〜☆〜Christmas Special Step 15〜☆〜
この間の聖良の涙が脳裏から離れない。
あの場に俺と暁がいた事に聖良は気付いていなかったが美奈子はわかっていたらしい。
だから浦崎と金森の会話の内容をわざと俺に聞かせるように聖良と話していたんだろう。
浦崎と金森が繋がっていたなんて思わなかった。
あいつらが俺たちの仲を裂くために仕組んだ事だったなんて。
考えれば考えるだけ腹が立つ。
聖良を傷つけた二人が許せない。
浦崎も、金森も俺が話をつけてやる。
これから先、聖良が何も不安を感じないように
いつだって、聖良が幸せに笑っていられるように
出来るなら聖良を柔らかな布で覆って誰の目にも触れさせないでおきたい。
壊れてしまいそうな細い体を大切に大切に宝箱の中に仕舞い込んでおけたらいいのに。
どんな風にも当てず、ただ優しい日の光だけを浴びて俺の為に微笑んでいて欲しい。
心の不安も悲しみも、おまえの頬を涙で濡らすもの全てを排除した世界に隠しておきたい。
わかってる。そんな事は出来るはずがないって。
聖良はそんなことを望んだりしないって。
でもこれだけは知って欲しいんだ。
俺はどうしようもないくらい聖良に溺れているよ。
それこそ、聖良がいないと息も出来なくて溺死してしまうくらいに。
聖良のことが好きで好きで壊れてしまいそうだ。
おまえの温もりをずっとこの腕に感じていたい。
そうしないと俺はきっと狂ってしまうよ。
その腕を引き寄せて柔らかい唇にキスをする。
そうでもしないと俺はおまえが俺を好きだって信じられないんだ。
本当はいつだって不安だった。
聖良は俺の事を本当に好きなんだろうか…と。
『聖良はお前に強引に彼女にされたんだろう?』
浦崎の言った事は俺がずっと胸に抱えていた不安そのものだった。
なあ、聖良。俺はおまえが何度も好きって言ってくれないと不安でしょうがないんだよ。
ヘタレだって笑ってくれてもいいよ。それでも俺にはおまえの言葉が必要なんだ。
俺がこんなにも不安に感じているなんて、聖良は微塵も思わないだろうな。
でも、俺だってそんなに強くないんだよ。本当は聖良をいつだって抱きしめていないと不安でしょうがないんだ。
いつか俺の腕の中からすり抜けていってしまいそうで…。
聖良が手の届かない遠くへ消えてしまいそうで…。
聖良、今日おまえがここにきたら今度こそ絶対に言うよ。
この間はゴメンって、それからお前の事が誰よりも好きだって。
もう、すれ違いは止めよう。
聖良…早く俺の元へ戻って来い。
俺はもうおまえのいない世界では生きていけないんだ。
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聖良の気持ちを偶然聞いた事で心が軽くなった龍也。ようやく仲直りの糸口が見えてきました。
ところが生徒会室へと向かう途中、聖良に悲劇が起こります。
まだ、続きを読んであげるよとおっしゃる方は次のStepへどうぞ。