今日は、幼稚園でお花見遠足があった。
みんなはお母さんと来ていたけど、僕にはお母さんがいない。
僕を産んですぐに死んでしまったんだ。
だから僕はお母さんの顔を写真でしか見たことが無い。
でも、双子のお姉さんの蒼ママにソックリだったんだって。
遠足には晃くんと行った。
晃くんは、僕のお父さんだけど、お医者さんになる為の、お勉強があって、ずっと一緒に入られないんだって。
だけど今日は晃くんと1日中遊べる。だから今日は、特別な日なんだ。
蒼ママが作ってくれた お弁当を一緒に食べるんだ。
右京パパは、蒼ママの旦那さんで、いつも僕と遊んでくれる。
遠足のおやつも、右京パパと買いにいったんだ。
僕は 今日の遠足を、とても 楽しみにしていたんだよ。
晃くん、僕ね お母さんと一緒に 遠足に行ってみたかった。
明君とお母さんと3人で 手を繋いで 遠足に行ってみたかったよ。
僕がそう言うと、晃くんが 少し寂しそうな 目をしていたんだ。
きっとお母さんの事を思い出していたんだと思う。
お母さんは桜の花が大好きだったって、蒼ママから聞いた事があるから。
「晃くん、今度はお母さんも一緒に連れてきてあげようね」っていったら
晃くんは「そうだね」って僕を抱っこしてくれて、「お母さんは、いつだって僕たち見ているんだよ」って教えてくれたんだ。
そしたら、凄い風が吹いてきて、桜の花びらが僕達にいっぱい降ってきたんだ。
誰かが『ふたりとも、だいすきだよ』って言った様な気がしたんだ。
お母さんは僕達と、今ここにいるのかな?
ねえ、晃くん。そうなんでしょう?
だって、晃くんは 僕が見たこと無いくらい 嬉しそうな顔をしていたんだもの。
お母さん、来年も 一緒に 遠足にいこうね。
桜の木の下で 晃視点 /
動物園へ行こう 晃視点