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「お願い……です、少し、待って……」
絶頂の波が引ききっていない菊理姫は訴えるようにイシュタルの手を探すが、
イシュタルはその手を自分の口元に運ぶと爪を舌で刺激し始めて、
それさえも快楽の手段としてしまう。
「やっ……! イシュタル、様……」
白魚のような、としか形容しようがない清らかな指を、
俺のペニスを咥える時のように頬がへこむほど強く根元まで吸い上げ、
中で舌がどのような動きをしているのか淫らな想像を掻きたてる。
「はぁっ……」
菊理姫の背中を駆け上った痺れが口から漏れる。
その甘い音色に惹きつけられた俺は、負けじと菊理姫の感じる場所を探ることにした。
わざと一番敏感な場所を避けて内腿の付け根に舌を這わせると、
そのまま足を抱きかかえるように持ち上げて、足先へと唾液の筋を残していく。
所々唇の先で噛んでやりながら踝まで辿りつくと、邪魔な足袋を脱がせた。
「主様……そこ、は……」
神でも足先はやはり恥ずかしいらしい。
考えてみれば当たり前のことに俺は何故かひどく興奮してしまって、
菊理姫の踝を掴むと指先にキスをする。
「ふぁ……主様、だめ……です……」
セックスすら初めての菊理姫にするには少し倒錯的な愛撫かとも思ったが、
月灯りに青白く染まった肌はどうしようもなく俺を誘う。
快感から逃れようとしているのか、くの字に折り曲げた指が可愛くて、
唾液を指の付け根のくぼんだ所に擦りこむ。
「ぁ……! ふ、ぁ……」
くすぐったさに震える指が俺の顏を叩く。
右腕と左足、身体の両端から押し寄せる愉悦に、菊理姫の残された手足が宙をさまよう。
俺はすぐに終わらせてしまうのが勿体無くて、
イシュタルと同じように一本ずつ丹念にしゃぶっていった。
「ん………主様、お願……い……うむっ、ん……」
菊理姫は執拗に足を舐める俺に何かを言おうとしたようだったが、
その声が途中でくぐもったものに変わる。
何事が起こったか目だけを動かしてみると、イシュタルが彼女の上半身に被さってキスを始めていた。
イシュタルのキスは俺よりも柔らかく、そして長い。
まるで別の生きもののように蠢く舌は、俺でさえ蕩かされそうになってしまったことが何度かある。
二人目のキスでイシュタルの洗礼を受けることになった菊理姫に少しだけ同情しながら、
たっぷりと彼女の足を堪能した俺は彼女の身体の中心を目指した。
辿りついたそこは、これだけ濃厚な愛撫を受けていてもまだほとんど開いてはいなかった。
蜜だけをおびただしく溢れさせながら、穢れを拒むように頑なに門を閉ざしている。
叢は手入れなどした事がないのだろう、豊かに茂り、彼女の秘唇を覆い隠していた。
厳重に隠された菊理姫の女芯の包皮を剥き、
初めて外気に触れる桃色に輝く宝石を軽くつまんでみる。
「や……やあぁっ!」
これまでに無いほど菊理姫の反応は激しく、多くの女性と同様、
そこが最も弱い場所であることを俺に知らせる。
「そんなに…気持ち良かった?」
「は……はい……」
快感に頭が痺れてしまったのか、俺の恥ずかしい質問にも素直に頷く。
あまり続けて刺激しては辛いだろうと思いながらも、
俺はつい黒々とした繊毛の中で控えめに存在を主張する肉芽に舌を寄せた。
「いや、いや、主様……ぁ、ぁふ……」
俺の頭に菊理姫の指が食い込む。
それは彼女の感じている快感な気がして、俺は思いきって薄桃色の宝石を咥えてみた。
「ぅ………ゃ、ゃぁああっ……!」
淫声が弾け、菊理姫の身体がしなる。
腰を軽く浮かせて熱い蜜を秘裂からあふれさせながら、
菊理姫の全身は二度目の絶頂でゆっくりと弛緩していった。
「ねぇ……そろそろしてあげないと可哀想よ」
既に二回も達せられてしまっている菊理姫はもう理性も残り少ないのか、
ぼんやりと口を開けながら、焦点を失いはじめた目で俺を見つめている。
「あ……あぁ」
菊理姫の初々しい反応につい夢中になってしまっていたが、確かに、
恐らく自分で慰めたこともないだろう彼女に少し無理をさせすぎたかもしれなかった。
ぐったりとしている菊理姫の足を押し割って貫通の儀式を行おうとした俺は、
ふとあることに心付いてイシュタルに尋ねる。
「な、なぁイシュタル。神様の処女って人が奪っちまっても良いのか?」
良くは解らなかったが、人間と交わって処女を失うと、神性をも失ってしまうのではないか。
俺はそう疑問を抱いたのだが、イシュタルの答えはあっさりとしたものだった。
「さぁ? 大丈夫じゃないかしら。判らないけど」
「お、おい……」
無責任な言い草に俺は腹を立てたが、菊理姫はもう我慢出来なくなってしまっているようだった。
潤んだ瞳で俺を見ると、一流の娼婦でさえ出来ないだろう表情で懇願する。
「お願いです……私……私にも、契りを……教えて、ください……」
「ほら、この子もこう言ってるんだし」
イシュタルに煽られて、俺も覚悟を決めた。
何かあったらあった時だ。
ようやく男根を迎え入れる程度には開いた花弁に、切っ先を押し当てる。
「……いくよ。息を吐いて」
侵入してくる異物を押し返そうとする強い力に抗いながら、
ゆっくりと、しかし途中で止めはせずに一気に奥まで押し入れた。



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