をビクビクさせて私は意識を集中していた。いや、させられていたのだ。
(このままじゃ狂っちまう……早く、はやく、はやくうううぅぅぅ!!)
それでも歯を食いしばって目を閉じて耐える。
彼女の与えてくれる次の刺激を迎え撃つために……
だが、もはや喉が渇ききって言葉さえ紡げなくなった頃、すっと手のひらの感覚が消えた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
再度の寸止めに目を開けば、私を見下ろす天使……いや、小悪魔がいた。
ゆっくりと片足を持ち上げ、いつの間にか脱ぎ去ったショーツを指先で軽く回しながらこちらを見つめている。
「プレゼント……クスッ♪」
ファサッ
「ぅあっ……」
私の顔の上に柔らかな布が落ちてきた。
彼女のショーツだ。ほんのりと暖かく、汗のような香りにペニスが反応してしまう。
ビクッと跳ね上がったペニスに狙いを付けるように、ゆっくりと彼女の膝が曲がり、薄い毛に覆われた秘所が亀頭に近づいてきた……
ヌチュッ
「くふううぅぅ!」
彼女のヌルついた両手が私の胸に押し当てられる。
その刺激だけでも射精しなかった自分を褒めてやりたいほど気持ちよかった。
しかしその後すぐ、いきり立ったペニスの先端にジワリと快楽が植え付けられた。
「あ、ああっ!」
その熱は瞬時に下半身全体に広がって私の自由を奪い去る。
ほんの数秒だけピチャピチャと弄ぶように膣口で亀頭にキスをまぶしてから、美少女は死刑宣告のように囁いた。
「アンド、フィニッシュ……フフフ♪」
細い腰が螺旋を描くように小さく動きながらペニスを飲み込んでいく。
ずにゅううううううううううううっ!
挿入と同時にペニスが媚薬漬けにされたみたいにビクビク震えだして、私の体がブリッジするように反り返った。
「ふあああああっ、いい、イくっ、イくうううううううう!!」
ドピュドピュ、ビュルルルルルッ!!
自分では精一杯の抵抗。
しかし時間にすれば三秒程度だったろう。
美少女の膣内で弄ばれたペニスは一瞬の刺激に耐え切れず脆くも決壊してしまった。
激しく痙攣する私を見つめながら彼女は腰から下だけを前後左右に揺らめかせる。
膣内のあらゆる部分に擦り付けられたペニスがその刺激に耐えられるはずもなく、連続射精を強いられた。
私が喘いでも叫んでも美少女は優しく腰を振り続けるのだった……
「ああ、5000円でオッケーよ。お客さんこのお店初めての人だヨ」
「しかし……」
サービス時間が終わり、軽く気絶させられた私はフロントに追加料金を支払おうとしたのだが断られてしまった。
いくらなんでもあの内容でこの金額では安すぎるだろう。
店内には本番禁止の札も貼られていたのでますます私はいたたまれない気持ちになった。
それなのにローラは何も言わず、フロントも丁寧に見送りまでしてくれた。
最終的に私は悪くない気持ちでこの店をあとにすることができた。
◆
一人の客が立ち去ったあと、フロントの男はニヤニヤしながら店の中へと戻る。
「あのお客さんもこれからここの常連ネ。毎回少しずつ値段を釣り上げていけばいいネ。ローラのために通う働き蜂になるの確定だネ」
(了)
←戻る