〜☆〜Christmas Special Step 2〜☆〜
〜〜〜♪
メールの着信音にピクッ眉が上がる。
この音は聖良に関するものだ。
俺と付き合いだして4ヶ月。聖良はしょっちゅう呼び出しを食らっている。
原因は俺なんだってわかっているから、聖良を守るために俺は情報網を張り巡らせている。
聖良が呼び出しを受けた時にすぐに助けに行けるように、あるいはそれを事前に防ぐ為に。
今日は…同級生の金森愛子が聖良を呼び出したらしい。
いい加減にしろよな。
金森は入学した頃から俺に付きまとっている女だ。
正直俺の一番苦手なタイプで、自分がちょっと美人である事を鼻にかけている。
確かに整った顔をしているのかもしれない。
だけど…
俺は女が嫌いだ
いや、聖良以外の女が苦手だというのが正しい言い方かもしれない。
女は利己主義で、男に媚びて自分を売りつけその身体を開いて男を操りたがる。
俺はそんな女が大嫌いだ。
どんなに顔が綺麗でもその中は目を覆いたくなるほど醜い…。
いつだって人を蹴落し自分がいい思いをするために友達さえも売りつける。
例えそれが親友であっても平気で裏切ったりする。
女ってそんなモンだろう?
だから俺は女には興味が無かったし興味を持ちたいとも思わなかった。
そう思っていた俺を変えたのは聖良だった。
聖良は純情なんて言葉だけでは表現できないくらい純粋だ。
顔も可愛いが、心が本当に透明なんだ。
初めて見たときから何かが違うと思って目を惹かれた。
まあ、聖良の余りの純情ぶりに驚いたのがきっかけだって言うのはあったけどな。
知れば知るほど聖良が欲しくなる。
そのピュアな心も、真っ直ぐな瞳も、柔らかい唇も全部俺だけのものにしたくなる。
女に対してこんな想いを抱くなんて考えてみた事も無かった。
俺はいつだって冷静で、冷たい目で女を観察していた。
それなのに、聖良の前だけではそのポーカーフェイスも崩れてしまう。
聖良の笑顔を見るだけで心が和んで頬が緩んでしまう。
聖良の声を聞くだけで胸が震えて抱きしめたくなる。
この想いが恋といわれるものだと気付くまで3ヶ月もかかってしまった。
俺って結構鈍感だったんだな。
今も俺の腕の中から逃げ出そうとジタバタと顔を真っ赤にしている聖良を見ていると愛しさがこみ上げてきてすぐにでもキスをしたくなる。
ココがどこだとか、今がどんな時だとかそんな事何も考えられなくなって聖良の唇に吸い寄せられるよう視線が釘付けになってしまうんだ。
…ったく、見境ないな、俺。
出来ればガラスケースにでも入れて人目につかないところに飾っておきたい。
ずっと俺だけを見てくれるようにどこか遠くへ連れて行って、他の誰の目にも触れないところに隠してしまいたい。
聖良は多分俺がこんな気持ちを抱いているなんて思わないんだろうな。
俺のこんな気持ちも知らず素直に呼び出しに応じてしまう聖良は本当に危なっかしい。
呼び出しなんか無視しろって何度も言っているのに素直な聖良はいつだって律儀に呼び出しに応じてしまう。
いつか怪我でもしないかと俺がハラハラしているなんて考えても見ないんだろうな。
嫉妬の塊の女の前にのこのこと出て行くなんて、腹をすかせた猛獣の前にウサギを置くようなものだ。
それなのに、聖良は『話をきいてあげなくちゃ、わかってもらえないもの』とかわいい事を言ってくる。
その殺人的天然スマイルはやめて欲しいよ。何も言えなくなるだろう?
聖良はどの位わかっているのか知らないが、女の嫉妬って言うのは怖い。
俺は今までの経験と観察からそれを十分に知っているつもりだ。
大切な聖良をそんな嫉妬の対象になんかしたくない。
心配でしょうがない俺は、聖良のクラスや友達に片っ端から声をかけ聖良の行動を監視させている。
ストーカーとでも何とでも言え。聖良が怪我でもしたら、俺は一生後悔するだろう。
こんなに綺麗な聖良をなんであいつらは傷つけたがるんだ?
聖良にはずっとこのまま清らかでいてもらいたいんだ。
綺麗な心のままで
聖良を染めるのは他の誰でもない、俺なんだから
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龍也のヤツ独占欲…丸出しですね(爆)。もう、惚れちぎってますから(笑)
聖良が心配で心配でしょうがない龍也。まるで超過保護親父。すっかり保護者のようになっています。
でも、龍也って女嫌いだったんですよ。聖良が彼をここまでヘタレに変えちゃったのね(笑)
ここまではまだ、ほのぼのですが、いよいよ龍也のライバル登場です。これから波乱の予感が…。