Elbereth

 目が覚めると、ちょっとした異変と遭遇した。

 だらだらと寝ていたので昼過ぎになっていたが、家の中が妙に静かだったのだ。
 無音。
 耳が驚くほどの静寂。

 他の者は外出でもしたのかと思ったが、カーテンを開けて窓から景色を眺めると、庭に2人が居た。

 少女とメイド。
 綻び始めた桜。
 言葉を交わしては、楽しげに微笑む。

 なんだ。桜も好きなんじゃないか。

 しばらく寝ぼけ眼で見入る。
 窓を開ければ或いはその音も微かに聞こえたかもしれないが、そうする気にはならなかった。



 カーテンを閉めて、再び布団に潜った。

Elbereth

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