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家に入るなり、小蒔は龍麻に抱きついた。
ケーキを手にしたまま彼女を受けとめたので、
さりげなく下駄箱の上に置いてから改めて抱きしめた龍麻は、
いつもよりほのかに熱い身体と、いつもよりしっかり抱きついてくる小蒔の、
Tシャツの内側に手を滑らせて背中を撫でる。
身体が震えたのは嫌悪のためではないようで、背骨に沿って腰、さらにはデニム地の上から尻を、
そして、ごわごわした手触りの終点である、尻と足との境界線にまで触れても、
小蒔は離れようともしなかった。
硬さと柔らかさが同居する、極上の触り心地の内腿を堪能しつつ、
さりげなく親指をパンツの下にくぐらせる。
人差し指、次いで中指と、手の半分以上を潜りこませた龍麻は、
彼女の身体の中心線上にある、細い紐を指で引っかけた。
「ん……っ……」
むずかる小蒔の吐息が、直に耳に当たる。
浅い尻の谷間に埋もれる紐を、張り具合を確かめるように引き、尻の上端から中指で、紐を辿っていった。
「うう、ん……」
小蒔はまったく止めようとしない。
小蒔の身体を回りこむように、指の動きが上下から前後へと変わるあたりで、
一本の紐は指の幅ほどの太さになった。
それでも、大切な部分を隠しているとは言い難く、生地も薄いため、
直接触れているのとほとんど変わらない。
龍麻が器用に親指で紐を浮かせながら、残る二本の指でスリットをなぞっていると、
ほどなくして湿り気が伝わってきた。
小蒔の息も荒くなり、龍麻は、耳元に囁く。
「なんともなかったみたいだから失敗したかと思ってたけど、やっぱ少しは興奮したのか?」
龍麻の首に強くしがみつく小蒔は、喋るのもおっくうというように首を振った。
「買い物してた時は平気だったんだけど、葵に……葵に気づかれたかもって思ったら、
ドキドキが止まらなくなっちゃって」
だとしたら、葵に感謝しなければならない。
心の中で聖女に礼を言った龍麻は、小蒔の尻を抱えて身体ごと持ちあげた。
「うああ……ッ……!」
宙に浮かされた小蒔は声を上げるが、恐怖や怒りでではない。
ケーキなど問題にならない甘い匂いを漂わせて四肢を絡めてきた少女の声は、
龍麻の背筋がぞくりとするほど甘かった。
小蒔を抱えたまま居間に移動した龍麻は、心持ち手を下げる。
しかし小蒔は離れようとせず、龍麻の顔をたぐり寄せると、もつれるようにくちづけを交わした。
熱せられた唇が、腫れてしまうかというほど幾度も触れ、離れる。
龍麻がデニムと素肌の境い目を撫でると、小ぶりの尻が切なげに震えた。
「どうする? シャワー浴びてくるか?」
「いじわる」
龍麻の問いかけに、小蒔は額を軽く当てて応じた。
立ったまま、龍麻は小蒔のTシャツを脱がせる。
おとなしく応じた小蒔は、龍麻の手がマイクロビキニにかかっても抵抗はしなかった。
龍麻の手に乗っても紐にしか見えない下着を、目を細めて見やる。
「ね、こんなのどこで買ってきたの?」
「歌舞伎町」
「あー……売ってそうだね。ていうか、そういうお店行くんだ」
「いやいや、たぶん誤解してるぞ。俺が行ったのは二十四時間営業のディスカウントショップだって」
「エッチなものを売ってる?」
「売ってる……けど、それだけじゃないって! なんなら今度一緒に行くか?」
「嫌」
きっぱりと小蒔が言い切ると、龍麻はしょげかえる。
少しかわいそうに思った小蒔は、彼の身体に触れることにした。
「えへへッ、ひーちゃんのいつもよりおっきく感じる」
「そりゃ、隣にエロい格好した奴がずっといたんだぞ、抑えるの大変だったんだぜ」
「てっきり触ってくるのかと思ってたんだけど」
「腹ペコを我慢してから食べるラーメンって美味いだろ」
同意するべきかたしなめるべきか、判断がつかずにあいまいな顔をした小蒔は、
龍麻がまだマイクロビキニを手にしているのに気づいた。
「もう、いつまで持ってるのさ」
「いや、ちょっと温かかったから」
「気持ち悪いコト言わないでよね! 持って帰るからね、それ」
「こんなん持って帰って見つかったときの方がヤバいだろ」
「むー……」
確かに、兄妹が五人、しかも一番下はまだやんちゃざかりの弟がいる実家では、
どこに隠そうと見つけられてしまう可能性が高い。
そして両親は彼氏ができたというと早く孫の顔が見たいとかこれで跡継ぎができたとか喜ぶ
単純さではあるが、娘がこういう下着で遊んでいると知れば良い顔はしないだろう。
両親を悲しませたくはない小蒔は、しぶしぶ龍麻の家に置いていくことに同意した。
「任せとけ、いつでも着られるように大事にしまっとくから」
「絶対着ないって!」
高らかに宣告した小蒔は、表情を改めるとしみじみと呟いた。
「でもボク、あんなのだけで人前に出てったんだね」
その声に嫌悪が少ないと感じたのは、龍麻の願望だったかもしれない。
ただ、思っていたよりも罵倒や怒りが少なかったのは事実だし、
こうしてエッチな気分になってくれただけでも充分に目的は達せられたのだ。
そして絶対、などというものは世の中に存在しない。
万物流転、千変万化。
いつの日か、小蒔が再びこのビキニを、それも今度は上に何も着用せずに着るときがくるだろう。
そのときまで、龍麻は大切に保管するつもりだった。
小蒔はマイクロビキニを着ることは否定しながらも、龍麻の股間を撫でまわすのは止めない。
積極的にボタンを外し、ズボンを脱がせ、トランクスの上から隆起した性器を逆手にしごいた。
「ん……」
「ね、気持ちイイ?」
「ああ、気持ちいい」
龍麻の返答に満足した小蒔は、不意に笑った。
「ひーちゃんも上、脱ぎなよ」
龍麻に否やはなく、Tシャツを脱ぎ捨てて適当に放った。
「これでいっしょだね」
「お前の方がズボン一枚多いだろ」
「ああ、そっか」
衒いもなく応じた小蒔は自らボタンに手をかける。
すると、言いだした龍麻がそれを止めた。
「せっかくだから、もうちょいこのままでいいや」
「せっかくって何がさ」
龍麻は答えず、いきなり小蒔の尻を両側から掴んだ。
さっきと同じように尻に手を添えて秘唇を弄ぶ。
違うのは弄ぶ指の本数が倍に増えた点だった。
「あっ、も、もうッ……ときどきひーちゃんの考えがわかんなくなるよ」
「いやあ、結構賛同する男は多いと思うぞ」
「そうかなぁ……」
話している間も龍麻は愛撫を止めない。
腰が落ちかけた小蒔は、負けじと上半身を密着させ、下半身も愛撫をはじめた。
「ん……」
右手で屹立を、左手で陰嚢を同時に弄る。
掌でなく、指先で亀頭をくすぐると、龍麻の腰が引けた。
「ひーちゃんここ弱いもんね」
「俺だけじゃねえよ、そんな触り方されたら誰だってたまんねえっての」
「そうなんだ」
「そうなんだって、だからそれは止めろ」
「どうしよっかな」
言いながらなお触ろうとする小蒔に、龍麻は反撃に転じた。
潤うクレヴァスに指を沈め、さらにクリトリスにも触れる。
「あッ、ちょっと待ってッ、それやだッ……!」
たちまち形勢逆転した龍麻は、容赦なく小蒔の弱いところを責めた。
「くンッ、あッ、あぅッ、だめだってば、あッ、うぁッ……!」
いきなり小蒔の足がぴんと張りつめる。
龍麻の胸にもたれた小蒔は、恨めしげに龍麻を見上げた。
「もう、ズルいよ」
「男は一回イッたら次が大変なんだから、しょうがないだろ」
「だっていっつもボクばっかり」
「何回も気持ちよくなれる方がうらやましいけどな」
「なんか納得いかないんだよね」
取るに足りないことを話しながら、二人はくちづけを交わす。
次の行動に移るための、それは儀式だった。
龍麻は自分でトランクスを下ろす。
それを見た小蒔が、自分も脱ごうとすると、龍麻にその手を掴まれた。
「えッ!? もう脱いでいいでしょ?」
「いや、なんかすげえエロくて……今日はこのまましようぜ」
健康的な張りのある肢体で、少年のようなデニムパンツだけを履いている小蒔は、
想定外のいやらしさであることに、龍麻は遅まきながら気づいたのだ。
「えッ、ちょっと、やだってば、ボクこれ履いて帰るんだから……!」
邪悪な意図を察した小蒔は逃れようとしたが、龍麻の腕が一瞬早く閉じた。
尻たぶギリギリのところまでしかなかった裾に両手を突っこみ、小さな丘を鷲掴みにする。
「ひゃンッ、やだって……ッ!」
もとより力では龍麻に敵わない。
もがいた末に強く抱きすくめられて、抵抗も空しく潰えてしまった。
「ほら、足上げろって」
「もうッ、嫌なんだからね本当に」
不本意であることを強調するが、欲望の権化と化した龍麻はどこ吹く風で、
屹立をパンツの隙間に押しこんだ。
すでに充分に潤っていた小蒔の秘唇は、本人の意向とは裏腹に、
待ち焦がれたかのように龍麻を呑みこんでいく。
熱い猛りが挿ってくるにつれ、小蒔は龍麻にしがみつかずにいられなかった。
「う、あ……ッ、何、これ……いつもと、全然ちがう……!」
龍麻と小蒔とでは身長差が二十センチ近くあるため、
挿入するだけでも小蒔は奥深くをえぐられることになる。
苦しさのあまりつま先立ちになってみるものの、焼け石に水だった。
「はッ、ふッ、ちょ、ちょっと動かないでね……!」
長距離走をする時のように、小刻みに呼吸を行う小蒔に
可愛らしさを感じるなという方が無理だろう。
ましてほぼ密着状態の龍麻は、眼下で揺れるショートカットを見て、ほとんど一瞬で何かが充填された。
「ひゃんッ!! う、動かないでってば」
龍麻は動いていない。
ただ、身体の一部分が膨張しただけだ。
バランスを崩しかけた小蒔を支えた龍麻は、足を肩幅よりも開いて、
つま先だけで支えている左足の踵が着くようにしてやった。
「凄いね、これ……ちょっと変な格好だけど」
小蒔は苦笑いするが、龍麻に自己を客観視する余裕はない。
歯を食いしばりながら必死に腰を突きあげた。
「あぅ、あ、あ……っ、奥、まで……!」
胸に当たる熱い呼気が快く、龍麻はさらに数度抽送したが、
やはり、体格差もあってどうにも動きにくく、素早く思案すると、
一度屹立を抜き、わずかに腰を落とした。
「どしたの?」
「しっかり掴まってろよ……っと!」
「ひゃあッ!!」
気合いを入れた龍麻は、小蒔の両足を抱えると一気に持ちあげた。
若干勢い余って、顔の前に腹が来るくらいまで上がってしまう。
「な、な、なに!!??」
さすがの小蒔も驚いて目を白黒させている。
誇らしげに笑って龍麻は、彼女を適正な位置まで下ろした。
「え、ウソ、まさかこのままするの……?」
「そのまさかだ」
自分の股間を見下ろした龍麻は、それが元あった場所に再び収まるよう、慎重に左右を調整する。
「やッ、待って、ま……!」
龍麻は小蒔を軽々と抱えられるだけの腕力を持っていたし、
このアクロバティックな体位に際して小蒔を乱暴に扱いもしなかった。
それでも、ほとんど自重を感じない状態で、硬い肉茎だけが挿ってくるというのは今までにない
衝撃を彼女にもたらし、しばらくの間、小蒔は息もできなかった。
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