〜☆〜Christmas Special Step 25〜☆〜
キスの合間に漏れる聖良の甘い吐息が胸を焦がす。
擦れる様な切ない声に胸が締め付けられる…。
もっともっとあなたが欲しいと、聖良の心が俺を求めているような気がする。
俺って自意識過剰かな?
自意識過剰でも何でもいい。
自分の都合の良いように想像しているとでも妄想しているとでもなんとでも言え。
俺の腕の中にいる聖良が現実であればそれでいい。
「聖良…好きだよ。」
「あたしも…好きです…先輩…」
聖良の口から『好き』と一言漏れるたびに心臓がドキドキして、にやけてしまうのを止められない
単純だよな。…俺ってこんなヤツじゃなかったと思うんだけど。
聖良の口から『好き』という言葉を何度も聞きたくて、『好きだよ』と何度も語りかける。
そうすれば必ず聖良が『あたしも好きです…。』って言ってくれるのを知っているから。
聖良といるとどんどん変わっていく俺がいる。どんどん優しくなれる自分がいる。
腕の中に収まる聖良の存在を確かめて初めて自分がどんなにバカな考えに囚われていたのか実感した。
最初から何も迷う事も悩む必要も無かったと聖良の真っ直ぐな瞳が俺に教えてくれている。
俺ってバカだよな。何を見失っていたんだろう。
聖良は最初から、俺だけを見つめていたじゃないか。
聖良の額にそっとキスをしてから両手を優しく握り締めたまま体を離すと、額をコツンと合わせる。
聖良が瞳を伏せるのを確認してから静かに瞳を閉じて誓いを立てる様に語りかけた。
「ごめんな。もう迷ったり嫉妬して責めたりなんてしないから。ふたりでゆっくりと進んでいこうな。慌てて階段を駆け上がると聖良のことだ、また踏み外すかもしれないからな。」
「クスッ…そうですね。あたし、先輩について行きますから…。だから、ずっと手を繋いであたしを引っ張っていって下さい。あたしがステップを踏み外さないように。」
「ああ、ずっと手を引いて、ゆっくりStep Upしてやるよ。イヤって泣いてももう絶対に離してやらないし。」
「うん、離さないで下さい。あたし、もう先輩しか見えないんですから…ずっとあたしの事好きでいて下さいね。」
「俺も、聖良しか見えないから…責任とってくれよな?」
「責任とるって?」
「こうして俺にちゃんと気持ちを伝えてくれればいいんだ。俺ばっかり好きって言ったり、キスしたりするんじゃ、俺だって不安になるよ。
ほら、キスも随分上手になったし、好きって言っても恥ずかしがらなくなってきたじゃないか。」
「…まだ恥ずかしいですよ。でも、言葉が溢れてくるんです。この想いを伝えたいって…。
もしかしたら、もう二度と好きって伝える事も、言ってもらう事も無いかもしれないと思っていたから。」
「バカだな。俺が聖良を忘れられるわけ無いだろう?気が狂うかと思うくらい会いたかったんだぜ?」
「あたしだって…スゴク会いたかった。1秒だって龍也先輩のこと考えない時は無かったもの。」
顔を見合わせてクスクスと笑うと、どちらからとも無く唇を寄せた。
聖良といると季節が移り変わるように自分が変わっていくのが良くわかる
夏から秋、秋から冬へと季節が静かに移り変わるように俺の心をゆっくりと癒し穏やかに変えている。
聖良に恋する想い、それが俺を少しずつ優しい人間に変えていく事が心から嬉しい。
こんなにも誰かを想う事の出来る自分が幸せだと思える日が来るなんて考えた事も無かった。
俺たちはふたりでひとつなんだな。
俺に無かったものを聖良が埋めて、少しずつ俺を変えている。
聖良に欠けているものを俺が補って埋めていく。
こんな自然な形がとても俺達らしいと思う。
なあ?聖良。
これからもずっと手を繋いでふたりでStepを登っていこうな。
急ぐ必要なんて無い。
俺たちのペースでのんびりと一つずつ上がっていこう。
俺たちのLove Step(恋の階段)に終わりなんて無いんだから
そっと優しく触れては離れる。
…この優しいキスが大好き…
あたしは先輩がいるから強くなれる。
彼が笑っていてくれるなら、どんな事でもしてあげたいと、すごいエネルギーが身体から湧き上がってくる。
あたしが強くなれるのも少しずつ変わってきているのも、全部全部先輩のお陰なんだよ
わかってくれているのかな
ねえ?龍也先輩
ずっと、一緒に手を繋いでStepを登っていって下さいね。
ずっと、あたしを引っ張っていって下さいね。
ずっと、あたしを好きでいて下さいね。
あたしは、ずっとずっと、龍也先輩のことが大好きだから…。
恋に不器用なあたしだけど…この想いは誰にも負けないから
BACK /
NEXT
あ゛〜!!バカップル(笑)激甘警報発令中。勝手にやってろって感じですね(笑)
龍也はひとまわり心に余裕ができ、聖良は少し女らしく成長しました。この後も甘いですよ♪
最後までお楽しみいただけると嬉しいです。