〜☆〜Christmas Special Step 5〜☆〜
生徒会室のソファーで聖良を抱きしめてじっとそのぬくもりを感じる。
そうしてからどのくらいの時間が経っただろう。
俺はそっと聖良の顔を覗き込みやっと止まった涙の後をそっと指でなぞった。
「落ち着いたか?」
「ん…。ヒック…なんとか…。」
落ち着いたと言いつつも、泣きすぎたせいで、まだ喉はしゃくっているし目は腫れて、相変わらず潤んでいる。
結局午後の授業に出られる状態では無い聖良を生徒会室に連れてきて休ませて、気が付けばもう6限目も終わる時間だ
あの後ひたすら泣きじゃくった聖良は、今やっと落ち着きを取り戻しつつあった。
覗き込む俺を心配させない為、まだ潤んで真っ赤の目を一生懸命に擦って笑みを見せようとする聖良が痛々しい。
ギュッと抱きしめて、聖良を腕に閉じ込めると唇を額に押し当てる。
「聖良…おまえは俺の事好きなんだよな・・・。本気で好きだって、俺だけを好きだって言ってくれたよな。」
「ハイ…先輩だけを好きです。」
「聖良…俺とだったらいいって言ってくれたよな。俺とならそうなってもいいって…。あの言葉信じてもいい?」
「…ハイ。本当です。先輩だけが好き…あたし、くやしい。」
「…聖良?」
「あたしは…龍也先輩にしか触れて欲しくなかったのに、あんなこと…。」
聖良はゴシゴシと唇をハンカチで擦りだした。涙を堪えながら何かに取り付かれたように何度も擦っている様子を見ていると、唇がうっ血してきている事に気付く。強く噛締めた部分は僅かに出血さえしている。
「聖良、だめだ。血が出てる、もうやめるんだ。」
「いやっ!止めない。だって感触が残っているんだもの。気持ち悪い…。も、先輩の傍にいる資格ないですよね。あたし。」
「何をバカなこと言ってるんだよ。聖良のせいじゃないだろう?俺がもう少し早くおまえを助けに来ていたら…。」
聖良の柔らかな頬に手を添えて、親指でうっ血した唇に触れる。
「暁先輩が助けてくれたから…。」
「だから余計に腹が立つんだよ。おまえが見とれていた暁に今回もイイトコ取られたみたいで。
その唇、消毒するぞ。俺が忘れさせるから…心配するな。」
それだけ言うと、聖良の唇にそっとキスをした。
思いが溢れ出す。
何度も啄むように優しくキスを交わす
聖良好きだよ
おまえは俺だけを見つめていればいいよ
俺が全部忘れさせてやるから
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あ…あまっ(*/∇\*) いつもの激甘お馬鹿カップルです。とりあえず第一関門突破って事で(笑)
聖良を癒そうと優しく抱きしめる龍也。優しいですね〜。
でも、まだまだ波乱は続きます。傷ついた聖良。彼女は自分の考えに囚われて龍也を深く傷つけてしまいます。