「藤巻理穂の居残り授業」
放課後――。
すでに誰もいなくなった特別等の教室で、俺は一人の生徒を待っていた。
生徒の名前は藤巻理穂。学年で常にトップクラスの成績を維持している女子生徒。
そんな彼女が終業のチャイムが鳴った後、「授業でわからなかったところがある」と質問してきた。
たまたま次の授業の準備が迫っていたので即答できず今に至るわけだが、実はさっきから俺の教え方が悪かったのではないか……と少し落ち込んでいる。
万が一、俺がわかりにくい授業をしていたのでは、その他の生徒への影響も心配だ。
純粋に学問的な疑問であって欲しいと願う。
とにかく彼女の話をよく聞いて――
ガラッ
「お待たせしました先生」
勢いよく開いた扉の向こうから飛び込んできたのはピアノのような軽やかな声だった。
窓から差し込む西日に照らされて、藤巻理穂の髪がキラキラと輝いて見えた。
「はっ……」
時間にすれば一秒程度だろうか。俺は確実に彼女に見とれていた。
学年でトップクラスの成績優秀者であるだけでなく、藤巻は学園屈指の美少女と言って差し支えないほど容姿に恵まれていた。
肩よりも長くまっすぐ伸びた黒髪、まさに「吸い込まれそうになる」と言いたくなる大きな瞳や、すらりとした長い手足。
そんな彼女が何も言わずに一直線に俺のほうへ近づいてきた。
ちょうどお互いの距離にして30センチ以内に入ったところでピタリと足を止める。
「先生」
比較的背の高い彼女と、平均的な身長の俺の目線はそれほど変わらない。
長いまつげが二度、三度と揺れる様子を見ながら俺は気を取り直して彼女に尋ねた。
「なあ藤巻、今日は一体……ふぶうっ!」
だが突然、藤巻は右手の人差し指を俺の口にねじ込んできた。
続いて中指も……遠慮なく突っ込んできた。
(ああぁぁ……)
もちろん特別に味などない。しかし何かスイッチを押されたかのように俺は数秒前のことを思い出してしまう。
こちらに向かって歩いてくる藤巻理穂。
彼女が歩くたびに柔らかそうに揺れる胸元や、引き締まった腰つき。
女性としての魅力も申し分ない……が、ここは学園内だ。教師である俺がそんな事に気を取られていいはずもない。
それなのに――、
「ふふ……♪」
いつの間にか細い腕が俺の腰に絡みついていた。
藤巻は片手で俺の体を抱き寄せながら、二本の指で俺の口の中を延々と蹂躙する。
淫らな水音が脳内に染みる。
口の中に指を出し入れすると同時に、彼女は俺の心をグチャグチャとかき混ぜてくる。
細い指先が俺の口内をくすぐるように愛撫する。
屈辱的なのに、美しい指の味が……だんだん甘く感じてきた。
まだ終わらない……
俺は呼吸をかき乱されつつ、彼女の手首をつかもうとする……が、スルリと避けられてしまう。
うっすらと微笑むクールな藤巻の表情が屈辱感に追い討ちをかける。
愛撫が終わらない……
終わらない…
終わ…
テュポッ……ン…
「ぅう、あぁ…………!」
細い指がゆっくりと口から引き抜かれた瞬間、俺は深い脱力感に襲われた。
体はまだ藤巻と密着したまま。頭がぼんやりする。
「見て」
彼女に促され、視線を落とした先にはいやらしくヌルついた指先があった。
そこにはたっぷりと俺の唾液が絡み付いて糸を引いてる。
彼女がここへ来てほんの十秒程度で、俺は骨抜きにされかけていた……。
「覚えてますよね、先生」
「……な、何を?」
やっとの思いで彼女の顔を見ると、先ほど変わらぬ笑みを浮かべていた。
藤巻は大きな瞳で俺を見つめながら、ヌルヌルした指先をそっと口に含む。
その途端、俺の下半身が疼きだした。
(な、舐められてる……これじゃまるで!)
可愛らしい舌先が何度も俺の爪を舐める。
下からしゃくり上げるようにいたずらに、そして唇をキュッとすぼめて顔を動かして何度も何度も何度も――、
ピチュ……レロレロレロ……
藤巻の表情は変わらない。いや、時々少し目を伏せて恥ずかしそうな顔をしてみせる。
おそらくそれすらも計算のうちだろうが、学園屈指の美少女が熱心に俺の指を味わっている様子だけで否応なく興奮させられてしまう。
(うああぁぁ、気持ちいい……あんな風に、藤巻の唇で……)
俺の吐息が徐々に荒くなっていく様子を彼女は楽しんでいるみたいだった。
欲望が一気に膨れ上がってゆく。
「ふ、藤巻、頼む……」
震える手で彼女の肩に触れようとしたら、軽く払われてしまった。
「ダ~メ…」
「どうして……」
あきらめずにもう一度、今度は直接そのふっくらとした胸に触れようとした。
しかし今度は指先をしゃぶったまま、彼女が体を斜めにした。
触れない……もどかしい……触れたいのに!
「まだ見せてあげない。だから想像して……ふふふふっ」
「藤巻、お願いだ!」
「ダ~メ。だって、今日は私が先生を見る番だから」
彼女のその一言で、俺の中で忘れさられていた何かがひらめいた。
それは数日前のこと。
「今日は先生の言うとおりにしてあげたでしょ?」
「あ、ああ……」
放課後、残務処理に追われていた俺の前に突然現れた彼女が、俺の言うことを何でも聞くと言い出した。
学園内でまさか淫らな要求をするわけにもいかず、軽い気持ちで髪形をポニーテールにしてくれと頼んでみた。
そして彼女はそのとおりにしたのだが……
「どうだった? この髪型」
「とても似合ってるよ」
気の利いた言葉も思い浮かばないのでそう言い返すと、藤巻は嬉しそうにクルリと背を向けた。
「本当にどんなお願いでも聞いてあげるつもりだったのに何故遠慮するかなぁ」
「!?」
「先生忘れないで。次は私の番だからね……」
俺のほうを向いて微笑んだ彼女の言葉がずっと引っかかっていた。
あの笑顔の裏にはこんな意味があったとは。
藤巻は遠慮なく淫らな要求を突きつけているのだ。
俺と違って、全く躊躇うこともなく。
彼女に促され、俺は教室の椅子に座られた。
相変わらず心の中は乱されたままで、美しい藤巻の顔をうっとりと眺めている。
彼女は俺の近くの机に上品に腰掛けた。必然的に目線が高くなる。
「そのズボン、脱いでください。先生を早く見せて」
「しかし……」
「早くしないと私、帰りますよ」
冷たく突き放すような口調と、俺を上から見下す視線に逆らえず、俺はベルトに手をかけた。
「ううぅぅ……」
恥ずかしさに身を晒しながら下半身があらわになってゆく。
俺の顔色が変わる様子を見て藤巻は満足そうに口を開く。
「そう……よくできましたね。褒めてあげます」
コトッ……
床に何かが落ちる小さな音。
続いてゆっくりと、既に半勃ちになっているペニスへと紺色のハイソックスに包まれた彼女の足先が伸びてきた。
「やだ……見つめてる。教え子のパンツ見てそんなに……♪」
「ち、違ッ……ぅ……」
見つめているのは足の付け根ではなく先端。
形の良い藤巻の足指が俺のペニスを空中で踏みつけ――
「んはあああああっ!!」
「握っちゃうもん♪」
彼女の足の指がクニュっと曲がる。
同時にそれは亀頭を優しく、撫でるように巻き込む仕草。
「あああぁ、あ、あ、ああああ!」
あまりにも甘美な刺激に思わず俺は椅子の足をつかんだ。
目の前で女子校生の美しい脚が俺のペニスを弄んでいる。
「ホント、先生ってヘンタイですね。いけないんだ……こんなとこでシコっちゃうんですか……」
シコってない! 俺は自分でしごいてないいいいいぃぃぃ!!
藤巻は柔らかく焦らすように、亀頭を指先でこね回す。
片足だけで俺を魅了するそのテクニックに逆らえない。
何度も何度も円を描き、時折トントンと前後に棹をノックしてくる。
なんでこんなに器用に動くんだ……これじゃまるで手コキと同じで、こんなの我慢できるはずがないッ!
「ねえ、腰を自分から振っちゃうんですか? 先生」
「えっ……あ、ああああぁぁ!」
彼女に言われて気がついた。確かに動いてる……動かしている。
「私は別に構いませんけど、射精しちゃ駄目ですよ。我慢してください」
「えええええっ!!」
下唇をぺろりと舐めてから彼女が続ける。
「我慢比べ得意なんです私。先生もお好きでしょう」
「そんな……」
こちらが一方的に我慢させられているだけのゲームなんて勝ち目がないじゃないか。
そんな俺の気持ちを察したのか、藤巻は頬を赤く染めてつぶやいた。
「……条件はイーブンですよ」
「!!!」
続いて彼女の足が、そっと大きく広がった。
今までは見えなかった足の付け根が、薄桃色のショーツが視界に飛び込んでいた。
クプ……
「んっ……ふぅ……」
藤巻はこちらに見せ付けるように、ショーツの隙間に指先を忍ばせた。
そして亀頭をつかんでいた足指を撤退させ、再び靴を履きなおす。
「私だってこうしてるだけで……熱くなって、頭がぼんやりしてきちゃう……」
思わず息を呑む光景だった。
あの優等生が目の前でゆっくりとオナニーを始めたのだ。
「だから約束……先生はシコっていいけど射精しちゃ駄目。私はその代わり、こうやって……」
隙間に差し込んでいた指を引き抜いて、彼女はショーツの上から自らの秘所をそっとなぞる。
うっすらとしたシミが、指の軌跡を描くように広がってゆく……
(濡れてる……藤巻も感じてるんだ……)
学園内での淫らな行為。その背徳感を今すぐ断ち切るべき。
そんなことはわかっている。しかし、俺はもはや自分を止める事が出来なくなっていた。
刺激が足りなくなったペニスを自分の手でつかみ、目の前で微笑む女神の姿を見ながら一心不乱に手を動かすことしか考えられない。
「もっと興奮して、悶えて先生……その目で私を犯してもいいから」
藤巻を目で犯す……いや、犯されているのは俺のほうだ。
目の前に触れてはならない最高のおかずをぶら下げられ、彼女の思うままに操られてる。
しかもそれが気持ち良過ぎて堪らないのだから……。
「はぁ、はぁ、はぁっ!」
「言葉だけでイかせてあげる」
目の前でじっとしていた、足を広げていただけの藤巻がゆらりと立ち上がる。
そして俺を椅子から立たせると、おもむろに抱きついて来た。
(ああああぁぁ!)
気を抜いたらそれだけでも果ててしまいそうな幸福感。
サラサラした彼女の黒髪が俺の鼻先をくすぐり、清らかな少女のニオイが俺を狂わせる。
「抱いてあげる、先生」
俺の首と腰に長い腕を絡ませ、肩にチョコンと顎を乗せたまま彼女がささやいてきた……
(私のアソコに入りたいの? うふふ……ううん、もう入ってるよね……先生のおちんちん)
甘い誘惑の波状攻撃。それと同時に、彼女がそっと腰を押し当ててきた。
俺の手首が押しつぶされ、藤巻のミニスカートのひだがペニスにまとわりつく。
「はうああああああっ!!」
「ふふふ♪」
それすらお見通しといった様子で、藤巻は腰を左右に軽く振って見せた。
シュルシュルシュッシュ、シュルル……
(んはああぁぁ、出ちゃう! スカートにいっぱい、ダメだあああああ!)
頭の中が彼女でいっぱいになって何度もあふれかえる。
妖精のような藤巻に犯される、イかされる……あああああぁぁぁ!!
このままだとイく……間違いなく、数秒で。
しかし藤巻の責めは止まらない。
(さっきから私の中で悪さしてるもん。硬くなった先生が入り口でクチュクチュいっちゃってるよ……)
クチュ、ヌチュウウウ……
「!!!!!!」
本当にそんな音が……まさかこれは……
「んぁ、気持ちいいよ……先生……」
俺の肩に顎を乗せたまま彼女がつぶやいた。
藤巻は俺の首に回していた腕を解いて、自らの秘所を優しくこね回している。
立ったままの状態で、まるで恋人同士が抱き合うような姿勢で俺たちは淫らな意識を共有している……
「理穂のアソコ、気持ちいい? 先生♪」
「えっ…………あ、ああああ!!」
気がつけば、押し付けられていたスカートがめくれ上がっていた。
そして彼女の両手は俺の腰、いやお尻へとまわされていた。
「ふっ、藤巻!」
慌てて離れようとしても無駄だった。
俺の下半身をしっかりひきつけるように回された彼女の腕を振り払えず、ペニスにまとわりつく生暖かい感触が淫らで抗えない。
何より全然力が入らない……
「まだ挿入してないよ」
「なっ……じゃあ、これ……」
「おちんちん、私の太ももに挟まれてるだけ。これなら我慢できるかな?」
藤巻はそういいながら腰を微妙に前後にスライドさせてきた。
ゆっくりと皮が剥かれ、また戻されていくような感覚……しかも彼女の手で腰の動きは封じられているから一方的に責められて――!
「じゃあ優しく搾り取ってあげる……ゆっくりゆっくり、きゅうううう~~~♪」
彼女は細い脚を交差させるようにして、ペニスをキリキリと締め上げる。
同時にさっきの腰使いも忘れない。
「うあああっ、あ、あ、あああ!」
しっかりと抱かれたまま俺は彼女の腕の中で悶えてしまう。
「今は私のほうがお姉さんみたいだね」
「!!!」
そう言いつつ、藤巻は再び同じ腰使いをペニスに注ぎ込む。
(出るッ、でるうううううう!!)
彼女の細い肩に手を置いて俺は必死で耐え忍ぶ。
しかしもう長く持ちそうにない……藤巻の体も言葉も気持ち良過ぎる……
「あはっ、なんとか我慢できたね。でもこうしたらどうかなぁ」
グチュウウゥゥゥ……!
「こ、これえええええ!?」
「入れちゃったね……ふふふ」
恥ずかしそうにしながら彼女がゆっくりと腰を振る。
溶ける……これヤバい、なんだこれ……まさか!
ヌチュ、クチュウウ、ジュルル
藤巻のアソコ、膣内の感触……間違いない。
ペニスが包まれて、絡み疲れてしゃぶられてるうううううぅぅぅ!!
ズニュ……ンッ……
しかしすぐに引き抜かれてしまった。
それでも余韻が消えない!
「今のを味わっちゃったらもう無理でしょ。イっていいよ……ぼうや♪」
そして再び太ももの間に挟まれ、リズミカルに腰を振られた。
刺激が単純なぶんだけ体の芯に伝わって、も、もう――!
「うあ、あああああぁぁ、イくううううううううううううう!!!」
ブピュ、ドピュウウウウッ!!
暴れだす俺の体を、彼女はしっかりとホールドしたまま太ももを何度も締め上げてみせた。
その都度ペニスからは大量のミルクがほとばしり、彼女の脚を濡らす。
「あは、出てるけどもっとイけるでしょ、ほらほら……♪」
「らめっ、動いちゃらめええええええええええええええ!!」
しかし容赦なくペニスへの誘惑は続けられる。
射精の最中、何度も意識を刈り取ろうとする藤巻の腰使い。
俺は数回の射精を経て頭の中を真っ白にされてしまった。
それから三十分後。
気を取り直して俺は彼女に尋ねた。
「藤巻が授業でわからなかったところって」
「そんなことより、私に先生以外に好きな人がいるって言ったら……どうします?」
すると、彼女のほうから逆に尋ねてきた。
「そんなことってお前な…………えええっ!?」
唐突な質問だが、まさかそれが本題か。
藤巻を好きになる男なんていっぱいいるだろうけど、彼女のほうから誰かを好きになるとか……今まで無かったし、あまり想像できない。
いやしかし、そのほうが健全というか正常だよな……俺なんかとこんな関係を重ねるようもぜんぜん自然でいいはずだ。
答えに窮する俺を見ながら、藤巻は大きな瞳を潤ませて両手を頬に当てた。
「やだ、その顔たまらない……ああぁ、ゾクゾクしちゃう……!」
「おい、本当にいるのか。好きな人」
「それはナイショ♪ また来週も可愛がってあげるからね、先生……」
藤巻は満足そうに俺に背を向けて教室から出て行った。
(つづく)