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『女装少年の後日談』




 日曜日もお昼を回ったころ……僕はこっそりと家を出た。
 家にはたまたま僕一人だけだったので、この間のお姉さんに買ってもらった服を身に着けてみた。
 ピンク色のTシャツに、フリルのついたスカート。
 それに今日は髪も結んで……お姉さんに貰ったリボンもつけてみた。
 おそるおそる姿見の前に立って自分を見る。
 頬を赤く染めて、ドキドキした顔の「女の子」を見て……思わずため息が出た。

(これ、クラスのどの子よりも可愛い……絶対男の子になんて見えないはず)

 それにこの洋服って、生地が柔らかくてすごく気持ちいい。
 鏡の中の自分を見ているだけで、胸が熱くなった。







 そのまま僕は電車に乗り、3つ先の駅で降りた。
 電車の中ではずっと下を向いていたけど、誰にもばれていないと思う。
 改札を出て、キョロキョロしながら握り締めたメモを開く。
 そこにはお姉さんの名前と住所、簡単な地図が書かれている。
 交番で聞くわけにもいかず、地図を頼りになれない道を歩いた。



 そして電信柱などで住所を確認しつつ、十分程度歩くと茶色いレンガ調の建物にたどり着いた。

(住所はここで間違いない……大きなマンションだなぁ)

 建物の中に入ると、入り口は自動ドアでロックされていた。
 インターホンを鳴らして中から開けてもらわないと入れない。

(メモには1202号室って書いてある……)

 でも間違ったらどうしよう……。
 ふと左手を見ると、郵便受けがたくさん並んでいた。
 そこでメモにかいてある部屋番号を確認すると、ちゃんと「和歌山ミカ」と書かれていた。それがお姉さんの名前だ。

 僕はディスプレイに部屋番号を入力してから、思い切ってインターホンを鳴らした。
 程なくして自動ドアが開いた。

「あら、いらっしゃい」

 部屋の前でチャイムを鳴らすと、お姉さんが出迎えてくれた。

「こんにちは……ミカさん」

 ドキドキしながら玄関をくぐると、とても良い香りがした。
 今日の僕、お姉さんにはどういう風に見えるんだろう……。
 あの日のことを思い出すだけで、声が自然と小さくなった。
 だめだ、目を合わせられないよ……

「うふっ、早くお上がりなさい?」
「で、でも……」
「だいじょうぶ、誰もいないわ?」

 心配する僕の気持ちを察したのか、お姉さんは優しく声をかけてくれた。
 もうここまで来たらためらう必要などないのに……それでも僕は不安だった。
 お姉さんの部屋に入ったら最後、なんだか抜け出せなくなるような気がして。
 それでも僕は吸い込まれるようにお姉さんの後姿を追った。



「わ、綺麗なお部屋ですね……」
「そう? ありがとう」

 僕が褒めると、お姉さんはとても嬉しそうな顔をした。
 入り口も立派だったけど、部屋の中はもっと素敵だった。
 リビングには大きなソファーとテレビ、それに透き通ったガラスのテーブル。
 部屋の隅にはパソコンもあった。
 それにほのかに玄関で感じた甘い香りが漂っている。

(大人の女の人って、皆こういう部屋に住んでいるのかな……)

 お姉さんに教えてもらったんだけど、デザイナーズマンションというらしい。
 無駄な家具がないというか、とても広々してる。
 その時だった。

 キュッ……

「あっ!」
「うふふっ♪」

 僕が部屋の中に見惚れてる隙に、お姉さんが後ろに回りこんだ。
 細くて長い腕が交差して、僕を優しく抱きしめている。
 緊張して敏感になった背中越しにふんわりとしたお姉さんのバストを感じる……。

「ねえ、ちゃんと約束は守ってる?」
「え……」

 お姉さんが少し低い声で僕に囁く。

(なんだか力が……入らない)

 あたたかい吐息が耳に絡みついてくすぐったい……僕を抱きしめてる柔らかいお姉さんに、自然と身体を預けてしまう。それに約束と聞いて僕はドキっとした。

「リ・ボ・ン♪」
「あっ……は、はい……」

 お姉さんがいってるのは、髪につけてるリボンのことじゃない。

「見せてくれる? それとも私に脱がせて欲しい?」
「ううぅぅ……じ、自分で脱ぎます」
「そう。じゃあそこに座って?」

 お姉さんがソファを指差した。
 僕はその指示に従って、腰を下ろしてからスカートの中に手を伸ばした。

「くっ、うう、は、はずかしいです……」
「ふふっ、その顔は反則だよ」

 L字型に設置してあるソファの真ん中で、僕は下着を脱いだ。
 その様子を脚を組みながらお姉さんはじっと見つめている。

「はずかしいよぉ……ミカさん」

 顔が熱い……ちらりとお姉さんの顔を見ると、クールな瞳で僕を見つめていた。
 女の人に見られていることが、こんなにも恥ずかしいなんて!

「ダメよ、もっと早く見せて?」
「で、でもっ!」
「許さないよ? だって可愛すぎるんだもん」

 優しげな表情をしながらも、お姉さんの目は僕を責めている。
 僕が恥ずかしくて困ってる顔を見て喜んでいるんだ……

「さぁ。おちんちんを見せて?」
「ああぁぁ……」

 ぱさっ……という乾いた音。
 下着が床に落ちる音。
 とうとう僕はお姉さんの目の力に負けてしまった。

「ふ~ん……ちゃんと結んであるね?」

 恥ずかしそうに脚を開く僕をみて、お姉さんが顔を寄せた。

「ふうううう~~~」
「んあぁっ……」

 い、息を吹きかけないで!
 見られているだけでも恥ずかしくて身体が熱くて仕方ないのに……お姉さんはおちんちんをこの上なく優しく刺激してきた。暖かな空気があそこにまとわりつくと、お姉さんのお口で包まれた時のことを思い出す。
 こんなことをされたら、お……大きくなっちゃう!

「ううぅ、見ないで……ください。そんなにじっとみられたら僕……」
「僕じゃなくて私、でしょう?」

 少し強い口調でお姉さんが僕を叱った。
 同時に指先が素早くおちんちんの根元を締め上げた!

ギチッ!!

「ひゃううっ!」

 急な痛みに僕は顔を歪めた。

「その悲鳴だけでも感じちゃうわ……ジュンくん」

 お姉さんの指の力はすぐに弱くなった。
 よかった。本気で怒っていないみたいだ。

「じゃあ少しいじめてあげようかな?」
「えっ!?」

 ま、また! お姉さんの指がおちんちんを握り締めてきた。

チュクッ……

「ふあああぁぁ!」

 根元から真ん中あたりを優しい手つきでこね回されると、僕の身体がどんどん硬くなっていった。

「気持ちいい?」

 本当はすごく気持ちよくて、身体がフワフワしてる……
 でも、ここで素直に答えたら、もっと気持ちよくされちゃう!
 僕は一生懸命こらえながら首を横に振った。

「ほんと?」
「は、はいっ! 平気です……ううぅっ」
「あら~? でも何か出てきてるよ~??」
「えっ……」

くちゅっ、くちゅっ!

 お姉さんの手の中で、何か水が流れるみたいな音がした。

「見てごらんなさい?
 ジュンくんのあそこが泣いてるみたい」

 視線を落とすと、お姉さんの長い指が蛇みたいにおちんちんに絡みついていた。
 そして先っぽからは透明なおつゆが漏れ始めていた。

(おしっこ……!)

 でもそれはおしっこじゃなかった。指先がくびれの部分を優しく撫で回すたびに、気持ちよくなって自然に溢れてきちゃう!

「ふふふふふ……」

ちゅぷちゅぷちゅぷっ……

「ああぁんっ! 触らないでええぇぇ!!」
「それはもっと触って欲しいってことだよね?」
「ち、ちがいます! ホントにもう、僕……」

 必死で首を横に振る僕を、お姉さんが楽しそうに見つめてる。
 それにお姉さんの指がおちんちんを擦るたびにどんどんお漏らしが増えていく!!

「ごめんなさい……」
「いいよ♪ もっと鳴かせてあげる」

 手の中を汚してしまってごめんなさいと言いたかったけど、お姉さんは全然気にしていないようだ。それどころか、さらに優しく僕を撫で回す。

(ミカさんの手、すごく気持ちよくて……まるで魔法の手みたいだ)

 柔らかい手のくぼみで先っぽを包まれてから、ひねりこむように何度もクビレをくすぐられる。ねっとりした何かが僕とお姉さんの手の間でエッチな音を立てる。透明なおつゆがどんどん増えて、おちんちんが敏感にされていく。

 このままじゃ僕、おかしくなっちゃう……

「あんっ、ああぁぁっ!」

 気がつくと僕の身体は「く」の字に折れ曲がっていた。
 それでもかまわずお姉さんはおちんちんを触る。

「はあぁぁんっ! そこばかり触っちゃだめええええ!!」

 腰がずっとくすぐったくて、気持ち良くって、恥ずかしいけど声が出ちゃう!

「ジュンくん、一週間ちゃんと我慢できた?」
「は、はい……」
「本当? 嘘はダメよ」

 お姉さんの目が少し光ったように見えた。
 そして指先の動きが緩やかになった。

「思い出しエッチとかしたんじゃないの?」
「それは……」

 実は、毎日おちんちんをしごいてた。あの日のことを思い出すたびに頭がぼうっとしてきて……気がつくとお姉さんのことばかり考えていた。

「この可愛いおちんちんを私の指でしごかれたこととか……あま~いおつゆを私のお口にいっぱい出しちゃったこととか……」
「そんなこと言わないで……恥ずかしいです……」
「くすっ、オカズはいっぱいあげたもんね? 男の子に我慢できるはずが無いわ」

 お姉さんはゆっくりと身体を反転させると、正面から僕を見つめなおした。

「ジュンはエッチな子だからね……」
「ち、ちがっ……うんんん!!」

 言い訳をしようとした唇を、お姉さんは自分の唇で塞いできた。

ピチャッ、チュブ、レル……

 細い舌先が僕の口の中で動いて、たまに僕の舌に絡みつく。
 慌てて引っ込めようとしても、今度は逆に吸い付かれちゃう!

「ふふっ、かわい……んちゅっ♪」
「んっ、んんー!?」

 しかも僕が逃げられないように後頭部にもしっかり手が回されてる。
 このまま僕、お姉さんに食べられちゃう……。
 もがこうとしても抱きしめられた状態を崩せない。
 立ったままの姿勢で、お姉さんはたっぷり時間をかけて僕を味わった。

「もっとお仕置きしてあげる。こっちにいらっしゃい?」



 すっかりクタクタにされた僕は、お姉さんに言われるままにソファに横になった。
 お姉さんはその横に座り、僕の頭を軽く持ち上げて膝枕をしてくれた。
 心臓がずっとドクンドクンいってる……。
 もちろんおちんちんも硬くなったままだ。

「今日は私の友達を呼んでるの」
「えっ!?」
「ジュンが来たときにメールを送信したから、もうすぐ来るわ……」

 お姉さんの言葉に僕は焦った。
 僕のことをお姉さん以外の人にも知られちゃうなんて、恥ずかしすぎる。

「そんな! さっきは誰もいないって……」
「そうよ? たしかにさっきは『一人』だったわ」

 お姉さんがペロっと舌を出す。
 その時、チャイムが鳴ってドアがひらいた。

「あら、早かったわね」

 お姉さんは立ち上がらずに部屋の入り口の方を振り向いた。
 入ってきたのは綺麗な女の人だった。
 薄い黄緑色のシャツに黒いジーンズ姿で、素足……そして脚がとても長く見える。
 明るい色をした髪をひとつにまとめて、スポーティな感じのお姉さんが僕をじっと見つめてくる。

「ミカ、ひさしぶりねー……うわぁ! かわいい子ね!!」
「は、あうぅ……」

 急なことなので膝枕から起き上がることも出来ず、頭の中が真っ白になる。
 あいさつの言葉もうまくでてこない……!

「はじめまして、ジュンくん」
「な! なんでぼ……わた、私の名前を……!?」
「ええ、ミカから聞いてたわ。だって電話ですごく自慢げに言うんですもの」
「……」

 僕が恨めしそうな顔でミカさんを見上げると、彼女はちょっと気まずそうな顔をした。
「ちょっと! あっさりバラさないでよね、サラ……」
「ふふっ、ごめんごめん」

 むっとするミカさんの視線を、後から来たお姉さんは笑顔で軽く流した。
 そして僕たちに背を向けてダイニングカウンターの脇にある椅子に腰をかけた。

(そうか……このお姉さんはサラさんっていうんだ)

 ミカさんの友達ってことは、年齢も同じなのかな。

「あの……」
「心配しないで、ジュンくん。私はただ見てるだけだから」
「え……」

 見てるだけ、っていうのは僕がお仕置きされるのを見てるだけってことなのだろうか
 どう見ても助けてくれなさそうだよね……。
 ますます不安げな顔になる僕を見て、ミカさんが言った。

「あら~? 残念そうだね?」
「えっ、いや、そんな!」
「でもね、あなたは自分の恥ずかしいところを彼女に見られちゃうのよ?」
「……はっ!」

 やっぱりそういう意味なんだ。
 ちらりとサラさんを見ると、こちらを見てニッコリしている!

「綺麗でしょ? 彼女」
「はい……」
「あのサラの視線に耐えられるかな?」

 ミカさんの言葉の意味を理解した僕は思わず唾を飲み込んだ。
 今から僕は二人の綺麗な人にじっくり観察されちゃうんだ……!

「さあ、はじめましょうか……」
「い、イヤだぁ……!」
「くすくす……かわいいなぁ、ジュンくん」

 弱々しく抵抗する僕の両手を、ミカさんがぐいっと持ち上げた。
 無理やりバンザイをさせられた上に、手首を片手で掴まれた。

「ちゃんと見ててあげる。ミカにたっぷり愛撫されて、だらしなくされちゃうキミのことをね」

 サラさんが僕を見て言った。だらしなくされちゃうんだ……やっぱりミカさんにエッチなことをされちゃうんだ……!
 ここに来た時から不安な気持ちでいっぱいなはずなのに、エッチなことをされる期待感がそれを覆い隠す。

「きょうはこういうのを使ってみようか?」

 ミカさんはガムテープを取り出し、適当な長さに切って僕の口に貼り付けた。

「んぶっ! んぐううううぅぅ!?」

 い、息ができなくなっちゃう!

「これでもうしゃべれないね?」

 ミカさんは立ち上がりながら、僕の上半身をソファから抱き起こした。
 それから掴んでいた僕の手首をいったん離すと、軽く背中に向ってひねり上げた。

「いっ、いたいいいぃ!」
「ごめんね。すぐ終わるから……えいっ!」
「あああぁぁ……!」

 ミカさんは素早くガムテープを引き伸ばして僕の手首に貼り付ける。
 ひねり上げられた両手首が、あっという間に背中で固定されてしまった。
 それからそっとスカートに手を忍ばせて、僕を撫でて来た。

「硬いね……」
「うううぅぅっ!」

 僕は怖いのと恥ずかしい気持ちが混じって、思わず泣きそうになった。



「やだ、この子……かわいい顔してる!」

 少し離れたところからサラさんの声がした。

「無理やり動けなくされちゃうとね、男の子はすぐにビンビンになっちゃうんだよ?」

 ミカさんが囁きながらおちんちんを優しく触り続ける。

「んうっ! んうううう!」

 妖しい快感から逃れようとして、僕がもがいても無駄だった。
 両手はしっかり縛られているし、馬乗りになったミカさんも振りほどけない。

「女の子はそういう男の子を見ると犯したくなっちゃうの。とくにキミみたいにかわいらしい子は要注意ね」

 細い指先がおちんちんの先っぽを掴んで、ひねりながら何度も上下に動く。
 身体がどんどん熱くなって、抵抗する気持ちが薄くなっていく……!

「んんー! んんんっ!!」
「そんな目で見ないで……ジュン」

ちゅっ♪

 ミカさんがまぶたにキスをしてきた……舌先でまぶたの上から目を舐めてくる。
 それがなんだかすごくエッチで、僕は力が抜け落ちてしまう。

「私に犯して欲しい?」

 僕は無意識に首を横に振った。
 気持ちよくして欲しいけど……それはとても危険な気がした。

「嫌がってるじゃない? ミカ」

 その様子を見て、サラさんが面白そうにつぶやいた。

「ちがうのよ、この子は『あまのじゃく』なの」

 すっかり身体がフニャフニャになった僕を抱きしめながら、ミカさんが反論する。 
 なんにせよ、今の僕にはお姉さんたちに対抗する手段も、気力も……ない。

「へぇ、そうなんだ……試しちゃおう」
「ちょ、ちょっと!」

 サラさんが近づいてくる。
 そして僕の口を塞いでいたテープをはがして、質問してきた。

「ぷはっ! ごほっ、こほっ……」
「ねえ、ジュンくん?」
「は、はい……」

 初めて近くで見るサラさんの顔はとても綺麗だった。
 まつげが長くて肌が真っ白で、それにコーヒーみたいな大人っぽい香りがする。
 ミカさんとは違う意味で、思わず見惚れてしまった。

「ジュンくんはぁ……ミカに犯されたいの?」
「そ、そんなことは……ないですっ!」
「ふ~ん、そう。でもおちんちん……すごいね?」
「あっ! これは……あううっ!」

 言い訳をする前にサラさんの手がおちんちんに触れた。

「これはなぁに?」

 指先ではなく、手のひら全体でゆっくりと先っぽを撫で回されると身体中に電気が流れて痺れてしまう!
 まるで大事な部分をサラさんの手でゆるゆると削られているみたいで……逆らえなくなっちゃう……。

「ミカの言うとおりね。やっぱり『あまのじゃく』なんだね?」
「ちがい……ます……」

 綺麗な人に見つめられながら、あまりの気持ちよさに僕は涙を流してしまった。
 真っ白な手のひらが、ひたすら優しく僕を溶かすみたいにうごめいてる。
 こんなの絶対我慢できない……!
 サラさんの手にあわせて腰がゆっくりと円を描き始める。

「泣かせちゃ駄目でしょ?」

 ミカさんが口を尖らせている。
 それでもかまわずサラさんが尋ねてきた。

「じゃあ……ジュンくん、思っていることと逆のことを言って?」

 もちろん僕を気持ちよくする手の動きはずっと続いている。

「んは……んふぅ、あっ、ああぁぁ!」
「こんな風にミカに犯されたい?」

 あくまでも優しく問いかけてくるサラさん。
 でも、ここで逆のこと、思っているのと逆のことを言わないと僕……おかしくされちゃう!

「は、はい……犯されたい、です……」

 僕は熱に浮かされたようにサラさんの問いに答えた。

「ふふっ、ふふふふ……」
「?」
「素直で本当に可愛いわ……そんなに犯して欲しいんだ?」
「えっ!!」

 しかしその答えを聞いて嬉しそうにしたのはミカさんだった。
 僕はとんでもない間違いをしてしまったのでは……!?

「いいわ、シテあげる」
「ち、ちがいます! 今のはサラさ……んんんうぅぅ!!」

 言い終わる前に、ミカさんの唇が僕の言葉を遮る。

プチュッ、クチュウゥゥ……チュッ、チュッ、チュプ……

 何度も舌が差し込まれ、息を吸ったり吐いたりする度に唾液を流し込まれる。
 さっきよりも激しく舌が僕の口の中を舐めまわし、意識がぼんやりとしてくる。



「すっかりいい顔になったわね」
「あふっ、はうぅ……い……」

 数秒後、僕の顔を見つめながらミカさんが言った。
 お姉さんの激しいキスの前に、僕は涙を滲ませ、口元からよだれを流すしかなかった。
「何かいいたそうだけど、気持ちはわかったわ。ジュンくん♪」

 すっかりキスのテクニックに落ちた僕を見ながら、サラさんが笑っている。

(ああぁ、ずるいっ! さっきの言葉は僕を罠にはめるための……!!)

 僕の抗議の視線を感じたサラさんが言う。

「お望みどおり、たっぷりミカに搾ってもらいなさい?」

 初めから二人はこうするつもりだったんだ。
 僕の口から「犯してください」といわせるのが目的だったんだ!
 でも、気づいたときにはもう遅かった。



「ごめんね、ジュン……」

 ミカさんが服を脱ぎ始めた。

「な、なにを…………!?」
「あなたはこのままでいいわ。でも私、自信がないの」

 ふわふわしたシャツのボタンをひとつずつ外しながら、少しずつ肌があらわになっていく。

「あなたを犯してしまったら、きっと歯止めが利かなくなる……」

 深い紫の下着と、その下に包まれていたミカさんの胸に見惚れてしまう……。
 さっき背中越しには感じたけど、すごく大きくて柔らかそうだった。

「あなたのこと、壊してしまうかもしれないけど……責任は取ってあげるからね?」

 そこまで口にしてから、ミカさんは指先で僕の唇をなぞった。
 ゆっくりと僕の唇を一周した指先が、そっと口の中に侵入してきた。

「あっ……んぷ……!」
「ジュンのこと、ちゃんと女の子みたいに可愛くしてあげる」
「んあ……ふっ……ぅん」

 ゆるゆると口の中をかき回されると、また頭がぼんやりしてきた。
 まるで指一本で頭の中をかき混ぜられているかのように……。

「それと、私たちの虜にしてあげる」

 とろけた意識の僕に、優しくしみこむミカさんの声。
 わたしたち……ってことは、ミカさんとサラさんの二人が僕のことを?

「私はただ見てるだけよ。でも……たまに言葉で責めてあげる」

 サラさんの声が聞こえた。

「ミカとジュンくんが感じやすいように、二人を辱めてあげるわ」

 少し遠くで聞こえるサラさんの声を聴きながらミカさんを見つめる。
 ミカさんは身体で僕を……サラさんは言葉で僕を犯してくれる……んだ。


「まずはもっと大きくしてあげる。こうされるのが好きだったよね? ジュン」
「ふあああぁぁぁ!」

 ミカさんは両手でおちんちんを包み込んだ。
 片方の手で先っぽをくすぐりながら、もう片方でタマタマを転がされる。
 僕の身体がエビみたいに跳ね上がる。

「あはぁっ! ミカさん、あああぁぁ!」
「透明なおつゆ、こんなに出しちゃってるよぉ……」

 先っぽから溢れたものを指先に絡めながらミカさんが僕を辱める。
 クチュクチュのおつゆがミカさんの指を汚してるのに、むしろ嬉しそうな顔をしてる

「ジュンくんのペニス、とても立派ね」
「あっ……」

 サラさんの顔が目に入った。
 しかもペニスって言われるのなんだかすごく恥ずかしい!
 その瞬間……身体が急に硬くなった気がした。

「ふふっ、顔が真っ赤だね? どうしたの?」
「あっ、ああぁぁ! いわないで……」
「私に気づいた?
 見られて感じちゃってるんだ……かわいい顔してヘンタイなんだね?」

 サラさんのいうとおりだった。
 なぜだかわからないけどすごく恥ずかしくて、とにかく見て欲しくなくて!!

「きゃはっ、そんなに拒否しなくてもいいじゃない。ジュンはね、もうヘンタイ確定なんだよ?」
「!?」

 サラさんが冷ややかな目で僕を罵る。
 あの眼に見つめられているだけで、こんなに感じさせられてしまうなんて……。

「こんなに可愛く女装して、私たちの前で可愛い顔しちゃってる……」
「……ミカさん、僕っ!」

 視線を戻すと、両手をヌルヌルにしておちんちんを撫でているミカさんがいた。
 その手首がひねられるたびに、僕の身体はどんどん動けなくなっていく。

「それに私、来るときは普通の格好でいいよっていったのに。まさか女装してくるなんて……ね?」
「えっ!」

 そんなこと言われてない……
 言い返そうとした矢先、サラさんがミカさんの言葉に反応した。

「ふ~ん、そうなんだぁ……そんなに女装が好きなんだね?」
「ちがう……ちがうんです!」
「違わないでしょ? そんなお顔してもヘンタイくんなんでしょう?」

 サラさんに強い口調で言われると、何も言い返せない。
 あの綺麗な顔で、容赦なく僕を追い詰めてくる。
 それ以上に言葉で責められて感じてしまう自分を否定できない……。
 反論しない僕を見て、サラさんが優しく言った。

「次に会うときは私もキミを犯してあげる……だから今日はキミの感じるところをしっかり見ててあげるわ」

 サラさんに犯される、という部分で胸が熱くなった。
 きっと僕に激しくキスしてくれる。
 そしてあの人に身体を触ってもらえる……そう思っただけで、とろけてしまいそうだった。

くちゅっ!

「くああぁっ!」
「こっちを見なさい? 浮気は駄目よ……ジュン……」
「んはぁっ! ミ、ミカさん……?」

 僕の意識が自分に向いてないと感じたミカさんが、おちんちんを荒っぽく絞り上げた
 それを見てサラさんはくすくす笑っている。
 これはもしかしてヤキモチ……?
 ミカさんは僕の身体を抱き起こして、両肩に手を置いた。

「キス、しようか?」

 真正面からミカさんが僕を見てる。
 目が合ってるのに、じっと見つめ返してくれる……
 おちんちんに触れられてないのに、さっきよりもなんだか気持ちいい。

「……してください」
「ちゃんと恋人みたいに、してあげる……」

 綺麗な唇がゆっくり近づいてくる。
 僕は呼吸も忘れて、ミカさんに奪われる瞬間を待つ。

「見て……私の目の中にジュンくんがいるでしょう?」

 優しい声にいざなわれるように、瞳の中の自分を見つめる。
 それがどんどん大きくなって……

ちゅ……っ!

「んっ!?」

 ほんの少し唇が触れただけで、身体中に何かが広がった。

「んっ……いくよ? 私の本気キス……」

 その後、ゆっくりと押し付けるような彼女のキスに、僕の呼吸が静かに奪われていく。
(こ、こんなキスがあるんだ……ミカさんの唇がやわらかくて……もう)

 ゆっくりと包み込むようなキスに、僕は夢中になる。
 サラさんのことでドキドキしていたさっきまでの自分が綺麗に消え去った。
 今までで一番熱いキス……もっとしてほしい。
 もっと奪って欲しい……。

ちゅぽっ

「あ~ぁ、すっかり目がイっちゃってる……また力が抜けちゃったね?」
「ふ……あ……」

 ほんの数センチだけ顔を離したまま、ミカさんが微笑んでいる。
 ぜんぜん力が入らない。
 まだキスをされ続けているような気分のままなのに、今度は下半身が急に気持ちよくなってきた。

くちゅっ、くちゅ……くにゅんっ
 
「でもこっちは元気だね?」
「んふっ!!」

 僕を見つめたまま、ミカさんがおちんちんをいじりだした。

「こんなにヌルヌルにして、私を誘ってるみたいだね?」

 あまりの気持ちよさに声が出せない!
 必死で歯を食いしばって耐える僕を見ながら、ミカさんが膝立ちになった。

「キミの大切なところ、今からメチャクチャにしてあげるわ」
「え、ええっ、それって」
「……おちんちん、食べてあげる」

 見せ付けるようにゆっくりとパンティを脱ぎ、床に落とした。
 うっすらとした茂みが僕のおちんちんの先に押し当てられた。

「ジュンくんのはじめて、私が貰ってあげる」
「あ、あ、あっ……!」
「怖がらないで? 痛くないし……むしろ気持ちよすぎて、おかしくならないようにね? ふふふっ」

 少し照れたような顔でミカさんがこっちを見ている。
 その顔がすごく綺麗で、僕は見惚れながらますます興奮してしまう。
 おちんちんはすっかり硬くなっている。
 それが今から飲み込まれちゃうんだ……!

「女の子のあそこ、見てみる?」
「っ!」

 そっと囁くような、誘うようなミカさんの言葉を聞いて僕は静かにうなづいた。

「じゃあ見せてあげる……」

 ミカさんはそっと立ち上がってから、片足をソファの上の方にかけた。
 さっきの茂みの奥に、なんだかピンク色の部分が見える。

「ここをね、優しく触ると……気持ち……よくなっちゃうの……」

 一点を凝視している僕をみながら、ミカさんは指で少し膨らんだ部分を軽くなでた。
 気のせいか透明なおつゆが指先に滲んだように見える。

「でも敏感だから、本当に優しくしてね」

 そして再びソファの上で膝立ちになり、おちんちんを掴んできた。

「ふふっ、このおちんちんをね……こうやって」

 ミカさんはしっかりと僕を掴んだまま、先っぽを茂みの奥へと導いてきた。

(ヌルヌルの何かが僕を優しく包み込んできた!)

 それはまるでさっきのキスと同じみたいで、今度は下半身から全身に熱い波が広がってきて――!!

ずちゅっ、ずりゅ、ずりゅずりゅ……

「ひいっ、ふああぁっ!?」
「擦ると気持ちいいでしょう? 熱くってプニプニして……ジュンのあそこ、エッチすぎ……!」
「ミカさんっ、ミカさ、ああぁぁっ……」
「うふっ、ジュンも感じてる」
「ああぁっ、あああぁ~~~!」

 あまりの気持ちよさに言葉が出せない! 手でされているときも良かったけど、今度はさっきみたいに一瞬ですら我慢できないいいいぃぃぃ!!

「……入れるよ、ジュン」
「えっ、ああぁぁぁぁ!!」

 ミカさんは悶える僕を押しつぶすように、じわりと腰を沈めてきた。
 いっぱいこすられて敏感になった僕は、震えながら耐えるしかなかった。
 ゆっくりと熱いものにおちんちんが包まれていく。

ずぷううぅぅ~~~

「ふふっ、ジュンの童貞……もーらいっ♪」
「あぁぁ……」
「くすっ、泣いてるの?」

 学校で習ったけど、これが……女の人と交わるってこと!?
 こんなに気持ちいいなんて教えてくれなかった。
 気持ちよすぎて涙が出ちゃうくらいに……

「私に犯されて悔しい? 初めてのエッチを奪われて悔しいの?」
「ちがう、ちがうんです……」

 首を横に振る僕の顔に、ミカさんはキスをした。

「きれいな涙……その気持ちごと、全部貰ってあげる」
「う……え……」
「ほらぁ、舌を出してぇ……?」

 言われるがままに舌を出すと、ミカさんは優しく吸い上げてくれた。

「ずちゅ……んふっ♪」

 下のほうも、おちんちんも女の人のあそこに包まれて……唇もキスされたまま奪われてる!

「いっぱいキスしながら、おちんちんもしゃぶってあげる」
「だ、だめええぇ! そんなエッチなこと言わないで……」

 これ以上言われたら、気持ちいいのが耳から広がっていっちゃう。
 でも本気でお願いしているのに、ミカさんはますます興奮してしまったみたいだ。

「こんなに可愛い『女の子』が私に抱かれて悶えてるなんて最高……」
「おんなのこ……」

 そうだ、今の僕は女の子なんだ。
 ミカさんというお姉さんに気持ちよくされてこのままイかされちゃうんだ……

「くううっ、ああぁぁ!?」
「……もうイきそうだね?」
「ミ、ミカさん……僕、おしっこがでちゃ……」
「出したら赤ちゃんができちゃうよ?」

 赤ちゃん……だめだ。それは絶対だめだって、学校でも教わった!

「えええっ!!」
「それでもいいの? ジュン」
「い、いやです……僕はまだ大人じゃないから……」
「じゃあ我慢して。おしっこ出しちゃだめだよ?」
「はい……で、でもっ!ああ、うごかないでっ!!」
「イヤだよ。私は動くよ? だって気持ちいいんだもん」

 嫌がる僕を見ながら、ミカさんが少し腰を上げた。

「もっと追い詰めてあげる」

クキュウッ……

「あっ! んあっ、これえええぇぇ!?」

 おちんちんがすごい力で締め付けられる!
 せっかく一生懸命我慢してたのに、お漏らししちゃう!!

「ほらぁ、もうヤバイんでしょ?」
「でちゃ、出ちゃうよおおっ!」
「おちんちんが泣いてる。その下でタマタマもキュウ~ってなってる? ふふっ」

 僕はもう我慢できない!
 それなのにミカさんはさらに激しく腰をうねらせてきた。

「私のあそこがね、ジュンのこと大好きって言ってるんだよ……」
「だ、だめっ! もうやめて、お姉さん」
「気持ちよくしてあげたいから、おちんちんを抱きしめてるんだよ?」

 そんなこといわれたらもっと我慢できなくなっちゃう!

「あのおしっこ……だしてごらん? くすっ」
「ああんっ、本当にダメエェェ!!」
「しっかり見ててあげるから……」
「ミカさん、お願い……本当にもう」
「うりうりうり♪」

 僕がお願いすると、ますますミカさんはあそこをきつく締め上げた。
 身体中がミカさんのあそこで包まれて、揉みくちゃにされたみたいに僕は悶えた!

「ああああぁぁぁっ! な、んでええぇぇ!?」
「ほら、もう……イって!!」

 ミカさんは腰の動きを止めた。
 しかし僕の中では気持ちいいのがグルグルまわって、もう止められなかった。

「か、身体がっ!」
「動けないでしょう? 気持ちよすぎて震えることも出来ないでしょう?」
「あああぁぁ……」
「ジュンの熱いおつゆ、私が全部吸い尽くしてあげる……」

 ミカさんがそう言いながら僕の頬を舐めた瞬間、何かが身体から飛び出していった。


 びゅるっ、どぷっ、ぶちゅうううぅぅっ!!


 圧倒的な快感と一緒に僕の身体から魂が抜けた……
 おちんちんから何か大切なものがミカさんに吸い出されていく。
 身体中の力が抜けて、下半身がフワフワしているみたいだった。

「すごい量……本当にデキちゃったらどうしようかしら?」

 快感が強すぎてなかなか元に戻れない……あいまいな意識の中、ミカさんがそんなことを言っているのが聞こえたような気がした。





 僕が目覚めると、まず天井が見えた。
 どうやら膝枕をされているみたい。
 そしてこの香りは……!

「ずいぶん見せ付けてくれたわね……」
「あっ、あれ!?」

 上から覗き込んできたのはミカさんではなく、サラさんだった。
 聞けばミカさんは上機嫌でシャワー中だという。

「きみも浴びてくるといいわ。それとこれは私からのプレゼントよ」
「ああっ!」

 サラさんが指差した先を見た。
 おちんちんに何かが巻きついていた……!

「赤いリボンはミカのしるしだけど、青いリボンは私からの予約」
「そ、それってどういう意味ですか……!?」

 おそるおそる聞いてみると、サラさんは表情を崩さずに言った。

「来週は私の部屋に来て?」
「サ、サラさんの?」
「ええ。今日よりもっと大人っぽく、可愛くしてあげる」

チュッ♪

 膝枕をされたまま、サラさんにキス……されてしまった。
 ミカさんだけじゃなく、サラさんにまで気に入られてしまったみたいだ。

「好きよ、ジュンくん」
「あ、あの……どうして」
「髪型も、服装も、それに……エッチのときの声も、ね?」

 クールな表情と有無を言わさぬサラさんの口調の前に、僕に与えられた選択肢はひとつしかなかった。

「よろしくお願いします……」
「きみがイヤじゃなければ、ミカも呼んであげるわ? ふふっ」

 綺麗なお姉さんたち二人のおかげで、僕は今よりもっと可愛くなれそうな気がした。





『女装少年の後日談』 (了)










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