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「なんだか……ドキドキする……」
最後に一度、強く押しつけてから唇を離すと、マリィが恍惚の吐息と共に囁く。
龍麻は真顔のまま、彼女の言っていることが本当か確かめた。
「ん」
「やっ! ……もう」
頬を膨らませたマリィは、龍麻の顔も膨らませてやろうと外側から掴む。
マリィの胸から手を離して降参した龍麻は、それでも掴み続けているマリィの手を自ら外した。
そのまま離さず、指を絡める。
ひんやりと冷たさを感じ、少し力を加えて暖めてやろうとする。
「ちょっと冷たいんだな、マリィの手」
「タツマの手は、あったかいね」
純粋な想いに満ちているマリィの言葉は、龍麻の心にたやすく侵入し、裡から暖かな光を投げかける。
かつて抱いたことのない感情を芽生えさせられる龍麻は、その都度大げさなほど感動し、
年下の少女に対する愛情を募らせていった。
「どうしたの?」
無言になってしまった龍麻に、マリィが問いかける。
深い感情の狭間へと落ちていた龍麻は、そこから這い上がるために、繋いだ手を自分の頬に押し当てた。
「……暖かいな、マリィは」
「今冷たいって言ったじゃない」
怪訝そうに答えるマリィに、龍麻は照れた笑いを浮かべると、
握り締めた彼女の手に無言の誓約を印した。
「なに?」
爪先に落とされたくちづけの、意味をマリィが訊ねる。
それに龍麻は答えずに、薬指に印したのとは異なる意味のくちづけを、マリィの身体に落としていった。
「や……ん……」
ただくすぐったいだけなのだろう、マリィは大きく身をよじり、時には押しのけようとする。
だが龍麻が根気良く、少しずつ身体の下に向かってくちづけを落としていくと、
やがて身体のうねりはひとつの大きな曲線を描くようになり、呼気には切なげなものが混じりはじめた。
それはマリィの、形良くふくらんだ丘の頂にくちづけることで、一気に花開いた。
「ぁ……ん……っ」
乳房に較べれば小さな蕾は、マリィが跳ねた拍子に口から逃げてしまう。
それを追いかけた龍麻は、もう一度、今度は離れないように少し強く口に含んだ。
「んっ……ふ……ぁっ」
人差し指を噛み、声を抑えようとするマリィに、龍麻は舌先を当てる。
小さな蕾を軽く転がしただけで、マリィは宿る快感に身を大きくのけぞらせた。
舌の中でまだ少し大きさを増している、マリィの可憐な蕾。
その舌触りが愛おしくて、龍麻は舌腹で丹念に味わった。
「……っ、……ぁ……」
中途半端に浮き上がった背中は、どちらへ行くか決めかねているようだ。
だから龍麻は、それを後押ししてやった。
「あっ……!」
根元を咥え、吸い上げる。
途端にマリィの背は見えない何かに押し上げられ、龍麻の顔に柔らかな肉の塊が押し付けられた。
マリィは、感じている──
言わずもがなのことを龍麻は思う。
そうすれば女性は気持ち良くなる、と知ってはいても、実践するのは初めての龍麻は、
マリィのようなまだあどけなさを顔に残した少女でさえも、
快感を享受することができるのだ、と感動していた。
もっと感じるところを見たくなって、愛撫を重ねる。
握られていた手を振りほどいて乳房に添え、そっと揉みしだく。
指を一杯に開いても掴みきれない質感を手に覚えこませ、捏ねあげた。
「ふっ……ん……」
慎ましく尖った乳首を、指腹で押すように転がす。
もっと戯れて欲しいかのように弾むしこりを、指で挟み、弱く押し潰した。
「っ……!」
悲鳴に似た、掠れた叫び。
少し上擦った、快感に悶える声は、龍麻の知っているマリィのものではなかった。
だが、紛れもなく彼女のものである喘ぎを、龍麻は紡がせる。
柔らかな乳房と、その先端の異なった硬さを同時に味わいながら。
「やっ……は……タツマ……」
蜂蜜の中に砂糖を落として掻き混ぜたような甘ったるい声で呼ばれる自分の名の、
なんと心地良いことか。
龍麻は夢中になってマリィの乳房を刺激し、蜜を採取する蜂と化した。
そして蜜は、口からだけ採取するのではなく、わき腹を撫でて、手を下腹へと伸ばす。
「っ、や……」
腰のくびれからパジャマに手をかけると、何をしようとしているのか判ったマリィが身じろぎした。
一瞬、息を止めた龍麻だが、マリィがそれ以上拒絶しないのを見てとると、
いよいよズボンを脱がせようとする。
片手で脱がせようとしても上手くいかないので、起き上がり、パジャマに両手をかけた。
両腕にのしかかる、ありえないほどの緊張に逆らって脱がせる。
純白の下着が、暗がりの中に淡く浮き上がった。
思っていたよりも遥かに扇情的な光景に、理性が一時的に飛んだ龍麻は、
マリィが片膝を立てるまでずっと凝視してしまっていた。
「やだ……よ……」
むしろその声に反応して、龍麻は最後に残された下着に手をかける。
マリィが手を抑えたが、強張った膝が徐々に緩んでいくにつれて、その力も弱くなっていった。
長い足を滑り下ろし、下着を足首から抜く。
一糸まとわぬ姿になったマリィを、龍麻は上から見下ろした。
すぐに手で隠されてしまった、足の付け根を薄く覆う蔭りはため息が出るほど美しい金色で、
龍麻は必ずしも劣情だけとは言えない感情を抱いた。
もちろんその部分だけではない、腰から胸へかけての美しい曲線も、
双つの乳房が織り成す魅惑的な丘陵も、ほっそりと浮き出た鎖骨も、
全てを一望した龍麻は、知らず吐息を漏らしていた。
「タツ……マ……?」
音としては小さなそれを聞きつけたマリィが、不安を滲ませる。
これからなされることへの不安も一緒に含まれているのだろうと思い、龍麻は顔を寄せた。
「あ……」
震えていた唇が、落ち着きを取り戻す。
不安を完全に取り除くことはできなかったようだが、マリィはどうにか微笑んでくれた。
紅潮している頬に触れ、情愛を込めて撫でる。
そこからもう一度、下へと。
しかし今度は乳房で止まらず、更に下へと指先を辿らせていった。
「く…………ん……」
そっと撫でているだけなのに、マリィは感じているようだ。
興奮を押し殺して、龍麻は滑らかな広野の先にある、柔らかな草原を探り当てる。
金色に彩られているであろうその部分は狭く、すぐに感触は変わってしまう。
欲望に抗えず、龍麻は己の指先に何度も、執拗に同じ部分を往復させた。
「ぁ……っ」
マリィの吐息に導かれるように、叢を辿って、最もひそやかな場所へ。
湿り気が、指にまとわりついた。
女として反応している少女の身体。
もうマリィは女の子などではない、と、どれだけ頭に言い聞かせても、
女のマリィを知る度に新鮮な驚きが龍麻の裡に走っていた。
恥ずかしい部分を触られて、マリィが足をきつく閉ざす。
それでも指の動きを封じることはできず、かえって龍麻は、
彼女の身体にひっそりと刻まれた溝から手を離せなくなってしまった。
形を意識しながら、溝に沿って指をなぞらせる。
触れた時からうっすらと開いていた淫裂は、
むしろ指を自ら呑みこもうとするかのように振る舞ってきた。
指先に満たされる、濡れた感覚と熱い肉のうねり。
それらがもたらした爆発的な快感に、龍麻は全身を乗っ取られてしまったかのようにさえ錯覚した。
「んっ……あっ、やっっ」
指先のほんのわずかな動きに合わせて、マリィの口から絶え間ない熱気がこぼれる。
聞いているだけで下腹が硬くなるのを抑えられなくなる淫らな声に、龍麻の我慢はもう限界だった。
「……いいか?」
「……うん」
消え入りそうな声で、しかし確かに頷いたマリィに、龍麻は手早く服を脱いで、
手探りでいつ使うか見当もつかないまま用意だけはしてあった、
しかしこの時になってみて用意しておいて良かったと心底思う薄膜を屹立に被せる。
より合わされていた足を押し開き、彼女の身体に杭を押し当てると、静かに体重をかけていった。
「っ……! あ……かっ、は……」
さっきまでの甘い声と同じとは到底信じられない、苦悶の悲鳴がマリィの口を衝く。
しかし止めなければ、という思いとは裏腹に、
龍麻は彼女の体内を裂こうとする自身を止めることはできなかった。
狭い肉路を、無理やりにこじ開けていく。
異物の侵入を拒むようにぎちぎちと締まる膣道を、龍麻は強引にねじ伏せていった。
「あっ……! ぅあっ……!」
ひときわ強くマリィの身体が跳ねた時、龍麻の屹立は、
わずかに根元を残して大半が呑みこまれていた。
結合を遂げ、荒い息を吐き出した龍麻は、
ここに至ってようやく、マリィが声も出せないほどの痛みに苛まれていることを知った。
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