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「んんーっ……!」
いきなり胸を触られて明日香が身じろぎしたが、幽花がキスを解こうとしないのでそれ以上のことはできない。
幽花は抵抗する気配さえなく、明日香とのキスに没頭していた。
若干の間抜けさがあるのはあえて考えず、九龍は二人の少女の乳房を同時に触れるという幸運を噛みしめることにする。
触りごたえがあるのはやはり明日香で、掌から優にあふれだすサイズの乳房はみずみずしい弾力に満ちている。
手を揉むように動かしても肉果はしっかりとそのボリュームで応え、欲望を心ゆくまで堪能させてくれるのだ。
「んんぅ……」
指全体に柔肉の質感を染みこませるように愛撫していると、明日香から鼻にかかった吐息が聞こえてくる。
キスと同時の刺激はやや強すぎるらしく、手首を握ったりもしてくるが、
動きを止めさせるまでには至らず、かえって欲望を炙られてしまうのだ。
左手でゆっくりと揉みしだく動きはそのままに、乳首への愛撫も始める。
キスで充分に昂ぶっているのか、それとも感じやすい体質なのか、
胸の頂はほどなくその存在を主張し始め、九龍の指先に確かな硬さを伝えてくるようになった。
女としての反応を示す明日香に興奮をしつつ、その反応を幽花にもさせてやりたいと考えた九龍は、
今度は右手に意識を集中させた。
幽花の胸はやはり小さく、柔らかさにも欠けている。
揉む動作もほとんどできず、九龍は掌で円を描かせるように愛撫するしかなかった。
「ん……」
それでも、キスの途中に漏れる掠れた声は、幽花が少しずつではあっても感じていることを伝えている。
少し無理な体勢ながら九龍は手を休めず、二人の乳房を同時に愛撫した。
「あっ……ん……」
「んっ……ぁ……」
二つの音程も音量も異なる吐息は、奇妙に重なって響く。
明日香と幽花のキスを見ながら声を聞き、それぞれの乳房まで揉みしだいて、
九龍はこの恵まれた境遇を存分に堪能した。
しかし、女性二人の乳房を揉みくらべてみると、どうしても違いが気になる。
キスを終え、身体を離しつつもうっとりと見つめあっている明日香と幽花をさらに見比べた九龍は、
ためらいつつも、幽花と行動を共にするようになってからずっと抱いていた疑問を口にした。
「幽花は……サラダ以外のものもたまには食ってんのか?」
この質問はずいぶん意表を突いたようで、幽花は切れ長の目を数回しばたたかせた。
「……ええ、ありがとう、気遣ってくれて」
どうやらはにかんでいるらしい幽花に、九龍の胸はあっという間に熱くなる。
目的はあくまでも秘宝の入手であり、全くそんな必要のない古代超科学文明の遺産を命を賭けてまで倒したのは、
惚れた女に笑っていて欲しいという、他の『宝探し屋』はもちろん、
明日香や皆守にさえ爆笑されるであろう理由だった九龍にとって、
この少女の微笑みは、どんなオーパーツよりも貴重に思われるのだった。
「今度さ、何か作ってやるよ。これでも結構料理できるんだぜ」
「あ、あの……ありがとう……」
「やっぱ九ちゃん白岐さんにはずいぶん優しいよね、あたしのことなんか心配もしてくれないのに」
「遺跡のゴミをフライドチキンと見間違えるような奴の何を心配しろってんだよ」
いいムードを台無しにされて、九龍の口調がやや辛かったのはやむをえない。
そして幽花に同性の少女への思慕を向けさせるに至った太陽の如き朗らかさを持つ少女は、
冷たい北風など気にもかけずに反論した。
「だってー、部活が終わってから潜るんだよ、お腹ぺっこぺこなんだから」
「おかげで俺は毎回非常食を補充させられたけどな。非常って意味知ってるか?」
「あたしのお腹がピンチなんだから非常事態でしょ、あってるじゃない」
「ッたく、大赤字だったんだぞ今回の仕事は」
食費を請求するようなセコいことはさすがにしないが、無視できない額ではあったので、
嫌みのひとつくらいは言っても良いはずだ。
ところがそんな九龍の思惑も、聞き手にはまるで通じなかった。
「そういや九ちゃん、『秘宝』って手に入んなかったんだよね、怒られたりしなかったの?」
「……お前な、人がせっかく忘れようとしてることを……」
「あ、それじゃやっぱり怒られたんだ」
「怒られた、ってわけじゃねぇけどよ」
もとより期待していなかった、と言わんばかりの『協会』の態度は、
『宝探し屋』として華々しいデビューをもくろんでいた九龍を打ちのめすに充分すぎるもので、
若きハンターは返信が表示された携帯端末の前でどれくらいの間唇を噛んでいたかわからない。
次の任務をさっそく寄越すあたり、まだ『協会』から見捨てられてはいないのだろうが、
今度こそ任務を達成してやるという決意は九龍の裡に太い根となって張られていた。
もっとも、一方で古代の科学が生んだ忌まわしい落とし子を倒したという事実は、
神話の世界に一歩踏みこんだような気分に九龍をさせ、
まさにそういった考古学者よりは冒険者兼勇者に憧れる心を大いに満足させていたのだった。
「まあいいよね、九ちゃんはあたし達っていう『秘宝』を手に入れたんだし」
「……真顔でんな事言うか普通?」
それはある程度九龍も思ってはいたが、当人に言われると素直に頷けはしない。
神秘的、どころか本物の神秘であった幽花はともかく、
色気より食い気を地で行く明日香を秘宝と呼べるほど、九龍はまだ場数を踏んでいなかったのだ。
「えへへッ、でもそうだよね白岐さん。あたし達、九ちゃんが来なかったら友達にもなれなかったし、
こんな風になることもできなかったもんね」
「そうね、八千穂さん」
八千穂が笑うと幽花も応じる。
こんな風に幽花が笑顔を見せるようになったのは、明日香のおかげだというのは九龍も認めていた。
遺跡の秘密に深く関わる幽花ではあったが、それ以外のことがまったく不明だった幽花に、
九龍は二人きりだったら間が持ったかどうか、全く自信がなかった。
無駄な話とそうでないのと、とにかくのべつまくなしに口を開き続けている明日香がいなければ、
とてもではないが九龍は幽花と親しくなることなどできなかっただろう。
途中から探索に加わった幽花も、あまりにやかましい明日香に辟易していたようだったが、
いつのまにやら口数こそ多くないものの、それなりにやりとりをするようになっていた。
およそ浮世離れした彼女も良かったが、やはり女の子は笑ってこそだと思う九龍は、
幽花の笑顔におおいに発奮し、まるで情報のなかった大遺跡を踏破するという偉業まで成し遂げたのだった。
遺跡の崩壊によって『秘宝』が手に入らなかったのは痛恨ではあるものの、
今回の経験はおおいに自信を与えてくれたという意味では、
確かに彼女たちは『秘宝』級の存在なのかもしれなかった。
ありがとう、と一言言ってしまえば楽になる台詞を言えないまま、九龍は二人の腕に触れる。
「ん? なに?」
「やっぱ、幽花はもうちょっと食べた方がいいかなって」
「んー、でも白岐さん今でも充分キレイだし」
「それはまあそうだけど」
「あたしは?」
「お前はこれ以上食ったらマズいだろ」
「そうじゃなくって!」
「なんだよ」
テンポの良すぎる二人のかけあいに幽花はついていけないようで目をしばたたかせていたが、
二人の会話が途切れると、少し遅れて笑いだした。
「お願いするわ、九龍さん。何か美味しい物を……私の分と、八千穂さんの分を」
それは幽花が口にした、二人が知る限り初めての冗談めいた台詞だった。
優曇華の花が咲くよりも珍しいかもしれない光景に出くわした二人は、
期せずして見つめあい、大きく頷きあった。
「九ちゃん頼むね、美味しいの三人分」
「任せとけ、今まで食ったことないようなの作ってやるよ」
女の子二人に頼られて、九龍は力強くうけあう。
するとその拍子に、九龍の身体の一部が揺れた。
九龍自身は全く意識もしていなかったその部分に惹きよせられたのは明日香で、
幽花に向けたのとは別種の笑顔を浮かべると、九龍ににじり寄り、その部分に手を伸ばした。
「エヘヘッ……さっきの続き、してあげるね」
「お、おい」
九龍の股間に顔を埋めた明日香は、少し力を失いかけている男性器に手を添えて支える。
まだ敏感な屹立はそれだけですぐにまた大きくなったが、明日香はそれにとどまらず、
そのまま顔を更に近づけ、雁首の付け根あたりに軽く口づけた。
「……っ……」
まさか食べ物の話をしていたから食べたいと思ったんじゃないだろうな、
という軽口を叩く暇もなく、唇が触れただけで、のけぞりそうなほどの快美感が九龍の背中を走った。
明日香は物怖じせずさらに舐めはじめ、舐める場所を少しずつ拡げていく。
あまりの気持ちよさに九龍が声も出せないでいると、幽花までもが明日香の横に並んで、
何をしているのか興味津々の態で覗きこんだ。
横目で幽花を見た明日香が、屹立から顔を離さないまま話しかける。
「白岐さんもやってみる?」
「……ええ」
おそらくは明日香がやっているから、だろうが、幽花は二つ返事で応じ、
明日香がしているように舌で舐めた。
「うっ……」
男の部分はたちまち爆発寸前になっていた。
幽花はまだ猫がミルクを舐めるようなぎこちなさだし、明日香も熱心だがそれほど上手ではなく、
快感が途切れ途切れになったりする。
それでも、足首まで届く長い黒髪をゆったりと流した美少女がかしずいて男根を舐めるのは
それだけでたまらない快感をもたらし、九龍はしばらく二人に奉仕される悦びを享受した。
「気持ち……いい?」
肉茎の左側を刺激していた明日香が訊いてくる。
そのすぐ横では幽花が顔を上げて、明日香の問いに対する答えに耳をそばだてていた。
「ああ」
九龍としては恥ずかしさをこらえて答えたつもりだったのに、明日香は不満そうに頬を膨らませる。
「もうちょっと嬉しそうに答えればいいのに」
「気持ち悪いだろうが、男が感じて気持ちよさそうにしてたら」
「いまさらカッコつけたってしょうがないのにね、白岐さん」
「え? ええ……」
明日香に話しかけられると、二回に一回は困惑する幽花だった。
もちろんきちんと答えたいと思ってはいるのだが、絵と花と、
あとはいくらかのことにしか知識がない幽花にとっては、
明日香の問いはほとんど全てが無理難題と言ってよかった。
それでも、なんとか二人の会話に加わろうと、幽花は言葉を選ぶ。
「あの」
「ん?」
「あの……九龍さんは、格好を……つけていたの?」
「……」
明日香と九龍はぱたりと動きを止め、まじまじと幽花を見つめる。
また何かとんでもないことを聞いてしまったのだろうかと幽花がうつむくと、
小さなしゃっくりのような音が聞こえてきた。
それはすぐに大きな笑い声になり、幽花は驚いて顔を上げた。
「ほら九ちゃん、白岐さんには全然伝わってないよ」
「うるさいな、そんなに笑うこたぁねぇだろ」
「だ、だってさ、くッ……おかし……っ、ダメ、くるしいっ」
明日香は本当に可笑しいらしく、腹を押さえて笑っている。
なぜ彼女が笑うのか判らない幽花は、この場にいるもう一人に答えを求めた。
「別にカッコつけてたわけじゃねぇけどよ」
真摯な瞳に見つめられ、九龍は男は何も知らない同世代の女の子二人の前では、
どうしても見栄をきりたくなるものだ、と赤面しながら説明した。
隣ではようやく波の去った明日香が、まだ腹を抱えながら目を拭く。
「はー、こんなに笑ったの初めてだよ、死ぬかと思った」
「……」
九龍は明日香をじっと睨みつけており、場の雰囲気を一変させた幽花は、
どう対処すればよいかわからずおろおろするばかりだった。
「あの……九龍さん、ごめんなさい」
「あ、いや、幽花が謝ることじゃないって」
真摯に頭を下げる幽花に、今度は九龍が狼狽する。
もとより本気でふてくされていたわけでもないのに好きな女性に謝られては、
男の器量が下がること、高楊枝どころではなかった。
「そうそう、白岐さんはちっとも悪くないんだから」
ここでようやく笑いが収まった明日香が、したり顔で割りこんでくる。
そもそもお前が笑わなければ良かったんだ、と目で訴える九龍などどこ吹く風で、
すっかり中断していた行為を再び始めた。
「ほら、今度は声出してよ。白岐さんだってその方がいいって」
幽花をだし(に使う明日香に反撃してやりたい九龍だったが、
それよりも先に性器に快い刺激を与えられて黙らされてしまった。
「ん……」
今度はいきなり早いリズムで舌を動かされて、去っていた恍惚が急速に戻ってくる。
快美感に九龍は思わず腰を跳ねさせてしまったが、明日香は茶化したりせず口淫を続けてくれた。
さらに、その隣ではやや遅れて幽花が奉仕を始めると、
微妙にずれる二人の舌の動きが、急速に九龍の快感を高めていった。
「あ……ぅっ」
退いては訪れる快楽の波に、九龍ははっきりと喘ぐ。
後にも先にもこんな強烈な快感を受けたことはなく、もう唇を噛んで我慢するのも限界だった。
「はむっ……んっ……」
熱い肉柱を舐めているうち、明日香も変な気持ちになっている。
少し舐めるだけでびくびくと跳ねる九龍がなんだか可愛らしくて、
もっと感じさせてあげたいと思いはじめた明日香は、身体を起こし、
九龍の股の間に座り直した。
「ね、白岐さん、ちょっといい?」
幽花に舐めるのを止めさせ、屹立を斜め上から見下ろす。
逆ハート型のようなへんてこな先端の大きさを、一旦口を開けて測った明日香は、
そのまま思いきって咥えこんだ。
「っ……!」
口いっぱいに広がる、奇妙な味。
おまけに思っていたよりも大きく、ホットドッグを食べる時よりもまだ口を開けていなければならない。
それでも明日香は少しずつ、九龍の大事な部分を口腔に収めていった。
「んっ……ふ、ぅ……」
熱い塊を乗せた舌を、慎重に動かす。
喉から入ってくる臭いやら熱やらを飲み下すと、お腹がかっと燃えた。
それは、でも不快ではなくて、明日香はもう少し続けることにする。
「んふ……」
口の中から唾がこぼれそうになって啜ると、九龍が小さく叫んだ。
痛がらせちゃった、と思い咥えたまま見上げると、意外にも九龍は怒るどころか、
慌てたように口を手で押さえ、そっぽを向いてしまう。
もしかして、ともう一度、今度は意識して吸ってみると、
今度も九龍は声をあげたけれど、何も言ってはこなかった。
(九ちゃん……気持ちいいんだ)
なんだか嬉しくなった明日香は、張りきって舌を動かしはじめた。
初めてのフェラチオは、想像以上の破壊力だった。
明日香だって初めてだろうに、いきなり吸ったりするものだから、たまらず喘いでしまった。
明日香はむしろ嬉しそうだったが、まだ照れの大きい九龍としては、
あまり感じさせられてしまうのも格好が悪いと思うのだ。
このままでは分が悪い、と考えた時、九龍の視界に漆黒の髪が映った。
明日香がフェラチオをしているため、幽花は手持ちぶさたになってしまっている。
没頭する明日香の顔を覗きこむ幽花に、九龍は明日香に気づかれないよう肩をたたき、背中を指さした。
意図は伝わったようで、身体を起こした幽花は丸められている明日香の背中に顔を寄せ、無音でくちづけた。
「ひゃっ!?」
不意打ちに背を反らせる明日香の、九龍が頭を押さえる。
二人の連携に明日香はなすすべもなく、幽花の愛撫を受けいれるしかなかった。
「八千穂……さん……」
幽花は低い声で呟きながら、何度もくちづけを繰りかえす。
長く、短く、強く、弱く、さまざまなキスをさまざまな場所に、飽きることもなく浴びせた。
唇が触れるたびに小さく震える明日香の肌の、全てを味わい尽くそうとするかのように。
「白岐さん、待って……今は九ちゃんの番、だから……っ……!」
身をよじり、止めさせようとする明日香だが、幽花はしっかりと連なる肢体を押さえ、
ひたすらに愛撫を繰りかえす。
それほど技巧に富んではいない、ただキスと舐めるのとを繰りかえすだけでも、
充分に昂ぶっている明日香には無視できない刺激だ。
しかも左の頬は九龍によって男性器を押しつけられて、
混乱した明日香は次第に何も考えられなくなっていった。
「やっ、あん、っあ……! 熱、いよ……! やだ、こん、なの……っ……!」
一足飛びに増えていく火照りが、怖くなって悲鳴をあげる。
けれども九龍も幽花も人が違ったかのように言うことを聞いてくれず、
明日香はなすすべなく責められるばかりだった。
「ん……ふ……んっ……」
唇が触れるたび、想いが募っていく。
白くて温かい明日香の肌の全てを確かめるように、幽花はくちづけを放ち続けた。
それでもあふれる想いは制御できず、舌も使って明日香を感じようとする。
「ひゃ、んっ……!」
幽花の真摯な想いは、背中を通して明日香に伝わる。
身体の奥に、心の奥に――
ゆるやかに、逃れようもないほどに。
それは怖いくらいに熱く、そして、気持ち良かった。
背中から腰にかけてを、幽花は夢中で愛撫する。
どこを舐めているかはほとんど幽花の眼中になく、腰の下端まで来ても、
そこで飽きたらずさらに下を目指した。
なだらかな背中を下りた先にある、ふっくらとした膨らみの、さらに奥へ。
「し、白岐さん、そこ違……ッ!」
明日香は悲鳴をあげ、身をよじってやめさせようとする。
それを九龍が押さえつけ、幽花が明日香の尻孔をも愛撫しようとするのを手伝った。
「ひッ、汚いってば、白岐さんっ、ひっ、ん……!」
幽花が尻の谷間にほとんど顔を埋めているので、明日香も大きくは逃れられない。
おまけに九龍に押さえつけられていて、小さなすぼまりはいいように蚕食されてしまった。
「あ……あぁぁ……」
幽花の舌は薄褐色の孔を余すところなく舐めていく。
大きなヒップを押し割り、逃れようと抵抗を試みるたびひくひくと収縮するアナルをねぶり回し、
さらにはその中にさえ舌をこじいれようとした。
「ひ、ぃ……っ、白岐、さ、ん……っ」
もうフェラチオなどする余裕もなく、明日香は人生初体験となる快楽を享受するほかなかった。
幽花の舌がぬらぬらと動くたび、背筋をぞわぞわと這いあがるものがある。
ごく小さな場所をごく小さく触れられているだけのはずなのに、全身が痺れるような感覚に陥ってしまうのだ。
「あ、うう……」
しかも幽花は何が気に入ったのか、一向に愛撫をやめようとはしない。
か細い手のどこにそんな力があるのかというほど両の尻たぶを開かせ、露にした小さな孔に舌をねっとりとあてがう。
白い丘の深い谷間に時折覗く濃紅は異様なまでの淫靡さで、
フェラチオを中断されたのも忘れ、九龍は幽花が明日香の尻孔を責めるのを凝視していた。
「ん……ぁ、はぅんっ! ……ひ、ぅ、うぅ……!」
肌が桜色に染まるにつれて、明日香の声が喘ぎへと変じていく。
普段小気味よい、というかうるさいくらいの歯切れの良い明日香の声が、
ねっとりと連なった、吐息にはっきりと熱を感じる淫声に変わっていくのは、
まだ唾液も乾いていない屹立に昂ぶりをもたらしてやまなかった。
「うう……ひどいよ、白岐さん」
「あ、あの……ごめんなさい、夢中になってしまって」
幽花が一息ついたおかげで、ようやく身体の中心を侵食していく感覚から解放された明日香が、
口を尖らせて恨み節を奏でる。
睫毛を伏せて意気消沈している幽花にはそんな顔をして欲しくないとも思うけれど、
いきなりお尻を舐めるのは、やっぱりまだ早すぎると思うのだ。
それに夢中になった、というのもなんだか怖かった。
ところが、そんな明日香の肩越しに、九龍が語りかける。
「別に謝ることはねぇよ、こいつすっげぇ感じてんだから」
「ばッ、馬鹿ぁッ!」
九龍はうなりをあげて飛んできた平手をかわし、その腕を掴むと、
素早くもう片方の腕も掴み、明日香の身動きを封じてしまった。
「ほら幽花、もっとしてやれよ」
「やッ、ちょっ、離してよ九ちゃん!」
身の危険を感じた明日香は暴れるものの、いくら豪速球を繰り出す筋力があっても男の力にはかなわない。
加えて今の明日香は、ほぼ二対一の状況だった。
「ひゃうっ、白岐さん、駄目だってばぁっ!」
がっぷり四つに組んで九龍と力比べをしていた明日香が、いきなり跳ねる。
がらあきのヒップに、幽花がまた舌を這わせだしたのだ。
「んんーっ……駄目だよぅ、白岐、さ……」
もう迷いはなくなったのか、幽花は明日香の一点のみを執拗に責めたてていた。
やや大きめの丸い臀部を左右に押し割り、さきほどの刺激でまだ敏感なままの薄褐色のすぼまりを舌先で刺激する。
寡黙な少女という普段の印象からは想像もつかないほど舌を淫靡に操り、
明日香のアナルを、周縁部だけでなくその内側をも舐めた。
「ひ、う……嫌……ぁ、変な、感じ……」
排泄器官に与えられる生温かな感覚に、明日香は気持ち悪さだけでないものを感じているようだ。
幽花の愛撫が上手いのかもしれないが、九龍の上に跨ったまま、
幽花から逃れるともつかぬ微妙な状態で動きを止めている。
苦しげな、痛みに耐えるような表情から、次第に緊張が溶けていった。
代わりに浮かびあがるのは、咲きはじめた淫らな花だ。
自分でもほとんど触れないような場所を、
舌先でこじあけられ、開いた孔を舐めほぐされていく。
嫌悪はまだ消えてはいないものの、時に中にまで入りこんでくる舌は、
ぞわぞわした奇妙な感覚を背筋に送りこんできた。
たまらず腰を突きだして逃れても、次の瞬間には追いつかれ、
またねろねろと孔を舐められてしまう。
そうしているうちに明日香は、だんだんとお腹の辺りに火照りを覚えていくのだった。
同性のアナルを舐めるというひどく倒錯的な行為を、幽花はためらいもせず続けていた。
舌が這うたびにきゅっと縮む小さな孔が愛おしくて、幾度もくりかえす。
ほのかな苦味も異臭も苦にはならなかった。
くちづけを交わすようについばみ、唇でなぞり、舌で舐めまわす。
ほぐれてきた孔に舌を挿しいれ、内側をも舐めて、幽花は、
明日香の身体に淫らな花を咲かせようと夢中で世話をしていた。
明日香の尻に顔を埋める幽花の姿は、異様なエロティシズムを見る者に与えていた。
といっても観客はたった一人で、しかもそれは見せるために行われているのではない。
頭上から、乱れ、広がる黒髪を気にもせず、ひたすら少女の禁断の孔だけに愛を注ぐ。
注がれている少女はいくつかの禁忌に覆われた苦悶の表情を浮かべながら、
それを内側から破ろうとする淫らな情動に必死に耐えている。
いかなる秘宝に勝るとも劣らない、少女二人の絡みあう肢体を、
たった一人鑑賞できる僥倖に預った九龍は、
それだけでは飽きたらず、さらなるモチーフを少女達に与えようとしていた。
目の前で熱い吐息を何度も吐く明日香の、
まるで無防備になっている胸に九龍は吸いつく。
意外に大きなバストはいかにも柔らかそうな形をしていて、乳首がつんと上向いているかなりの美乳だ。
両手がふさがっている九龍は、ほんのりと淡い桜色の乳首を器用に口で咥えた。
「ひゃんっ! きゅ、九ちゃんっ!」
新たな責めに明日香が抗議するが、むろん九龍は聞く耳をもたない。
口の中で跳ねる蕾を逃すまいと唇を乳房に吸着させ、舌に円を描かせた。
「ん……っ」
握った明日香の手から力が抜けていく。
二箇所を同時に責められてはたまらないのだろう、膝立ちでこらえていたのにも限界が訪れたのか、
へなへなと九龍によりかかってきた。
九龍はむろんその身体を受けとめてやったが、それは同時に幽花に対して尻を突きだす格好にもなる。
そして幽花はといえば、明日香の上半身の変化などお構いなしに大きなヒップに顔を埋め、
谷に咲く禁断の花に舌を這わせ続けていた。
「いや、あ……ん……あ、ぅ、んんぅ……」
どういう素質があったものか、幽花はアナルだけを責めている。
明日香が多少尻を振ったくらいでは蛸の吸盤のように吸いついて離れず、同級の少女の排泄の孔をただひたすらに弄んでいた。
その執拗さは九龍でさえ気の毒に思うほどで、明日香はもう肛虐の快楽を教えられてしまったのか、
胸に劣らず豊かなヒップを小刻みに震わせていた。
「あう、ぅ……」
泳いでいた明日香の目と、九龍の目が合う。
身体の中に生まれかけている感覚をどうすれば良いか戸惑っているのがありありとわかったので、
九龍は揺れている天秤の片方に重りを乗せてやることにした。
乳首を甘噛みしたまま、幽花が手をつけていないもうひとつの穴を探る。
うっすらと濡れはじめている秘唇は、指先が入り口をなぞると物欲しそうにひくついたが、
九龍はそこではなく、その上端にある莢に触れた。
「あ……っ……!」
肩に置かれた明日香の掌から、じっとりと湿り気が伝わってくる。
その力は強く、弱く、不規則に波打っていて、必ずしも九龍が愛撫した時だけではない。
自分以外の愛撫で感じる明日香に、九龍はむしろ興奮して、幽花の邪魔をしないよう、
その蠢く舌を手助けするようにクリトリスを刺激した。
「んっ、あ……! や、だ、からだ……変……っ……!」
明日香は順調に快楽に流されているようだ。
もうすでにどの快感がどの愛撫なのか、たぶんわからなくなっているのだろう、
小さく身を震わせてはいても、尻をかばうような仕種はしなくなっていた。
あるいはもしかしたら、アナルへの愛撫が一番感じているのかもしれない。
それほど幽花は一心に、その濃紅の舌を操って明日香の秘菊を弄っていた。
これが、たとえば九龍にアナルを触りたいと頼まれたところで、明日香は断固として拒否したに違いない。
愛撫したのがおよそ俗世とか欲望とかいったものから縁遠そうな幽花だったからこそ、
明日香は断ることもできず受けいれてしまったのだ。
そして一度許してしまえば、幽花は偏執的ともいえるくらいねちっこく禁断の孔を刺激し、
それでなくても三人一緒にという異常な状況の中で、明日香の禁忌を少しずつ、
コーヒーに入れた砂糖のように溶かしていくのだった。
「九……ちゃ……」
身体の中からせりあがってくる、今まで経験したことのない感覚にとまどい、明日香は九龍に助けを求めようとする。
しかし今の状況を作った張本人といえる九龍が助けるはずもなく、
同級の少女からの責めに身体をわななかせるばかりの明日香は、唇を強く塞がれてしまった。
「んッ……! ん……ん、ぅ……」
キスといえば唇を合わせるだけだと思っていた明日香にとって、
唇を舐め、舌を口の中にさえ入れるキスはあまりに刺激が強く、それだけで気が遠くなってしまう。
まして下半身には同じクラスの少女がいて、ほとんど意識さえしたことのないところを舐め、
息もできなくなるような感覚をたえまなく送りこんでくるのだ。
性に目覚めたばかりの明日香に到底耐えられる刺激ではなく、桃色に汗ばんだ肌が、
しだいに小刻みな痙攣をはじめていた。
「……っふ、ん、んぁ……」
九龍と幽花の舌が、身体の上下から責めてくる。
身体の中に入りこんでくるふたつの舌は、次第にひとつの感覚となって明日香を蕩かしていった。
汚いところを舐められている、という意識も薄れ、熱くて甘い、
焼きたてのクリームたっぷりのワッフルのような快感だけが肌をなぶっていく。
自身が綿あめのようなふわふわのかたまりになっているのも気づかず、
九龍と幽花に身を任せる明日香だった。
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