<<話選択へ
<<前のページへ 次のページへ>>

(2/6ページ)

打ち合わせは既に済んでいるのだろう、葵が先にサラの隣に横たわると、
上半身を起こしてサラの肩甲骨に口付けた。
「サラはん……綺麗どす……」
水面を跳ねる小石のように点々と舌先を触れさせると、
微妙、というのももどかしいような刺激がサラを困惑させる。
加えて、落ちかかる葵の髪が掃くように背中に当たり、
サラは喘ぎ声よりも先にくすぐったさから生じる声を堪えねばならなかった。
「葵、サラが汗をかいている所を綺麗にしてあげなさい」
ベネッサの命令に葵はすぐに反応して、今触れているところに軽くキスをして別れを告げると、
両手を上げさせられている為に無防備になっている腋の下へと場所を変える。
「っ……気持ち……悪いわね……。そんな事して楽しいの?」
腋の汗を舐められて、恥ずかしさと嫌悪感の入り混じった表情でサラはなお強がるが、
葵が執拗に舐めるうちに身体が疼き始めてしまったのか、微妙に反応が変わりはじめた。
静かになったサラに、ベネッサは更に葵を使った責めを続ける。
「いいわよ葵、貴女の好きなやり方でサラを愛してあげなさい」
ベネッサの言葉に、葵はサラの身体にのしかかって本格的に舌技を開始した。
金髪をそっとかきわけると、自分の頬に軽く擦りつける。
「細くて柔らかくて……綺麗な髪どすなぁ。……ええ匂いやし」
「それで褒めてるつもり?」 
「思うた事を言うただけどすよ」
葵は触れただけで切り裂かれそうなサラの舌鋒を柔らかくいなすと、
やや鼻白みながら沈黙した彼女の首筋に吸いつき、
唇でやわやわと吸い上げながら、舌全体でねっとりとうなじを舐めまわす。
「っ…………」
飽きる事なく首筋を這い回る葵の舌に肩をすくめる事も出来ず、
遂に我慢しきれなくなったサラの口から小さな声が漏れた。
(やっと……ね)
本意では無いにせよ、一度開き始めてしまった蕾はもう閉じる事は無いだろう。
ベネッサは二つ折り重なっている身体の横に腰をおろしながら
目論見が上手くいった事を確信していた。
(あとで葵にもご褒美あげないとね)
目の前にある葵の尻をそっと撫でながらほくそ笑む。
その間も動き回る事を止めない葵の舌は、サラの耳の裏側に辿りついていた。
「やっ……やめなさい……」
サラは初めて声に出して拒否したが、それはかえってそこが弱点だと教えてしまう事になる。
「葵も、そこが弱いのよね」
楽しそうなベネッサの声に顔を赤らめながら、葵はサラの耳の中まで舌を入り込ませる。
「いや……やめ……て……」
しかし舌が耳の奥まで蹂躙を始めると抗う声もやがてか細くなっていき、
かわりに荒く息を吐く呼吸音が噛み締めているシーツ越しに聞こえてくるようになっていた。
「葵」
呼ばれた葵は身体を起こすと、サラの身体の上でベネッサとキスを交わす。
それはすぐに舌を絡める烈しいキスになり、
受け止めきれなかった、どちらの物かも判らない唾液が口の端から垂れてサラの身体を汚した。
「こぼれちゃったわね」
顎に光る粘液を指で掬いとってやりながらベネッサが下を指し示すと、
その言葉をきっかけに、葵は再びサラの身体の愛撫に戻る。
ほぼ背中の中心辺りに落ちた唾液を掬いとると、そこから今度は身体の下に向かい、
自分の物とは違う、はっきりと、大きなふくらみを見せている臀部まで下りてきた葵は、
少し口を開けると嫉妬するように軽く歯を立てた。
「貴女も……変態だったって訳ね。全く格闘トーナメントも地に落ちたものだわ」
頭を支配しようとしていた快楽からようやく逃れて強気を取り戻したサラは再び葵をなじる。
「……そうかもしれまへん。それでも、ベネッサはんはうちを可愛がってくれます」
静かに応じると、葵は自分が以前ベネッサにされたように舌全体でサラの尻を舐めまわした。
肉感的ながら引き締まった尻肉が、葵の顔の動きに応じて微妙に震える。
片側だけでは飽き足らず反対側の尻をも舐めまわそうとする葵を見ながら、
ふとベネッサはサラが足を硬く閉じている事に気が付いた。
何故なのか考えて、すぐにある答えに思い至ったベネッサは、
艶を含んだ猫なで声で語りかける。
「ねぇ……足を開いてくれない?」
「そう言われて素直に開くと思ってるの?」
言いながら、サラは疑問を感じていた。
両手を縛られてしまった以上、足だって縛る事は容易なはずなのに、
それをしないのは何故なのだろう。
その答えはすぐに彼女の前に示される事になった。
「葵、私が貴女にした事……サラにも、教えてあげなさい」
ベネッサの、わざと目的語を省略した言い方にも葵はすぐに理解すると、
かつて自分がそうされた時のようにサラの腹を少し持ち上げ、自分の膝を潜り込ませる。
「サラはん……いきますえ」
頬を軽く紅潮させながら、葵は勢い良く手を振り下ろした。
「つっ……!」
流石のサラも、尻を叩かれる事は想像になく、思わず声をあげてしまったが、
しかし、恥辱にまみれながらも2度目からは意地で口を塞ぐ。
葵は自分より年上の女性を子供のように扱う事に倒錯めいた興奮を覚えていた。
最初はやや加減していた手も、
サラが反応を見せない事に煽られて段々と本気で叩きはじめる。
ベネッサに較べれば非力とは言え、
格闘家としての修練を積んでいる葵の手は充分すぎる痛みをサラに与えてくる。
それでもサラは良く耐えていたが、数発も叩くと、遂に苦痛が精神力を上回ったのか、
張っていた足の筋肉が緩んだ。
「待って、葵」
ベネッサはサラの足がわずかに開いたのを見逃さず、
一度葵の手を止めるとサラの内腿に手を滑りこませる。



<<話選択へ
<<前のページへ 次のページへ>>