〜☆〜Christmas Special Step 6〜☆〜
先輩が優しく慈しむようにキスをくれる。
傷ついた心をそっと癒すような優しいキス。
あたしは先輩のことが好きだよ
浦崎先輩の言った事なんて嘘だ。
『佐々木を本気で好きなわけじゃないだろう?勢いに飲まれて恋してると錯覚しているだけだよ。』
そんな事ない
確かに最初は先輩の勢いに押されてOKした交際だけど、今はこんなに先輩のことが好きだもの。
あたしの気持ちは決まっている。
龍也先輩が大好きなの。
この気持ちは日増しに大きくなっている。
『セックスも知らないで本当に佐々木を好きだなんて言える訳?』
セックスってそんなに大事な事なんだろうか。
ただ、先輩を好きって言う気持ちだけじゃダメなのかな。
この間、初めて知った自分の中の感情。
先輩とならいつかそうなってもいいと思った。
だけど、実際には何をどうしていいのかわからなくて、相変わらずあたしの中では何も進展していない。
先輩はそれをどう思っているんだろう。
あたしが何か言い出すのを待っているのかな。
先輩は…やっぱり恋愛にはセックスが必要だって思っているのかな?
いつも思うことがある。
龍也先輩はあたしなんかの何が良くて付き合っているんだろう。
呼び出されるといつも言われる事。『どうしてあなたなの?』
あたしは龍也先輩には不釣合いだって、誰もが思っているんだと思う。
あたしがもっと美人で、頭も良くて、誰からも賛美されるような女性だったら龍也先輩の彼女として認めてもらえるのかもしれないね。
あたしが呼び出されるたびに飛んできてくれる龍也先輩。
あれだけ先輩に心配をかけておいて、何度も無防備だとか気を付けろとか言われていたのに、バカなあたしは自分の不注意で先輩を最悪の形で裏切る事になってしまった。
こんなあたしは先輩の傍にいちゃダメなのかもしれない。
いつだって先輩に護ってもらってばかりで、何も先輩のためにできる事がない。
先輩に心配ばかりかけて、おまけにこんな最悪な形で先輩を傷つける事になってしまった。
あたし、先輩の傍にいても何も出来ない。
それどころか迷惑ばかりかけている。
お願い。そんなに優しくしないで…
こんなバカなあたしはあなたに優しくしてもらう資格なんてないの。
やさしく啄む唇から龍也先輩の想いが流れ込んでくる。
聖良…好きだよ…
その想いを受け止めるだけの資格は今のあたしには無いね。
どんなに好きでもそれだけじゃ駄目なこともあるんだってわかった。
やっと止まった涙がもう一度流れ出す。
あたし…わかったの
あなたのためにできるたった一つの事。
たぶんこれがあたしの選ぶべき道なんだと思う。
もう、これ以上あたしに優しくしないで…。
先輩に相応しいもっと綺麗で頭のいい女性を選んで…。
唇が離れた一瞬に静かに告げる。
「龍也先輩…もう、おしまいにしましょう。」
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聖良…。決して言ってはいけない言葉を口にしてしまいました。龍也、傷つきますよね。
えぇ、もう傷ついたなんてモンじゃないんです。正直壊れてキレました。
この先…本当にお見せしてもいいんでしょうか?龍也ファンの方(いるのか?)は止めたほうがいいかも(苦笑)
本編【Love Step】ではぜったいにUPできないです。龍也のバカ〜!暴走しやがって!!