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十二月大歌舞伎 歌舞伎座

2014年12月2日(火)~12月26日(金)

配役

昼の部(11:00開演)

一、源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)義賢最期

木曽先生義賢:六代目 片岡愛之助
下田折平 実は多田蔵人:五代目 坂東亀三郎
九郎助娘小万:四代目 中村梅枝
待宵姫:二代目 尾上右近
進野次郎:市川道行
矢走兵内:二代目 市川猿弥
葵御前:二代目 市川笑也
九郎助:十七代目 市村家橘

二、新作歌舞伎 幻武蔵(まぼろしむさし)

宮本武蔵:二代目 中村獅童
小刑部明神:二代目 尾上松也
千姫:六代目 中村児太郎
坂崎出羽守の霊:市川道行
宮本造酒之助:初代 中村萬太郎
淀君の霊:五代目 坂東玉三郎

三、二人椀久(ににんわんきゅう)

松山太夫:五代目 坂東玉三郎
椀屋久兵衛:十一代目 市川海老蔵

夜の部(16:30開演)

通し狂言 雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)
市川海老蔵五役相勤申し候

鳴神上人、粂寺弾正、早雲王子、安倍清行、不動明王:十一代目 市川海老蔵
文屋豊秀:六代目 片岡愛之助
小原万兵衛 実は石原瀬平:二代目 中村獅童
小野春道:初代 市川右近
白雲坊:五代目 坂東亀三郎
黒雲坊:初代 坂東亀寿
小野春風:二代目 尾上松也
秦秀太郎:二代目 尾上右近
錦の前:六代目 中村児太郎
八剣数馬、こんがら童子:市川道行
腰元巻絹:三代目 市川笑三郎
八剣玄蕃、せいたか童子:六代目 片岡市蔵
関白基経:八代目 市川門之助
秦民部:三代目 市川右之助
雲の絶間姫:五代目 坂東玉三郎


データ

舞台写真

愛之助丈は、
「義賢最期」木曽先生義賢が19種類(亀三郎丈の多田蔵人との2ショット、梅枝丈の小万との2ショット、猿弥丈の矢走兵内との2ショット含む)
「雷神不動北山櫻」文屋豊秀が7種類

料金

1等席:18,000円
2等席:14,000円
3階A席:6,000円
3階B席:4,000円
1階桟敷席:20,000円

筋書:1,300円
舞台写真は翌日から入るとのことだったので、今回は筋書を買っていない。

雑誌

『演劇界』2015年2月号

愛之助丈関連
6ページ:システィーナ歌舞伎のチラシ(カラー)
46ページ:舞台写真「義賢最期」木曽先生義賢(カラーグラビア)
52ページ:舞台写真「彦山権現誓助剱」毛谷村六助(カラーグラビア)
67ページ:舞台写真「義賢最期」木曽先生義賢(モノクロ 6枚)
71~73ページ:舞台写真「雷神不動北山櫻」文屋豊秀(モノクロ 5枚)
78~79ページ:舞台写真「彦山権現誓助剱」毛谷村六助(モノクロ 9枚)
79ページ:舞台写真「団子売」杵造(モノクロ 4枚)
87~89ページ:十二月大歌舞伎(歌舞伎座)の劇評
92ページ:松竹大歌舞伎(巡業)の劇評
94~103ページ:「二〇一四年歌舞伎総ざらい!」の記事の中に名前が出てくる
・100ページ:舞台写真「GOEMON」石川五右衛門(モノクロ 1枚)
・102ページ:舞台写真「満月阿波噺」福江五郎(モノクロ 1枚)
123ページ中段:システィーナ歌舞伎の紹介(1/4ページ)
・記者会見の写真あり(モノクロ 1枚)
演劇界 2015年 02 月号 [雑誌]

感想

昼の部


20日に前方花道側で観劇。

義賢最期

歌舞伎の中で一番好きな演目。
演じる側も大変だろうけど、見ている側も緊張するのでかなり消耗する。

小万の梅枝丈は若いのに上手で、どっしり感があるなぁ。今まで似てると思ったことはないが、一瞬「あ、時蔵丈に似てる!」と思うところがあった。
待宵姫(尾上右近丈)は可愛かったし、葵御前(笑也丈)も可愛かった。
多田蔵人(亀三郎丈)、矢走兵内(猿弥丈)、九郎助(家橘丈)は安心して見ていられる感じ。

進野次郎に道行丈(←丈、と呼ぶのすら抵抗を感じるようになってしまった)と聞いた時は、「え? そんなキャスティングして大丈夫…?(義理的な意味で)」と少し心配になった。
9月の復帰舞台を見た人が「下手になった」と言っていたが、特にそれは感じなかった。
ただ、「来月に九團次襲名とネットニュースで見たけど、上方の鴈治郎襲名と同じ月にやっちゃうのかー」とか、芝居外の残念なことがいろいろと頭に浮かぶので、なるべく考えないようにしながら舞台を見た。

義賢(愛之助丈)については今までいろいろ書いているので、今回はあえて書かない。(同じことの繰り返しになるしね。)
仏倒れで幕が閉まった後、客席の「すごかったね」「よかったね」というざわめきが、幕内の愛之助丈まで届いているといいな、と思う。

幻武蔵

舞台も客席も薄暗い中で繰り広げられる台詞劇(と思う)。
千姫(児太郎丈)が、淀君の霊(玉三郎丈)、坂崎出羽守の霊(道行丈)、秀頼の霊(弘太郎)などの物の怪になやまされており、宮本武蔵(獅童丈)は物の怪退治を頼まれる。
物の怪を作り出していたのは小刑部明神(松也丈)で、武蔵は自分自身の幻に悩まされながらも、それらを斬り捨てる。そして、小刑部明神は実は富姫だということがわかる。
獅童丈は「あれ? こんな声だっけ?」と思ったけど、抑えた感じの演技がよかった。
小刑部明神の松也丈が堂々としていてインパクトがあった。
物語としては悪くなかったが、歌舞伎座で見たいお芝居かっていうと、ちょっと違うかな。松竹座や新橋演舞場向きのお芝居だと思う。

二人椀久

数年歌舞伎を見ているが。踊りはさっぱりわからないので(←あまりわかろうとも思ってないが)、椀屋久兵衛(海老蔵丈)と松山太夫(玉三郎丈)の美男美女が繰り広げる踊りをただぼーっと見てただけ。

夜の部


20日に前方上手側で観劇。

通し狂言 雷神不動北山櫻

冒頭、『仮名手本忠臣蔵』みたいに、人形による役者紹介がある。
幕が開くと、登場人物が目を閉じて座っているところも同じ。
「市川海老蔵五役相勤申し候」とあったけど、安倍清行以外はあまり変わり映えがしない。
というか、海老様1人でも濃ゆいのに、5人もいたらおなかいっぱい。
『鳴神』から『毛抜』とつなぐ物語がどうなっているかわかったのはよかったかな。

五役の中で一番よかったのは、鳴神上人。
破戒前の威厳のある感じ、ぶっ返った後の迫力はさすがだった。
雲の絶間姫(玉三郎丈)は美しく色っぽくて、こちらもさすが。
今まで見た『鳴神』では、小さな竜が滝から上っていったが、今回は大きくて立派な竜が数匹上っていった。

いまいちだったのは、粂寺弾正。
姿はいいけど愛嬌に欠けるし、台詞が声を張り上げる一本調子で、聞いていてちょっと疲れた。
石原瀬平(獅童丈)は閻魔大王への紹介状を渡されてから、声がひっくり返るのが残念。
巻絹(笑三郎丈)素敵だったが、出番が少なくて勿体ない。

文屋豊秀(愛之助丈)は白塗りの貴公子で、合間合間にちょこちょこ登場する。
最後に少し立ち回りがあったけど、特に見せ場はない。「うん、まぁ、いつもの愛之助丈だよね」という感じ。客席を歩くサービスがあったのはよかった。
関白基経(門之助丈)、小野春道(市川右近丈)も白塗りの貴公子だが、出番少なかったなぁ。

早雲王子(海老蔵丈)の最期は立ち回りもすごかったが、大太鼓がすごかった!
大詰では不動明王(海老蔵丈)の横にこんがら童子(道行丈)が立っている。海老蔵丈ブログの「神様」を思い出して、「ブフォ!」と噴出しそうになったが、耐えた。
最後は不動明王が宙に浮いて幕。

予想通りの“海老様ショー”だった。


おまけ


↑昼の部の幕間は、東京駅で買った駅弁(北海たらば蟹弁当)を食べた。


↑夜の部の幕間は、場内で買ったカツサンドを食べた。


↑めで鯛焼き。


↑スパークリングワイン。


↑東京駅で、「ねんりん家」のマウントバウムをお土産に購入。