謎の淫魔・ルシェが立ち去った後も、しばらくの間マルクは身動き一つ出来なかった。
頭の中にピンク色の霞がかかったように思考がまとまらない。

(はやく解毒……しなきゃだめだ……)

マルクが淫気に汚染された自分の体を元通りにするためにはかなりの時間を要した。
かかった時間はそのままルシェの淫魔としてのレベルの高さを表している。

ようやく彼の指先が動き……手足の痺れが抜けきった頃には、夜空に美しい月が浮かんでいた。

(僕はなにもできなかった。と、とにかく師匠に知らせなきゃ……!)

マルクはよろめきながら、ウィルと念話するための準備を整えた。
















北の国へ向かうウィルとライムは、勇者一行と共にテント内にいた。
目的地へは順調にいってもあと3日はかかるらしい。


「私、寒いの苦手なのよ……クスン」

寒さに震えるライムをかばうように抱きしめながら、ウィルは暖かい眠りにつこうとしていた。

浅い眠りに入ったその時だった……ウィルの頭の中にマルクの声と、彼の悲しげな表情がもやもやと浮かび上がってきた。

これは念話のヴィジョンだ。

ようやく眠りについたライムを起こさないように、ウィルは上半身を起こして精神統一をした。


「師匠、すみません……リィナさんが連れ去られてしまいました…………」

本当に申し訳なさそうな顔をしている。
ウィルは弟子に言葉を急かせることなく、ゆっくりと事情を聞いた。

彼の話をまとめると、どうやらルシェと名乗る淫魔がウィルの家に侵入したらしい。
そしてリィナを連れ去り、マルクには居場所を告げて立ち去ったということだった。

ウィルは話を聞きながら不可解な点をいくつか感じていた。

ひとつはどうやってウィルの家に入り込んだのだろう……ということだ。

マルクには伝えていないが、ウィルの家は高度な結界が施されている。
並の淫魔では近寄ることすら出来ないはずだ。

ルシェという淫魔はそれほどまでに高レベルなのだろうか?

次に、リィナを連れ去ることが目的だったのか……ということだ。
それならば連れ去った場所をマルクに伝える必要はない。

なぜ自分たちのアジトを教えた??

これは明らかに罠だ。
本当の目的はマルクを敵の居城におびき寄せることなのか……それとも…………。


「…………師匠、僕の話を聞いてくれてますか?」

一通りの話を終えた後、沈黙を続けるウィルに聞き耳を立てるマルク。
悔しさと不安と焦燥が混じった声。

「んん? ちゃんと聞いてるよ。さて、どうしたものかなぁ……」

どちらにせよ、自分の家を荒らしていった淫魔を野放しにすることは出来ないな……とウィルは考えていた。

そして可愛い弟子に二つのアイテムを貸し出すことと、リィナ救出の指示を出した。

マルクは「そよ風のマント」と「青い指輪」を手に入れた!















次の日、マルクは山道を歩いていた。

もともと魔術師である彼にとって、目的地付近の村までは魔術で移動することは容易に出来た。
ただし、最終的な場所の特定は歩きまわるしかない。
彼はルシェが残していった地図を元に山道を歩いていた。

瞬間移動の魔法を使い、山をいくつか越えたところで、おそらく目的地であろう建物を発見した。
それは山奥には似つかわしくない壮麗な建築物だった。

(あんな所に! なんだあれ……)

マルクは思わずつぶやく。
透き通るような建物、まるで全てが鏡で出来ているような異形。
彼は覚悟を決めるとその建物の入り口をイメージしてから瞬間移動の魔法を唱えた。


ほどなくして透き通る建物の入り口付近にマルクの体が運ばれた。
遠くで見ていたときよりも圧倒的な大きさだった。

鏡で出来ていると感じたのは間違いで、全体的に透き通るガラスで出来ている。
目を凝らしてみると、中を歩いている人物が多数いるのがわかる。
おそらく全て敵だろう。

どうやって内部に入ろうかと思案していたところで、入り口らしき場所を見つけた。
大きな門の前に衛兵が二人いる。
甲冑を着けていて、いかにも……といった感じだ。
どうやら内部への侵入は容易ではないらしい。

しばらく様子を窺っていたら交代の時間になったようだ。
すると二人の衛兵の代わりに一人の女の子がやってきた。
先程の二人組みと比べると明らかに弱そうな、可愛らしい女の子の姿をしている。

(よし、もう少し様子を見たらあの子をすり抜けて内部に潜入しよう!)




選択肢

1・時間が無い。急いで少女を倒す

2・慎重にチャンスを待つ













































































しかし、見るからに弱そうな女の子だ。
いちいち避ける必要も無い。
マルクはそう判断した。
彼女に向かって草むらから一直線に歩いていく。

「なっ!!!」

突然現れた侵入者に対して、少女はうろたえた。

「……そこをどいてくれ」

マルクは尊大に振舞う。
そのほうが効果的だと考えたからだ。
しかし少女はおどおどしながらも言い返してきた。

「こ、こここから先はとおっ、通れませんっ!  きゃっ!!」

抵抗する彼女の両腕をがしっと掴んで、地面にねじ伏せるマルク。
思ったとおり力が弱い少女に容赦なく尋問する。

「リィナはどこだ? ルシェという淫魔がいるはずだ。居場所を教えてくれ!」

マルクの言葉に驚く少女。
少しつり目の大きな瞳が泣きそうな顔をする。

「リィナさまと……ルシェさま!?……あなたは一体……」

この子はもともとこういう顔立ちなのだろうが、マルクの嗜虐心を刺激するには十分魅力的だった。
小さく首を振りながら抵抗する少女。

「ミ、ミウはこれでも門番ですから何も教えることは出来ませんっ!」

この子はミウという名前らしい。
目を潤ませながらマルクの拘束から逃れようとする。

「そうか……じゃあ体に聞いてやるっ」

マルクは嫌がるミウを押さえ込むと、いきなり唇を奪った!
突然のキスに目を白黒させるミウ……

「強引なのは……ああぁっ!!」

目に涙をためるミウを熱い口づけで動けなくするマルク。
徐々に少女の体がほんのりと赤く染まっていく。

「もう濡れてきたよ……エッチだね、ミウ」

言葉責めも交えて、マルクは一方的にミウを責め立てる。
体のわりに大きめのバストや細い腰を撫で回しながら責め続ける。

防戦一方だったミウはマルクの猛攻に吐息を熱くしてしまう……

「こ、こんなに責め上手な人を中に入れるわけには……ああぁぁん!!」


ちゅぷっ……!!!


「はぁぁん!! もう……だめぇぇ!!!」

もはや勝負の頃合と見たマルクが膣内に指をしのばせたその瞬間だった。
プシュウウッ!という音と共に、ミウの背中からもう一人のミウが飛び出した!!

「……なっ、なんで……!?!?」

マルクの指先がぴたりと止まる。
彼が捕まえているミウはまだ絶頂に達していない。

「はぁっ……あぶなかった……です」

呆然とするマルクを艶っぽい目で追いかける新生・ミウ。
一瞬の隙を突いて、マルクに責め続けられていたミウも脇に逃れる。

「ここからは……」

「わ、私たちが……」

さらに二人のミウの背中からプシュウッ!という音が響く。
ミウが増え続ける!!

「こんなに追い詰められるなんて……」

「一気にイかされちゃうところでした」

「でも不意打ちはずるいです」

「私たちも遠慮なく責めさせてもらいます」


4体のミウの瞳がマルクを捉える。
マルクがまずいと感じて逃走しようとしたときにはすでに手遅れだった。
予想以上のすばやさでミウ達は彼に詰め寄って、各々がマルクの四肢を拘束した!

「さっきはミウの腰を撫でてくれましたよね……」

マルクの右腕を押さえたミウがそっと囁く。
そして細い指先がマルクの背中からおへその辺りまでをねっとりと撫で回す。

(うああっ……そこはぁ……・)

今度は声を上げようとするマルクの唇を、左手を押さえ込んでいたミウが奪う!

「あんなに強引にキスされたら女の子は感じちゃうでしょう……」

ミウの舌先がチロチロとマルクの下唇を舐め上げる!
そしてすぐにディープキス……解放されて、また奪われる。
美少女の熱いキスにマルクの呼吸は不規則に乱されてしまう。

「立派なおちんちんですね……」

右足を拘束したミウは、ハァ~~~っと熱い息を亀頭に吹きかける。
そしてゆっくりと舌先を絡めてくる。

(ひいっ……!!)

包み込まれるような快感にマルクは身悶えした!!

右足だけでなく、左足を押さえるミウも亀頭に舌を伸ばしてきた。

レロ……チュルッ

じれったくなるほどゆっくりと丁寧に舌先で亀頭を弄ぶ……

「もっと打ち負かせてあげます……」

(うあああっ……先っぽがミウに溶かされる!!)

腰をねじって快感を耐えようとするマルクではあったが、もはや限界は近い。

「くすくすっ」

「そろそろですか?」

「だらしないお顔してる……」

「弾けさせてあげる」

ミウはそれぞれにマルクの限界を感じ取り、最後の追い込みにかかる!
8本の腕と4つの舌先に弄ばれながらマルクは高められてゆく。


「ぐああああぁぁっ、で、出るうっ!!! 」

ドピュピュピュッ~~~~~!!!!

体中の性感帯を刺激されながらのダブルフェラ……マルクにとっては未知の刺激だった。
四人のミウに拘束されたまま、彼はどうすることも出来ずに射精に導かれてしまった。


ミウは宮殿の門番を任されるほどの少女である。
なにかしらの特殊技能は備わっていると考えるのが普通であろう。
それらを無視して突撃してしまったマルクは無謀としか言いようが無い。
彼自身も後悔していたが、今となってはどうすることも出来なかった……





BAD END





























































































たった一人の門番……しかも弱そうな少女。

しかしなんとなく……やばい!!

マルクの頭脳に理性のきらめきが走った。

明らかに弱そうな敵というのはこちらの思い込みで、
実は強いから一人しかいないのではないか???

二人の衛兵よりも一人の女の子のほうが不気味に感じたマルクは、
ウィルから授けられたアイテムの一つをためらい無く身にまとった。


マルクは「そよ風のマント」を使った!
次の瞬間マルクの体は半透明になり、まるでそよ風のように周りから気づかれなくなった。
このアイテムの効用は、目の見えない敵には通用しない。
また、自分の呼吸や足音や声などは完全に消すことが出来ない。


しっかりとマントを羽織ったマルクは、できるだけ慎重に少女に近づいていった。
大きな門の前にいる少女は遠めで見ていたとおりに細い体をしていたが、端正な顔立ちをしていた。
少し吊り目っぽい大きな瞳、長いまつげと肩より少し長い黒髪……そして意外にもバストはDカップ以上のように見えた。

少女は建物の門の前に立っている。
中に入るには彼女の目の前を通過しなくてはならない。

マルクは近くに転がっている石をそっと握り締め、遠くの草むらに投げ込んだ。

ガサッ!!!


比較的大きな物音に、少女がビクンと反応する。
そしてゆっくりと草むらに近づいていくのと同時に、
息を殺したままでマルクは建物内部に忍び込んだ。

(我ながら完璧だ……!)

マルクは内心で笑いながら先を急いだ。
遠くで草むらを探索する少女の姿が見えた。

建物は城とか宮殿というのにふさわしい装飾が施されていた。
じゅうたんを踏みしめながらリィナの居場所を探すマルク……




「こちらミウ。ただいま侵入者が一名…………」

遠くの草むらで少女がポツリとつぶやいた。











「師匠からお借りしたアイテムのおかげで敵の内部には入れたけど……」


とらわれのリィナを救うためにスライムの宮殿に潜入したマルクは、慎重に内部を探索していた。

しらみつぶしに全ての部屋の内部を覗く。

敵を避けながらの作業は大変な手間だった。


しかし見れば見るほどあきれたつくりの建物である……

床一面には厚さ3センチはあろうかというじゅうたんが敷き詰められ、

ところどころに美しい女性の彫像が立ち並んでいる。

壁面はまるで全てが光り輝くガラスで出来ているかのような豪華さだった。

そのせいか、太陽は射していないのに内部はとても明るい。


「この建物のどこにリィナさんがいるのだろう?」


どんなトラップがあるかわからないので壁伝いに歩く。

ふいに無意識に壁についていた突起物に触れてしまった!


(し、しまっ……!!)


キーン、キイーン、キイーンという高い音が周囲に鳴り響く。

その途端、どこからか衛兵が集まってきた!

美女が鎧を着たような衛兵がドンドン増えていく!!





選択肢

1・とにかく逃げる!

2・逃げながら何か役立つアイテムを探す


























































































「まずい!駆け抜けよう!!」

周囲に鳴り響く警報音はどんどん大きくなる。
このままでは他の衛兵が来てしまう!
敵が押し寄せてくる前に逃げ切らねばならない。
マルクは全力でフロアからの脱出を試みた。


「この先がきっと次のフロアに違いない・・・」

息を切らせながら階段を駆け上がるマルク。
次のフロアへ続く通路は、二十段程度の階段といくつかの踊り場が連続した一本道だった。
遠くに見える扉まではかなりの距離がある。


踊り場に美しい女性の像が並ぶ階段をダッシュするマルク。
背後で鳴り響く警報音は次第に大きくなり、まるで彼を追いかけてくるかのようだった。
最後の階段を登りきったマルクの目に大きめの扉と扉をはさむ2体の美女の彫像が見えた。
やった出口だ!


「よし、これで脱出完了だ・・・・・・!」


マルクが扉に手をかけようとしたと同時に、滑らかでひんやりとした女性の手が彼の手首を取り押さえようとした。


「うわっ!!」

手首をとられる寸前にマルクは横に飛びのいた!



(・・・ま、まさか!!)

マルクは自分の目を疑った。
しかし気のせいではなかった。
なんと扉の脇に飾られていた彫像が動き出したのだ!
石膏のような真っ白ですべすべの肌は次第に熱を帯びて肌色になり、白一色だった彫像は魅力的な女性に変貌を遂げていた。
話には聞いたことのある擬態スライム・・・なのかもしれない。


「やっとあなたに追いついた・・・逃がさないわよ、坊や」


キイーンという音が鳴りやんで、彫像が語り始めた。
さらにまずいことにマルクを捕らえようとした1体だけでなく、もう一体も変化を遂げていた!



「私はガーディアン、ロッソ。この先には行かせない・・・」


「おなじくガーディアン、ビアンカ。あなたはここで終わりよ・・・」


マルクを見つめる二体の彫像。
いや、彫像が変化した美女二人といったほうが正しいのか。


深く赤い瞳・・・ロッソと名乗る美女は扉の前に立ちはだかり彼を睨む。
右肩に鎧の一部をつけ、両手に手甲を付けている。
緩くカールした黒髪とスラリとした美脚・・・どこか情熱的な印象を受ける。
そしてまるで通せんぼをするかのように手を広げ、扉を守っている。


もう一人、ビアンカと名乗った美女は薄い緑色の瞳をしていた。
ロッソよりも華奢な印象で、エルフのような優しい表情をしている。
左肩を守る鎧を付けてはいるが、手甲は付けていない。
白い柔らかげな服をまとい、肌も白かった。ロッソと同じく美脚・・・
金色の髪を二つに分けて縛っている。
腕を組んで微笑を浮かべ、マルクを見つめていた。



「門番だけに二人がかりか・・・」


マルクがぼそっと呟くと、ロッソとビアンカは妖しく微笑んだ。



「二人であなたを弄ぶより、もっと素敵な結末を・・・」


ビアンカはロッソに近づいて、そっと右肩に手を置く。



「私たちは溶け合ってひとつになる。そして侵入者よ・・・お前を犯しつくす」


ロッソはビアンカの手を取って振り返ると、やさしく彼女に唇を重ねた。


んちゅっ・・・・・・♪


(な、なんだ!?)


突然の美女同士のキスシーンにマルクは一瞬気を奪われてしまう。
しかし彼が呆然としていた次の瞬間、二人の美女の体が輝きながら一つに重なった。


「うわっ・・・」


手をかざして眩しさに耐えるマルク。
その間にも彼女たちの変形は続いている。


輝きが落ち着くにつれて姿がはっきりとしてくる。
元々彼女たちはひとつだったのではないかというほどにその姿は整っていた。


「私の名はガーディアンスライムのロゼ。侵入者に永遠の束縛と最高の快楽を与える者よ!」


マルクはその美声と容貌に一瞬目を奪われてしまう。
ロッソの美しい黒髪とビアンカの優しい表情、二人とも共通だった魅惑的な脚のライン。
キラキラとした輝きをまとった淫気をマルクはもろに浴びてしまった!
実際に二人が融合したことで、彼女たちの魅力は数倍に跳ね上がっていた。


(ライムさんやリィナさんよりも・・・綺麗かも)


それほどまでにロッソとビアンカの融合体、ロゼは美しかった。
マルクはロゼに魅了されて身動きが取れない!


「ふふっ、ねぇ・・・?」


マルクが魅了状態であることを確かめるかのようなロゼの甘え声。
とても心地よい声が彼の耳を刺激した。
そっとマルクの頬に触れて顔を寄せるロゼ。


「あなたは何のためにここに侵入してきたの?」


ひんやりとした手のひらで撫で回されると、マルクはビクッと反応してしまう。
ロゼは密かに手のひらからローションをにじませて彼を刺激している。



(あ・・・ああぁ・・・ダメだ・・・言えないっ)


マルクは小さく横に首を振って抵抗する。
獲物が一瞬で堕ちていないことを確認すると、ロゼはニヤリと微笑んだ。



「教えてくれないならじっくり吐き出させてあげる・・・」


ロゼはマルクの肩に手をかけると、焦らすように唇を重ねた。
唇が触れてから舌先がマルクの口内に入るまでかなりの時間があった。


(甘い・・・なんて甘いキスなんだろう・・・・・・)

ロゼのキステクニックに、意識をつなぎとめているのがやっとだった。
その間にもゆっくりと脱がされるマルクの衣服。
露出した肌にはピチャピチャとスライムローションが塗られ、少しずつ彼をコーティングしていく。


「久々の強い心・・・どれくらい耐えられるのかしら?」


ついにマルクは全裸にされてしまった。
彼の体に丁寧にローションを塗りつけるロゼ・・・


「秘密をしゃべらせる前に、体から素直にしてあげるね」


マルクにキスをしながら自らもゆっくりと裸になる。
そして全身にローションをにじませながらもう一度マルクに絡みつくロゼ。
静かにこだまする粘液の音が、彼の性感をますます高ぶらせる。


「あはうぅぅっ!!」


「もうビンビンだよ・・・ほらっ」


マルクを自然なリードで横たえたロゼは、彼のペニスにそっと手のひらをあてがう。

そしてそのままクリクリと亀頭のみを刺激する。
ふんわりと包み込まれて、優しい刺激を与え続けられたマルクは腰を動かし始めてしまう!


「もっとナデナデして欲しいの? じゃあ、これでどうかしら・・・ふふっ」


クチュリ・・・・・・きゅきゅっ!


マルクのピストンに合わせて、ロゼは人差し指と親指で環を作って締め付ける!
単純な技ではあるが、今の彼には効果絶大だった。


(ああっ!! 締め付けが・・・いいいいいぃぃっ!!)


挿入にも似た手技にマルクはとろけそうになってしまう。



「もっと耐えなきゃだめだよ?」

感じまくるマルクを見たロゼは、さらに追撃を加える。
5本の指全てを亀頭に添えて、不規則に動かし始めた。


クチョクチョクチョ・・・♪


(ああああっ、はあっ!!な、なんだこの刺激!!!)

体を捻って激しく抵抗するマルクだったが、ロゼに抑え込まれてひたすら感じさせられてしまう。
体中を一気にくすぐられて体力を奪われて生殺しにされたような感覚・・・


ふいにマルクのペニスに強い刺激が走る。
ロゼが指先で亀頭をピンッと弾いたのだ。
普通なら悶絶するほど痛い刺激なのだが、今のマルクには快感の一種になっていた。


(気持ち・・・いい・・・いい・・・)

マルクの快楽神経はロゼに支配されつつあった。



「ふっ、他愛ないものね・・・」

ロゼは上品に笑った。
門番という役目をしていて面白いのは、決意を秘めて侵入してきた敵の意思を自らのテクニックで粉々に打ち砕いたときだ。
はじめは極淫魔である彼女を門番にさせた女王やルシェをよく思っていなかったが、今では感謝している。
あとは自分の思うままに今回の敵を快楽の沼に沈めていくだけだった。



「頃合ね。そろそろ壊してあげようか?」


その言葉にマルクは小さく頷いた。

ロゼは度重なる寸止めで骨抜きになったマルクを優しく抱きしめると、彼の体をくるりと反対に向けた。


「気持ちいいと思うけど・・・動かないでね」


そして添い寝したままでマルクの片足に美脚を絡め、しっかり拘束する。
ゆっくりと亀頭を包み込むロゼの手のひら・・・


「ふふっ、いくよぉ・・・」


くちゅくちゅくちゅっ♪ くちゅくちゅくちゅっ♪ くちゅくちゅくちゅっ♪

くちゅくちゅくちゅっ♪ くちゅくちゅくちゅっ♪

くちゅくちゅくちゅっ♪


背後からリズミカルな手コキ。
ロゼは空いている片方の手でマルクの口をふさいだ。


「んんんん~~~!!!」


ろくに声も出せずに快楽に抗うマルク。
快感に体をそらせて耐えようとしても、ペニスから全身に染み渡る快感を逃がすことは出来ない!



「ほら、もう出ちゃうわね。・・・何度も何度も射精させてあげる。体中の力を吸い出してあげるわ・・・」


ロゼはマルクの耳たぶを噛みながら甘い声で囁く。
彼女の言葉が引き金になって、マルクの忍耐力は一気に燃え尽きてしまう。


(も、もうっ!! ああああぁぁ、出る!でるうううぅ~~~~~~~~)


プッシャアアアア!!!ドプドプドプッ!!

二度と戻れない快楽への旋律に、マルクは盛大に射精してしまった。
一度だけでは収まらず、数回痙攣と射精を繰り返す・・・


「ふふっ、最後はみんな同じ。私の紡ぐ快楽の虜になっちゃうの」


またひとり・・・ガーディアンスライムの犠牲者が増えてしまった。







BAD END


























































































(逃げるしかないけど、何か使えないかな……)

マルクは無意識に深呼吸をしたせいか、ピンチなのに落ち着きを取り戻しつつあった。


彼が押してしまったものは一種の警報装置のようだ。

マルクは慌てて「そよ風のマント」を羽織りなおすと、建物の二階へと駆け上がった!

階段を駆け抜けながら、もう一つのアイテム「青い指輪」も装備した。

ウィルから授かったこのアイテムの効果は不明であるが、なにやら強い魔力を感じるのだ。


(何があるかわからないから、フル装備でいこう……)


マルクは気づいていなかなかったが青い指輪にウィルの魔力が込められていた。

そして指輪をはめた瞬間、マルクの体を極めて薄く青い光が包み込んだ。


ここはもはや敵の本拠地である。

装備を整えたマルクの判断は正しかった。














「また雨……」


ここは女王の間。

窓にあたる小さな音に、皇務を一時中断して窓の外を見る。

青い髪をしたスライムの女王は、急に振り出した雨を憂いに満ちた目で見つめていた。


「……雷にならなければ良いけど」


そこへリィナを人間から奪還した緑髪の淫魔……腹心の部下、ルシェが現れた。


「失礼します、女王様。たった今、門番・ミウから連絡が入りました」

ルシェは女王に対して優雅に一礼してから報告を始めた。

女王への報告は一日に数回あるが、今はその時間ではない。


「急ぎの用事ですか? ルシェ」


「どうやらスライムバスターの弟子が宮殿内に侵入してきたようです」



女王の問いに間髪いれずにこたえるルシェ。

その言葉は女王の表情をさらに曇らせた。



「!……どういうことです?」

「しかし敵はたった一人です。今のところ自由に宮殿内を泳がせています」


続いて女王は宮殿の警備状況や、侵入者の今後の始末などについてルシェにいくつか質問をした。

また、なぜこの場所をかぎつけたのか。疑問点を全てルシェに問いただした。



「宮殿内の幹部たちには敵の姿を見かけたら見てみぬ振りをするように指示を出しました。

 そして状況報告だけ私に上げさせるようにしております」


ルシェはよどみなく全ての疑問に答え、女王の不安を取り除く。

スライムの淫界参謀であるルシェの言葉に女王は慎重に頷く。

さらに侵入者の捕獲案についてルシェは女王に進言した。



「女王様、何も心配されることはありません。私は彼をあの部屋に誘い込む考えです。

 彼はおそらくあの部屋から先へは進めません。仮に進んだとしてもその先は……ふふっ」


彼女の自信に満ちた言葉に女王は安堵する。

そしてこの件を腹心の部下に一任した。

ルシェは部屋を去る前に、女王にもう一つだけ報告をする。




「別件ですが、リィナの『解毒』が完了いたしました。こちらもご報告まで……」


入ってきたときと同じように一礼してからルシェは部屋を出る。

その時、ルシェは女王に見えないように俯きながら邪悪な笑みを浮かべた。

彼女はすでに侵入者を捕獲した後の処刑方法について考えていた。










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