森を抜けてしばらく歩くと、僕は目的の村についた。

辺りはすでに夕暮れになりかけていた。

噂ではこの村はスライムに襲われていると聞いたが、一見するかぎりその様子は感じられない。

どうやら村は平和そのものといった感じだ。

近所を歩いていた老人に尋ねてみたところ、村のはずれにある教会に一匹のスライムを封印したという。

そのスライムが今回の元凶だったらしい。

僕はスライムが封印されたという教会に足を運ぶことにした。

「はいりま~す。ごめんくださ~い……」

いちおう断りをいれてから僕は教会に入ってみた。
返事はない。

内部は誰もいない廃墟といった感じで、ローソクの明かりが灯っていた。

祭壇の前あたり、教会の床には魔方陣が施されていた。

その魔法陣を囲むように4体の女神像が配置されている。

問題のスライムは魔方陣の中央にフワフワと浮かんでいた。





魔方陣と女神像の効果で宙吊りにされていると言い換えてもいい。

これって高度な封印術なのかな? 僕には良くわからない。

警戒しながら僕がゆっくりと近づくと、浮いているスライムがかすかに目を開いた。


「あなた…………ルル?」

突然ルルの名前が出たのには驚いたが、僕は冷静に返事をした。


「いや、僕の名はウィル。スライムのルルは僕が倒したよ。」

「そう……」

彼女は少し寂しそうだった。

仲間を倒した人間が目の前にいるのだから、楽しいわけがないよな。


「実は……わたし、もう目が見えないの」

浮かんでいる彼女は夢の中で現れたルルのような白いワンピースを着ていた。

長い黒髪で僕より5歳くらい年上といった感じだ。

スライム特有の透き通る美しい肌をしている。


「そうなんだ。でも、なんで僕をルルと間違えたの?」





そう聞き返すと、彼女は少し笑った。


「ルルの琥珀色の心が、あなたとかぶって見えたから。」


どうやら目は見えなくても雰囲気で僕をルルと判断したらしい。

彼女がルルのお母さんなのかどうかは知らないが、もうすぐ命が尽きる感じはなんとなく伝わってくる。




「戦いを通じて、ルルはあなたに心を開いたみたいね。 ところであなたは今でもスライムが嫌い?」

僕は少しだけ考えてから答えた。


「人間を襲うスライムは、当然だけど憎いよ。でもルルは嫌いじゃないよ。」

僕が答えると、彼女はフフッと笑った。


「……身勝手なものね。でも私たちも、スライムを狩る人間は嫌い。

 弱いからってなぶり殺しにされるのがいやだったから、仕方なく淫魔と組んだのよ。」


そんないきさつがあったなんて知らなかったが、争う理由についてはお互いに言い分はあるのだろう。

そしてそれはお互いの種族にとっては「正義」なんだ。

それは僕にだってわかっていること。



ふいに彼女からの提案があった。


「ねえ、お互いの存在意義を賭けて……私と戦ってみない?」


こんな死にかけの相手から挑戦状をたたきつけられたら、後にはひけない。



「……いいだろう。でも、きみは宙吊りのままだよ。僕にはその魔法陣を解除することができないんだ。」


スライム相手にフェアな勝負を挑む必要はないのだが、なぜかそれについては言っておきかった。

それについては彼女も承諾しているようだ。


「そうね……通常のイかせあいではなく、10分間あなたが私の攻撃に耐えられたらあなたの勝ちということにしない?」


養成学校でやるタフネスの特訓みたいなものだな。

とにかく一定時間をガマンする。じつにシンプルなルールだ。



「10分間のガマンか……」

実は、ガマン比べは結構得意な分野だったりする。

……が、あえて困った振りをしてみる。

ずるいようだがそれで相手が油断してくれればそれでいい。


「それとも、怖いのかしら? ふふっ」

「その挑戦、受けてたつよ。」

こうして、スライムとの10分間バトルが始まった。

でも、このとき僕は今回の勝負を甘く見ていた。



「自己紹介がまだだったわね。私の名前はミリア。この地域のスライム族のまとめ役だったわ。」

彼女の言葉を聞きながら、ふわふわと浮かぶミリアの前に立つ。

地面から10cmくらい浮かんでいるから、僕と目線が一緒になる。

ミリアは僕に見えるように手の平を広げて見せた。


「本当はいろいろしてあげたいんだけど、今回は時間も短いから手コキだけ集中してあげる。 でもあなたにガマンできるかしら?」

時計の秒針が12時のところにきたら、戦闘開始ということにした。

10分くらいなら、どんな快感でもガマンできるはずだ。

ミリアは目をつぶったまま、指先に意識を集中した。


彼女の指先が少し光った後、変化が現れた。


なんと人差し指の先が4つに割れて、その一つ一つが意志をもって動いているのだ。

いわゆるイソギンチャクのような感じ……こんなので愛撫されるのか。

どんな感触なのだろう。まったく想像できないな。

秒針が12時をさした。バトルスタートだ!



「さぁ、はじめるわよ。」

彼女の指が僕のペニスに近づく。

ゆっくりゆっくりと……じらされるように時が流れる。

チラリ、と時計を見るとまだ8秒……何をあせっているんだ? ぼくは!

視線を彼女の指先に戻して、バトルに集中しようとした瞬間のことだった。


「ふふふ、よそ見してはダメよ♪」


「はうっ!!!!!」


次の瞬間、パクッと彼女の指先が僕の亀頭に吸い付く!

指先に触れられた亀頭に甘い痺れが駆け巡る……

かじられるような、けずりとられるような、それは全く痛みを伴わない危険な快感の味だった。

予想外の感触に僕の感覚は一気に高められる。 


パッとすぐに離れる彼女の指先。

どうやら僕の反応をうかがうだけの一撃だったようだ。



「さて、じゃあ今から私の指先で噛んであげる。

 あなたのペニスをクニュクニュってやわらかく噛んであげる。」

その言葉を聞いて、あらためて気を引き締めようと思った。

彼女の言葉は脅しでもなんでもない。



「何回も何回も……そのうちあなたの下のお口がヨダレだらけになると思うわ」

気を抜いたら一気にイかされる、と自覚するのに充分な一撃だった。

ペニスのほうをチラリと見てみると、彼女の指先がさっきよりも妖しく揺らめいていた。

ぼくの鈴口の周りを、今度はしゅるしゅると這いずり回っている。

こういったバトルでは、視覚効果によって我慢が削り取られることもある。

しかし……見てはいけない!と思っても、その光景に目が離せない。


(こ、こんなのはじめてだよ……)

まだ時間は1分を回ったばかり……











まだ一度、たった一度やさしくなでられただけなのに!!


ミリアの妖しく踊る指先と言葉責めが、さらに僕を高める。




「どうしたの? もうヨダレが出始めてきたよ……」



ヤ、ヤバイ! こらえきらないと……もっとすごい攻撃がくる!


僕は彼女の言葉に追い詰められていた。



「もうちょっとしたら私の指先で、ウィルの下のお口に熱~いキスしてあげるからね」



そんな僕の焦りとは逆に、ペニスは彼女からの刺激を求めてますます硬さを増している。



時計はすでに2分半を回っているが、時の流れが遅すぎて自信が揺らいでしまいそうだ。




「ほらぁ、いくわよ?」




彼女の指先が、あのイソギンチャクのような触手が、僕の亀頭をやわらかく包む。


今度はさっきと違って、じっくりと味わうように僕のペニスにまとわりつく!


名器といわれるミミズ千匹というのはこんな感じなのかな……


さらに、そのうちの触手の一本が尿道を出たり入ったりする。


ちょこん、と差し込まれるたびに、腰がヒクヒクヒクッとけいれんする。




「ふふふ、私の指先だけでこんなに感じてくれるんだね」



彼女の人差し指が元の形に戻った。


それもつかの間、今度は彼女の両手の中指がフニャリ、と先ほどまでの人差し指のようになった。

「じゃあ、もっと喜ばせてあげるわ。気が狂っちゃうかもしれないけど……覚悟はいいわね?」


親指と小指は僕のペニスの根元をガッチリ固定している。


つまり、彼女の指先責めから逃げられない状態で亀頭部分を責めまくられるしかないのだ。


「ふふふっ もう出しちゃいそう? それとも、まだまだ耐えられそう?」




さっきまでの指責めで気を良くしたのか、楽しそうにミリアが尋ねてくる。


「あ、あたりまえだろっ」


根拠のない強がりでも、今の自分を励ます必要があった。


そんな僕をあざ笑うかのような一言。




「よかったわぁ♪ でもね、両手での指先責めに耐え切った人間はいないのよ。

 一人前のスライムバスターでも私の責めにはガマンできなくて何回もイかせてあげたことがあるもん」




半人前の僕は、この言葉を聞いて気絶しそうになった。



時計の針はすでに7分を経過していた。


僕は今までにない疲労感と戦っていた。


彼女の両手の指先責めはすごい。



森の中で出会ったライムの足コキのさらに上を行っていると思う。


彼女がとどめの一撃を繰り出してこないので、なんとか射精しないですんでいる。




10分がこんなに長いと感じたことはない……


ただ耐えるだけなのに…………スタミナには自信があるのに。


ミリアの落ち着いた指先責めに、僕はなすがままだった。


彼女のしなやかな指の動きに、5分を越えたあたりから体が過敏に反応してしまう。




「ふふっ かわいいのね……ウィル。 ここも感じてくれるのかしら?」


ミリアは右手の人差し指で亀頭をくるくる撫で回しながら、左手全体を使って玉袋と裏筋を包み込む。



一見するとなんでもないような愛撫だが、彼女の場合全てが急所ねらいなのだ。


「お尻の穴の入り口もツンツンしてあげるわね。 ガマンできるかなぁ~?」


彼女の小指がアナルをノックするが、決して中に指を入れてこない。


ペニスへの刺激を防御するのに精一杯だった僕は、突然のアナル付近への刺激に過剰に反応してしまう。




「はあああああ!! そこは……やめてええええ!!」


「うふ、やっぱりかわいいわ♪」


しかも彼女はまだ一度もぼくの棹をしごいていない。


極上の手コキに僕の腰は刺激を求めて前後するが、彼女はその動きに合わせて快感を制御していた。





「残り2分をきったわ。そろそろ本気を出していいかしら?」


今まででも充分ヤバイのに、さらに奥の手があるらしい。


すでに噛み締めた唇からは血がにじんでいるが、僕のそんな痛みすら包み込んでしまうほどの快感……


それが彼女の指責めなんだ。


「あなたがガマンしてる顔って、最高にかわいいけどこれでおしまいね。さあ、無様に精液を撒き散らしちゃいなさい」


彼女の指が再び形を変える。

5本の指が元通りの形になった後、全体的に長くなった。


まるで全ての指が白蛇に変化したように見える。




「あなたの鈴口とカリ首、棹と、両方のタマタマを……同時にやさしく溶かしてあげるわ。

 これでパクリってされて、さらにペロペロされたら……ステキだとおもわない?」


その言葉は、さんざんガマンしつづけた僕を観念させるのに充分なものだった。


僕が想像をはるかに上回る快感がそこにありそうに思えた。





選択肢

1・目を閉じて精神を落ち着かせる!

2・目を開いたまま闘志を燃やす


























































































































































































































1・目を閉じて精神を落ち着かせる



ほとんど身動きできないはずのミリアから繰り出される鋭い攻撃。
直感的に感じた…僕の目の前にいるのは最上級のスライムだと!

「んん……く、くそっ!」

このままじゃ負ける。僕は目を瞑った。
一度気持ちを落ち着けてからじゃないとこの攻撃を10分間耐え切ることは不可能だ。

「ウィル、目を開けなさい。その程度で私の指技をかわせるとでも思ってるの?」

確かに浅はかな回避手段かもしれない。
しかしこのままミリアの指先を見つめているよりはずっとましだ!
僕は勇気を持って目を瞑り続けた。

「そう、それがあなたの判断なのね」

ミリアの声が一瞬沈んだような気がした。
僕には見えなかったが彼女は片手を強く握り締めて指の間からトロリとした粘液をにじませ、ペニスの真上にゆっくりと垂らし始めた。





「じゃあ、飛び切り淫らな技でイカせてあげる」

生暖かい粘液がペニスにまとわりついてきた。
僕はそれを彼女の唾液だと判断したが実際にはスライム粘液が僕をゆっくりと覆い始めていたのだ。
それも極上の質感を伴うミリアの分身ともいえるスライムが。

「ひいっ!!」

スライムがゆっくりした速度で肛門付近まで移動してきた。
そして僕の睾丸を二つとも包みこんできた。

た、玉の部分がニチャニチャされながら揺らされる…

「あなたの大事なところ、包んだままコロコロしちゃうわよ」

棹をしごかれているような激しい快感ではないが、もやもやとした気持ちが次第に強くなっていく。
媚薬入りのスライムローションで包み込まれているせいで、急ピッチで精液が生産されているのだ!

「次はカリ首の部分、すっぽりと包まれちゃうわよ?」


ほどなくして亀頭の先端からカリ首にかけて、ぽってりと粘液に包み込まれた。
激しい刺激は少なく、徐々に弱体化されていくような…

クチュリ……

ミリアは両手の指を開いてペニスに絡ませてきた。
親指でクリクリと裏筋のあたりを丁寧に刺激しながら粘液をなじませてくる。

「あ、あっ、あっ…」

流れるような動作で竿から玉袋までを優しく愛撫する。
ねっとりとした指技に自然に喘がされてしまう。
快感がペニスを直撃してビクビク震えている!
もはや僕の防御力はゼロに等しかった。

「あなたは一番おろかな策をとったの」

ミリアは手ににじませた粘液を丁寧に亀頭に塗り続ける。
確実に僕を追い詰める優しい指使い。
その指がアナルまで到達した。

「あなたはもう負けてるの。それも私にではなく自分自身に」

しばらく菊門をなぶられて腰が震えた。
今度は先端に向かって這い回っていく。じらされた快感がさらに蓄積される。

「私に負けた男たちと同じ展開。視覚を遮断すれば精神統一できると思ったのね」

クチュクチュクチュッ、という音を立ててミリアの指先がペニスから離れる。
責めというよりはいたわりを感じさせるこの指技は僕を何度も狂わせる。

「甘いわ」

両手をペニスから少し遠ざけると顔をそっと寄せて息を吹きかけた。
それと同時にコーティングされたスライムがさざ波のように粘液が震える。
まるで彼女の手から生まれた粘液に命が吹き込まれたように。
生暖かい吐息をかけられたペニス全体が敏感に反応した。

「んんっ、ぐぎ…!!」

僕は歯を食いしばって快感に耐えた。
これじゃあ精神統一どころじゃない!
緊急事態に薄く目を開いてしまった。

すでにミリアの指先はペニスから離れていた。
だがコーティングされた粘液がミリアの意思に反応して僕を責め続ける!

(か、彼女は何もしてないのに!?)

そう、勝手にスライムが僕を責め続けていた。

つつつーっ……

ミリアの上品な細指がカリ首周辺を撫で回した。
直接触れられた部分は桁外れに刺激が強い!

「かはぁっ!!」

「これをやられると腰が動いちゃうでしょ」

ミリアの言うとおり、小刻みに僕の腰が震え始めていた。
優しい母親に頭を撫でられているような心地よい感触がいつまでも続き、じわじわと追い詰められてゆく。

「もうすぐ仕上がっちゃうかな」

チュクチュクチュクッ……


「あっ、うわあぁぁぁっ!!!」


どぴゅどぴゅっ、どぷぴゅ~~~~~!!!

ミリアの指先がカリの部分を持ち上げるように擦りあげたとき限界が訪れた。
我慢していても腰が言うことを聞かない。
彼女の指先にとうとう僕は屈服してしまった。

徹底的にじらされた挙句の大量の射精。
時計の針は10分を越えていなかった。
僕は彼女に敗北してしまった。
舞い上がった精がミリアの体に付着すると淡い光を放って吸収されてしまった。

「美味しい……」

僕を責める指先がピタリと止まり、ミリアがゆっくりと目を開いた。
たった一度の吸精で目が見えるように!?

「もっといただくわよ」

彼女の目が薄茶色から緑に変わった。
ほっそりとした指先が亀頭をすべり、ペニス全体をいたわるように撫で始めた!

「はああぁっ、な、何を!?」

「自分にも私にも負けたあなたに知る権利はないわ」

体が見えない鎖で縛られてしまったかのように動かせない!
これが淫呪縛というやつか!?

「たとえ圧倒的に不利な現実でも、目の前の敵から目をそらしてしまったあなたに」

亀頭を撫でていた指先が輪を作り、棹の部分を何度も往復する。
今までと違って直接的な刺激が僕の頭を快感で絡めとる!


「…私たちの未来は託せない」

ミリアの人差し指がグググッと僕を締め付けた!

「ああっ、またイク!!!」

どぴゅぴゅぴゅ~~~~!!!


そしてあっという間に頂点に導かれた。
ミリアのフィンガーテクニックでごっそりと精力を奪い取られる。
さらに僕の拘束が強くなった気がした。

「さあ、どんどん搾り取ってあげる」

ミリアの責めはその後も長く続いた。
4度目の射精で僕は快楽の虜になった。
長い時間をかけて僕の体から全ての精力を吸い取ったとき、ミリアは封印から抜け出した。

「ごちそうさま、ウィル」

もはや指先を動かすこともできないほどミリアに搾り取られた…
それが僕が聞いた最後の言葉だった。



BADEND




































































































2・目を開いたまま闘志を燃やす




彼女の最後の責めが僕のガマンを全て舐めとろうとしたそのときだった。

(絶対負けないぞ!!!)

圧倒的な性技を持つミリアから目をそらさずに僕は念じた。
それはとても勇気が必要なことだった。
しかし彼女から視線をそらしたら、その瞬間に心が折れてしまいそうな気がした。





(いい目をしている・・・本当に)

僕の表情をじっとみつめていたミリアの口元が緩んだ。


「あら、残念だわ・・・あなたの勝ちよ、ウィル」

ミリアに促されて時計を見る。

時計の針は、すでにバトルがスタートしてから10分22秒を経過していた。


ミリアの指が僕を解放する。僕はギリギリ耐え切ることができたんだ!



「・・・あなたの勝ちね。あんなにガマンした人間は初めてだわ。」

勝負が終わって、彼女が僕に語りかけてきた。


「ぼくだって初めてだったさ・・・あんな指責めは。」




正直なところ僕が勝ったという印象はない。

でも、彼女の責めを耐え切ったことでタフネスが格段に上がった気はする。

ひょっとしたら彼女は最初からぼくを勝たせる気だったのかもしれないな。



「さすが、ルルが認めただけのことはあるわ。あなたになら、私の・・・残り少ない命と力を預けてもいいわ。」


彼女がそういい終わると何かがコロン、と転がり落ちた。


魔方陣の下で、小さく光を反射するそれは金の指輪だった。


「それをお持ちなさい。あなたにとって、きっと役に立つものよ。

 そしてできることなら・・・スライムと人間が争わないように戦いつづけてほしいの。」


僕は金色に光る指輪を拾い上げた。

金属としての硬さだけでなく、なんとなくやわらかい手触りがする。


それは自ら光を発しているようにも見える。



「勝手なお願いばかりしてごめんなさい・・・私の娘、ルルが認めたあなたと最後に戦うことができて良かった・・・」


その言葉を最後に、彼女の姿は霧がかかったように薄くなっていった。

やっぱり彼女がルルの母親だったようだ。

ルルとの約束は守れなかった。

そして僕はルルのお母さんにスライムと人間の橋渡し役になれ、と言われた。

はたしてそんなことができるのだろうか?

金の指輪を皮袋に入れて、ぼくは村を後にした。


その夜遅くに僕は家に着いた。












レベルが上がったせいか、いつもより足どりが早くなった気がする。


装備をはずしてベッドに転がる。 さすがに眠いや……zzz

「お兄ちゃ~ん、ありがとう!!」


夢の中でルルが笑っている。

その隣にはミリアがいる。


そっか……僕の意識の中で二人はまだ生きつづけているんだ、と理解した。


今度はミリアが僕に御礼を言う。


「ありがとう、ウィル。あなたのおかげでルルと一緒にいられるわ」


本当に二人ともうれしそうだ。


僕はある意味、ルルとの約束を果たせたことになるのだろうか。


少し照れている僕を見ながら、ルルもペコリと頭を下げた。


「それでね、お兄ちゃん。大事な話があるから伝えるねっ」

ルルはちょっとまじめな顔をして、それからしゃべりだした。



「うん? なんだぃ? ルル」


「私とママが協力すれば、少しだけ先の未来が見える技が使えるんだよ!

 この能力をお兄ちゃんにあげる。それが私たちからお兄ちゃんへのお礼なの。 でもこれってチョットすごくない?」


つまり先読みができるってことだろ……そりゃすごいよ、ルル!


未来がわかるのなら、バトルでも相手の動きを封じ込めるのもたやすい。 


今度はミリアからの説明。


「この子の説明の補足ですけど、未来といっても『現在の自分を維持した場合』の未来ですから……自分のみに起こりうる事しかわからないの」


そうか……自分限定の未来なのね。

宝くじの当選番号とかはわからないわけだ。


ちょっとだけ残念かも。ところで……


「どうやってみるの? 自分が見たいときにその力が使えたらありがたいんだけど……」


今度はミリアとルルのふたりが顔を見合わせる。


そして、困ったわねという顔でミリアが話す。


「今のあなたでは意識的に未来を先読みすることは無理ね。私たちが力を貸せるのは寝ている間だけ。

 だから、この空間で……『夢』という形で未来を見ることができるわ。とりあえず今夜、この能力を体験してみて」

ルルとミリアが手をつないで複雑な呪文を詠唱する。


「じゃあ、お兄ちゃんいくよ~~~~~」



僕の意識は光に包まれ、そして深い眠りに誘われていった………………



***************************


僕は宮殿の真中あたりにたどりついた。

月の光がまぶしい。


目指す場所はもう少し先だが、僕の直感がこの部屋に敵がいることを告げている。


一瞬たりとも隙を見せてはいけない……そう思いつつ先を急ぐ。



「おめでとう。一人前のスライムバスターになれたのね」


あたり一面に響きわたるクールな声。

そして聞き覚えのある声の主に、僕は振り返る。


切れ長の目、男を狂わせる美脚、程よい大きさのバスト、自信にあふれた勝気な微笑み……

振り向いた先には、リップスでありながら得意技の舌責めもせずに僕を足コキだけで射精寸前に追い詰めたライムの姿があった。





今日は真っ黒でタイトな服を着ていた。

上半身はタンクトップで肩から指先までは露出している。


そして相変わらずの美脚を際立たせるミニスカート。


あのしなやかな足先で、いいようにいたぶられたのを今でもはっきりと思い出せる。


今日はあの時と違って、唇が美しく艶やかにぬれているのが印象的だ。


「あ~あ、やっぱりここまできちゃったか……私があの時感じた予感は正しかったみたいね」


以前のような様子見の、余裕のある笑顔じゃない。


ここまでたどり着く間の敵を倒したということで、僕の実力を認めざるを得ない……といったところか。


「そして、あのときの予感が私たちにとって脅威となった。

 もう手加減はできないわ、ウィル。今度は本気で相手してあげる」


以前と同じようにゆったりと近づいてくる。


今ならわかる……ライムの周りには男を欲情させるオーラが渦巻いていることと、

僕を足責めしたあの時のライムが全力ではなかったことを。



「ライムからのリベンジは、僕も望むところだ。 いくぞ!」

でも僕だってあの時よりもレベルアップしてるんだ。

ライムの強さに近づいたはずだ。


「そんなこといって……うふふ、本当は私にまたいじめられたいんでしょう?

 あなたの体には私が足先責めの快感を刻み込んだのだから……」


チラリ、とミニスカートの裾をめくるライム。


思わず彼女の足に目がいってしまう。


確かに彼女の言うように、一度刷り込まれた快感は簡単には消えない。


バトルの前から僕はハンディキャップを背負っている状態だ。


「さっきも言ったけど、私は本気よ。あなたがどんなに鳴いてもわめいても、全部吸い尽くしてあげる」

邪悪な笑みを浮かべるライム。

でもだいじょうぶだ、今度はライムが技を仕掛けてくる前に、こっちが先制攻撃してやる。



僕の闘志に反応して、スライムの指輪がキラリと光を放つ。


「あら、いいものを手に入れたようね。でも、それに頼っているようじゃ私の敵じゃないわ」


ライムの言葉を無視して、僕はすばやく彼女に近づく。


右手を伸ばして彼女の腕をつかむ……と見せかけてすばやく彼女の背後に回った。


そして彼女を後ろから抱きしめてのキス。

前回は彼女からのキスで主導権を握られたから、今回はその逆をいってやる。


「あん、久々の再会なんだからやさしくしてよね……」


色っぽいライムの声を聞きながら、僕はライムの口の中に舌を伸ばした。ヌルリ……


だいじょうぶだ、以前のようにいきなり恍惚状態になることもない。


「ん……んふぅ……」

目を細め、息を荒げるライムの様子を見て僕は彼女に対するキスをさらに加速させる。


「上達したわね……あぁ……♪」

ライムの目じりがとろ~んと緩んでいる。


今度は彼女の正面に回りこみ、恋人にするかのような情熱的なキスを何回もする。


彼女の両手をしっかり拘束することも忘れない。


指先を絡めあいながら、さらに熱くキスをする。


僕のキスに震えるライムの唇は魅力的だった。


適度な弾力と吸い付くような感触を兼ね備えたリップスの唇に、僕は夢中になって唇を重ねた。


また、ライムがこの刺激に慣れないように舌を不規則に差し込み、相手の呼吸を乱すように彼女の舌をしゃぶり尽くす。


今のところ彼女からの反撃はない。

素直に感じてくれているように見える…………



どれくらいキスをしただろう。


あいかわらずライムは可愛く喘ぎつづけているが、本当に感じているのかどうかの不安が僕の頭をよぎる。


僕の頭の中で一瞬のためらいが生まれたのを彼女は見逃さなかった。


「んふっ♪ んん~~~」


チュパ、と彼女の唇がはじめてうごめく。

ライムの唇が、僕の下唇と上唇を丁寧にかみ分ける。


僕の腰の辺りで落ち着いていた彼女の腕が、僕の頭の後ろに回る。


彼女の細い指が僕の顔をサラサラとなでまわす。


気持ちいい……僕の舌の動きがだんだんと鈍くなる。


しばらくして僕の舌の動きと彼女の舌の運動量が逆転するころ、ライムの顔には余裕の表情が浮かんでいた。


すぅっと僕の顔から離れるライム。

名残惜しそうに彼女の唇を求めてしまう僕。


僕の彼女に対する拘束は、完全に無効化していた。


「あなたの攻撃は、もうおしまいみたいね。 そろそろ私から責めていいのかしら?」


ば、ばかな!!全然効いてない!?


そんなはずはない、あの時の感じ方は嘘じゃなかったはずだ。


脱力感に襲われる僕の心境を見透かしたように、ライムが話す。


「あなたのキスはとても熱いの。すごく素敵よ。

 でも、強すぎる刺激は痛みを伴うから耐えやすいのよ。 わかるかしら?」


何が悪かったのだろう?

やさしくしたはずなのに。

 まったくわからずに困惑する僕を見てさらにライムは得意げな顔になる。


彼女の唇に夢中になっていた代償として、舌だけでなく体全体の動きが鈍くなった気がする。


「そして、ウィルみたいな熱い人はぁ……こういう責めがたまらなく好きなのよね!!」


ライムは再び距離をつめると、その美しい顔を僕に近づけてきた。




**********************************


ガバッ!!っと僕はベッドから飛び起きた。


全身汗だくだ……しかも久しぶりに夢精。。。してしまったようだ。


これがルルとミリアの先読みの力なのか。


今回はものすごい淫らな夢だったけど、わかったことは2つある。


僕はそのうちスライムバスターになれるということ。


そしてゆく手に立ちふさがるリップス・ライム……彼女にはこのままだと簡単に勝てないようだ。


あともうひとつ、スライムの指輪ってなんだ??


まだまだ僕には知らないことが多すぎる。

気になるなぁ……

僕の頭の中で、ミリアの声が聞こえる。


まだ起きてすぐなので半分寝ている僕の頭に彼女が語りかけているようだ。


『ウィル、どんな未来が見えたかは私たちにはわからないけど、本当の意味であなたが私たちを受け入れたなら……

 バトルの最中でも先読みができるようになるわよ。そうすればあなたの未来は大きく変わる……』


ミリアの声が途切れた。

完全に僕の目がさめた証拠だ。


さっき見た未来は残念ながら僕にとって望ましくないものだった。


ルルたちから引き継いだ力を実戦でも出せるようにならなくては。


僕はまだまだ修行をつまなくてはならない、と固く心に誓ったのだった。





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