<<話選択へ
<<前のページへ 次のページへ>>

(2/4ページ)

「ところで、遠野サンの話だと、美里サン、アナタが頼んで同行してきた、ということだけれど」
 マリアの微笑は授業で当てた生徒が解らない、と答えたときに浮かべるものに近く、
真意を洞察するのは難しい。
 心ならずも嘘をつかされた葵としては、今が謝る絶好のタイミングだと考え、
実際に謝ろうとしたのだが、マリアの動きは葵の予測を超えていた。
 マリアが腹ばいにした葵を膝の上に乗せる。
何が起こったのかわからないでいるうちに、葵は突然、何かが破裂したような音と同時に、
尻に焼けるような痛みを感じた。
「きゃあッ……!!」
 悲鳴が消え去るよりも早く、再び痛みが臀部を襲う。
混乱しきった葵が暴れることもできないでいるうちに、都合五発の平手打ちが葵の、
生白い右のヒップをしたたかに打った。
「やッ、やめて……くださ、い……」
 訳もわからず暴力をふるわれた葵は、泣きながらに懇願する。
 熟した林檎にも似た球体を眺めるマリアの顔には、凄艶な笑みが浮かんでいた。
厚い、仕上げた作品よりも濃い色の唇をゆっくりと舐めまわしてから、
突っ伏した葵を抱きおこす。
「痛かったかしら?」
「は、い……」
 まだ涙が止まらないでいる葵の、背中をマリアは撫でさすった。
すると堪えきれなくなったのか、葵はマリアにしがみつき、子供のように声を上げて泣き始めた。
「先生、ごめんなさい、私……わたし……!」
「いいのよ、美里サンは罰をちゃんと受けたのだから」
 数百年の生においても類希な美少女の、艶やかな黒髪を撫でてやりながら、
マリアは会心の笑みを浮かべていた。
 葵を龍麻から奪うつもりはない。
だが、美しい花を愛でるのは許されるだろうし、
いっそう美しくするために少し手入れをしてやっても構わないはずだ。
 人間の少女の熱い涙を受けとめるマリアの胸は、期待に高鳴っている。
少女の涙は例外なく美しく、彼女たちの涙を見るためになら、
どのような手間も惜しむつもりはなかった。
 潮が引くように激情が去り、涙も引いていく。
泣きやんだ葵は、マリアに抱きついたままであるのを思いだして、
恥ずかしさから離れようとするが、担任にして絶世の美女の腕はそれを許さなかった。
「もう少し、泣いていてもいいのよ。……フフッ、アナタの身体はとても抱き心地がいいから」
「先生……」
 耳朶からじかに注ぎこまれる濃密な声は、葵にそむくのをためらわせるだけの誘引力があった。
それに、マリアの女として完成の極みに達しているような肉体は、
同性であっても触れていて気持ちが良く、
冷たさを感じさせるくらいの体温も火照った身体には心地がよくて、
葵は今しばらくマリアに甘えることにした。
 少女の手に微量の力が加わったのを感じたマリアは、きめの細かな肌を愛おしむように撫でる。
腰、背中、太腿。
女の大切な部分には触れず、葵を安心させるのが目的だ。
「美里サン……ごめんなさい、ワタシは……罰とはいえ、酷いことをしてしまったわ」
「そんな……悪いのは、私ですから」
 思惑通り、葵は理不尽な暴力を与えた相手にすがりついてきた。
彼女の身体を撫でまわし、マリアは少しずつ密着の度合いを強めていく。
そうして自然な形で葵を、あぐらをかいた足の上に乗せると、
そこで初めて自分が叩いた尻に手を置いた。
「あっ……」
「まだ痛むかしら?」
「いえ……そんなには」
 だが尻は熱く、口調も正直ではない。
マリアがいたわるように撫でてやると、嬉しそうにしがみついてきた。
 まずは右の尻を撫で、頃合いを見て左にも手を這わせ、
さらに今度はやんわりと揉みはじめた。
「あ、ぁ……先生……」
 冷たい手が熱くなった肌に染みとおっていく。
決して激しくはない、ぬるま湯が浸透していく心地よさに、葵はか細くうめいた。
「フフ……美里サンのヒップはとても揉みごたえがあるわね」
「そんな……恥ずかしいです……」
「アラ、恥ずかしがることなんてないわ。
とてもセクシーなスタイルなのだから、もっと誇っていいのよ」
 マリアの囁きは羽毛のごときタッチで葵の羞恥心を撫でる。
恥ずかしく、同時に女としての自尊心も刺激されて、まんざらでもない気分になる葵だ。
しかもマリアの両手が刺激するのは丘だけではなく、その谷あいにたたずむ菊座までもが
じわじわと捏ねられて、声に出せないまま官能を高められていくのだった。
「は……あ、ん……」
 尻の孔が気持ちよくなってしまったなどと言えるわけがなく、いつしか葵はぐったりしてしまう。
それこそがマリアの狙いで、葵の力が抜けたと見るや、すぐさまアナルに指を伸ばした。
「あっ……駄、目……です、そんなところ……せんせ、いっ……!」
「いけない子ね……真神學園一の優等生が、お尻が大好きだなんて」
「ち、違います、私、大好きなんかじゃ」
「美里サン、また嘘をつくのかしら?」
 低められたマリアの声に、葵が怯える。
すると肛孔がきゅっとすぼまって、マリアがあてがった指に快い感触を伝えた。
「本当です、嘘じゃありません!」
 葵が懸命に否定しても、乙女にとってもっとも恥ずかしい場所から
女教師の指が離れることはない。
孔の上からたまらない微弱さで刺激を続け、
侵入を許すまいと息み続ける葵をくたくたにしてしまうのだ。
「お願い……で、す……許して……」
「一生懸命しがみついているのに、何を許してほしいのかしら?」
「それは……あ、ぁぁ……」
 生徒からも教師からも絶大な信頼を得ている、真神の顔といって過言ではない少女も、
こうなっては形無しで、尻孔を弄ぶ女教師の指先に身悶えするほかない。
輝くほどの白い裸身を必死に組みつかせる美少女と、
それを受けとめ、翻弄する、人ではありえない白さを放つ素裸の美女の妖しさは、
悪魔的なほどだった。
「ずいぶんほぐれているわね。龍麻に可愛がってもらっているのでしょう?」
「それは……でも……わ、わた、んっ、んふうっ」
 何しろ少しでも力を緩めれば、マリアの指はすかさず禁忌の孔をこじ開けようとするので、
葵は耐え続けるしかない。
足指を突っ張らせ、鼻の穴を膨らませて括約筋を締め続けるが、
蛭のように吸いついた魔性の指は一瞬として離れず、
葵の心身を煮えたぎる坩堝に引きずりこもうと暗躍していた。
「嫌、いやぁ……もう、やめてください……」
 マリアがしがみついて頭を振る葵の、アナルを軽く掻く。
これまでとは違う動きに葵は息を呑み、尻にいっそう力を入れた。
「フフッ」
 対してマリアは無理やりに指をねじ込もうとはしない。
葵の意識が下半身に集中していると見るや、固く引き結ばれた唇を奪った。
「――!!」
 口紅も引かれていない少女の唇を、厚い唇で挟むようにキスをする。
ただしそこから力づくで舌を挿れようとはせず、代わりに尻孔への責めを再開させた。
「んんッ、んんぅ」
 マリアの舌は時に犬のようにべったりと、時に蛇のようにちろちろと唇をくすぐる。
尻への集中力も切らすわけにはいかず、懸命に耐える葵の、健康的な唇が白く塗れていった。
「いつまで我慢できるかしら? ひくひくしているわよ、美里サンの可愛いアヌス」
 口と尻に加えて言葉でもなぶられて、葵の顔がいよいよ羞恥に染まる。
頬に貼りつく黒髪をマリアは吹いてやり、そのまま耳朶を咥えた。
「あッ……!」
 ほんのりと熱い耳たぶに、牙を立てたい衝動を女吸血鬼は抑えた。
処女でないことを差し引いても美里葵の血はさぞ美味だろうが、
彼女の血を吸ってしまうと後々話がややこしくなるのだ。
 衝動を満たせない代わりに、マリアは葵の耳に舌を入れる。
起伏の全てを舌先でなぞり、耳の奥に唾液を塗りつけていった。
「んっ、あっ、せん、せっ……」
 無防備な耳を犯された葵の、全身から力が抜ける。
その機を逃さず、マリアは尻孔上で待機させていた指に力をこめた。
「ひっ……!」
 白い指が魔法のように消える。
異物感に葵が慌てて括約筋を締めたとき、すでに三分の一以上が孔の中に埋まっていた。
「ぬ、抜いて、くだ、さいっ」
「駄目よ、せっかく挿ったのに。フフ、美里サンのアヌスの中……とっても温かいわ」
「嫌ッ、お願いです、抜いて……ひんッ」
 淫艶に微笑んだ生徒の信頼も篤い女教師は、優等生である教え子の頼みを聞きいれず、
尻壁の具合を確かめるように指を動かす。
尻を苛む異様な感覚に葵は悶絶するが、マリアに抱きしめられて身悶えすら叶わなかった。
もはや排泄の路を逆に昇ってくる指を止める術はなく、
女教師の淫虐に哀れに弄ばれるのみだ。
「はっ、あ……あッ、んふッ」
 さかんに漏れる美少女にそぐわぬ鼻息も、いつしか音色を変えている。
龍麻によって開発されつつあった禁断の孔が、その妖淫の花を咲かせはじめたのだ。
「あァッ、せんせ……いッ、んふッ、駄目、わたし、おかし……ッ、んはぁぁッ」
 身悶えする教え子を支えるふりをして、女教師はより深く指を挿れる。
そして淫魔さながらに、さらに淫堕の沼へと葵を誘惑するのだった。
「美里サン、お尻に力を入れて締めてごらんなさい」
「……! そ、そんなことできません……!」
「龍麻を気持ちよくさせてあげたいのなら、やってみるべきだと思うわよ」
 葵にとって龍麻は魔法の言葉だ。
それを知っているマリアが囁くと、思惑通り葵は悩みはじめた。
「ほ、本当に……緋勇君は悦んでくれるでしょうか?
いやらしい女だって軽蔑されませんか?」
「そうね、他の女ならそうなってしまうかもしれない。
でも美里サン、アナタなら大丈夫よ。龍麻はきっと悦んで、ますますアナタに夢中になるわ」
 耳に直接注がれる低められた声と、腸内でじんわりと動き続ける指に思考を導かれて、
ついに葵は決断する。
「ん、んんっ……こ、こう……ですか……?」
「そうよ、上手ね、美里サン。今度は指が挿ってくるのに合わせて」
「は、はい……あ、ふ……んっ……」
 マリアの合図に合わせて、葵は何度も括約筋を締める。
秀麗な眉目を歪め、濡れ牡丹の唇を噛んで、肛門を操る美少女の姿は、
汚れた世紀末にふさわしい退廃の美だった。
 その美を特等席で鑑賞する立場の女性は、締めあげる肛門の快美感と、
そのために葵が払っている途方もない羞恥心という対価を、
それが彼女の身体から噴きでているかのように唇を寄せて吸いあげていた。
「ああ……素敵よ、美里サン。こんな風にされたら、龍麻もたまらないでしょうね」
 褒めたたえながら、マリアはさりげなく根元まで指を埋め、腸の奥を刺激する。
膣内とも異なる腹の中での快感に翻弄される葵は、もはやマリアの言いなりでしかない。
指を抜かれて喘ぎ、挿入されて息を漏らし、
肛門快楽に浸る清純な女子高生らしからぬ淫声を幾度も室内に響かせた。
「あふぅっ……せんせいっ、あぁ、はぁ、あうぅ……!」
「フフッ、すっかりアヌスの虜になったようね」
「わ、わたし、こん、なっ、んぅ、恥ずかしい」
「恥ずかしさも女を美しくするのよ。だから、もっとたくさん……
アナタのいやらしいところを、ワタシに見せてごらんなさい」
 マリアは唇を合わせ、舌を伸ばす。
葵も応じてきて、二枚の舌が艶めかしく絡みあった。
「あう、あ……はぁ、ん……せ、んせ、い……」
「フ……ンッ、ゥム……美里サンはキスも上手なのね。それなら、こういうのはどうかしら?」
 マリアが葵の舌を吸う。
他人の口の中で舌を犯される快楽に、葵の全身から力が抜けた。
「はッ、はッ、はァッ、へんへい」
 痺れてろれつが回らない葵の舌を、マリアは優しく舐めてやった。
もちろんそれだけにとどまらず、今度は自身の舌を出してみせる。
「さあ、美里サンもやってごらんなさい」
「は、はい」
 素直に葵はマリアの舌を咥えた。
マリアほど巧みにではなくても、肉厚の舌を食み、口の中で舌先をくすぐる。
粘膜を擦り合わせていると下腹でマリアの指が蠢き、葵を陶酔させていく。
「んッ……んンッ……」
 葵の息が続かなくなって口を開ければ、すかさずマリアがその口を塞ぎ、舌を蹂躙する。
半ば酸欠状態に陥った葵は、目の焦点も失い、口の両端からは泡だった唾液を垂らす有様だった。
 唾液を音を立てて啜りながら、マリアは左手の指をおびただしく濡れる葵のクレヴァスに添える。
中指にその周縁を一周なぞらせると、膣内へと沈めていった。
前後の穴に挿入された葵が我に返り、がくがくと腰を揺らせて叫ぶ。
「あぅッ……! っ、は、あぅぅぅっ、だめ、先生、だめぇっ……!」
「こうやって両側から擦られるとたまらないでしょう?」
「あああっ、わ、わたしっ、あぁ、おかしく……!」
「いいのよ、美里サン……おかしくなってしまいなさい」
 激しい水音を立ててマリアが両手の指を出し入れさせる。
微妙にタイミングの異なった刺激が絶え間なく下腹を襲い、葵を追い詰めていった。



<<話選択へ
<<前のページへ 次のページへ>>