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「あ……いや、それはね、浮気っていうか、その……」
「いいわ。後でゆっくり聞かせてもらうから」
その笑顔が何よりも恐ろしいと知っているマリーはひきつった笑いを浮かべる。
稀代の錬金術士と言われたマリーの意外な一面を見たエリーは思わず笑ってしまったが、
すぐに自分も窮地に立たされる事になった。
「エリー……今の、本当なの?」
既に半分泣いているようなアイゼルの声に、エリーは恐る恐る恋人の方を振り向く。
「ア、アイゼル……これはね、その、マリーさんが無理やり……」
「私……私……」
それ以上は声にならず、アイゼルは大声で泣きはじめてしまった。
途方に暮れるエリーを尻目に、シアはアイゼルの身体を包み込むように抱き締めると
ゆっくりと背中を撫でてやる。
「大丈夫よ。マリーには後で私がちゃんとおしおきしておくから、そんなに泣かないで。
エリーもアイゼルが嫌いになった訳じゃないんでしょう?」
「え!? あ、はい……ごめんね、アイゼル」
エリーが謝ってもアイゼルは泣き止まなかったが、
背中が小さく縦に動いて怒ってはいない事を伝えていた。
「いい、エリー。こんなにあなたを想ってくれてる子がいるんだから、
もう浮気なんてしたら駄目よ」
シアの言葉は明らかにエリーだけに向けられた物ではなかった。
敏感に察したマリーは鞭で打たれたように身体をすくませると、
イングリドに怒られた時でさえ見せた事の無い神妙な面持ちで謝る。
「あ、あの……シア、ごめんね」
「マリー、この子の縄を解いてあげて」
「う……うん」
軽く無視されたマリーはややうろたえていたが、シアは別に怒っている訳ではなく、
ただ、腕の中の少女が可哀想に思えて、自分の胸で存分に泣かせてやりたいと思っただけだった。
手が自由になったアイゼルは、シアの胸にしがみつくようにして本格的に泣きじゃくり始める。
手入れの行き届いた濃い茶色の髪を撫でてやりながら、
シアはアイゼルが落ちつくまでじっと待ち続けた。
マリーもエリーも、その光景をばつが悪そうに眺めている。
「あたしも後でアイゼルに謝っとくからさ、エリーもちゃんと謝っときなよね」
「は、はい……」
今度はシアに聞こえないように小声で会話を交わしながら、
二人ともこっそりアイゼルの様子を伺っていた。
ようやく泣き止んだアイゼルが、涙でぐしょぐしょになった顔を上げる。
その顔を手拭いで優しく拭いてやりながら、シアはそっと涙を口に含んだ。
「あ……」
「ふふっ、甘くて美味しいわよ」
そう言って何度も、
ついばむように涙を吸い取るシアが気恥ずかしくて俯いたアイゼルの目に、白い胸が映る。
「どうしたの?」
「あ……いえ、なんでも……ないです」
そう答えたアイゼルの顔に、シアの手が触れた。
ほとんど力は込められていなかったが、アイゼルは自然とシアの乳房に口を寄せる。
エリーにするように、唇だけで乳首を咥えて控えめに吸い上げると、突然熱い液体が流れ込んできた。
思わず一度口を離してシアを見ると、母性をたたえた瞳が自分を見守っている。
「どう? 私のおっぱい、美味しい?」
「え……あの、これ……は、はい……」
混乱した頭の中で、アイゼルはようやくシアが結婚して、子供もいる事を思い出した。
思わず開きかけた唇を、シアの人差し指が塞ぐ。
「駄目よ。赤ちゃんはしゃべらないでしょう?」
アイゼルは目を白黒させつつ口を何度かぱくぱくと開閉させたが、
シアににっこりと笑われると大人しくもう一度、今度は反対側の胸に吸いついて母乳を飲み始めた。
ふっくらと硬くなった乳首を二、三度吸うと、濃い乳が勢い良く出てくる。
さっきは反射的に美味しいと答えてしまったが、
改めて味わってみると、それは決して美味しい物では無かった。
しかし、唇から伝わってくるシアの心音と、あやすように肩を小さく揺らす彼女の腕に、
自分が本当に赤ん坊になったように心が安らいでいくのを感じて、
アイゼルは夢中になって乳を飲み続けていた。
砂時計が二度もひっくり返されるほどの時間が過ぎてから、
ようやくアイゼルはシアの胸から顔を離した。
「もう……アイゼルったら、本当の赤ちゃんみたいに夢中で吸うのね」
「あ……ごめんなさい、お姉様」
「怒ってるんじゃないから気にしないで。……あら、少しこぼれてるわよ」
目元を赤く染めたシアはアイゼルの身体を抱き直すと、
口の端に白く濡れている所を見つけて舌先で舐め取った。
そのまま顔をずらして、ミルクの香りが漂うアイゼルの口内に入れていく。
「ん………ぅむ……ぁあ……」
もうすっかりシアに懐いたアイゼルは、夢中で彼女の舌を求める。
シアは優しく応えてやりながら、少しずつ彼女の服を脱がせていった。
濃厚なキスを始めた二人に、マリーも再びエリーを弄びはじめた。
「ね、エリーはさ、いっつもする方? される方?」
上になったマリーが首筋を撫でながら、からかうような口調で尋ねる。
ここでごまかしても無意味どころか、絶対に良くない事になるだろう。
そう直感したエリーは恥ずかしさにぎゅっと目を閉じて答えた。
「す、する方……です」
「そうなんだ。それじゃさ、今日はあたしがしてあげるね」
「き……昨日散々してもらったからいいです」
「昨日? 嘘はいけないよ、エリー。これは何かな〜?」
マリーの手がいきなり素肌の内腿に触れてきて、
エリーは破けた場所を隠すのを忘れてしまっていたのを思い出したが、後の祭りだった。
柔らかい腿肉を思いきり吸われて、たまらず仰け反る。
「どうなの、エリー? まだしらを切るつもり?」
「うぁ……ご、ごめんなさい……」
腿の付け根から膝に近い辺りまで、
唇の跡を残しながら手当たり次第に吸い上げるマリーの頭を抑えるのが精一杯で、
もうごまかす余裕も無かった。
「さっきもしてたんでしょ? あたし達のを見て」
「はい……」
「でもさ、アイゼルもいい趣味してるよね。なんか、あたしも破きたくなっちゃった」
エリーが止める間もなく、マリーは小気味良い音を立ててタイツを破き、
半分以上も素肌が覗くほどボロボロになってしまう。
「ううう、ひどいですよマリーさん……」
まだ縛られているから自分では直接見られなかったが、
音だけでも好き放題破かれてしまったのは嫌というほど伝わってきて、
エリーは半ば本気で恨み節をマリーにぶつける。
どの道アイゼルに破られた時点でもう使い物にはならなかったのだが、
こうも派手に破かれると泣き事の一つも言いたくなったのだ。
しかしそれはどうしようもなく余計な一言だった。
後ろ手に縛られ、醜くタイツを破かれたエリーの格好はそれだけで
充分に欲望をそそられるものだったのに、
そこに最後の一滴が加わってマリーの加虐心は完全に火が点いてしまった。
「う〜ん……ごめんね、エリー。ちょっと我慢出来なくなっちゃった」
マリーは申し訳程度に謝ると、危険を感じて逃げようとするエリーの両足を思いきり開かせて、
もうすっかりびしょびしょの下着を横にどかし、慎ましく包皮に包まれた陰核を剥きあげた。
現れた桃色に輝く尖りにキスすると、唇ではなく、歯先で咥える。
「ひっ、やぁぁあっ!」
鋭すぎる快感に、エリーはたまらずマリーの頭を掴み髪の毛をくしゃくしゃにしてしまうが、
マリーはそれに構わずエリーの細い太腿を両方とも抱えて頬で温もりを感じながら、
木の実の殻を割るように何度も甘く噛む。
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