まるで建物全体がガラスで出来ているような半透明の宮殿。
その中の最も大きな部屋に十数名の美女達が集まっている。

会議室というにはあまりにも豪華な空間で、彼女らは人間界進出作戦の次の一手を思案していた。

「現在のところ、我々の仲魔は順調に人間界にその数を広げ……」

美女の中の一人が自分の担当地域の経過報告をしている。

ある者は鈍い光を放つ甲冑を身にまとい、またある者はセパレートのビキニ風の衣装を身につけている。
しかし、衣類から露出している彼女らの肉体はみな共通して透き通るような美しさを放っていた。

ここはスライムの淫界。この部屋に集まっているのは女王直属の部隊長たち。

その時、遠くで雷鳴が轟いた。今日の女王の気分を反映するかのように、外は大雨が降っている。

天井が高く、豪華な装飾を施されたその部屋の中央にはゆったりとした大きな椅子がある。
そこには部屋の誰よりも美しく、気高いオーラをまといながらも憂いに満ちた表情の美女が座っていた。

大きな青い宝石をちりばめたティアラを冠する者……スライムの女王は静かに口を開いた。

「会議とは問題点を追求するものです。作戦が順調なら、報告はしないでもよろしい。
 それより、リモーネ家の次女リィナがこちらを出発してから半月になります。
 彼女は『早々にライムを連れ戻す』といって人間界に向かいました。
 そのリィナからの連絡が途絶えたとは……一体どういうことなのです?」

物憂げな女王の視線の先には、この作戦会議の議長を務めるルシェの姿があった。

「その件につきましては、昨日人間界から戻った偵察隊の報告書があります。
 リィナは任務遂行にあたり、ライムに呪縛をかけた『スライムバスター』を倒すことに失敗した模様です」

女王の表情に変化はない。しかし議長の報告に周囲はざわついた。

「皆様お静かに。リィナはエリート集団リップスの猛者。
 彼女ほどの者が捕らえられたという事実に、私も動揺を隠せません。
 さらに極淫魔・レベッカ殿が倒され、その部下のライムも人間に洗脳されて未だに戻ってくる様子もないというのが現状です」

ルシェの報告を聞きながら、女王は窓の外に目を移した。

「…………」

宮殿の外で、雨の勢いがさらに激しくなった。

「なんということでしょう。この事態……どうなさるのです?」

女王のその言葉に、ルシェは静かに応えた。

「では私が人間界に赴き、ライムとリィナのふたりを連れ戻しましょう」















海と空が競い合うように真っ青な水平線。
真っ白な砂浜を照らし、海と空をさらに青く輝かせる太陽……僕らは南の海に来ている。

「うっきゃー!!!!」

サングラス越しに声がするほうを振り返る。リィナが僕めがけて猛スピードで走ってくる。

「足の裏から水分がどんどん蒸発しちゃいましたぁ!でもこれおいしそうですぅ♪」

リィナの両手には棒アイスが7本くらい握られていた。そのうちの1つ貰いながら、僕は再び周囲を見回している。

「なかなか出てこないなぁ……」

今回の僕らの任務は、海水浴場で現れるスライムを倒すことだった。難易度で言うとCクラス。
敵がスライムじゃない場合もあるが、ハンター協会からの通知ではイエローカードだった。

難易度A~Bクラスは赤い任務書「レッドカード」。
イエローカードはその下にあたるから、スライムバスター見習いの僕でもおそらく任務達成できるはずだ。

ちなみにウィル師匠とライムさんは、レッドカードが9割。
Sクラス任務であるプラチナカードもたまに任されているらしい。
僕も早くあの人たちみたいになりたいなぁ……。

海岸には僕らだけではなく、多くの観光客が来ている。このあたりは人気の海なんだ。
最近ここで行方不明者がたくさん出ている。しかも若い女性が多い。

はじめは海難事故として扱っていたが、行方不明になった女性が淫魔化して地元の男性を襲っているという報告が入ったので、ハンター協会に仕事の依頼が来たのだ。

そんなことを考えている僕の目の前を、二人組みの女の子が横切った。
小麦色の肌が健康的で美しい。年齢的にはリィナと同じくらいかな?

右側は赤いビキニ、もう一人は黄色い水着。左側のほうが可愛いな……もう一度、二人を目で追う。


「あれっ?」

赤ビキニの娘がいなくなっている!!
黄色い水着の子が不安そうに周囲をキョロキョロしている。
驚いた僕は、リィナのほうを振り向く。

「リ、リィナ! 今の見てたかい!?」

僕の3メートルくらい後ろで、リィナは棒アイスを3本同時にほおばっているところだった。

「……うみゅ?」

だめだ……こいつは見てないな、きっと。
気を取り直して黄色い水着の娘に声をかけようとしたが、今度はその子がいなくなっている!!

「くそっ……どうなってる!? リィナ! 敵が近くにいるぞ!!」

僕は周囲への警戒感を一気に高めた。スライム系の敵なのかどうかすらわからない。
一瞬で獲物を取り込むタイプなのか、それとも他の能力なのか見当がつかない。
ふいに背後から淫気が立ち上る。リィナのものではない。

「ねぇ……抱いて」

振り向くとそこには先ほど見失った赤いビキニの娘が立っていた。
この娘からかすかに淫気を感じる。しかし淫魔にしては弱すぎるオーラだ。
ようやく異常を感じたリィナが僕の背後にやってきた。
そしてリィナは微弱な淫気を放つ女の子を見るなり、僕に耳打ちした。

(この子、ブルースライムに犯されてますよぉ……)

リィナが言ったブルースライムとは、スライム系の中では下等な部類だ。
ブルースライム本体は小さく、人間の体に寄生して宿主を操り悪事を行うタイプだ。

「まだ犯されて間もないみたい……退治するならリィナも手伝いましょうか?」

目を凝らしてみると女の子の体の表面にうっすらと青い膜が張っているように見える。

「……その必要はない。ここは僕が行くよ。君は手を出さないでくれ」

僕はリィナの言葉を遮った。たまには僕だっていいところを見せたい。
赤い水着の娘を優しく抱きしめ、押し倒す。彼女の体を覆っている水着を脱がせる。
そして彼女の体を触れるか触れないかのタッチで愛撫しはじめた。
指先にしっとりと妖しい粘液が絡みつく。

「あぁん! う、うまい……はぁぁん!!」

女の子が感じ始めてきたところで、すかさず僕は氷結魔法を指先に集中させる。
ブルースライムの本体である薄い膜を凍らせながら、流れるような動作でスライムの宿主である女の子を感じさせる。
そうすることで体の内部からの熱を外に逃がせず、氷と快感の熱に挟まれたスライムの部分だけが消滅するのだ。
僕は丁寧に彼女の体を感じさせて、ブルースライムの体を少しずつ削ってゆく。

しばらくして、彼女の体を薄く覆っていたスライムをほとんど取り除いた僕は、トドメを刺すために一気に挿入した。

「あっ、マルクくん! まだダメですぅ!!」

リィナが僕に注意を促した瞬間だった。










「えっ? ……う、うぁっ! なんだこれぇ!?」

女の子の膣の中が突然キュルキュルと渦を巻いて僕のペニスにからみついてきた。

「ああっ、中で……ペロペロされて……る!!」

入り口の締まりの良さはこの子自身のものだとしても、締め付けられたペニスが膣内でフニフニと揉み解される感触は人間では味わえない快感だった。

「やっと入れてくれた♪
 あのままイかされちゃうかとおもったわ……うふっ」

女の子がクスッと小さく笑い、僕の腰に脚を絡めてきた!
これで僕は自分で腰をひくことが出来なくなった。そして先ほどにも増して膣内の振動が強まって、ぼくを責め立ててくる。

「うふふっ、もっと抱きしめてあげるね? あなたのア・ソ・コ♪
 嬉し涙を流したら、ギューってしてあげる」

彼女の言葉どおり、僕のペニスはぐにぐにと抱きしめられる。
まるで膣の中で妖精が踊り、僕のペニスに抱きついてキスをしてくるかのようだ。

「あっ、ああっ……離せえっ!!」

今回のブルースライムは、彼女のアソコの中に本体のほとんどの部分を潜ませていた。
そのおかげで変幻自在にペニスに快感を刻み込んでくる……ここまで巧みに愛撫してくるこの感触は、スライム独特のものだ。

しかしこの程度の反撃では僕はひるまない。かまわずピストンを続けた。
すると彼女は僕の耳に下をねじ込んできた!

「なかなか強引に責めてくる……素敵ね。
 じゃあ、あなたのアソコをもっと感じやすくしちゃおうかな?」

舌先が耳の中を這い……ゾロリとした感蝕に、思わず攻撃の手の動きを止めてしまう。

「ふああぁぁっ!」

彼女の舌先からトロリ、と何かが耳穴を伝わっていった。
そしてそれは耳の奥へズリズリと染み込んでいく。

「ふふふ……入れちゃった♪ もうすぐ動けなくなるわ」

はじめは彼女の言葉を理解できなかったが、すぐに僕の体に異変が生じた。
首から下……特に下半身が妙に熱っぽくなってきた。
ペニスの根元が甘く痺れだし、指先の動きが鈍くなってきた。
腰の動きも……急に性感が高まる違和感に、スピードが鈍くなる。
ブルースライムは自分の体の一部を僕の神経に溶け込ませたようだ。

「感じすぎちゃうでしょう?
 短い時間しかあなたの感覚を支配できないけど……今度こそさっきのお返しをしてあげる」

ブルースライムは体を僕にピッタリと預けてくる。密着度が上がり、さらに感じさせられる。

彼女の愛撫自体はつたないものだったが、なぜか彼女が触る部分だけは感覚が一気に高められた。

「うっ……うぐっ……くぅ!!」

スライムに体を内部から刺激され、ペニスも存分に弄ばれながらも僕は体中の魔力をペニスに集中させていた。
その間だけは集中力を使ってしまうので、ますます性感は高まってしまう。

「もうすぐイっちゃいそうね……♪」

僕の体が快感に打ち震え、射精へのカウントダウンが始まる。

「ほらほら、一気に吸い出してあげるねぇ……私の中で弾けさせてあげる!」

ブルースライムが僕のペニスをひときわ強く擦りあげた!
根元から先端に向かって強い蠕動運動が起こり、そのさざなみに導かれて僕は盛大に発射してしまう!!

「うぐあああぁぁああああ!!!!」

ドッピュウウウウウウウウゥゥ、ドプッ……プシュッ!!

「あああぁん♪……ふふふっ、いっぱい出たぁ」

僕が射精しながらガクガクと痙攣する姿を見て、ブルースライムは微笑んでいた。
しかしその笑顔が長く続くことはなかった。

「ぇ……ちょ、なにこれ! あああああぁ!!! 」


僕の射精が収まり、全ての吐き出された精液が彼女の体内に吸収されたとき
ブルースライムの本体は女の子の体から消滅した。
僕の魔力を極限まで練りこんだ精液がスライムの本体に大ダメージを与えたのだ。

スライム封じの技「フィニッシュ・カウンター」

下級の淫魔ならこれだけで退治できる。しかも自分も快感を享受できる優れ技。
リィナから特訓され、叩き込まれた必殺技の1つだ。

「ふぅ……あの特訓のおかげで助かったよ、リィナ」

もっとも、特訓中はリィナの膣内の快感に耐え切れず極限までは魔力を練りこめなかったけど。

「ぶー!! こんな小物に使う技じゃないですぅ……」

リィナはご機嫌斜めだったけど、僕は初めて実戦で使えたので満足だ。とりあえず、任務達成。



ブルースライムを退治したことで海辺の任務は終了した。
ハンター協会から成功報酬を貰い、家に着いた瞬間のことだった。リィナがいきなり服を脱ぎだした。

「マルクくん! リィナ……ちょっと怒ってますぅ!!」

そういえば帰り道の途中、普段はおしゃべりな彼女がいつになく無口だった。
何か考え事をしているのだろうと放置していたのだが……

「えっ? えっ? なんで??」

わけもわからずうろたえる僕を見て、ムキーっとした表情になるリィナ。

「まだわからないんですかぁ!?
 あんな大技に頼ってたら、いつまでたっても強くならないです。
 リィナがあなたにあの技を教えたのは間違いでした……
 あなたにはまだ早すぎた技です」

どうやら僕が「フィニッシュカウンター」を使ったことにご立腹らしい。

「そ、そんなことないよ! 実際にあの技で敵に勝てたわけだし……」

「だからダメなんですぅ!
 バトルファックの基本にして極意は、『接して漏らさず』なのです!!
 マルクくんにとって意味のある勝利は、相手の攻撃を受け流しつつ相手を絶頂に導くことなのです。
 そこのところ、よ~~~く理解して欲しいです……」

彼女の言うことは理にかなっている。
たしかに今後、強大な敵が現れたときにその都度射精していたら体がもたない。

「そ、そうですか。 ……で、僕はどうすればいいんです?」

我が意を得たり。彼女はニヤリと笑って僕に抱きついてきた。

「そんなわけで 特・訓・で・すぅ ☆」










んちゅ♪

リィナから突然のディープキス。
僕の唇を奪って、丁寧に口中を舐め回しながら甘い唾液も沢山飲まされる。
口の中のあちこちをつついて、舌先にバイブレーションをかけてくる……

僕も負けずに舌先に力を込めて押し返すが、軽くいなされてしまう。
ちゅぷちゅぷと音を立てつつ繰り広げられるキス合戦……

初めは互角のつもりだったのに徐々にあごの力が……
あごだけでなく、糸の切れた操り人形のように僕の両手と両足はだらりと脱力させられてしまった。

「これって地味な技ですけど、リップスの奥義のひとつですぅ~」

もはやまともにしゃべれない状態。
そんな僕におかまいなしで続けられるリィナのキス責め。

「あ……う……」

しばらくして僕の口の中を充分に荒らしまわった後、
ちゅぽん♪という音と共に僕の唇がやっと解放された。

「んふふ~、これが四肢脱力の術です♪
 一定時間だけマルクくんの手足だけ動かなくしちゃいました」

軽い恍惚感に襲われ、彼女の言葉がうまく理解できない。
しかし僕はリィナの言うとおり、体の自由を奪われてしまった。

(気持ちいいキス…… うあぁ……なんだか……体が……)

ボーっとしている僕の体を優しく支えながら背後に回りこむリィナ。

「今から基本的な修行をするです。
 マルクくんのタフネスと平常心を一気に鍛えます」

背中から僕を抱きしめて座らせる。
リィナは僕の両脇から腕を通して、僕の乳首をクリクリと責め始めた。

(んあっ……!!)

軽く背筋を痙攣させてしまう僕。そしてさらにリィナは僕の脚をM字に開かせる。
ペニスが丸見えになる……屈辱的な姿勢だけど抵抗できない!!

さらにリィナから屈辱的な責めが宣告される。

「マルクくんをリィナの尻尾だけで責めちゃいますね。
 指先と同じように動くんですヨ。尻尾はあんまり見せたことないよね?」

無理矢理開かれた僕の脚の間から、スー……っと薄く桃色に透き通ったリィナの尻尾が伸びてくる。
それはフリフリと動きながらと僕の視界に姿を現した。

尻尾の先は三方向に分かれた槍のような「ψ」こんな感じだ。
おそらくリィナの意思によって形を変えることもできるのだろう。

(プニプニしてやわらかそうだ……どんな感触なんだろう……?)

「ルールは単純ですぅ。
 今からリィナが尻尾だけでマルクくんを責めます。15分耐えてください。
 エッチなこともい~~~っぱい言いますけど、マルクくんは射精しちゃダメです。
 それと、おちんちんはカチコチにしておいてください。
 相手からの刺激を耐えつつ、心を凍りつかせる訓練ですぅ……じゃあ、スタート♪」

マルクが心の準備をするまでもなく、修行は開始された。
リィナはマルクの背中をギュっと抱きしめ、耳元に唇を寄せる。

「どんなに動いても逃げられませんよ?
 じゃあ、たっぷりかわいがってあげますぅ……」

プニュプニュ♪……プニュン……ぴちゃっ!

リィナの尻尾がゆっくりと亀頭に覆いかぶさる。
まるでペニスを抱きしめるかのように、三方向にわかれた尻尾の両サイドがクニュっとカリ首を持ち上げた!

「んぁっ……!」

き、気持ちいい!! たかが尻尾で撫でられただけで……
まるで3本の指でつままれているかのような優しい刺激。
その絶妙の締め付け加減と、滑らかな感触がマルクの忍耐力を押しつぶす!

「ほら、いい子いい子してあげますぅ~」

キュウウゥゥっと亀頭を締め付けられたり、裏筋の部分をフニュフニュとくすぐられる。

「た、耐えてやる……があぁぁっ!!」

三叉の残った真ん中の部分は軽く鈴口を突き刺してきたり、優しく亀頭の頂点をなでまわしてくる。
さらに各々が複雑な動きで亀頭の表面をやわらかく引っかいてくる!。

「耐えるのなんてムリムリ……うふふ♪」

つぷっ、つぴゅ……スリスリスリ♪

「っ!! ひゃあああん!!……なっ、ああぁっ!!」

僕は面白いくらいリィナの責めに反応してしまう。痛みは全くない。

「いい子いい子♪ これがいいの? マルクくん」

しかし、淫らな視覚効果とペニスへの優しい注射はあまりにも刺激的だった。
僕は腰を跳ね上げたつもりだったが、両足に力が入らないので身動きも取れない。
見事なまでに四肢の神経がリィナの術によってシャットアウトされている。

「まだ1分だよぉ、マルクくん?
 尻尾なんかでいじめられて感じちゃうのぉ? このヘンタイ♪」

ま、まだ1分!? ありえない……マルクは戦慄した。
リィナの尻尾の形がフルフルと変化する! まるで花……チューリップのように……

「今度はこの責めよ……うふふ~♪」

先端がふっくらと形を変えて、ゆっくりと亀頭の中心に……迫ってくる!!

「あっ、あっ……食べられちゃうよ……うぁぁああ!!!

ゆっくりと、ゆっくりと……焦らされながらも目が離せないマルク。

「そうですよぉ……リィナの尻尾にマルクくんのおちんちんは~」

ちゅぷううぅぅぅ…………ヌリュウウウ!!!
緩い捻りを加えながら、すっぽりを包み込まれてしまうペニス。

「ッ!!!!!!」










「ッ!!!!!!」

ぬるぬる感と共に飲み込まれるマルク。
歓喜に振るえながら脱出しようと亀頭が痙攣するが、リィナの尻尾もそれにあわせて動くため逃げることが出来ない!

「気持ちいいでしょ、マルクくん。
 リィナはこれだけで何人もの戦士を虜にしたことがあるんですよぉ?」

くぷくぷという音とともに、ペニスを出し入れするリィナの花弁。
亀頭の先から根元にゆっくりと快感が蓄積されていく。

「快感に慣れないように、少し尻尾を揺らしてあげますねぇ……♪」

クイッ、クイッと亀頭を揺さぶるリィナの花……。
ジィ~~~~ンと痺れるように甘い刺激がゆっくりと脊髄を通過する。

(ああぁぁぁ……このままじゃ……リィナに溶かされちゃう……)

一切の痛みを与えず、リィナの尻尾はゆっくりとやわらかくペニスに吸い付いて離れない。
そのもどかしさの前にマルクは意識を保っているのがやっとだった。

(マルクくん、快感におぼれる前にこの修行を乗り越えられるかなぁ……?)

彼の様子を見て心配になるリィナであったが、ここで手を休めるほど彼女は甘くなかった。
さらにペニスだけでなく玉袋やアナルも軽く刺激する。その全てがマルクの神経を桃色に染め上げていく……

**********************************************************


不思議な感覚だった。
確かにペニスは今までの人生でベスト3に入るほどハードに責めたてられている。
しかし未だに射精にいたることなく意識を保ち続けている自分がいる。
マルクは自分の意識が肉体と分離していくのを感じていた。

(快感にさらされている自分、感じている自分……それを見ている自分……)

ライムとの修行でもここまで感じさせられたことはなかった。
意識を一瞬で切り離されて絶頂を迎えていた。

あまりにも強烈な快感を伴うライムの修行が、彼のタフネスを鍛える妨げになっていたのだ。
リィナは彼との生活の中で、そのことに気づいていた。

(彼はもっと強くなるはず。でもまだライムお姉さまの修行を受けるレベルではないですぅ……)

だから今回は、正確にいえばリィナが細心の注意を放って、マルクに長時間の寸止めを持続させているのだ。

その甲斐あって、マルクは粘体防御の極意に目覚めようとしていた。

(確かに気持ちいいし、イきたい気持ちもある……それもまた自分……)

射精寸前の自分とは別の自分に気づいたことで、マルクの精神は緩やかに平常心を保ちつつあった。
そしてそれは性感をコントロールする上で必要不可欠なものだった。

(リィナの責め方が予測できる気がする。僕の感じるところを探ってからの攻撃……
 それなら耐えやすいところで感じたフリをしてみたらどうだろう?)

早速実行に移してみる。あまり感じていない棹の部分で、わざと声を出してみる。
すると面白いようにリィナの尻尾はそこを責めてきた。

これだ!!!

マルクは自分の判断の正しさに気づいた。そしてその自信は無意識に彼の体からオーラとして湧き出てくる。


******************************************************


(マルクくん、呼吸が落ち着いてきました! これはもしかして……)

リィナは彼の微妙な心の変化を察知した。そして何度かペニスへのハードな責めを行ってみる。

ぐりぐりぐりっ!!!

射精にいたるはずの強烈な刺激を送り込んでみた。

「……っ!!」

耐え切った!?たしかにマルクの体は反応するが、どこか違う。
先ほどまでとは何か違う落ち着きがマルクに備わっている!!

「も、もう……大丈夫だよ、リィナ!!」

快感を受け流しながら、マルクは呪縛していたはずの指先を握ったり開いたりしていた。
リィナは彼の様子を見て、今回の修行が成功したことを感じた。


「すごいですぅ!! よく出来ました♪」


リィナがパチッと指を鳴らす。途端にその場にドサリと膝から崩れ落ちる僕。
あまりにも甘美な攻撃に耐え続けたせいで、呪縛が解けた今も手足を動かせないでいた。
しかし僕は防御技「クールマインド」を身につけた!

「や、やったぞ……ハァ、ハァ……」

さすがの僕も今回の修行はきつかった。そんな僕を見下ろしながら、満足げな様子のリィナ。

「ちょっとスパルタすぎたかもしれませんけど~
 ようやくこれで次のステップに……きゃあああっ!!!」

その場に伏していた僕は、リィナの突然の悲鳴に顔を上げる。

「お取り込み中でしたか? でも失礼いたしますわ」

部屋の中に聞きなれない声が響き、高密度の淫気が周囲に立ち込める。
僕が見上げた先には濃紺の衣装を身にまとい、細い腕でリィナを羽交い絞めにする緑髪の淫魔がいた!

リィナよりも頭ひとつぶん背が高いその淫魔は、薄紫の唇を艶やかに輝かせながら微笑んでいる。
拘束されつつも後ろを振り向くリィナ。その緑髪の淫魔と目が合う。

「ル、ル……シェ!!
 なぜここに!? んうぅっ……は、離してぇ!!」

コオオォォォっと、緑髪の淫魔からますます強く放たれる淫気。
その強烈なオーラに当てられて、リィナの淫気が弱々しくなっていく。

「可愛そうなリィナ。あなたも人間に洗脳されてしまったのですね」

言葉とは裏腹に、ルシェと呼ばれた淫魔からはリィナに対する哀れみなど一切感じられない。

「リィナ、僕が今助ける!……ん……くうっ……」

さっきまでの特訓の後遺症で体が動かせない!!
それ以上に、ルシェの強烈な淫気のせいで下半身が……うああぁ……
身動きも出来ず息を弾ませる僕を面白そうに見つめる淫魔。

「大丈夫ですか? なにやらお疲れのようですね。
 とりあえず彼女は返していただきます。何かおっしゃりたいことがおありなら
 私達はこちらにおりますので……今夜は失礼いたします」

突然現れた淫魔は、そういい残すとリィナを連れてゲートを素早く閉じてしまった。

一人残された僕の脇に、一枚の地図だけが残されていた。









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