息をつく暇もなく、舌を絡め取られ、歯列を舐め上げられる。
自分から激しく口づけを求めた事は何度もある。
しかし秀吾からここまで激しいキスを施された事は一度も無かったのだ。
強く吸い上げられ、時折下唇を甘噛みされ、背筋を駆け抜ける戦慄のようなものが、俊二を追いつめる。
「う……く、な、秀吾……っ」
その急激な変化に恐怖を感じた俊二が身じろぎしようとすると、秀吾はシャツを捲りあげて、俊二の小さな突起に歯を立てた。
「っつ……! バカ、やめ……!」
「誰がやめるか」
秀吾の低い声に欲情が滲んでいるのがわかった。
硬直する俊二に、秀吾が畳み掛ける。
「お前、俺が我慢しとるなんて……夢にも思うとらんかったやろ? ええ加減にせぇよ……!」
手首を掴まれて動きを封じられた俊二の身体を、秀吾の舌が這う。
そして半ば強引に、履いていたハーフパンツを引きずり下ろされた。
「うわ、何すんじゃ、アホ……!」
「……なにって、セックス」
言うや否や、秀吾は再び昂ぶりはじめていた俊二のものを、何の躊躇もなく呑み込んだ。
「ぁう……!」
俊二の昂り始めていたそれよりももっと、秀吾の舌は熱くて、俊二は声を堪える為に、必死で歯を食いしばる。
ぴちゃ、ちゅ、と聞こえてくる水音がやけにはっきりと聞こえた。
「やめろ……中に……でる……っ」
「だせよ」
快楽と羞恥にもがく俊二など素知らぬ振りで、秀吾は愛撫を続けた。
喉奥まで呑み込まれ、放り出されたかと思えば形を辿るように舌を這わされる。
逃げ場のない快楽に追いつめられ、ついにそれは頂点に達した。
「く……!」
吐き出した白濁は秀吾の頬にかかり、白く汚れたそこを、彼は手で拭った。
堪えきれない快感に溢れ出た涙が、幾筋が頬を伝う。
その目前で、頬から流れ落ちる俊二の白濁を、秀吾は音を立てて舐める。
一瞬何をしたのか、俊二には理解が出来なかった。
「……あ、割と平気かも、俺」
我に返った俊二が、慌てて怒鳴りつけた。
「……バカ! アホ! 何てこと……!」
「それを俺の前で先にやったのはどっちじゃ」
秀吾の声が怒気を孕んでいるような気がする。
「俺、これでも我慢しとったんや。それを、ぶち壊しにしやがって……!」
秀吾は半ば怒鳴りつけるような口調だった。秀吾の顔が紅潮している。
「……我慢? 何を?」
意外な反応に途切れ途切れに俊二が問うと、秀吾は叩きつけるように吐露したのだ。
「お前が、好きやから……無理はしないように、と思っとったのに……!
こんなやらしい顔されて、我慢なんか出来るか!」
「……はい?」
秀吾の言葉の意味を理解できずに、俊二は凍り付いた。
「手だけじゃ、足りん……最後まで、させろ」
さらに言いつのって、のしかかってくる秀吾を、ほとんど条件反射で押しとどめ、俊二は尋ねる。
「好きって……俺を、か?」
「当たり前や! 好きでもない野郎とこんな事するか!」
……好き?
好きなのは、俺だけじゃなかったのか?
「これまで我慢してきた分、覚悟しろよ」
耳元で囁きかけられ、吐息のくすぐったさに身をよじらせた俊二の首筋を、秀吾の舌が這う。
「頭で理解出来てないんやったら、身体でわかればええんや」
「なんやその、体育会系な発言……あ……っ!」
熱を吐き出して力を失っていた俊二のそれに、熱く張りつめた秀吾のものが触れた。
「……これ、お前の中に……入れて、ええか?」
敏感な部分に秀吾の熱と情欲が直接伝わる。
秀吾はさらにそれを擦り上げ、俊二を煽った。
「あ、あ……やめ、秀……吾……!」
耳を塞ぎたくなるような嫌らしい音が聞こえる。
「……また、おっきくなった。なあ、俊……俺、お前に何したらええ?」
本心を吐き出させようとする、狡い言葉だと思った。
けれども、俊二の欲しかったものは、すぐ目の前にある。
自分の望んできた事は。
「俊……俊二」
これまでに聞いた事のないような甘い声で、秀吾が囁く。
……ああ、俺の負け、かも。
「どうしたらええ?」
秀吾の甘い囁きは逃げる事を許さない響きを帯びて。
俊二は秀吾にしがみつき、ついに自らを解放したのだ。
「……お前が、欲し……っ」
自分でも惨めになるくらい、かすれ、震えた声だった。
「……俺も、や……俊、好きや……」
秀吾は優しく囁きながら、俊二に望むものをくれたのだった。
---------------------------------------------------
その後、文字通り身体に「好き」を刻み込まれた俊二は、熱を出して3日程寝込む事になったのだった。
熱が下がるまで秀吾が付きっきりだったのは、言うまでもない。
終
自分から激しく口づけを求めた事は何度もある。
しかし秀吾からここまで激しいキスを施された事は一度も無かったのだ。
強く吸い上げられ、時折下唇を甘噛みされ、背筋を駆け抜ける戦慄のようなものが、俊二を追いつめる。
「う……く、な、秀吾……っ」
その急激な変化に恐怖を感じた俊二が身じろぎしようとすると、秀吾はシャツを捲りあげて、俊二の小さな突起に歯を立てた。
「っつ……! バカ、やめ……!」
「誰がやめるか」
秀吾の低い声に欲情が滲んでいるのがわかった。
硬直する俊二に、秀吾が畳み掛ける。
「お前、俺が我慢しとるなんて……夢にも思うとらんかったやろ? ええ加減にせぇよ……!」
手首を掴まれて動きを封じられた俊二の身体を、秀吾の舌が這う。
そして半ば強引に、履いていたハーフパンツを引きずり下ろされた。
「うわ、何すんじゃ、アホ……!」
「……なにって、セックス」
言うや否や、秀吾は再び昂ぶりはじめていた俊二のものを、何の躊躇もなく呑み込んだ。
「ぁう……!」
俊二の昂り始めていたそれよりももっと、秀吾の舌は熱くて、俊二は声を堪える為に、必死で歯を食いしばる。
ぴちゃ、ちゅ、と聞こえてくる水音がやけにはっきりと聞こえた。
「やめろ……中に……でる……っ」
「だせよ」
快楽と羞恥にもがく俊二など素知らぬ振りで、秀吾は愛撫を続けた。
喉奥まで呑み込まれ、放り出されたかと思えば形を辿るように舌を這わされる。
逃げ場のない快楽に追いつめられ、ついにそれは頂点に達した。
「く……!」
吐き出した白濁は秀吾の頬にかかり、白く汚れたそこを、彼は手で拭った。
堪えきれない快感に溢れ出た涙が、幾筋が頬を伝う。
その目前で、頬から流れ落ちる俊二の白濁を、秀吾は音を立てて舐める。
一瞬何をしたのか、俊二には理解が出来なかった。
「……あ、割と平気かも、俺」
我に返った俊二が、慌てて怒鳴りつけた。
「……バカ! アホ! 何てこと……!」
「それを俺の前で先にやったのはどっちじゃ」
秀吾の声が怒気を孕んでいるような気がする。
「俺、これでも我慢しとったんや。それを、ぶち壊しにしやがって……!」
秀吾は半ば怒鳴りつけるような口調だった。秀吾の顔が紅潮している。
「……我慢? 何を?」
意外な反応に途切れ途切れに俊二が問うと、秀吾は叩きつけるように吐露したのだ。
「お前が、好きやから……無理はしないように、と思っとったのに……!
こんなやらしい顔されて、我慢なんか出来るか!」
「……はい?」
秀吾の言葉の意味を理解できずに、俊二は凍り付いた。
「手だけじゃ、足りん……最後まで、させろ」
さらに言いつのって、のしかかってくる秀吾を、ほとんど条件反射で押しとどめ、俊二は尋ねる。
「好きって……俺を、か?」
「当たり前や! 好きでもない野郎とこんな事するか!」
……好き?
好きなのは、俺だけじゃなかったのか?
「これまで我慢してきた分、覚悟しろよ」
耳元で囁きかけられ、吐息のくすぐったさに身をよじらせた俊二の首筋を、秀吾の舌が這う。
「頭で理解出来てないんやったら、身体でわかればええんや」
「なんやその、体育会系な発言……あ……っ!」
熱を吐き出して力を失っていた俊二のそれに、熱く張りつめた秀吾のものが触れた。
「……これ、お前の中に……入れて、ええか?」
敏感な部分に秀吾の熱と情欲が直接伝わる。
秀吾はさらにそれを擦り上げ、俊二を煽った。
「あ、あ……やめ、秀……吾……!」
耳を塞ぎたくなるような嫌らしい音が聞こえる。
「……また、おっきくなった。なあ、俊……俺、お前に何したらええ?」
本心を吐き出させようとする、狡い言葉だと思った。
けれども、俊二の欲しかったものは、すぐ目の前にある。
自分の望んできた事は。
「俊……俊二」
これまでに聞いた事のないような甘い声で、秀吾が囁く。
……ああ、俺の負け、かも。
「どうしたらええ?」
秀吾の甘い囁きは逃げる事を許さない響きを帯びて。
俊二は秀吾にしがみつき、ついに自らを解放したのだ。
「……お前が、欲し……っ」
自分でも惨めになるくらい、かすれ、震えた声だった。
「……俺も、や……俊、好きや……」
秀吾は優しく囁きながら、俊二に望むものをくれたのだった。
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その後、文字通り身体に「好き」を刻み込まれた俊二は、熱を出して3日程寝込む事になったのだった。
熱が下がるまで秀吾が付きっきりだったのは、言うまでもない。
終