<<話選択へ
<<前のページへ 次のページへ>>

(3/4ページ)

「きゃあっ、姉様っ」
「なんでお前の方が胸大きいんだよ。双子なのにおかしいじゃねェか」
両手でがっしりと妹の胸を掴んで、雪乃は声を尖らせる。
形を確かめるようにふにふにと動く姉の手に、雛乃は上手く答えられないようだった。
「それは……」
「まさか龍麻が揉んでんのかッ!」
「揉んでないよ、ちょっとしか」
「そうか、よし、それじゃ揉め」
雛乃の方を大きくしたら、差が広がるだけだと思うのだが、何しろ今の雪乃に理屈は通用しない。
龍麻はおとなしく、たくしあげられたセーターから覗く程よい膨らみに手を添えた。
「た、龍麻……様……」
「ごめん雛乃、今の雪乃には逆らえないよ」
「で、でも、何か嬉しそう……で……」
「そんなはずある訳ないだろ」
真面目な声で龍麻は否定するものの、手の動きがそれを裏切っている。
もう触れたことは数しれないが、何度触っても飽きることはない適度な膨らみを、
大きくなれと念じながら揉みあげた。
妹の乳房が男によってマッサージされているのを雪乃は満足げに見ていたが、
やがてそれだけではつまらなくなったらしい。
「オレにも揉ませろ」
龍麻が片方の胸を空けてやると、同じように妹を刺激し始める。
同じ、といってももちろん強さや上手さやその他諸々は異なり、
要するに雛乃は左右の胸で別々の快感を受けてしまうのだった。
「っ……ぁ……姉様……龍麻……様……」
珍しく雛乃が戸惑っている。
いつも底知れぬ余裕のようなものを持ち、内心敵わないなと思っている雛乃の、
可愛らしい一面は、龍麻の薄い理性の壁を直撃していた。
雛乃のブラを外し、慎ましく現れた、薄く色づく尖りを含む。
「やっ、あ……っ、そ、れは……違い……んっ」
早くも建前すら放棄した龍麻だったが、雛乃以外に咎める者はいない。
それどころか雪乃も面白がって、直接妹の乳首を転がし始めた。
姉と龍麻に挟まれた雛乃は、窮屈そうに身悶える。
龍麻の口の中で蕾は固さを増していき、すぐに一杯に膨らんだ。
力の抜けた雛乃の身体が少しずつずり下がっていく。
それを雪乃は、人形を抱くように抱えなおしてやった。
しがみつく妹に、軽く遠くを見る目をする。
酒のせいで記憶が近くにきているのか、微笑んだ雪乃は彼女達の幼少の思い出を龍麻に話した。
「小っちぇ頃はよ、良く雛が男に苛められたんだけどよ、
そういう時はいっつもこうやってオレのトコ来たんだよな」
「姉様……覚えて……」
「忘れるワケねぇだろ、大事な妹なんだからよ」
ひっく、と最後はしゃっくりで締めた雪乃に、妹は感極まって抱きつく。
美しい姉妹愛に、龍麻もいい話だ、と乳首を含みながら少し涙ぐんでしまっていると、
雪乃の陽気な声がもやのかかった鼓膜に流れこんできた。
「よし龍麻、スカート脱がせろ」
「姉……様?」
「今日はオレがしてやるっつってんだろ」
変な部分だけはしっかり覚えている雪乃は、さっさと自分は脱いでしまう。
あっけらかんと下着を晒す雪乃に、束の間酔いも忘れて顔を見合わせる龍麻と雛乃だったが、
何しろ今の雪乃には逆らえない。
逆らえないと言ったら逆らえないのだ。
雪乃に力強く首を振った龍麻は、勢い込んで雛乃のスカートを脱がせた。
雛乃は反射的に暴れるが、二人がかりで押さえつけられてはどうしようもない。
結局龍麻を興奮させただけで、あえなく下着姿にさせられてしまった。
「へへッ、可愛い下着履いてんじゃねェか」
三流ドラマの悪役のような台詞を吐いて、姉は妹の下着に目を細める。
だが、龍麻がそれを脱がせようとすると、いきなり頭をはたかれた。
「バカ野郎ッ、それはオレの役目だッ」
怒られた龍麻はすごすごと雪乃と位置を変わる。
もう雛乃も抵抗するのに疲れたのか、おとなしく身を任せていた。
「ヘヘヘッ、脱がせるぞッ」
ますます悪役じみたことを言いながら、雪乃は下着に手をかける。
龍麻が思わず生唾を飲みこむ光景が、目の前に広がった。
一糸纏わぬ姿になった雛乃。
その上に下着だけ着た雪乃が跨り、二人は熱っぽく見つめあっている。
やがてその唇はひとつに溶け合い、
くぐもった音を立てて更に口腔までもを溶かしながら激しく混ざりあった。
「ふぅ……ぁ……ねぇ……さ……」
「んッ……くっ、ひな……」
お互いの名を呼びながら、共に生まれてきた二人はいつ果てるともしれないキスを続ける。
姉の背中に回った雛乃の手がブラを外し、そのまま背中をなぞって腰へと滑り降りていった。
雪乃の手はもう隠すものもない妹の肌を存分に撫で回り、戯れる。
それらの光景は龍麻の入る余地のないもので、
龍麻は疎外感と劣情を同時に抱くという、やや救われない気分に陥っていた。
と言って雪乃の機嫌を損ねるのも怖く、間男めいた状況をどうしたものかと思っていると、
ぐったりとなった雛乃を解放した雪乃が座った目で見る。
「なにぼーっと見てんだよ」
「お、おう」
すっかり雪乃の子分となった龍麻は、言われるままに雛乃の上体を抱き上げた。
朱が差した裸身はほのかに温かく、置くだけで掌が甘く痺れる。
雛乃ももう我を忘れはじめているのか、腕を絡め、更なる快感を求めてすがりついてきた。
「は……っん」
へそに置いた手を上へと撫でていき、乳房を下から持ち上げる。
掌にわずかに足りない膨らみを、愛しみつつ丁寧に押し包み、そっと力を加えると、
雛乃の喉が心地良さげに震えた。
親指の腹でしこっている蕾に触れてやると、濡れた唇から熱い吐息が生み出される。
雛乃の身体をしっかりと抱き寄せながら、龍麻がもう片方の胸も愛撫しようとすると、
雪乃が妹の下半身に潜りこんでいた。
「あ、あ……っ! ね……さま……」
しどけなく開かれた足に手を添え、突き出すようにして雪乃は、雛乃の足の間に顔を埋めている。
やがてその場所からくぐもった水音が聞こえるのと、雛乃が嬌声を漏らしたのはほとんど同時だった。
「あぁ……いやっ、あっ」
「オレはなァ、ここが気持ちいいんだよ。雛もそうだろ」
雪乃は束ねた髪を揺らし、雛乃の淫らな部分を細やかに責める。
いつのまにか指も使い、自分が感じるのだという部分を、余すところなく妹に教えた。
「あ、ぁ……姉……さま……っ」
雪乃の言う通りなのか、雛乃は足を突っ張らせて恍惚に震えている。
よほど気持ちよいのか、龍麻がどこに触れてもその都度過敏なくらいに身悶えてしまっていた。
姉にいじめられる妹というのは、とても珍しい光景で、龍麻も止めるのを忘れ、つい見惚れてしまう。
「ふっ、ん……あっ、んくぅっ」
良く見えないのが残念だが、雪乃の言う通り、双子は気持ち良い部分も同じなのか、
雛乃は的確に感じさせられているようで、次第にその声が大きくなっている。
彼女の、下腹を熱くさせる音色を紡ぐ唇に誘われて、
龍麻は頬に手を添え、しっとりとくちづけた。
「んっ……んふっ……」
積極的に応じる雛乃は、自分から舌を求めてくる。
熱く塗れる舌は時折跳ねて、予期せぬ快感を龍麻にもたらした。
いつもよりも深く、いやらしく舌を交え、乳房への愛撫も怠らない。
そして秘唇は雪乃がこれも熱心に責めていて、雛乃はいかにも切なそうに身をよじらせていた。
「んうぅっ……ふっ……う……」
鼻からさかんに息を漏らしながら、キスを止めようとはしない雛乃の、
細い首筋がふと龍麻の目に入る。
ひねった首筋になぜかひどく情欲を刺激され、龍麻はふとそのなだらかな部分を撫でてみた。
「……っ!」
反応は劇的で、色気がいちどきにこぼれた。
思いがけず雛乃の弱い所を見つけた龍麻は、その辺りをくまなく触ってみる。
どうやら雛乃は下顎から首筋にかけてが特に弱いようで、
産毛を逆立たせて感じているのが猫みたいだ、と龍麻は思った。
顎の一番奥、首の付け根のところを人差し指で優しくなぞると、雛乃の身体が強張る。
柔らかな丸みを帯びた身体が、その時だけはすくみ、鎖骨が浮き出るのが愉しかった。
身体をひねってキスを続けているのが辛そうな雛乃の、右手で頬を支え、左手で首筋を撫でる。
「ん、ん……!」
いつまでも続けていたくなる甘美な時だったが、口の中で、急に喘ぎが弾けた。
二人に責められていてはそれも当然で、龍麻は彼女の余韻をすっかり吸ってから雛乃を解放する。
息も絶え絶えに瞳を潤ませる雛乃に、少し罪悪感が芽生えて龍麻は姿勢を楽にしてやった。
「雛乃……大丈夫?」
「い、いえ……わたくし……幸せ……です、ね、姉様と……龍麻様に……
同時に……愛しんで、頂けて……」
ゆるやかな恍惚に顔を染め、雛乃は答える。
彼女の健気さに龍麻がいささか場違いな感動をしていると、
口の周りを妹の愛液で濡らした雪乃が身を起こし、まだ呼吸も整っていない雛乃の唇を塞いでしまった。
「ふっ……ぁ……」
自分から応じる力は残っていないが、拒みもせず、雛乃は姉を受け入れる。
激しくはない、情愛に満ちたくちづけは、けれど例えようもなく淫靡で、
後ろで雛乃の身体を支えている龍麻はもう我慢が出来なくなってしまった。
雛乃を雪乃に任せ、服を脱いで用意を整える。
龍麻が雛乃の開かれたままの足の間に位置どると、
くちづけを終えた雪乃が座った目で、しかし悪戯っぽく笑った。
焦っているのを見抜かれたようで赤面しながらも、龍麻は屹立を雛乃の陰唇に添える。



<<話選択へ
<<前のページへ 次のページへ>>