―茜へ―
早いものだね。暁は4月から高校生になる
君の通っていた高校に入学するんだ。
そう、暁は今度の誕生日で16才になるよ。
つまり、君が逝ってしまってから16年になるということだよね。
僕にとっては昨日のことのようで、君との思い出は溢れるほどに色鮮やかなのに…
どうしてだろう。
君はいつまでも18才のままの笑顔で笑っている。
僕はいつの間にかおじさんになってしまったみたいだね。
君に会うとき余り年を取っているとガッカリされちゃうかな?
ああ、もちろん、まだまだ体力的にも暁に負けないし、気持ちだって若いから心配しないでね。
暁は最近生意気なんだ。
好きな娘がいるらしいんだけど、誰だか教えてくれないし、その話題になると露骨に嫌な顔をするんだよ。
なかなか素直になってくれないんだ。
君がいたなら上手く聞きだしていたかもしれないね。
晃には僕たちのように、素敵な恋をして欲しいと思う。
僕たちはとても幸せだったからね。
今も瞳を閉じれば、幸せそうに笑う君が浮かぶよ。
茜、暁は君とそっくりな笑顔で、笑うようになったよ。
+++ Fin +++
Copyright (c) 2005 Shooka Asamine All rights reserved.
Back /
ホタルINDEX