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第七回 永楽館歌舞伎

2014年11月4日(火)~11月9日(日)
第一部(11:30開演)/第二部(16:00開演)
※9日(日)は第一部のみ

配役

配役

一、桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)
帯屋

帯屋長右衛門:六代目 片岡愛之助
信濃屋娘お半、丁稚長吉:初代 中村壱太郎
弟儀兵衛:二代目 片岡千次郎
隠居繁斎:三代目 片岡當十郎
義母おとせ:初代 中村寿治郎
女房おきぬ:六代目 上村吉弥

二、お目見得 口上(こうじょう)

幹部俳優出演

三、神の鳥(こうのとり)

狂言師右近 実はこうのとり(男)、山中鹿之介幸盛:六代目 片岡愛之助
狂言師左近 実はこうのとり(女):初代 中村壱太郎
こうのとり(子):初代 上村吉太朗
傾城柏木:六代目 上村吉弥
赤松満祐:六代目 市川男女蔵

データ

筋書

愛之助丈関連
16ページと17ページの間の折込(すべてカラー)
 舞台写真「義賢最期」木曽先生義賢、プロフィール(舞台写真「角力場」山崎屋与五郎、舞台写真「角力場」放駒長吉)
 裏はポスター:舞台写真「GOEMON」石川五右衛門
17ページ:舞台写真「新口村」亀屋忠兵衛、舞台写真「鯉つかみ」滝窓志賀之助(すべてカラー)
「永楽館歌舞伎」という冊子付き(オールカラーで今までの舞台写真満載)

料金

11,000円(全席指定)
筋書:1,000円

雑誌

『演劇界』2015年1月号

愛之助丈関連
72ページ:舞台写真「神の鳥」狂言師右近実はこうのとり(カラーグラビア)
94ページ:舞台写真「桂川連理柵」帯屋長右衛門(モノクロ 4枚)
95ページ:舞台写真「口上」(モノクロ 1枚)
95ページ:舞台写真「神の鳥」狂言師右近実はこうのとり(モノクロ 3枚)/山中鹿之介(モノクロ 1枚)
108ページ:「永楽館歌舞伎」の劇評
125ページ中段:システィーナ歌舞伎の紹介(1/3ページ)
126ページ中段:「未の芸能」の紹介(1/5ページ)
演劇界 2015年 01月号 [雑誌]

感想

感想


7日の昼の部を前方花道寄りで観劇。

桂川連理柵

長右衛門(愛之助丈)が養子で、おとせ(寿治郎丈)が後妻で、儀兵衛(千次郎丈)がその連れ子という関係。
長右衛門はまさに辛抱立役という感じで、おとせと儀兵衛にあれやこれや言い立てられ、箒で叩かれてもじっと耐えるだけ。演じていてストレスたまるだろうなぁ…

おとせの意地悪婆さんっぷりがすごい。キャラが立ってるし、いっそ清々しいくらいに意地が悪い。
儀兵衛は『封印切』のはっつぁんみたいな感じ。丁稚の長吉(壱太郎丈)とのやり取りで笑わせる。この間も、長右衛門はじっとうつむいて控えているだけ。
父・繁斎(當十郎丈)は最後に怒りを爆発させるが、こちらもじっと我慢して聞いている。
筋書によると、長右衛門は死を覚悟していたらしいが、見ていてちょっとわからなかった。繁斎が長右衛門に「さかさまごとをしてくれるなよ」と言うあたりがそうだったのかな。

おきぬ(吉弥丈)は“That's 上方の女”という感じの絶えまくる女房。
長右衛門に「旅先で寝ていたら、お半(壱太郎丈)が長吉に迫られて逃げてきて、眠いなーと思ってたら、いつの間にやら関係してた」みたいな言い訳されても、ぐっと耐える。
それどころか、「仲直りに飲みましょう。おつまみ作ってくるわ(意訳)」という健気さ。
おきぬこそ、長右衛門を箒でぶちのめしてもいいと思うぞ。

長右衛門が疲れて横になっていると、お半がやってくる。見た目はお染みたいなお嬢様。
お半が泣く場面で笑う客がいたが、話の筋が理解できてないんだろうか? 丁稚と2役だったから、あまりに違い過ぎて笑ってしまったんだろうか?
お半は長右衛門に「思い切ります」と告げ、玄関に書置きを残して花道を去っていく。それに気付いた長右衛門は「一緒に死ぬのが親御への言い訳」と、刀を持ってお半の後を追いかけていく。

いやもう、救えない。
お半は長右衛門に好意を持っていただろうけど、長右衛門はおきぬの方に愛情を持ってるみたいだし、相思相愛じゃないのに心中するなんて意味がない。
一番かわいそうなのは、おきぬだ。固めの杯を準備している間に夫が心中しに行くとか… ないわー。
上方歌舞伎に出てくる男は見ていてイライラするんだけど、なんでもかんでもハッピーエンドにするハリウッド映画みたいな話ばかりではつまらない。
江戸歌舞伎がハリウッド映画なら、上方歌舞伎はフランス映画っぽいかな、なんてことを考えた。

お目見得 口上

一言一句、この通りに話していたわけではありません。 今回は箇条書きで短いです。

愛之助丈
・お練りで「お帰り」と言ってもらえるのが嬉しい。
・『帯屋』は上方歌舞伎にとって大事なお芝居で、今回は我當の伯父に手取り足取り教えていただいた。
・男女蔵兄さん… オメッティさんが皿そばを67皿(69皿だったかも)食べたと話していた。

男女蔵丈
・2回目のお目見えです。
・お練りで「オメちゃん」「オメッティ」と声をかけていただけてうれしい。
・何か歌っていたけど、元ネタがわからなかった。

吉弥丈
・「この中で最年長ですが、愛之助さんの妻の役に見えましたでしょうか?」(場内拍手)→「拍手が少ないようです」(場内さらに拍手)
・こけら落としの年に、○○(←名前失念)というスーパーで買い物をしていたら、お練りの時に「この人、○○で買い物をしていた人だ」と言われた。
・それから、「買い物が必要なら、代わりに買ってきてあげる」と言われた。

壱太郎丈
・『帯屋』は坂田藤十郎の祖父に習った。
・コーちゃんのぬいぐるみを取り出し、ゲンさん、オーちゃん、そば丸(出石のマスコットキャラ)のグッズを紹介。

全体的に短く感じたのは、今まで千穐楽(夜の部がないから、多少時間オーバーしても大丈夫)の観劇で、トークが延びていたせいかな。

神の鳥(こうのとり)

浅黄幕が落ちると、籠の中にコウノトリが入れられていて、青い隈取をした赤松満祐(男女蔵丈)、傾城柏木(吉弥丈)、超ロングなもみあげを三つ編みにしている仁木入道(千次郎丈)とお侍たちが並んでいる。
満祐はコウノトリを食べようとしているらしい。神官(當十郎丈)が止めに入っても、追い払ってしまう。
そこへ狂言師夫婦(愛之助丈&壱太郎丈)がやってきて、踊りを披露する。
柏木も加わって、とても華やか。今回、吉弥丈は綺麗なお役ばかり。

実はその狂言師夫婦はコウノトリで、囚われのわが子を助けにきたのだ。(途中で衣装がぶっ返る。)
籠が落ち、仲から子供のコウノトリ(吉太朗丈)が出てきて、3人で逃げようとするが捕まってしまう。この時の立ち回りで、愛之助丈が引っ込んで、替え玉が出てくる。替え玉は前を向かないのですぐわかる。
コウノトリの親子が斬られそうになったところへ、遠くから「待て」と声がする。

仁木入道とお侍が「片岡愛之助の声にそっくりだ」「愛ちゃんだ! 愛ちゃんだ!」と騒ぐ中、山中鹿之介幸盛(愛之助丈)が花道から登場。(ここは「ラブリンだ!」の方が受けたかも…?)
鹿之介は『蜘蛛絲梓弦』の平井保昌のような拵えをしている。

柏木「鹿さん。あんまりお前の出が遅いので、心配したぞぇ」(台詞うろ覚え)
鹿之介「楽屋で皿そば食っていたのじゃ」

鹿之介は侍たちを蹴散らし、客席の「こっち向いて!」の声に応えてそちらを見たりしながら、気持ちよさそうに花道を去っていく。『帯屋』で辛抱していた分を発散できてる感じ。
カーテンコールはなかった。(千穐楽にはあるのかな?)

去年の演目は、愛之助丈の台詞と出番が少なくて物足りなかったが、今年は良かった。
最後、明るい気持ちで劇場を後にできるのもいい。
来年も永楽館歌舞伎を見に来ることを楽しみにしている。(←すでに来年もやるもんだと決めつけている。中貝市長、よろしくお願いします。)


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おまけ

永楽館周辺のお蕎麦屋さんには愛之助丈のサインが飾られているので、あちこち行ってみるのも楽しいかも。


↑「山下」さんの皿そば
写真撮り忘れたけど、「花水木」さんの皿そばも食べた。


↑「官兵衛」さんのそばぜんざい
ここもお蕎麦屋さんだけど、お蕎麦を食べる時間じゃなかったので、甘味にした。


↑「湖月堂」さんのプリンとワッフル
お蕎麦(麺)も売ってる。和菓子も美味しい。


↑お土産に買ったもの
黒豆グラッセが好き。

食べ過ぎて太った。
永楽館周辺は美味しいものがいろいろあって困る…

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