ちょっとした妄想 #09 風紀委員会 (イラスト:時空戦士さん)
学園に遅刻しそうな朝……とはいえ、毎日ほとんどギリギリ出社なんだけど。
このペースなら滑り込みセーフというタイミングで俺は校門に立っていた女子生徒に呼び止められた。
「ちょっとそこの男子止まりなさい!」
「あああぁ!? なんだお前、そこどけ! 俺は忙しいんだ。話しかけないでくれ」
みるからに真面目そうな風貌。腕章もしてるしこいつは生徒会か?
さらさらの髪に黄色いカチューシャをして、パッと見は可愛い系だけど性格は猛烈にきつそうだ。絶対彼女にしたくないタイプ。
だが今はそんなの関係ない。俺は先を急いでいるんだ。しかし――、
グギリイイイ!!
「うっぎゃああああっ!」
小柄な彼女の脇を通りすぎようとした瞬間、右足に激痛が走った。しかも極上の痛みだ!
「……待ちなさいと言ったでしょう?」
痛みがする場所に目をやると、踏み出した俺の右足を女子のかかとが真上から打ち抜いていた。
骨が砕けても構わんとばかりに小さな革靴の硬いソールが斜めに突き刺さっている。
「いきなり武力行使か! 踵落しするんじゃねえよ!!」
「風紀委員会の制止を聞かずに無視しようとした報いです。貴方は服装だけでなく言葉遣いも乱れていますね。それに……」
俺をちらりと一瞥する女子生徒。その視線は俺の顔ではなく下半身の方へ……
「股間をふくらませて……はしたないです。人間以前にケダモノですか貴方は」
「うっ! こ、これは……朝なんだから仕方ないだろ!」
風紀委員を名乗る女子は男の生理現象を軽蔑の眼差しで見ている。
「言い訳無用。貴方、どこのクラス? 名乗りなさい」
「だいたいなんでお前は上から目線なんだよ! あ、こらっ……」
こちらの返事を待つまでもなく、俺の制服ポケットに見え隠れしていたであろう手帳を女子生徒がそっとつまみあげた。
「二年、小森タケル……ふむ。覚えました。あとで担任の先生を通じて呼び出しがあります。必ず委員会室まで来て下さい」
「ふざけんな。そんなの知るか! あばよっ」
いらいらしながら小柄な風紀委員を振り払うようにその場を後にする。
おかげで遅刻はなんとか免れた。
◆
――そして昼休み。
「おいどういうことだよ!!」
「どうもこうもないです。貴方には呼び出しがあると校門で伝えたはずですが」
二時限目が始まる前に職員室に呼び出され、担任から一枚の紙を渡された。
そこには昼休みに特別棟にある風紀委員会室へ行くように指示がされていた。
しかも紙を受け取った後も担任から二度も念押しされた。
仕方なくここへ来たわけだが……
「ちゃんと呼び出しに応じたことだけは褒めてあげます。まあ、当然のことではありますけど」
「ほぉぉ、それでお前たちは善良な生徒に向かってこんな仕打ちをするのか!」
天井を見つめながら俺は皮肉を込めて言う。
この部屋に入った途端、俺は複数の女子に羽交い締めにされたのだ。
あっという間の出来事だった。
そして細い紐で後ろ手に縛られたまま中央にある大きな会議テーブルに転がされたのだ。
奥のほうではカルテのようなものを手に持ったまま視線を落としている女子がいる。書記だろうか。
他にこの部屋にいるのはあとふたり……一人はツインテールで生意気そうな女子。
そしてもう一人は今朝俺の右足をかかと落としで打ち抜いた女子……こいつが委員長なのか。
「ふっ、貴方は知らないのですか? この学園では生徒会の上位組織として風紀委員会があるのです。たとえ生徒会長といえども私達の決定には逆らえない」
「いいかげんにしろ! 今すぐ俺を解放しろよこのブス! そっちのビッチメガネと糞ツインテもニヤニヤしてんじゃねえよ!!」
その言葉を聞いた俺以外の三人の女子たちの雰囲気が一気に険悪になる。
メガネは一瞬だけ俺を睨んでからすぐに視線をカルテに落とした。ツインテは俺を睨みつけたままだ。
そして、とびきり冷ややかな視線で委員長格の「踵落とし」がつぶやく。
「風紀委員会に対して攻撃的ですね。反抗的ですね。そして挑発的……やはり貴方は風紀を乱す危険が多い反乱分子であると判断しました。朝の一件のことはもちろん、委員会としてあなたを指導することに決めました。ちょっと失礼」
【お、おい何を……!」
プシュウウウウウウ…………
「ぶわああああああっ!」
ミス踵落としは口元にハンカチを当てながら俺に向かって何かを吹き付けてきた。
細かい霧を吸い込んだ俺はむせ返り、まぶたも半分くらいしか開けなくなってしまった。
「ぶほ、な、んだこ……げほげほげほおお!!」
「単に身体が鈍くなるスプレーですわ。もともとは痴漢よけ、護身用ですが……貴方のように野蛮な生徒に襲い掛かられてはたまらないですから」
無抵抗の俺に向かって容赦なく護身用の催涙スプレーを放射しやがったのか。
「風紀委員会の怖さ……たっぷり味わっていただきます」
委員長格の女子が一歩身を引くと、脇に控えていた女子生徒が俺に顔を寄せてきた。
「では委員長、まずは私から失礼しますね」
んちゅ……♪
俺が糞ツインテと罵った女子がずいっと前に出てきて、事もあろうに俺の唇にキスをしてきた。
「な、んうううぅぅ!!」
「チュル、ジュルルル……おとなしくなさい? いい気持ちにしてあげるから」
ピチュッ、レロ……レル……プチュ……
ついばむようなキスが何度か繰り返される。
小鳥のように小さな唇が優しく餌を摘むように俺にキスをせがんでくる。
(こ、こいつ、んっ、なんでこんな……キスばかり……ぃ!)
悔しいが……感じてきてしまった。
しかもツインテの髪が俺の顔に触れてくすぐったい。そして何かいい香りがしてる……桃の匂いみたいなシャンプーを使っているのだろうか。
キスの回数が十回を数えた頃、俺はすっかりおとなしくなってしまった。
「ふふふ、年下に翻弄されてしまうとは情けないですね? でもその子はキスのスペシャリスト……ほとんどの男子生徒はあっという間に骨抜きにされてしまいます」
委員長格の女子がにやついてるのがムカツクのだが……執拗にキスを重ねられたせいでツインテ女子に気を取られてしまう。
(も、もっと……キスして……くれ……!)
思わず自分から顔を突き出して求めてしまいそうになると、それを察したのかツインテ女子は静かに顔を引っ込めた。
「ごちそうさま♪ キミ、可愛かったよ。いっぱいキスされて幸せだったでしょう? 私の顔を見たらもう憎まれ口なんてもうたたけないよね?」
「くううう……」
年下、下級生とのキスでこんなに興奮してしまうなんて……俺は気恥ずかしさいっぱいのまま下を向く。
ウインクしながら最初の位置に戻ったツインテの代わりに、今度はメガネを掛けた女子が前に出てきた。
(今度はこいつとキス……なのか……?)
メガネ女子は一見すると地味な風貌だがとてもきれいな顔立ちをしている。
華やかさは感じないが、静かな立ちふるまいにはある種の色気すら感じる。
「身体が動かせなくなったところで、次はあたしの番ですね」
そしてツインテと同じようにゆっくりと顔を寄せてきた……
(キスされる……!)
じれったくなるほどゆっくりときれいな顔が近づいてくる。
だが唇まであと数センチ、というところでメガネ女子は動きを止めた。
「……!?」
怪訝な顔をする俺と視線が交差した瞬間、
「ふっ……」
眼鏡の縁がキラリと輝いたように見えた。そして――!
「んはああああっ!!」
ビクッ、ビクンッ!!
股間に広がるむず痒い不意打ち。
メガネ女子のしなやかな指先がズボン越しに俺のペニスをサワサワといたぶってきた!
ンチュウウッ♪
「んぐ、ふうっ、ふ、んん~~~~~~~~!!」
さらに叫び声を上げた俺の唇が優しく塞がれた。呼吸が乱れた俺とは対照的にメガネ女子は静かに俺の口の中に舌を差し込んでくる。
しかも股間に伸びた指先は巧みに這いまわるだけでなく、ジッパーを下ろして地肌にまで到達してしまった。
「唇を塞がれたまま男性のシンボルをもてあそばれるとは思っていなかったでしょう?」
もがく俺を見下しながら委員長格の女子は言う。
「彼女の手のひらは男子にとても評判が良いらしいです。以前は不良と呼ばれる生徒を十数人虜にしてしまうほどに」
その言葉におそらく嘘はない……ツインテ女子のような回数でカバーする快感ではなく、じっとりと体に染み込むメガネ女子の愛撫。
「んっ、ん……んっ♪」
ツ……プゥ…………!
唇が更に深く押し付けられ、彼女の舌先が俺の上顎を舐めあげる。
キスをされながらの手コキのせいで柔らかな舌を押し返すことも出来ず、ただひたすら快感にあえぐ。
頭が真っ白に、ぼんやりとしてきてもメガネ女子の静かな愛撫は続く。
「委員長、もう充分みたいです……彼の心は折れました」
ふいにメガネ女子が俺の身体から離れた。
指先に踊らされていたペニスは物淋しげにビクビクと震えながら空気に向かって空打ちを繰り返す。
(も、もっとぉ……あの指で触って欲しかったのに……ぃ……)
自然に腰が動き出しそうになる。
俺のペニスは一分も経たないうちに最大限まで膨らみきってしまった。
トントントン
「ふあああっ、あ、あああ!」
「もう敏感ですね。それにしてもなんですかこの大きさ……いいえ膨張率!」
(イラスト:時空戦士さん)
反り返ったまま痙攣を繰り返すペニスに三角定規を当て、指先でしごきながら委員長が言う。
白い指がペニスにまとわりついてくると、反射的に我慢汁がドクドク溢れだした。
悔しいが……今はたったこれだけの刺激でも気持ちよすぎてイきそうになる……
「ケダモノですね……いいえ、もうこれは人外だわ!」
口元に右手を当てたツインテがペニスをじっくり見つめている。
(ああぁぁ、そんなに見つめないで……!)
年下の彼女の視線が……心地良い。
軽蔑に近い、それでいて好機の眼差しを向けるツインテに軽く罵倒されただけでも心が感じてしまう。
(さっきはあの子と気持ちがとろけるまでキスをしたんだ……)
そして引き継いだメガネ女子のテクニックに身体の毛穴が全部開ききってしまった気分。
ファサッ……
目の前にいる委員長が突然スカートとパンティを脱ぎ捨てた。
「身体をちょっと動けなくした上で、精神面だけの指導で済ませるつもりでしたけど、気が変わりました……」
「えっ……ちょ、一体何を!?」
彼女は頬を赤くしながらも相変わらず俺を見下したまま、テーブルの上に膝立ちになった。
そして俺のペニスの真上にまたがると、ゆっくり腰を沈めてきた。
ピチャ……
熱く濡れた花弁がペニスの先端に押し付けられた。
ヌルついた粘液……とろとろした何かをペニスに感じる。
「んああっ!」
「うふふ、残念ながらまだ入ってませんわ?」
上から降り注ぐ声に反応して彼女の顔を見る。
(嘘だ……こんなに……いや……っ)
俺の戸惑い、驚く様子を見て彼女が柔らかく微笑む。近くで見る委員長は思っていたよりもずっと美しかった。
第一印象がサイアクで、性格の厳しさだけが全面に押し出されていたせいもあって、そのギャップだけでもおかしくなってしまいそうだった。
「何を驚いてるのかしら。私の顔、ヘンですか?」
「い、いいや…」
「それよりもほら、貴方のペニス……」
恐る恐る視線を落とす。
彼女の言う通り、まだ挿入状態ではなかった。そう、まだ……
「くすっ…」
くいっ、くいっ、くいっ!
不意に細い腰が左右にくねくねと動いて、
「んう、あうううっ!」
情けないほど俺は感じさせられてしまった。
女性器に押しつぶされた俺自身が歓喜の涙を流す。
先端からしずくが溢れ、それが彼女の愛液と混じって淫らに輝き始めた。
「うふふふ……これなら入れた瞬間、イっちゃいそうですね?」
こすれ合った粘液がピチャピチャ音を立てる。
その音ですら今の俺には快感を予感させる旋律にしか聞こえない。
(早くあの中へ……入れて! もっと、もっとおおおお!)
思わず自分から腰を突き上げようとしたが、無駄だった。
興奮しすぎて体がうまく動かせない!
鼓動だけがいつもより早く高鳴るだけで、俺を組み伏せた彼女の顔や身体に見とれる作業で精一杯だった。
「おとなしくなさい。今から私が自らこのふしだらな男性器を指導して差し上げます」
体中を痙攣させている俺を舐めるように見つめながら、委員長がそっと腰を上げた。
ピンク色の襞が少しだけ見える角度のまま、そそり立つ俺のペニスに狙いを定めてからゆっくりと膣口に亀頭をあてがう。
ニチュウウ……
「あ、ああああぁ!」
「ふふふふふ……♪」
腰の動きだけで、亀頭が彼女に飲み込まれてゆく。
はじめは膣口にキスされるような状態で数回、3分の1が飲み込まれた段階でまた数回……
クニュ、チュル、クチュ……クニュウウ!
「うあっ、あ、あ、あああ、それええええ!」
焦らすように回転する細い腰。
ペニスは固くされたまま徐々に狭い膣内に導かれてゆく。
クプ、ゥ……!
ようやく先端が全て飲み込まれた時、あまりの刺激に俺は彼女の太ももにすがりつくように両手で押さえつけていた。
その手をあっさりと振りほどき、委員長は余裕の表情で一度だけ前後に腰を振ってみせた。
グチュウウウ!
「あはあああああっ!!」
膣内に納められたペニスに狂おしいほどの快感が流れこむ。
締め付けられるたびに快楽の鎖で縛られていく俺。
「んふ……硬さは素晴らしいけど、耐久力はなさそうですね?」
彼女の涼しげな声が降ってきた。
しかしペニスの方は、まるでカリ首から先が完全に溶かされたような、甘い痺れに支配されていた。
いつもと逆方向にねじ曲げられたような刺激がこみ上げてきて正気を保てない!
「委員長の腰振り、久しぶりに見た!」
「よく見ておきなさい……あれが男の子を虜にしてしまうテクニックよ」
ツインテとメガネがひそひそ話をしている。
だがそんなことも気にならないほど、ペニスが導かれた膣内の感触は素晴らしかった。
絶え間なくキュウキュウ締めあげてくる入り口が裏筋をしっかりと捕獲したまま俺を狂わせる。
さらに内部、亀頭の先をチュルチュル吸い上げてくるような襞の動きが徐々に強くなってきて……
それはまるで、もっと奥へおいでおいでと誘ってくるような甘いくすぐりのようだった。
「そろそろ根本までお招きしようかしら? えいっ……!」
ヌリュウウウウウウウウウウウウウ……
「がっ、あ、あああ!!!!!!!!」
静かに沈む細い腰。
その直後、膣内をかき分けたペニスを待ち受けていたのは肉襞の熱い歓迎だった。
入り口よりも狭くなっている中間地点をすり抜けると、今度は温かなジェルみたいなものがまとわりついてきて、しかも時々ブツブツした何かにこすりつけられた。
ペニスの根本と中間がキツキツの彼女の膣内で、亀頭の先はヌルついた媚薬の海を泳がされる。
チュル……ルルル…♪
「うあっ!!」
それだけでもじきに射精してしまうことは明白なのに、今度は仮首に……何かがまとわりついてきて……!
「な、なにこれええええ!?」
「ふふっ、子宮の入り口じゃないかしら? おちんちんの先っぽ、優しくキスしてあげる……」
その言葉と同時に俺に倒れこみ、唇を重ねてくる彼女。
そのキスはツインテ女子よりも甘く、メガネ女子よりも繊細なものだった。
(と、とける……彼女に溶かされて、ペニスも、俺も、全部真っ白にされちゃうううう!!)
とびきりの快感に恐怖すら感じた俺は反射的にペニスを加えこんでいる彼女を突き飛ばそうとした。
「うん? 何をしてるのです?」
しかし……俺の意思は既に手足に伝わらなくなっていた。
自分の下で悶狂う俺の姿を見て、委員長は妖しい笑みを浮かべた。
そして…………
「先っぽが蕩けてきた…もう限界でしょう? 仕上げてあげる」
「や、やめ……っ!」
「ダメよ。このままイきなさい!」
クチュッ、グチュ、グリュッ、グリュリュウ、キチュウウウ!
ジュル、ピチュ、ペチュッ、ジュルルル!!
ちゅっ♪
「ん、んん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」
ビクッ、ビクビクビクッ!
どぴゅうううううううううううううううううううううう~~~~
激しい腰振りと熱いキスの連続で、意識を保てなくなった俺は身体を波打たせながら思い切り射精してしまった。
しかもいつも自分でオナニーする時の数倍に匹敵する量を、この委員長の中に注ぎ込んでしまった……
膨大な料の快感を流し込まれ、しかも射精後もさらに腰を振って連続射精に導かれながら漠然と俺は感じていた。
(俺はもう……こいつに勝てない気がする……)
今朝、こいつに暴言を吐いたことを俺は後悔していた。
性的な部分で男子が女子に負けるということ、それが自分にとって深いトラウマになる。
しかも抗えない甘い快楽とともに身体にすり込まれてしまった。
痙攣しながら天井を見上げている俺を見つめながら、委員長はスカートとパンティを履き直しつつ口を開いた。
「今日の指導に懲りて、女子の前で淫らなことを考えないように悔い改めなさい。そうしたらまた…犯してあげる。今度は三人がかりでね」
ツインテとメガネも後ろで笑っている中、俺にできることは屈辱的なその言葉を静かに飲み込むことだけだった。
(ここまで)