<<話選択へ
<<前のページへ 次のページへ>>

(3/4ページ)

小蒔は腹をへこませて少しでも離れようとするが、すぐに逃げ場を無くしていいようにされてしまう。
「やっ、あ、だ、め……ぅあ……ん……ちょ、ホントに……だ、ぅ……ゃあぁっ!」
少しやり過ぎかと思うくらい舌をべっとりと押し付け、うねらせる。
自分の腹の辺りでじたばたする足が可愛くて、龍麻はしつこくへそへの集中攻撃を続けていたが、
いきなり身体が硬直して、必死に逃げていた腹が戻ってきた。
「お前、今もしかしてイッた?」
小刻みに上下する腹に顎を乗せたまま、好奇心からついそう尋ねてしまう。
しかし、小蒔の返事は思いきり頬をつねりあげられた後だった。
「ぐわっ!」
「だからそう言うコト聞くなっつーの」
「くっそー……!」
しかし毎回毎回やられっぱなしでさすがに学習したのか、龍麻は小蒔の手を掴むと逆襲に転じた。
人差し指の爪にキスして、そのまま指先を口に含む。
「うわ、ちょっと、何して……るっ、ん……」
くすぐるようにやわやわと蠢く舌が、振り払う前に微妙な快感を与えてきて、
軽くとはいえ達した直後なのもあり、つい受け入れてしまう。
加えて、大事そうに手を握って指先にキスを繰り返す龍麻が中世の騎士のように思えて、
いつのまにか小蒔はまんざらでも無い気分で指が龍麻の口内に出入りするのを眺めていた。
無論龍麻はそんな神妙な気持ちでキスしている訳ではなく、
どこかの本に書いてあった事を実践しているだけなのだが、
思いの外小蒔が気持ち良さそうにしているのを見て、悪い気がするはずもない。
調子に乗った龍麻は小蒔の指がふやけてしまうまで指先の愛撫を続けていた。

「もうさ、エッチっていうよりヘンタイだよね」
ようやく指先を解放された小蒔は、軽く手首を振りながら呆れたように言った。
しかしそれで感じてしまっていては説得力などまるでなく、龍麻は薄く笑っただけで何も答えない。
「……むー」
こんな事に勝ち負けも無いのに、何事にも負けず嫌いの小蒔は変に対抗意識を燃やしたのか、
急に龍麻を押し倒すと胸板に舌を這わせた。
胸を這うぬるぬるとした感触に驚いて、龍麻は慌てて押しとどめる。
「ちょ、俺はいいって。気持ち悪いだろ?」
「何が?」
「何が……って、毛も生えてるし」
「そんなの女の子だってあるじゃない。……ははーん、もしかして感じちゃうんだね?」
図星を突かれて黙ってしまった龍麻に、小蒔は悪戯っぽく目を輝かせると乳首を口に含んだ。
女性が感じる快感とは異なるのだろうが、小さな舌が小刻みに蠢くと、龍麻は思わず呻いてしまう。
「いや、マジでいいっ……て」
「あ…硬くなってきたよ。へー、男の子もこうなるんだ」
面白がってますます舌を転がす小蒔に、形勢不利と見た龍麻は反動をつけて身体ごとひっくり返った。
小蒔の手首を軽く握って動けないようにすると、細く浮き出た鎖骨にキスをする。
「もう……すぐそうやって力に訴えるんだからッ」
「お前だって最近すぐ殴るだろうが。しかもグーで」
「だってひーちゃんさ、ボクが殴ると嬉しそうなんだもん」
「…………マジ?」
「うん」
確かに小蒔に殴られるのはある意味楽しかったが、
それはあくまで友人としてのコミュニケーションのひとつだと思っていた。
まさか顔に出ているなどとは思ってもいなかった龍麻は、
しかし自分の性癖について全く心当たりが無い訳でも無く、黙りこくってしまう。
「……もしかして、ホントに嬉しいの?」
「い、いや、そんな事は無い。断じて無い」
「ふーん……いいよ、そういうの好きでもボクは別に軽蔑したりしないから。
……今度さ、一回試してみる? そーいうの」
小蒔の瞳にはどこか反応を試しているような輝きが踊っていたが、
だからと言ってうかつに乗る訳にもいかず、龍麻はあいまいに頷いてデニムに手をかけた。
「ちぇ。つまんないの」
小蒔は文句を言いながらも腰を浮かせて龍麻が脱がせるのを手伝う。
露になった下着はブラと同じく、飾り気の無い物だった。
うっすらと染みが滲んでいるのが見え、龍麻は吸い寄せられるように指を伸ばす。
ほのかな温かさを持った蜜が淫らな音を立ててまとわりつき、小さく糸を引いた。
「んっ……」
くっきりと浮き出ているスリットに沿って指を往復させると、足が閉じようとする。
龍麻はそれを頭で押しとどめながら、もうほとんど意味を為していない下着を、
小蒔が思わず感心してしまう鮮やかな手さばきで抜き取ってしまった。
いきなり熱気を放っている秘密の泉には触れず、力無く広げられている太腿に唇を押し当てる。
「ひゃ! ……ひっ、ん………っふ……ぁ……」
程よく引き締まり、わずかな脂肪がついているだけのそこを、音がするほど強く吸う。
滑らかで温かな舌触りは、どれほど吸っても龍麻を飽きさせる事など無かった。
しゃっくりにも似た奇妙な喘ぎが小蒔の口を衝く。
小蒔は霞みがかった頭の片隅で帰る時困るなぁ、と考えたが、気持ち良さに押し流されてしまい、
また、自分の股間に向かって話しかけると言うのがどうも恥ずかしくて、
なかなか龍麻を止める事が出来なかった。
小蒔が迷っている間に、内腿のほとんどをキスマークで埋めてしまった龍麻は、
柔らかく、控えめに生えている繊毛の下に息づく淫唇に舌を伸ばす。
「っ……はぁっ…………ぁぁ……」
ひくひくと蠢いて龍麻を誘うそこは、今すぐにでも挿入してしまいたいほどに潤っていた。
うっすらと開いているとば口を舌でこじ開け、踊りこませる。
「やぁ、ひ……ちゃ……っっ、あつ………い……よ……」
溜まっていた蜜がこぼれ、顎を濡らす。
龍麻がそれを啜り取ると、ひどく淫らな音が辺りに響いた。
その音が自分の身体から発せられているのに気付いた小蒔は、
いやいやをするように太腿で龍麻の頭を挟み込む。
龍麻はもう少し愛撫を続けたかったが、小蒔の望み通りにしてやる事にした。
「な、もう……いいか?」
「うん……いい、よ……おね、がい……っ、あ……うぁ……」
瞳を潤ませて頷く小蒔に胸が熱くなるのを感じながら、先端をあてがうと、ゆっくりと挿入していく。
前に一気にいれて怒られたからでもあったが、
この時の表情がたまらなく可愛らしい事に気付いてからは、
積極的に時間をかけて挿入するようにしていた。
膣壁が締め上げてくるのを感じながら、一度奥まで埋めると、小蒔に顔を引き寄せられる。
「ひーちゃん……えへへッ」
恥ずかしさと嬉しさが入り混じった顔でキスを求める小蒔の唇を、思いきり吸い上げた。
小蒔は舌で顎を叩いて抗議するが、今度はその舌を唇で食んで引っ張る。
「んんーっ! ……ん…ふぅ…………む……」
口の中に舌を引き入れたまま、腰を軽く打ちつける。
呼吸が出来ない小蒔は、足で龍麻の身体を締め付けて抗議した。
それでも龍麻は中々離そうとせず、小蒔の顔に赤黒いものが浮かんだ所でようやく離してやった。
「ぷはっ、はぁ……死ぬかと思ったよ……もう、メチャクチャしないでよね……」
「でも、気持ち良かっただろ?」
「バカ」



<<話選択へ
<<前のページへ 次のページへ>>