〜☆〜Christmas Special Step 24〜☆〜
「蓮見聖良さん。君の事が誰よりも好きです。…俺と付き合ってもらえますか?」
龍也先輩の声が胸に反響するように響いて染み込んでいく。
涙が溢れて止まらなかった…。
龍也先輩の声が優しくて…先輩の想いが嬉しくて…。
先輩の想いに共鳴するようにあたしの心からどんどん思いが溢れてくるの。
「ハイ……喜んで…。あたしも龍也先輩が大好きです。あたしと付き合って下さい。」
「はい。もちろん喜んで。…もう一度最初からStep Upしような。」
龍也先輩はそう言って凄く綺麗に優しく微笑んでくれた。あたしの一番大好きな笑顔で…。
その瞳に囚われたようにコクンと頷くと、先輩の笑顔に引き寄せられるように微笑んだ。
たぶん、あたしはとても幸せな顔をしていたんじゃないかと思う。
頬が、口元が、あたしの意思ではなく感情に反応して緩んでいくのがわかる。
こんなにもこんなにも愛しいと思う気持ちが溢れてきて止まらない。
龍也先輩が進む道なら、あたしはどこまでも一緒についていきたい。
龍也先輩に手を引かれて恋のStepを一緒に登っていきたい。
「聖良…キスしてもいい?」
その声にあたしは無意識に腕を伸ばすと龍也先輩の首に腕を絡ませていた。
うんと背伸びをして唇を寄せる。
「…!聖良…」
何かを考える余裕なんて無かった。
響先輩や暁先輩がその場にいることも忘れていた。
目の前の龍也先輩の事しか考えられなかった。
胸を突き上げるような愛しさに導かれるように唇を重ねて、驚きに僅かに開いた唇にそっと舌を滑らせた。先輩はあたしの思いがけない行動に驚いたみたいだったけれど、すぐにあたしに応えてくれる。
何度も啄むように唇を求め合い、舌を絡めあう。
もっともっと触れていたくなる。
もっともっと傍にいたくなる。
もっともっと先輩が欲しくなる。
あなたが愛しくて、あたしの持っている何もかもをあなたに捧げたいと思う。
ああ……わかったような気がする。
心も身体も欲しくなるってこういうことだったんだ…。
好き 大好き 愛してる
どの言葉も確かにあたしの気持ちを表しているのに、その想いは言葉の中に収まりきらない位大きくて表現できないの。
だから、キスを繰り返して触れる場所から想いを伝えたいと思うのかな。
もっと伝えたいと思うから、身体を重ねて体温で伝えたいと思うのかもしれないね。
龍也先輩を想う気持ちを表現する言葉がこの世に存在しないのなら、やっぱりそうなるのが自然なのかもしれない
この想いを伝える事ができるならそれでも良いと思えるのは、あたしも少しは大人になれたのかな?
ねぇ?龍也先輩
「俺たちの存在忘れてるんじゃねぇか?おまえら。」
笑いを堪えたような暁先輩の声にハッとして現実に引き戻される。
…忘れてたかもしれない
一気に顔が赤くなり慌てて先輩から離れようとした。
それなのに龍也先輩はあたしを離してくれない。それどころかますます強く抱きしめてくる。
「先輩、苦しいですよ。」
「ダメ…もっとキスして…。不安だった分取り戻すから。」
「え…でも…。」
龍也先輩は気にならないの?暁先輩も響先輩も冷やかすような視線であたしたちを見ているのに。
「はいはい。俺たちはお邪魔な訳?心配して損した。ちゃんと仲直りするんだぞ。…亜希も心配しているだろうからさ。」
響先輩が少し遠い目をして微笑んだ。 響先輩は…本当に亜希のこと好きでいてくれたんだね。
「龍也。キスまでは許すけど、ココで押し倒すのはやめとけ。いいな?」
暁先輩の言葉に思わず頬が熱くなる。そんな恥ずかしい事言わないで下さい。
さっき考えていた事が一瞬頭をよぎって顔が熱くなる。
「わかってるよ。仲直りするからとっとと出て行ってくれ。二人っきりにしてくれよ。」
龍也先輩はウィンクしながら二人にそう言うと、クスクス笑ってあたしの頬にキスをした。
ふたりが呆れたように笑って出て行ったのを確認すると、すぐにキスの雨が降ってくる。
何度も呟くように「好きだよ」って言う先輩の声があたしを包むように幸せな気持ちにする。
もっとあなたに触れていたい…。
もっとあなたの傍にいたい…。
あなたのすべてが愛しい。
あなたのすべてが欲しい
あたしの全てをあげるから…
お願い。ずっとあたしだけの龍也先輩でいて。
あたし自身を心ごと全部あなたに捧げるから。
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すっかりラブラブのふたりに戻りましたね。聖良がちょっと女に目覚め始めたような…?
この後もラブラブですよ。いい加減にしやがれ!にやけながら読んで下さい(笑)
最後までお楽しみいただけると嬉しいです。