第四十七話『さくらとちうのパソコン教えまちゃいましょう』




桜と知世が雪広家所有の島南国へ遊びに行ってから一週間後、今度こそ桜と知世は千雨との約束通り、パソコンを買いに麻帆良学園都市内にある電気屋さん(と言うことにしておく)に足を運んでいた。

「わ〜パソコンっていっぱいあるんだね千雨さん」
「ああ・・・パソコンと言っても大体この店に売っているのはノートとデスクトップ二種類売ってるしそれぞれ二十台位づつ展示しているからな」
「机とノート・・・ですか?」
「違いますわ桜ちゃん、こちらにあるノートパソコンとデスクトップパソコンの事ですわ」

千雨は大体桜のレベルに会わせて大まかなものを言ったのだがそれでも分ってない桜、千雨はその桜の反応を見ると、いったいどこまで知らねぇんだよ・・・と言う顔になる。

「所で確か20万円だったか使える金は」
「そ・・・それが千雨さん・・・」
「ん、何かあったのか木之本」

桜は千雨の問いに下を俯き両人差し指を白●ことりの様にあわせる。

「えっと、実はですね・・・」

すると知世が千雨の耳にごにょごにょと小さな声で耳打ちをし始めた。

(20万円かと思われた資金が120万円になってしまいましたんですわ)
「なんだそんな事か・・・ってええ!?」

ケロちゃんがAクラスのモンスターを倒してしまったばっかりに桜の手に入って来た100万円、それを加えて資金が120万円となってしまったのだが、自分の千雨は創造を超えた知世の説明に驚愕した。

「おい木之本 お前前に20万円つってただろ!? なのに今回は何で120万円なんだよ!!? 100万円どっから沸いて出てきた!!!?」
「ちょ・・千雨さん声大きすぎだよ」

千雨から沸いて出てくるツッコミ&疑問、喋るたびに声がでかくなって行く事に桜は周りの目を気にして注意をする。

「ん・・・あ、すまん・・・で実際の所どうしたんだ木之本?」
「えっと実はですね、資金が20万円だと思ってたんですけど、いきなり120万円になっちゃったんです」
「どういう事だ?」
「ええっと、実は桜ちゃんのお父さまが最初20万円程用立てて頂ける手はずだったのですが、私のお母様が対抗なされて100万円を送ってくださったのですわ」

桜はごまかそうと奮闘しようとしたのだが、それでも事実を言ってしまいそうだったので知世がすかさずフォローを入れる。

「対抗っておい、まさか大道寺のお母さんってやっぱり・・・」
「はい、私同様桜ちゃんが大好きですわ、後おもちゃ会社の社長をやってまして・・・」
「なるほどな・・・」

なにかかなり説得力のある知世の説明に千雨はまんまと信じ込み汗を一滴流す。

「それじゃあ最新式の本当に良いのが買えるな、それでも余裕で半分以上のこっちまうぞ、何なら2台買うか?」

千雨の言うとおり一般家庭用の最新式のどんなに良い物を買ったとしても精々一台3・40万程度、これでも120万円には程遠くやはりかなりの金額が残ってしまう。

「そうだね知世ちゃん、でも私達に2台も必要ないしどうする?」
「そうですわね、ここはその最新式の物を購入しておいて残ったお金は今後の為ににとっておくと言うのはどうでしょうか?」
「まあそうしたいならそうしとけ、PC(パソコン)っつ〜もんは買った後でも金が居るもんだからな」

そして気を取りなおして展示してあるパソコンを見ていく桜達、桜はズラリと並べられたノートパソコンを見るとなにやらう〜んと考え始めた。

「ん?・・・なにやってんだ木之本?」
「千雨さん、これ操作する物が着いてないんだけどどうするの?」
(そんなレベルかおい! っつ〜かマウスって言えよマウスって!!!)

桜は店内に展示してあるノートPCを見ながらどこにマウスがあるのがPCの周りを探している。
―――これは言うまでもなくタッチパットで操作する物、しかも桜は本当に真剣な表情で知世はその真剣さにやはりビデオカメラを取り出していた。

「木之本、これは指でこうして操作すんだよ」
「あ・・・本当だ、千雨ちゃん凄いね(ニコッ♪)」
「・・・・・・・・・・・(///)」

千雨が普通に説明して操作してあげたら桜が千雨の方に視線を向け一回笑顔でニコリ、それを見た千雨は不覚にもキュンと顔を赤らめてしまった。

(・・・はっ、何キュンなんてしてんだ私、っつ〜かキュンってなんなんだよ!私はレズじゃねぇ・・・レズは大道寺だけで十分だろ!)
「ほほほ・・・」

とっさの事だったのか自分で自分にツッコミを入れてしまう千雨、その時横に居る知世がニッコリと笑みを浮かべながら千雨の方を見ていた。

「さてと・・・で木之本、お前どーせパソコンの買い方・選び方がわかんねぇだろ、だから私が適当に選んでやるからそれでも良いか?」
「うん、そうします。私パソコンって良くわかんないし、千雨さんお願いします」
「ああ・・・」

千雨は桜がPC初心者だと考えて、桜は千雨なら安心して頼められるからと二人の考えが合い、こうして千雨が桜達の買うPCを決める事になった。

(え〜っと、二人で使うんだから容量は多い方がいいな・・・まあ私の予想が正しければ容量の使用量は木之本と大道寺で1(木之本):9(大道寺)っぽいが・・・)
(それならいっその事2台買った方が良いんじゃね〜か?外部HDも買っとくか?)

パソコンの事となるとやはり千雨は真剣な目になり桜と知世のPCをどれにしようか悩みだす。

「ねえ・・・千雨さん、そんなに悩まなくて良いからちょっとネットとかしてみたいだけですから・・・」
「いやいや、こう言うのはちゃんと考えて買わなきゃダメだ!」
「まあ千雨さんですから、仕方がありませんわ♪」

・・・と数十分たった20台程度展示してあるパソコン&ノートパソコン郡からどのPCを買うのか悩み倒す千雨、それはもう女の子が服を買うのと同じ様な感じで長時間一台一台何回も見定めていた。



「え〜っとそれではこの新型ノートPCを麻帆良学園女子寮宛でお願いします」
「こちらの外部HD(USB2.0 40G:2台)やネットワークケーブル等はお持ち帰りますのでよろしく願いしますわ」

そして結局購入したのはノートPC(重さ1.5kg位)やその他製品多数、ノートPCは手荷物が多くなる等の事もあり女子寮へと輸送、他の物は大体小さい物だったので手持ちで持ち帰る事になった。

「千雨さん、今日はありがとうございます。おかげで良いノートPCでしたっけ?が決まりました」

会計を済ませて、店内を歩く桜は千雨に今日付き合ってパソコンを選んで貰った事に当然礼を言う。
千雨はそんな礼を言う桜の横を歩きながら・・・

「別に良いって、それに帰ってからもやるこ・・・「ドゴーン!」な・・・なんだ!?」

桜に答えようとすると先程いたPCコーナーから爆音が聞こえてきた。

(桜ちゃんこれはもしや・・・)
(え・・・でも変な気配とか感じなかったよ、しかもこんな人の多い場所でそんな)

瞬時に桜や千雨達は爆音の聞こえた方を振り向くと現場はどうなっているのか分らないがモクモクと煙が立ち上っているのだけははっきり見える。

桜 も知世もそれをみて怪物が現れたのか?と考えたが今は昼のしかもこんな人通りの多い場所、しかもこれが本当に怪物の仕業だと考えると麻帆良学園の結界を掻 い潜って誰にも気づかれずイキナリこんな場所に現れたと言ったチーズみたいに穴だらけな推理、ただの事故で怪物の仕業ではないと考えた方が納得が良く。

(ですがこのような場所でイキナリ爆発が起きるなんて考えられますでしょうか?)
(でも万が一怪物だったとしても今は目の前に千雨さんがいるし・・・)
(そうですわね、今トイレに行くと言うのも考え物ですし『消』のカードをお使いになられては?)
(それだと千雨さんに迷惑が・・・)
(ですがそうするしか今は道が、丁度他の皆さんは煙が上がった方に集中しておりますし)
「おい、二人共こんな時になに話してんだ!?」

・・・と言っている間に煙の上がった方に集中していた千雨の目が桜達の方へと戻される。
当然こんな時に内緒話しているものだから千雨は桜と知世に少し大きな声で何を話していたのか聞いてくる。

桜 はその瞬間少し悩んだが、事が事だから仕方がないとまずは皆の目が煙の上がった方に集中しているのを確かめ、一目の触れないもの影に隠れると杖の封印を解 除、やはりこれでも千雨に見られていた為、桜の目の前には大口を開けたまま驚愕の表情になってしまった千雨の姿があったのは言うまでもない。

「あ・・・あああ・・・お・おい木之本、それは・・・「えっと、説明は後でするから」」

桜は一言そう言うと知世を連れて爆発、煙が上がった方へと駆け出す。
それはイキナリの事で千雨はその駆け出した桜の後ろ姿を追う事はできなかった。




【ショートストーリー長谷川千雨の困惑】


(あ・・・ あああ、なんだったんだ今のはって言うまでもなく魔法少女か? っつー事は木之本は魔法少女だったのか・・・ってまてい!―――何こんな早々に結論が出て しまったんだもう少し考えてから・・・修学旅行の時に道端で眠ってしまった事が・・・そう言えば前にネギ先生のクシャミで私の服が花びらになった事 が・・・ってまてい!(←2回目)・・・と言うことはあのクソガキ(注:ネギ)まで魔法使いか・・・ありえねぇ・・・ありえなさ過ぎる・・・っつーかよく よく考えればうちのクラスそれっぽい奴等が多いじゃねーか! あのクソガキと木之本が魔法使いだとして・・・あ〜いやだ考えたくもねー私は今までまったく 気づかず魔法いっぱい夢いっぱいファンタジー野郎達と一緒のクラスにいたって事か!?・・・あ〜も〜ツッコミ所多すぎ! こんな事実待ったくこれっぽっち も知りたくもなかったわ!)

桜が去った後かなり回りの人から大丈夫?・・・って聞かれそうな位頭を抱えて考え込んでしまう千雨、この後とりあえずこうしていると自分も変人達の仲間みたいなのでとりあえず千雨は煙の上がった方を見に行くしかなかった。

【ショートストーリー長谷川千雨の困惑終了】






「え〜っと、知世ちゃんモンスターさんの姿全くないんだけど・・・」
「その様ですわね、しかしこれは・・・」

桜と知世は同じ店内と言うこともあり者の10秒位で現場に着いていた。
しかし、そこにはモンスターの姿などまったく存在せず、桜達の目の前にあったのは只壊れたPCから煙がモクモクと立ち上っている光景、それになぜか女子高生位の女性が何回も店員に頭を下げている姿であった。

「なんでも、PCにさわった瞬間に爆発したらしいぜ」
「嘘!! んな事あるわけねぇだろ?」
「いや,本当の話らしい・・・」

その光景を見ながら立っていた桜と知世の耳に聞こえた他の人達の話、その時桜はそれを聞き魔法が関係するんじゃ・・・と考えた。

「知世ちゃん、これって明らかに変だよね」
「はい、PCをお障りになっただけで爆発を引き起こしてしまった話なんて聞いた事がありませんし」

PCに触っただけで爆発、そんな現象今まで見た事もないし聞いた事もない。
しかもPCに触っただけで爆発を引き起こすなんて理論的・科学的に見ても間違っている。

「おい、木之本に大道寺今のは一体・・・つ〜か今の魔法なんだろ?」

・・・と桜が右肩を掴まれ振り向くと千雨の姿、桜と知世が観て考察している間に千雨も現場にやってきてやはり桜達の魔法と言う確信をついてきた。

「あ・・・千雨さん」
「桜ちゃん、千雨さんへの説明は私がいたしますのであの方々の方よろしくお願いしますわ」
「うん、・・・と言っても今話しかけられる状況じゃないけど」

桜が壊れたPCの方に目をやると女子高生達は未だにペコペコと店員に頭を下げている。
これでは外野の人達も考えて話しかける隙はなく、今は唯あの人達が何処かへ行かない様に見張るしかなかった。



そんな事もあり、桜が見張っている間に知世は千雨に魔法に関する事の説明、その後魔法の説明が終わり魔法の記憶は消す事を千雨に説明すると千雨はほっと一安心深い息を吐いていた。

「魔法の記憶は消してくれるのか、良かったよ私はこんな魔法いっぱい夢いっぱいの事実なんて知りたくも無かったしよ」
「そうですか、私としては楽しく愉快な事実なのですけど・・・」
「それはお前だけだ!」

珠●の様に溜息を付きながら話す知世の言動に大声でツッコミを入れている千雨であったが、

「・・・ですが3−Aにはハルナさんやまき絵さん等魔法の事を知れば愉快な事実と言いそうな方々が大勢居りますわ」
(―――そうだった!―――)

・・・とこの様に事実を3−A生徒が知ってしまえばそれを愉快な事実だと受け入れそうな人物がちらほらと、まったくもって説得力がありゃしない。
千雨は強く手の人差し指・中指・薬指を揃えて額の右の方に当て知世の居る方向とは違う場所に顔を背けてしまう。

「まあ今の所3−Aには千雨さんの様に一般人にも関わらず魔法をご存知になってしまった方々も大体7・8名程居ますが皆さんちゃんと受け入れておりますわ」
「だからウチのクラスは変人ばかりなんだよ!」

自分が結局は少数派な事に気づいた千雨は自分の置かれた環境に嫌気が差して怒っていた。


一方見張っている桜は商品等を見るそぶりをしながら少し知世達から離れ店員に頭を下げている女子高生達を見ている。

「本当に魔法が関係しているのかな〜?」

桜はなんらかの魔力があれば気配で分かる。
その事から爆発の瞬間も全く魔力らしい気配を感じなかったので普通に頭を下げている女子校生を見ながら実は勘違いだったのかな?・・・と言う考えが頭を過ぎる。

そうこう考えている間に女子校生達は店員に解放され動きだす。
その時後ろから千雨の「ばかりなんだよ!」と言う大声が聞こえ桜は何!?・・・と驚きながらも二人に呼びかけた。

「知世ちゃん・千雨さん、行くよ!」
「はい」
(大体からしてあの杖はなんなんだよ、明らかに物理的法則を無視ってるだろ・・・)
「あれっ、千雨さん大丈夫ですか?」
「大丈夫ですわ」

桜が振り向いた時には千雨はもう何もかも嫌になった・・・と言わんばかりに下を向きぶつぶつと文句をたらしている。
そんな事はお構い無しに知世が「大丈夫」と言うと桜は女子校生達を追い始めた。





「まったく、杏珠のせいでひどい目にあったじゃない」
「うぐ・・・だって私は嫌だって言ったのに店員さんが触らせてきたりなんてしたいから・・・」
「まあ良いじゃないですか、なんとか弁償せずにすみましたし」

一方自分達が女子中学生に追われているとも知らずに店内を歩いているのは、先程PCを爆発させた女子校生、上から長谷部茉莉、琴吹杏珠、内藤柚。
彼女が言うには店員さんが自分にノートPCを触らせてきた。
それだけの行為でノートPCは爆発したのだと言う。
これからなんらかの魔法が関係しているのではないかと言う考えが生まれるが、それは間違い、

「ああ・・・もうなんでこんな体質に生まれちゃったんだろ?」

実際は唯の触っただけで電化製品をぶっ壊す体質でまったく魔法とは関係がなかった。
そんな事もつゆ知らず彼女達の背後には桜・知世・千雨の姿、杏珠等3人は尾行されている事に全く気付いていないが、尾行している桜達は通行人の3割位の人々に気付かれいくらかの視線を集めている。

「ちょっと、知世ちゃん・・・なんだか少し視線を感じるんだけど」
「まあまあ桜ちゃん、あの方々がこの店からお出になるまでですから」

魔法が関係しているかも知れないので、この店内で話しかけると言うのもどうかと思い桜は尾行している女子高生等が店内から出て行くのを待っている。
さすがの桜もこの視線に少しは気付いているが、そんなに大きな店ではないので少しの我慢と知世に諭されている。

「まったく、次からはこの店来れないわね」
「あう、ごめんなさい」
「まっ、ここが麻帆良学園都市内でよかったわ。 こんな所めったに来ないから」

ちなみにこの女子高生達は麻帆良学園の生徒ではない、けれども麻帆良学園都市は一つの市みたいに馬鹿でかく色々な店も沢山ある。
その為よく外部の学校の学生や一般人も学際中とは言わないものの、この麻帆良学園都市内へと来てしまうのだ。

「・・・でこれからどうします?」
「まあ買うものも買ったしそろそろ帰りましょ」

そして杏樹達は桜の思惑通りに店の出口へと出ようと歩く足を出口の方へと向けた。

「あっ、あの人達そろそろ出るみたいだね。 でも知世ちゃん、あの人達にどうやって話しかけようかな?」
「はあ、そうですわね。 あの方々が魔法関係者だとはハッキリ分りませんし、それでは写メールでも取りまして学園長先生にでも確認してもらいましょう」
「・・・って大道寺、学園長のメルアド知ってるのか?」
「はい、もちろんですわ」

桜達の頭の中での杏樹達の位置づけは魔法使い関係者かそうでないかまったくハッキリしていない。
言うなれば分らないと言う事だ。
杏樹達は普通に一般人の女子校生なのだが桜達の視点では分からない、だからそれを調べて貰おうと知世が杏樹達に気付かれず写メールを撮り学園長に添付した。



それから数分位して桜達は店の外に出てから駅に向けて歩いている。
外部生であるが為杏樹達は電車に乗って帰るのだから、桜達はそれを尾行している為駅に向っているのだ。
その時知世の携帯電話に学園長からの着信、すると知世は電話に出た。

(学園長先生ですか、何かお分かりになりましたでしょうか)
(その事での話じゃが、わしが調べた結果じゃが彼女達は麻帆良学園の生徒ではなく、普通に高校へと通う一般人の女の子達じゃ。 しかし触っただけでパソコンが爆発したと言う所が引っかかる。 じゃからちょっと一般人を装って話しかけて探りを入れてみてくれんかの?)
(はい、わかりましたわ)

触っただけでパソコンが爆発、それは魔法使い側から見ても変な出来事。
学園長の調べた結果でも当たり前だが杏樹達は一般人の女子高生と出ていたのだが、その出来事を考えると万が一と言う可能性が学園長や桜達の頭から離れなかった。

「・・・との事ですので私達の事を悟られぬよう話かけましょう」
「っつー事はいつも通りで良いんじゃねーか?」
「そうですわね」

千雨はもう愚痴は出していない、ただこの世の不条理を受け止めた・・・と言うか諦めただけだ。
そしてそうと決まれば作戦実行、桜達は道を歩いている杏樹達に話しかけた。

「あの、すみません」
「ん なんですか?」
「さ・・・さっきそこの電気店に居たんですがPCに触れたらばくは「オイ木之本!」ふぁ!?」

何を血迷ったか何の確かめもせず呼びかけてイキナリ核心を突いた質問をしようとする桜、千雨はそれを見て何言ってんだ!
との勢いで桜の口を封じた。

(おい木之本、いくらなんでもイキナリそれはねぇだろ! もう少し遠まわしにだな)
(で・・・でも千雨さんがいつも通りにと・・・だから私いつも通りに聞いてみたんですが)
(そう言う意味じゃねぇ! もうちょっと言い方ってもんがあるだろ!)

杏樹達が振り返りその目の前にあったのは、女子中学生位の女の子三人組、一人はニコニコとこちら側を見ていて二人は何かコソコソと喋っていた。
でも話しかけられた時の「PCがばくは」と言う言葉、それだけでその女子中学生が何を聞いてきたのかすぐにわかった。
茉莉も柚も分っていた、「PCがばくは」と言う言葉で思いつくのは杏樹の体質これしかない。
いつも杏樹に巻き込まれている身だから分っていたのだ。

「ああ、あの爆発ね。 貴方達見ていたの?」
「あ はい」
「あれはね、こいつ・・・杏樹の体質なのよ」
「え・・・体質ですか?」
(こっちも普通に答えやがった!)

かと言ってこんな変な体質を隠す気もさらさらない茉莉はすぐに桜達に話す。

「そうそう、こいつが触れるとなぜか電化製品の全てが壊れちゃうのよ」
「うん、驚かせちゃったみたいだけどごめんね、私昔から機械との相性が悪いのか触るとたちまち大・爆・発、おかげで生まれて15年、テレビのリモコンさえ反応した事がないし、電子レンジさえ動いた事も「気をしっかり持て杏樹!」」

自分自身の体質の説明をしている内にだんだんと死んだ目になってくる杏樹、それはあまりにも不憫な話で桜達もかける言葉が見つからない位だ。

「・・・でも魔 何もないのに何故こんな体質に?」
「ある今期の最新アニメの様に何らかの強力な電磁波が身体から放出されている訳ではありませんし」
「てか何故大道寺が知っている?」

杏樹の説明で魔法関係でないと分った桜達、これでひと安心な所だがまったくこの杏樹の体質の原点となる説明がなされていない為疑問が残ってしまう。

「それがさ、私達にも分らないのよ。 ただ知っている事は風邪を引くとクシャミ一つで半径数メートルの電化製品が爆発、それと杏樹が触っても爆発しないPCが存在するって事だけ」

しかし、杏樹の体質だけは生まれながらなものでだれも説明できないため完全な謎となってしまう。

(・・・知世ちゃんどうする、結局は魔法絡みじゃなかったみたいだけど)
(ですがこんな不憫な体質をお持ちの方をこのままにして置くわけにはいきません。 ここは私にお任せくださいな)

でも謎と言っても魔法関係じゃなければ桜達には関係のない事、しかしこんな体質の持ち主をほおって置ける訳もなく、知世は紙にある所の電話番号を書いて手渡した。

「なぜこんな体質なのか分らないのでしたらこちらへ相談いたしましてはどうでしょう、私達のクラスメイトが在籍する研究室の電話番号ですわ。 きっと良い助言をしてくれますから(もしくは実験材料ですけど・・・)」
「あ・・・ありがとう」
「でわ、私達は話が聞けましたのでこれでお暇させていただきますわ」

知世は杏樹に麻帆良大学工学部の3−Aクラスのある人物が実験室の電話番号が書かれた紙を手渡すと桜達を連れてその場から去ってしまう。

こんな時に役立つのはやはりあの人物、本当に良い助言をしてくれ、解決まで導いてくれそうだ。
しかし運が悪い場合その前に待っているのは実験材料という名の地獄、杏樹はこれを知らずに紙を受け取り鞄の中にしまっていた。

その後電車に乗って帰って行く杏樹達、電話番号を確認しようと鞄の中を確認する。

「あれっ・・・ない、ないないどこへ行ったのかな?」
「えっ、無くしちゃったの杏樹?」
「うん、そうみたい・・・」

皆さんもある人はあるだろう、鞄の中から物を出したら別の物まで出てしまった事、杏樹は電車の切符を買う際鞄の中から財布を出す際にそれを気づかずにやってしまい、出てきたものが書かれた紙であった。

「きっと切符を買った時だよ、ああ〜んこれで自分の体質が治ると思ったのに〜!」

自分自身知らぬ内に実験材料と言う地獄から回避していた杏樹、その時その落とされた紙は切符売り場の片隅にひっそりと落ちていた。


<第四十七話終>

『桜&千雨による次回予告コーナー』


「ふ〜、世の中にはこんな不憫な体質を持った奴もいたもんだな」

「でも知世ちゃんからもらった電話番号の紙なくしちゃって良かったのかな?」

「そりゃあ良いに決まってるだろ、あの一歩間違えばマッドサイエンティストの実験材料だあの体質のままの方が幾分かマシだろうしよ」

「そう言えば千雨さん今回のパソコン選びありがとうございました」

「いやいや、後パソコンが部屋に届いたら呼んでくれよ、設定や接続、その他は私がやってやるからな」

「その前に木之本、私の頭の中にある魔法の記憶の消去の件はどうなってんだ?」

「ほぇ?・・・記憶消去ですか?」

「ああ、記憶消去だ!」

「す すみません忘れてました〜!」

「って忘れんな、ったくこのコーナーが終わり次第消去してもらうからな」

「はい、その方が良いと思いますよ。 記憶は一日経ちますと消えなくなりますし・・・」

「何!? そうなのか、えっと今は・・・って次回予告中だから時間がわかんねーじゃねーか!」

「早く次回予告終わらすぞ木之本」

「あ はい」

「早速だが次回のタイトルだ!」

「えっと『さくらと地獄別荘ネギの修行』です」

「え・・・私ネギ君と次回闘いをさせられるの?」

「そうみたいだな、・・・と次回予告も終わった事だし次回の司会者はネギ先生と木之本だ」

「それでは千雨さんの記憶消去もありますので次回も桜と一緒に〜!」

「「レリーズ!」だぴょ〜ん!」

「だぴょ〜ん?」

「やべぇいつもの癖でやっちまった! いや違うんだ木之本今のはだな<終>(この後千雨の記憶はちゃんと消去されました)


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