<<話選択へ
<<前のページへ 次のページへ>>
(2/3ページ)
「あっ、は……せん、せい……」
薄い桃色をした、鋭敏な感覚が詰まった尖りを、葵がマリアの同じものに押しつける。
マリアは彼女の望むように乳房を合わせてやりながらも、淫猥なキスを止めはしない。
葵の舌を包み、口の中に戻してやると、彼女の口腔内で舌を虐めた。
恍惚の吐息が満ちる洞は中をまさぐる異物を拒むどころか歓喜に震え、自ら迎え入れる。
「あ……ぅ……」
喉にまで入ってくるようなマリアの長い舌は、葵が弱い上顎を重点的に責めた。
一杯に開かせた口腔を蹂躙する粘質の意思で、
羞恥と快楽の狭間で漂う葵を誘うように隅々までねぶる。
「はっ……ぁはっ……」
葵は担任に呼気を浴びせるのを遠慮しているのか、
喉の奥で生まれる喘ぎが苦しそうなものに変わってきていた。
それと知りつつも、マリアは彼女を解放しない。
紅潮していく葵の顔を細目で愉しみながら、泡立った舌を歯列になすりつける。
「や、ぁ……へんへ、い……」
葵が懇願するように出した声は、口を閉じさせてもらえないために、彼女にしては間が抜けていた。
それを自覚したのか、彼女は身体を強張らせる。
開かされたままの口から涎が、涙の如く伝った。
混じりあった乳房でそれを受けとめたマリアは、
満足な酸素を得られずに意識を朦朧とさせはじめた教え子の舌を、ひときわ強く吸い上げた。
「は、ぁ……っ」
力の抜けた鼻息と共に、舌を歓喜に震わせ、葵は軽い頂に昇り詰めた。
葵をキスだけで絶頂に押しやったマリアが、恋人のようにしがみつく彼女を寝かせてやると、
呆れ、かつ淫蕩な笑みで絵莉がこちらを見ているのに気付いた。
「あなた……その気もあったの?」
「知ったのは最近だけれどね」
マリアが同性の味を知ったのは、教え子の存在に拠るところが大きかった。
淫らでありながら清楚さを失わない彼女は、マリアから見ても欲望をそそる対象であり、
熟れた情欲をぶつけるには格好の獲物だったのだ。
ぐったりと横たわりながらも手だけは離そうとしない葵に、
苦笑いしつつ髪を整えてやっているマリアを見て、絵莉は頷く。
「確かに、葵ちゃんは可愛いけれど」
「でしょう? それにこの子、上手いのよ」
臆面もなく言い放ったマリアは、信頼とそれ以上のものを湛えて見上げている教え子に覆い被さった。
「せん……せい……」
期待に満ちた囁きに応えるべく、マリアはくちづけを与え、
まだくすぶっている肢体に愛撫を施す。
葵はさながら恋人同士のように腕を巻きつけ、足を絡め、
年上の女性との爛れた交わりに耽りはじめた。
絵莉は休む間もなく身体を重ね、嬌声を弾けさせる二人を、いささか呆れたように見やった。
その拍子にこの場に唯一いる男の、先ほど搾ったばかりの屹立が、もう勃起しているのが目に入る。
目の前で教師と同級生の禁断の交わりを見れば当然なのかもしれないが、
数えるだけで今日三度目、しかも昨日も同じ数をこなしているのだ。
「凄いわね……文字通りの絶倫って、初めて見るわ」
率直な感想を口にしながら、絵莉はさりげなく年下の少年の上に跨った。
下腹を叩く怒張の熱は、彼女を酔わせずにはいられない。
疼く子宮を満足させるべく、絵莉は龍麻を待たず、自分から屹立を掴み、胎に導き入れた。
「あッ、くぅ……ッ」
わざと荒っぽく腰を沈めてみる。
肉を掻き分ける杭は硬く、身体の中心まで貫かれたような感覚が神経を満たした。
結合部に触れ、体内に収まっているものの太さを確かめると、それだけで恍惚に身体が震えてしまう。
更に腰を下げ、膣の奥まで亀頭に抉らせてみるが、龍麻は薄い笑みを湛えたままだ。
余裕の表情を崩さない年下の男を快感に打ち震えさせたくなって、
絵莉は鍛えられた腹に手を置き、腰を使い始めた。
「う……っ、ぁ……」
しかし呑みこんだ肉茎の太さは予想以上で、いくらも動かないうちに強烈な快感が襲いかかってくる。
軽く息を吐き、動きを止めた絵莉に、龍麻が挑発するように笑った。
「フェラチオは上手いですけど、こっちはまだまだみたいですね」
「言ったわね」
負けん気の強さが顔を出し、絵莉は再び腰を振りはじめた。
まずはゆっくりと上下させてみる。
肉壁がこそぎとられる快感は長く続き、そして途切れることがなかった。
目一杯腰を浮かせても抜けることのない長大な屹立に、
抑えきれない悦楽を浮かべ、絵莉はまた腰を落とす。
「あ……ッ、く……」
熱が満ちる。
久しくなかった深い性の悦びに酔いしれ、それを与えてくれる男を絵莉は、
普段の彼女には微塵もない、他人にすがり、ねだる眼差しで見つめた。
「……」
龍麻は何も答えないが、力感に満ちた輝きの双眸を見るだけで絵莉は下腹がひくつくのを感じる。
職業柄何人もの眼を見てきた彼女だが、女を酔わせる眼を持つ男というのは多くはない。
その中でも龍麻は、最上級の瞳を持っていた。
この瞳を見ていると、何もかもを投げ出し、
己の裡にある淫らな欲望を全て解き放って傅きたいと願ってしまうのだ。
嬉々として彼に肢体を捧げていた葵とマリアを見て、最初絵莉は龍麻が薬のようなものを使ったか、
あるいは彼女達の弱みを握ったのではないかと思っていた。
だが龍麻は、己の肉体のみで彼女達を虜にし、そして自分という新たな獲物を加えたのだ。
自分と龍麻の結合部が奏でる粘り気のある水音を聞きながら、絵莉は彼の瞳から目を離せなかった。
黒く、深淵に誘うような奥行きを湛えた瞳は、
それが自分以外に向けられることを許容できなくなるほど絵莉を引き寄せる。
彼の眼光を得る為なら、どんな痴態を晒しても構わないと思わせるほどに。
「ぁあ……ッん……」
足を開き、膣の奥まで龍麻を咥える。
裂かれた肉壁が歓喜にざわめきながら、
柔と剛──あるいは陰と陽を象徴する肉茎にまとわりついていった。
下腹に軽く力を込め、肉茎を締め上げる。
「ッは、あ……っ」
だらしない官能の呻きを抑えられず、抑えようともせず、絵莉は
上下だけでなく、前後にも、果てには円を描くようにして怒張に媚肉を抉らせた。
そうして感じる場所を探っているうち、絵莉は手を後ろにつき、
軽く腰を突き出した時がもっとも気持ちが良いとわかってきた。
それは龍麻に結合部を晒す格好になるが、快楽をのみ追い求めている今の絵莉は、
むしろ積極的に淫らに繋がった部分を見せつける。
「は……あ、ン……」
雁首に上壁を擦らせると、意識が飛ぶほどの快感が流れた。
それを続ければ、壊れてしまう──わかっていながらも、腰を止めることはできない。
自らが作り出す粘液の水音を、もっと激しくさせたいと振りたててしまう。
頭の中を支配する欲望にのみ従い、絵莉は身体を淫靡にくねらせていた。
そこに、突然外部から新たな刺激が加わる。
「ひゃっ!」
尻に感じる異物感に、絵莉はあられもない悲鳴をあげてしまった。
いつのまに側に来たのか、マリアと睦んでいたはずの葵が背後から尻に触れてきていた。
「あ、葵ちゃん……? んっ」
快感のさなかに試したことはない孔をいきなり触られ、絵莉は戸惑う。
龍麻と繋がったまま後ろを振り向こうとすると、白く冷たい手に妨げられた。
赤く濡れた唇と、漂う濃密な女の香り。
目覚めた、という彼女と違い、同性に興味などなかったはずなのに、
湿った柔らかな感触と、間近で見る蒼氷色の瞳は恐ろしいほど絵莉を興奮させた。
塞ぎ、唇を割ろうとする舌をあっさりと受け入れ、贄を差し出す。
「ん……ぅ……」
目の前で行われていた淫靡な行為を思いだし、絵莉はその動きをまねた。
葵がされたようにマリアに口腔を蹂躙させると、
程なくもたらされた快感に、絵莉は目がくらみそうだった。
下腹部に迎えている快感と同時では理性が保たない。
そう感じた絵莉は、友人の舌を強引に引き剥がした。
しかしマリアは、嫉妬する気さえ失せる美しく膨らんだ唇をこれみよがしに舐めると、
力づくで再び唇を奪ってきた。
<<話選択へ
<<前のページへ 次のページへ>>