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リリーは普段、別に自分の胸の大きさなど気にしてはいなかったが、
目の前にこれだけ豊かで美しい胸があるとどうしても比較してしまう。
「どうかした?」
しばらく注視してしまっていたらしく、視線に気付いたシスカが肩越しに振り向いて尋ねてきた。
「あ、いえ、その、汗、かいてるみたいだし、水浴びでもされてきたらどうですか?」
さっきの絡みからして、胸の事を話題に出すのはマズい。
そう思ったリリーはとっさに適当な事を言う。
「そうね、そうさせてもらうわ。…あら、あなたも汗びっしょりじゃない。一緒にいらっしゃいよ」
「え!? あ、はい、そうですね。じゃ、お言葉に甘えて」
(なんかいつものシスカさんと違うなぁ…薬のせいなのかなぁ)
ちょっとだけ違和感を感じながらも、水浴びをしたいのはリリーも同様だったし、
まだシスカの機嫌が何処に向かっているかも解らなかったので、
リリーは頷いてシスカの好意を受ける事にした。
「冷た〜い!」
シスカに水をかけられて、思わずリリーは声を上げて身体を震わせる。
「ふふっ、でも気持ちいいでしょう?」
シスカは微笑みながら自分にも水をかけた。
みずみずしい肌に水滴が弾かれて踊るように跳ねる。
「シスカさんて、肌白いんですね。羨ましいなぁ」
「あぁ、これ? 焼けない体質なのよ。でも日に焼けると赤くなって痛いのよね」
「それでも、あたしみたいに焼けちゃうよりはずっといいと思います」
「ふふっ、ありがと。でもあなただってなかなか良いプロポーションしてると思うけど。
ほら、流してあげるから背中向けて」
リリーが背中を向けて座ると、シスカは手に何かをつけてリリーの背中に塗った。
「ひゃっ……なんですか、シスカさん」
奇妙な感触に身をすくめるリリーに、シスカは優しく塗り広げながら説明する。
「これはね、私の故郷では普通に使っている、身体を洗う道具……アロマっていうのよ」
「へぇ……なんだか良いにおいがしますね」
「でしょ? こっちの方では中々手に入らないんだけど、女性は使わないって訳にもいかないし」
アロマの芳香か、それともシスカの手の動きなのか、
いずれにしてもじわじわと全身を浸していく心地よさに、
リリーは次第にうっとりしてシスカに身を任せた。
「でも、そんな貴重な物を使ってもらっちゃって、良いんですか?」
シスカの手は少しずつ、背中からわき腹へと進んでいく。
ふっと我に返るリリー。
(やだ、胸触られちゃう……それに、シスカさんの胸、当たってるし)
シスカの指はリリーの、シスカに較べれば小さいものの、
それでも充分に発育している胸の麓をたどる。
けれど、意識してか否か、それ以上は触れてこようとせず、
リリーは自分の中の相容れない気持ちにとまどってしまった。
(もう少し、もう少しだけ、我慢してみよう。ちょっとだけ気持ちいいし)
胸に広がる快感に、早くも負けてしまいつつあることに、リリーはまだ気付いていない。
今、彼女は、自分の胸を優しくまさぐる指と、
そして背中に触れる小さなしこりに心を奪われていた。
(もしかして、シスカさん、乳首……固くなってる?)
自分の想像に顔を赤らめる。
が、リリーの背中には柔らかい感触の他に、小さな固い感触もあるのだ。
(やっぱり、これ、そうだよね……)
と言って、まさかそんな事をシスカに言う訳にもいかず、
結局そのままシスカのなすがままにされていると、だんだん身体が火照ってきてしまう。
「いいのよ、あなたには色々お世話になっているし。
それにね、私は一人娘だから、なんだかあなたの事が妹のように思えるの。ほら、手も洗ってあげる」
そんなリリーを知ってか知らずか、
シスカはリリーの手を取ると、爪先から指の間まで丹念に洗い始めた。
「んっ……」
シスカの情感を込めた動きに思わず声が出るリリー。
気持ち良い、と思ったものの、まだ男性経験も無く、
そのような場所でも快感を得る事が出来る事など知らないリリーは自分の吐息の理由が判らない。
だから、そのままシスカを受け入れてしまう。
「そんな……あたしこそ、シスカさんみたいな人がお姉さんだったら、って」
「ふふっ、嬉しいわ。これからもよろしくね、可愛い妹さん」
シスカがリリーの両腕を洗い終えた時、リリーは目を閉じて呼気を荒げ、
すっかりシスカに身を任せていた。
「さ、足も洗うわよ」
「あ、いえ、前は自分で洗えますから……」
「だめよ。今日はお姉さんが綺麗にしてあげる」
それでもシスカがそう言うと、さすがに抵抗を見せたものの、
シスカは彼女らしい強情さで足を取って洗い始めた。
「そ、こ、汚いです……」
本当はそれ以外の理由から、
リリーは自分の足の指先を洗い始めたシスカに拒否してみせるが、
くすぐるようなシスカの指の動きにすぐ言葉を失ってしまう。
「や、ぃゃ、ぁぁっ……」
シスカの指が、指の腹に触れた時、
甘痒い感覚に思わずリリーは足を引いて逃げようとする。
「こら、あんまり動かさないで。洗いにくいでしょ?」
しかし、ふくらはぎを抑えこまれると、指先までつん、と反った状態でそれ以上動かせなくなってしまった。
親指の付け根から、順番に、丁寧にシスカの指が入りこむ。
観念したリリーはぎゅっと目をつぶって覚悟を決めたが、
すぐに我慢出来なくなって薄目を開けてみると、
シスカが愛しそうに自分の指を洗っている光景が視界に入った。
(シスカさんが、あたしに……ひざまづいて、指を洗ってる……)
そう考えると倒錯的な興奮がリリーの背中を走り、下腹部へと抜けていく。
(気持ちいい……やだ、すごく、濡れちゃう……)
自分の身体の芯から熱い蜜がこぼれ出すのを感じる。
だから、足の指を洗い終わったシスカの手がそのまま太腿へと登ってきても、
もうリリーは拒絶しなかった。
シスカはあくまでも優しく、時間をかけて揉みほぐすように太腿を洗っていく。
「うらやましいわね……」
シスカの呟きでリリーが我に返ると、シスカはリリーの足を挟みこむようにしていた。
少し足を開かされていて、シスカの位置からは恥ずかしい所が丸見えになってしまっている。
「え、あ、何がですか?」
さすがに、濡れてしまっている事は知られたくない。
さりげなく両手で隠しながら、その場を取り繕う。
「腿がね、女の子らしく柔らかくてうらやましい、って言ったのよ」
言いながら、もう充分に泡だっているリリーの太腿をさする。
「聖騎士を目指す時から諦めてはいるんだけど、でもやっぱり」
きゅっ、っとリリーの足を挟みこんでいる腿に力を込める。
「ほら、筋張ってしまっているでしょう?」
確かにリリーは足の横側にシスカの、固い太腿を感じた。
けれど、それ以上につま先に感じる、濡れた感触の方が気になってしまう。
(え、これって、シスカさんも濡れてる……ってこと?)
「どうしたの?」
「あ、いえ、なんでもないです」
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