さくらの き のしたで    さとる視点 4月22日 暁3才



今日は、幼稚園でお花見遠足があった。
みんなはお母さんと来ていたけど、僕にはお母さんがいない。
僕を産んですぐに死んでしまったんだ。

だから僕はお母さんの顔を写真でしか見たことが無い。
でも、双子のお姉さんの蒼ママにソックリだったんだって。

遠足には晃くんと行った。
晃くんは、僕のお父さんだけど、お医者さんになる為の、お勉強があって、ずっと一緒に入られないんだって。

だけど今日は晃くんと1日中遊べる。だから今日は、特別な日なんだ。
蒼ママが作ってくれた お弁当を一緒に食べるんだ。
右京パパは、蒼ママの旦那さんで、いつも僕と遊んでくれる。
遠足のおやつも、右京パパと買いにいったんだ。

僕は 今日の遠足を、とても 楽しみにしていたんだよ。
晃くん、僕ね お母さんと一緒に 遠足に行ってみたかった。
明君とお母さんと3人で 手を繋いで 遠足に行ってみたかったよ。
僕がそう言うと、晃くんが 少し寂しそうな 目をしていたんだ。
きっとお母さんの事を思い出していたんだと思う。

お母さんは桜の花が大好きだったって、蒼ママから聞いた事があるから。
「晃くん、今度はお母さんも一緒に連れてきてあげようね」っていったら
晃くんは「そうだね」って僕を抱っこしてくれて、「お母さんは、いつだって僕たち見ているんだよ」って教えてくれたんだ。
そしたら、凄い風が吹いてきて、桜の花びらが僕達にいっぱい降ってきたんだ。
誰かが『ふたりとも、だいすきだよ』って言った様な気がしたんだ。
お母さんは僕達と、今ここにいるのかな?
ねえ、晃くん。そうなんでしょう?
だって、晃くんは 僕が見たこと無いくらい 嬉しそうな顔をしていたんだもの。


お母さん、来年も 一緒に 遠足にいこうね。




桜の木の下で 晃視点 /  動物園へ行こう 晃視点